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公開番号
2025127870
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-02
出願番号
2024024849
出願日
2024-02-21
発明の名称
α-Fe相含有希土類-鉄-窒素系磁性粉体、その製造方法、α-Fe相含有希土類-鉄-窒素系磁性粉体の製造方法
出願人
日亜化学工業株式会社
,
国立研究開発法人産業技術総合研究所
代理人
弁理士法人WisePlus
主分類
H01F
1/147 20060101AFI20250826BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】高周波を作用させても高い透磁率と、鉄損が低く優れた効率を併せ持つ高周波特性に優れた磁性粉体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】コア領域と、前記コア領域の外側に存在するα-Fe相含有領域と、を有するα-Fe相含有希土類-鉄-窒素系磁性粉体であって、前記コア領域が下記式1で表される潜晶質構造を有する。
1:R
x
X
(100-x-y-z)
M
y
N
z
・・・式1
式1中、Rは希土類元素であり、Xは少なくともFeを含み、MはTi、V、Mo、Nb、W、Si、Al、MnおよびCrからなる群から選択される少なくとも1種であり、Nは窒素原子であり、x、y、zはそれぞれ、原子%で、2≦x≦15、0.5≦y≦25、3≦z≦50である)
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
コア領域と、前記コア領域の外側に存在するα-Fe相含有領域とを有するα-Fe相含有希土類-鉄-窒素系磁性粉体であって、
前記コア領域が下記式1:
R
x
X
(100-x-y-z)
M
y
N
z
(式1)
(式1中、
Rは希土類元素であり、
XはFe、CoおよびNiからなる群から選択される少なくとも1種であり、少なくともFeを含み、
MはTi、V、Mo、Nb、W、Si、Al、Mn、およびCrからなる群から選択される少なくとも1種であり、
Nは窒素原子であり、
x、y、zはそれぞれ、原子%で、2≦x≦15、0.5≦y≦25、3≦z≦50である)
で表される、潜晶質構造を有する希土類-鉄-窒素系磁性粉体であり、
前記α-Fe相含有領域が、α-Fe相、ならびに、前記RもしくはMの少なくともどちらかを含む酸化物、窒化物、および酸窒化物からなる群から選択される少なくとも1種を含む、
α-Fe相含有希土類-鉄-窒素系磁性粉体。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
前記RがY、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、およびLuからなる群から選択される少なくとも1種である、
請求項1に記載のα-Fe相含有希土類-鉄-窒素系磁性粉体。
【請求項3】
前記RがCe、Pr、Nd、およびSmからなる群から選択される少なくとも1種である、
請求項1または2に記載のα-Fe相含有希土類-鉄-窒素系磁性粉体。
【請求項4】
前記式1中のR成分全体に対してSmが50原子%超である、
請求項1または2に記載のα-Fe相含有希土類-鉄-窒素系磁性粉体。
【請求項5】
X成分全体に対してCoおよびNiの合計量が50原子%以下である、
請求項1または2に記載のα-Fe相含有希土類-鉄-窒素系磁性粉体。
【請求項6】
前記α-Fe相含有領域は、
前記RもしくはMの少なくともどちらかを含む酸化物、窒化物、および酸窒化物からなる群から選択される少なくとも1種からなる化合物、ならびに
α-Fe相からなるナノ結晶を含む、
請求項1または2に記載のα-Fe相含有希土類-鉄-窒素系磁性粉体。
【請求項7】
前記α-Fe相含有領域の厚みが、前記コア領域の平均粒径の0.001%以上50%未満である、
請求項1または2に記載のα-Fe相含有希土類-鉄-窒素系磁性粉体。
【請求項8】
前記α-Fe相含有領域の厚みが、2nm以上80μm以下である、
請求項1または2に記載のα-Fe相含有希土類-鉄-窒素系磁性粉体。
【請求項9】
α-Fe相含有領域の外側にリン化合物被覆部を有する、
請求項1または2に記載のα-Fe相含有希土類-鉄-窒素系磁性粉体。
【請求項10】
下記式2:
R
x
X
(100-x-y)
M
y
(式2)
(式2中、
Rは希土類元素であり、
XはFe、Co、およびNiからなる群から選択される少なくとも1種であり、少なくともFeを含み、
MはTi、V、Mo、Nb、W、Si、Al、Mn、およびCrからなる群から選択される少なくとも1種であり、
x、yはそれぞれ、原子%で、2.06≦x≦30、0.515≦y≦50である)
で表される希土類-鉄系磁性粉体を、アンモニアガス中で熱処理して希土類-鉄-窒素化合物を得る工程、および、
前記希土類-鉄-窒素化合物を不活性ガス、水素ガス、および窒素ガスからなる群から選択される少なくとも1種を含む雰囲気中で熱処理する工程
を含む、α-Fe相含有希土類-鉄-窒素系磁性粉体の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、α-Fe相含有希土類-鉄-窒素系磁性粉体、その製造方法、α-Fe相含有希土類-鉄-窒素系磁性粉体の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、機器の小型多機能化や演算処理速度の高速化に伴って、駆動周波数の高周波化が進展しており、高周波や超高周波を利用した機器の普及は拡大の一途を辿っている。特に、注目されるのは、1MHz以上1GHz未満までの高周波数領域で利用されるパワーデバイスの進展である。例えば、GaN電子デバイスは高周波・高出力の無線用やパワーエレクトロニクス用デバイスとして今後大きく市場が伸長すると予測されている。パワーエレクトロニクス用GaN回路の高周波化にはGaNデバイスのみならず、併せて受動部品の高周波化が必要になる。例えば、GaN非接触給電では扱う周波数が10MHzを超えてくるため、高周波に追従できる磁芯材料を用いたコイルが必要である。しかし、現状では高周波特性に優れた磁芯材料が無いために、空芯コイルを使用せざるを得ず、GaNを適用し高周波化してデバイスを小型化することができても、全体の回路サイズが増大するという問題がある。これまでの高周波用磁性材料の一例としては、粉体表面にフェライト系磁性材料を被覆した希土類-鉄-窒素系磁性材料が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開2008/136391号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示されている材料は、上記の1MHz以上1THz以下までの領域での磁場増幅材料に適用するには効率が十分ではなく、特に10MHz以上1GHz未満の領域での高効率磁場増幅材料としたとき、効率が十分ではなかった。
【0005】
本開示は、高周波を作用させても高い透磁率と、鉄損が低く優れた効率を併せ持つ高周波特性に優れた磁性粉体、およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様にかかるα-Fe相含有希土類-鉄-窒素系磁性粉体は、コア領域と、前記コア領域の外側に存在するα-Fe相含有領域とを有するα-Fe相含有希土類-鉄-窒素系磁性粉体であって、
前記コア領域が下記式1:
R
x
X
(100-x-y-z)
M
y
N
z
(式1)
(式1中、
Rは希土類元素であり、
XはFe、CoおよびNiからなる群から選択される少なくとも1種であり、少なくともFeを含み、
MはTi、V、Mo、Nb、W、Si、Al、Mn、およびCrからなる群から選択される少なくとも1種であり、
Nは窒素原子であり、
x、y、zはそれぞれ、原子%で、2≦x≦15、0.5≦y≦25、3≦z≦50である)
で表される、潜晶質構造を有する希土類-鉄-窒素系磁性粉体であり、
前記α-Fe相含有領域が、α-Fe相、ならびに、前記RもしくはMの少なくともいずれかを含む酸化物、窒化物、および酸窒化物からなる群から選択される少なくとも1種を含む。
【0007】
また、本開示の一態様にかかるα-Fe相含有希土類-鉄-窒素系磁性粉体の製造方法は、下記式2:
R
x
X
(100-x-y)
M
y
(式2)
(式2中、
Rは希土類元素であり、
XはFe、Co、およびNiからなる群から選択される少なくとも1種であり、少なくともFeを含み、
MはTi、V、Mo、Nb、W、Si、Al、Mn、およびCrからなる群から選択される少なくとも1種であり、
x、yはそれぞれ、原子%で、2.06≦x≦30、0.515≦y≦50である)
で表される希土類-鉄系磁性粉体を、アンモニアガス中で熱処理して希土類-鉄-窒素化合物を得る工程、および、
前記希土類-鉄-窒素化合物を不活性ガス、水素ガス、および窒素ガスからなる群から選択される少なくとも1種を含む雰囲気中で熱処理する工程
を含む。
【0008】
また、本開示の一態様にかかるα-Fe相含有希土類-鉄-窒素系磁性粉体の製造方法は、希土類-鉄-窒素系磁性粉体、水、およびリン含有物を含むスラリーに対して無機酸を添加して、リン化合物被覆部を有する希土類-鉄-窒素系磁性粉体を得るリン処理工程、ならびに
前記リン化合物被覆部を有する希土類-鉄-窒素系磁性粉体を、酸素含有雰囲気下で300℃以上600℃以下で熱処理する酸化工程
を含み、
前記希土類-鉄-窒素系磁性粉体が、コア領域と、前記コア領域の外側に存在するα-Fe相含有領域とを有し、
前記コア領域が下記式3:
R
x
X
(100-x-y-z)
M
y
N
z
(式3)
(式3中、
Rは希土類元素であり、
XはFe、Co、およびNiからなる群から選択される少なくとも1種であり、少なくともFeを含み、
MはTi、V、Mo、Nb、W、Si、Al、Mn、およびCrからなる群から選択される少なくとも1種であり、
Nは窒素原子であり、
x、y、zはそれぞれ、原子%で、2≦x≦15、0.5≦y≦25、3≦z≦50である)
で表される、潜晶質構造を有する希土類-鉄-窒素系磁性粉体であり、
前記α-Fe相含有領域が、α-Fe相、ならびに、前記RもしくはMの少なくともどちらかを含む酸化物、窒化物、および酸窒化物からなる群から選択される少なくとも1種を含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、高周波を作用させても高い透磁率と、鉄損が低く優れた効率を併せ持つ高周波特性に優れた磁性粉体、およびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施例1、比較例1~2の磁性粉体のXRDパターン(Co-Kα)を示す。
実施例1の磁性粉体断面の表面付近のSTEM-EDS像を示す。
実施例1の磁性粉体断面のα-Fe相含有領域付近のSTEM-EDS像を示す。
実施例1の磁性粉体断面の表面付近のSTEM-EDSラインプロファイルを示す。
実施例1の磁性粉体のα-Fe相含有領域のTEM-ED像を示す。
実施例1の磁性粉体のコア領域のTEM-ED像を示す。
実施例1の磁性粉体のコア領域のTEM像を示す。
実施例2~3および比較例3~4のXRDパターンを示す。
実施例3の磁性粉体断面の表面付近のSTEM-EDSマッピング像を示す。
実施例3の磁性粉体断面のα-Fe相含有領域付近のSTEM-EDS像を示す。
実施例3の磁性粉体断面の表面付近のSTEM-EDSラインプロファイルを示す。
実施例3の磁性粉体のα-Fe相含有領域のTEM-ED像を示す。
実施例3の磁性粉体のコア領域のTEM-ED像を示す。
実施例3の磁性粉体のコア領域のTEM像を示す。
実施例1、比較例1~2で作製した磁性粉体を用いた磁性材料の、複素比透磁率の周波数依存性を示す。
実施例2~3、比較例3~4で作製した磁性粉体を用いた磁性材料の、複素比透磁率の周波数依存性を示す。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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