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公開番号2025133572
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-11
出願番号2024031602
出願日2024-03-01
発明の名称半導体装置の駆動回路および電力変換装置
出願人ミネベアパワーデバイス株式会社
代理人弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類H02M 1/08 20060101AFI20250904BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】半導体スイッチング素子のスイッチング損失を増大することなく破壊耐量を向上させて、低損失性能Eoffと高破壊耐量性能RBSOAを両立する。
【解決手段】半導体装置の駆動回路100は、ターンオフ時に、指令論理部110が駆動電圧より低いオフ電圧の指令を出した第1期間(Tdraw)後に、ゲート駆動装置120電圧をオフ電圧よりも大きい中間電圧(Vint_com)に第2期間(Tint)だけ上昇保持させるとともに、素子のゲート電圧(Vg)をオフ電圧よりも大きく閾値電圧(Vth)より小さい電圧(Vint)に一時的に上昇保持させ、第1期間(Tdraw)の終わりのタイミングが、ミラー期間の開始より遅く、かつ、ミラー期間の終わりより早く、第2期間(Tint)の終わりのタイミングが、素子がサージ電圧(Vsurge)を迎えるタイミングよりも遅いことを特徴とする。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
半導体スイッチング素子の駆動指令信号を指令する指令論理部と、前記指令論理部からの駆動指令信号に基づいて、前記半導体スイッチング素子のゲートを駆動するゲート駆動装置と、を備える半導体装置の駆動回路であって、
前記ゲート駆動装置は、
前記半導体スイッチング素子のターンオフ時に、前記指令論理部が駆動電圧より低いオフ電圧の指令を出した第1期間(Tdraw)後に、前記ゲート駆動装置の電圧をオフ電圧よりも大きい中間電圧(Vint_com)に第2期間(Tint)だけ上昇保持させるとともに、
前記半導体スイッチング素子のゲート電圧(Vg)を前記オフ電圧よりも大きく閾値電圧(Vth)より小さい電圧(Vint)に一時的に上昇保持させ、
前記第1期間(Tdraw)の終わりのタイミングが、ミラー期間の開始より遅く、かつ、前記ミラー期間の終わりより早く、
前記第2期間(Tint)の終わりのタイミングが、前記半導体スイッチング素子がサージ電圧(Vsurge)を迎えるタイミングよりも遅い
ことを特徴とする半導体装置の駆動回路。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
前記ゲート駆動装置は、前記半導体スイッチング素子のターンオフ動作中に、前記ゲート電圧(Vg)を、次式に示す中間電圧(Vint_com)に制御する
TIFF
2025133572000004.tif
18
160
Vint_com:ゲート駆動装置の設計電圧
Vaux:補助電源電圧
Vm:負側電源電圧
Rgoff:負側電源と半導体スイッチング素子との間のゲート抵抗
Rgaux:補助電源と半導体スイッチング素子との間のゲート抵抗
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の駆動回路。
【請求項3】
前記半導体スイッチング素子は、IGBTを備えており、前記IGBTの耐圧および遮断電流(Ic)に応じて第2期間(Tint)の長さを可変化する
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の駆動回路。
【請求項4】
前記ゲート駆動装置は、
過電流を検知した場合、前記半導体スイッチング素子のターンオフ時に、前記指令論理部が駆動電圧より低いオフ電圧の指令を出した第1期間(Tdraw)後に、前記ゲート駆動装置の電圧をオフ電圧よりも大きい中間電圧(Vint_com)に第2期間(Tint)だけ上昇保持させるとともに、
前記半導体スイッチング素子のゲート電圧(Vg)を前記オフ電圧よりも大きく閾値電圧(Vth)より小さい電圧(Vint)に一時的に上昇保持させ、
前記第1期間(Tdraw)の終わりのタイミングが、ミラー期間の開始より遅く、かつ、前記ミラー期間の終わりより早く、
前記第2期間(Tint)の終わりのタイミングが、前記半導体スイッチング素子がサージ電圧(Vsurge)を迎えるタイミングよりも遅い
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の駆動回路。
【請求項5】
前記ゲート駆動装置は、
過電流を検知した場合、オフ側ゲート抵抗の抵抗値(Rgoff)を増加する
ことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の駆動回路。
【請求項6】
前記ゲート駆動装置は、
過電流を検知した場合、ゲート電圧を多段階に切り替えてオフする
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の駆動回路。
【請求項7】
前記ゲート駆動装置は、
過電流を検知した場合、コレクタ-エミッタ電圧Vce の変曲点を、dV/dtが所定値を下回ることで検知する
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の駆動回路。
【請求項8】
2つのゲートを有するデュアルゲートIGBTを駆動制御するゲート駆動装置を備える半導体装置の駆動回路であって、
前記ゲート駆動装置は、
第2ゲート(Gs)のオフに先行して第1ゲート(Gc)をオフする準備期間(Tpre_off)を有し、前記第1ゲートが先行してオフした一定期間後(Tdraw)に、前記第1ゲートのゲート電圧をオフ電圧よりも大きい中間電圧(Vint_com)に一定期間(Tint)だけ上昇保持させるとともに、
IGBTの第1ゲート電圧(Vgc)をオフ電圧よりも大きく閾値電圧(Vth)より小さい電圧(Vint)に一時的に上昇保持させ、当該一時的に上昇保持した一定期間(Tdraw)の長さが準備期間(Tpre_off)よりも短い
ことを特徴とする半導体装置の駆動回路。
【請求項9】
半導体スイッチング素子の駆動指令信号を指令する指令論理部を備え、
前記ゲート駆動装置は、
前記半導体スイッチング素子のターンオフ時に、前記指令論理部が駆動電圧より低いオフ電圧の指令を出した第1期間(Tdraw)後に、前記ゲート駆動装置の電圧をオフ電圧よりも大きい中間電圧(Vint_com)に第2期間(Tint)だけ上昇保持させるとともに、
前記半導体スイッチング素子の第2ゲート電圧(Vgs)を前記オフ電圧よりも大きく閾値電圧(Vth)より小さい電圧(Vint)に一時的に上昇保持させ、前記第1期間(Tdraw)の終わりのタイミングが、ミラー期間の開始より遅く、かつ、前記ミラー期間の終わりより早く、前記第2期間(Tint)の終わりのタイミングが、前記半導体スイッチング素子がサージ電圧(Vsurge)を迎えるタイミングよりも遅い
ゲート駆動を動作させる
ことを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の駆動回路。
【請求項10】
請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の半導体装置の駆動回路を有することを特徴とする電力変換装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の駆動回路および電力変換装置に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
脱炭素社会の実現に向けた世界的な潮流により、電気自動車(EV)、電力グリッド、鉄道で堅調に市場が成長している。上記アプリケーションには、直流電源より供給された直流電力を基に交流電流を出力して、電動機を駆動する電力変換装置が用いられる。電力変換装置のキーコンポーネントとして、半導体スイッチング素子とそれを駆動するゲート駆動回路がある。
半導体スイッチング素子の一つであるIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)には、高電流密度化とともに、自身に流れる大きな電流を素子が破壊することなく遮断できる高い耐量が要求される。IGBTの高電流密度化に伴い、IGBTがターンオフする際の耐量が低下することが問題となっている。
【0003】
この問題に対し、IGBT自身の高破壊耐量化に加え、IGBTを駆動するゲート駆動方式やゲート回路による高破壊耐量化の手法が存在する。例えば、特許文献1、2、および3に示すような、ターンオフ時にゲートの電圧や電流を制御することでソフトな遮断を実行する手法が存在する。
【0004】
特許文献1は、半導体素子のターンオフ時にゲート電圧を再度閾値電圧以上に持ち上げることで素子の振動を防止する方法について記載している。
【0005】
特許文献2は、半導体素子のターンオフ時にゲート電流を適切に制御することでサージ電圧を抑制する方法について記載している。
【0006】
特許文献3は、半導体素子のターンオフ時にゲート電流を適切に制御することでサージ電圧を抑制する方法について記載している。
【0007】
IGBTにおける遮断耐量向上と損失低減について説明する。
図13は、サイドゲート型IGBTの断面図である。
サイドゲート型IGBT10は、コレクタ電極11、p型コレクタ層12、n-ドリフト層13、pベース層14、n+エミッタ層15、ゲート電極16、ゲート酸化膜(層間絶縁膜)17、エミッタ電極18、およびゲート電極端子19を備える。
サイドゲート型IGBT10は、エミッタ電極18の両側にゲート電極16を設けた構造をしている。
【0008】
図14は、図13に示すサイドゲート型IGBT10(以下、IGBT10という)のゲートが負の時のターンオフにおける効果を示す図である。
図14において、IGBT10がオンしているとき、ゲート電極16には閾値電圧(Vth)以上のゲート電圧(Vg)が印加されており、ターンオフの際にはゲート電圧(Vg)を閾値電圧(Vth)以下にすることでIGBT10はターンオフする。
この時、Vgを負にバイアスすることでキャリアの引き抜きスピードが向上し、ターンオフ損失(Eoff)が低減するだけでなく、ノイズ等によるIGBT再オンに対する冗長性が確保される。
【0009】
しかしながら、ターンオフを高速化するためにゲート抵抗(Rg)を小さくし、Vgが負にバイアスされるスピードを速くすると、デバイス内部に蓄積されたホール(蓄積ホール20)が排出されるよりも早くVgが負にバイアスされてしまう。
ゲートが負バイアスされると、図14に示すように、ゲート電極16の下にホールの蓄積層21(図14のハッチング参照)が形成される。この状態でホールが排出されると、IGBT10を流れる電流はこのホール蓄積層21の形成される領域へと集中するため、当該領域の電界強度と電流密度が高まり、ダイナミックアバランシェを誘起する(図14の符号a参照)。ダイナミックアバランシェが誘起すると、生成したアバランシェ電流によってn+エミッタ層15下のpベース層14を流れる電流(図14の矢印b参照)が増加して、寄生npnトランジスタ22(図14の破線囲み参照)を動作させる。これにより、IGBT10がラッチアップ破壊する。すなわち、IGBT破壊耐量が低下する。まとめると、下記である。
【0010】
アバランシェ電流がn+エミッタ層15下のpベース層14を流れる際の電圧降下で決まるA点の電位)>(pベース-n+エミッタからなるpn接合の内蔵電位)になると寄生npnトランジスタ22がオンする。
(【0011】以降は省略されています)

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