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公開番号2025125036
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-27
出願番号2024020869
出願日2024-02-15
発明の名称積層ホログラム素子の製造方法
出願人日東電工株式会社
代理人弁理士法人まこと国際特許事務所
主分類G02B 5/32 20060101AFI20250820BHJP(光学)
要約【課題】RGB各色のホログラム層が精度良く位置合わせされた積層ホログラム素子を製造可能な方法を提供する。
【解決手段】本発明で製造される積層ホログラム素子100は、感光材料10に互いに異なる2方向(α方向、β方向)から、RGB各色の光を照射することで生成された赤色ホログラム層20、緑色ホログラム層30及び青色ホログラム層40が積層された構成である。本発明では、各ホログラム層に対して、α方向近傍から赤色の第1照明光、緑色の第2照明光及び青色の第3照明光をそれぞれ照射し、β方向から各ホログラム層を撮像することで第1~第3撮像画像を取得する。第1~第3撮像画像をそれぞれ画像処理することで、各ホログラム層についての角部等の座標を検出する。各色のホログラム層の少なくとも2箇所の角部等の座標がそれぞれ合致するように、各ホログラム層の位置を調整し、位置調整後の各ホログラム層を貼り合わせる。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
感光材料に互いに異なる2方向から赤色波長の光を照射することで生成されたホログラム層である赤色ホログラム層と、感光材料に前記2方向から緑色波長の光を照射することで生成されたホログラム層である緑色ホログラム層と、感光材料に前記2方向から青色波長の光を照射することで生成されたホログラム層である青色ホログラム層と、を積層することで、積層ホログラム素子を製造する方法であって、
前記赤色ホログラム層と、前記緑色ホログラム層と、前記青色ホログラム層とは、同一の寸法を有する矩形であり、
前記赤色ホログラム層に対して、前記2方向のうちの一方の方向近傍から赤色波長を含む波長の第1照明光を照射し、前記2方向のうちの他方の方向から前記赤色ホログラム層を撮像することで第1撮像画像を取得し、前記緑色ホログラム層に対して、前記一方の方向近傍から緑色波長を含む波長の第2照明光を照射し、前記他方の方向から前記緑色ホログラム層を撮像することで第2撮像画像を取得し、前記青色ホログラム層に対して、前記一方の方向近傍から青色波長を含む波長の第3照明光を照射し、前記他方の方向から前記青色ホログラム層を撮像することで第3撮像画像を取得する撮像画像取得工程と、
前記第1撮像画像、前記第2撮像画像及び前記第3撮像画像をそれぞれ画像処理することで、前記赤色ホログラム層、前記緑色ホログラム層及び前記青色ホログラム層のそれぞれについての角部又は辺の一部の座標を検出する座標検出工程と、
前記赤色ホログラム層、前記緑色ホログラム層及び前記青色ホログラム層の少なくとも2箇所の前記角部の座標がそれぞれ合致するように、又は、前記赤色ホログラム層、前記緑色ホログラム層及び前記青色ホログラム層の互いに直交する少なくとも2箇所の前記辺の一部の座標がそれぞれ合致するように、又は、前記赤色ホログラム層、前記緑色ホログラム層及び前記青色ホログラム層の少なくとも1箇所の前記角部の座標及び少なくとも1箇所の前記辺の一部の座標がそれぞれ合致するように、前記赤色ホログラム層、前記緑色ホログラム層及び前記青色ホログラム層の位置を調整する位置調整工程と、
位置調整後の前記赤色ホログラム層、前記緑色ホログラム層及び前記青色ホログラム層を貼り合わせる貼り合わせ工程と、
を有する積層ホログラム素子の製造方法。
続きを表示(約 720 文字)【請求項2】
前記積層ホログラム素子は、第1基板及び前記第1基板上に設けられた前記赤色ホログラム層を有する赤色ホログラム基板と、第2基板及び前記第2基板上に設けられた前記緑色ホログラム層を有する緑色ホログラム基板と、第3基板及び前記第3基板上に設けられた前記青色ホログラム層を有する青色ホログラム基板と、が積層されることで製造され、
前記撮像画像取得工程において、前記赤色ホログラム基板に対して前記第1照明光を照射して前記第1撮像画像を所得し、前記緑色ホログラム基板に対して前記第2照明光を照射して前記第2撮像画像を所得し、前記青色ホログラム基板に対して前記第3照明光を照射して前記第3撮像画像を所得し、
前記位置調整工程において、前記赤色ホログラム基板、前記緑色ホログラム基板及び前記青色ホログラム基板の位置を調整し、
前記貼り合わせ工程において、位置調整後の前記赤色ホログラム基板、前記緑色ホログラム基板及び前記青色ホログラム基板を貼り合わせる、
請求項1に記載の積層ホログラム素子の製造方法。
【請求項3】
前記赤色ホログラム層、前記緑色ホログラム層及び前記青色ホログラム層が、体積ホログラム層である、
請求項1又は2に記載の積層ホログラム素子の製造方法。
【請求項4】
前記積層ホログラム素子が、ARデバイス用の導光板として用いられる、
請求項1又は2に記載の積層ホログラム素子の製造方法。
【請求項5】
前記第1基板、前記第2基板及び前記第3基板が、ガラス又は樹脂である、
請求項1又は2に記載の積層ホログラム素子の製造方法

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、赤色ホログラム層、緑色ホログラム層及び青色ホログラム層を積層することで、積層ホログラム素子を製造する方法に関する。特に、本発明は、赤色ホログラム層、緑色ホログラム層及び青色ホログラム層が精度良く位置合わせされた積層ホログラム素子を製造可能な方法に関する。
続きを表示(約 4,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、赤色ホログラム層、緑色ホログラム層及び青色ホログラム層を積層することで、積層ホログラム素子を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
例えば、この積層ホログラム素子を導光板として用いる場合、各ホログラム層の位置がズレていると、赤色波長の光、緑色波長の光及び青色波長の光の各導光方向にズレが生じ、色の再現性が低下するといった問題が生じる。
【0003】
このため、特許文献1に記載の製造方法では、各ホログラム層に位置合わせ用のマークをホログラフィックに記録することが提案されている。しかしながら、この方法では、各ホログラム層にマークが残存するという問題が生じる。
また、特許文献2に記載の製造方法では、各ホログラム層の外部に位置合わせ用のアライメントマークを設けることが提案されている。しかしながら、この方法では、各ホログラム層自体にアライメントマークを設けるのではなく、その外部(ホログラム層が生成されていないフォトポリマーの部分)に設けて位置調整を行うため、各ホログラム層自体の位置調整を十分な精度で行うことができないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平11-272153号公報
特開2015-175967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、赤色ホログラム層、緑色ホログラム層及び青色ホログラム層が精度良く位置合わせされた積層ホログラム素子を製造可能な方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討を行った。
赤色ホログラム層は、フォトポリマー等の感光材料に互いに異なる2方向から赤色波長の光を照射することで生成されるが、赤色ホログラム層に対して、前記2方向のうちの一方の方向近傍から赤色波長を含む波長の第1照明光を照射し、前記2方向のうちの他方の方向から赤色ホログラム層を撮像すれば、赤色ホログラム層の外部(感光材料の赤色ホログラム層が生成されていない部分等)に対して、赤色ホログラム層を比較的高いコントラストで撮像できることを見出した。緑色ホログラム層及び青色ホログラム層についても同様である。
このため、各ホログラム層を上記のようにして撮像することで取得した各撮像画像を画像処理すれば、各ホログラム層の外縁の座標を精度良く検出可能である。各ホログラム層が同一の寸法を有する矩形である場合には、各ホログラム層のそれぞれについての角部又は辺の一部の座標を精度良く検出可能である。そして、各ホログラム層の少なくとも2箇所の角部の座標がそれぞれ合致するように、又は、各ホログラム層の互いに直交する少なくとも2箇所の辺の一部の座標がそれぞれ合致するように、又は、各ホログラム層の少なくとも1箇所の角部の座標及び少なくとも1箇所の辺の一部の座標がそれぞれ合致するように、各ホログラム層の位置を調整し、調整後の各ホログラム層を貼り合わせれば、各ホログラム層が精度良く位置合わせされた積層ホログラム素子を製造可能であることを見出した。
【0007】
本発明は、上記本発明者らの知見に基づき完成したものである。
すなわち、前記課題を解決するため、本発明は、感光材料に互いに異なる2方向から赤色波長の光を照射することで生成されたホログラム層である赤色ホログラム層と、感光材料に前記2方向から緑色波長の光を照射することで生成されたホログラム層である緑色ホログラム層と、感光材料に前記2方向から青色波長の光を照射することで生成されたホログラム層である青色ホログラム層と、を積層することで、積層ホログラム素子を製造する方法であって、前記赤色ホログラム層と、前記緑色ホログラム層と、前記青色ホログラム層とは、同一の寸法を有する矩形であり、前記赤色ホログラム層に対して、前記2方向のうちの一方の方向近傍から赤色波長を含む波長の第1照明光を照射し、前記2方向のうちの他方の方向から前記赤色ホログラム層を撮像することで第1撮像画像を取得し、前記緑色ホログラム層に対して、前記一方の方向近傍から緑色波長を含む波長の第2照明光を照射し、前記他方の方向から前記緑色ホログラム層を撮像することで第2撮像画像を取得し、前記青色ホログラム層に対して、前記一方の方向近傍から青色波長を含む波長の第3照明光を照射し、前記他方の方向から前記青色ホログラム層を撮像することで第3撮像画像を取得する撮像画像取得工程と、前記第1撮像画像、前記第2撮像画像及び前記第3撮像画像をそれぞれ画像処理することで、前記赤色ホログラム層、前記緑色ホログラム層及び前記青色ホログラム層のそれぞれについての角部又は辺の一部の座標を検出する座標検出工程と、前記赤色ホログラム層、前記緑色ホログラム層及び前記青色ホログラム層の少なくとも2箇所の前記角部の座標がそれぞれ合致するように、又は、前記赤色ホログラム層、前記緑色ホログラム層及び前記青色ホログラム層の互いに直交する少なくとも2箇所の前記辺の一部の座標がそれぞれ合致するように、又は、前記赤色ホログラム層、前記緑色ホログラム層及び前記青色ホログラム層の少なくとも1箇所の前記角部の座標及び少なくとも1箇所の前記辺の一部の座標がそれぞれ合致するように、前記赤色ホログラム層、前記緑色ホログラム層及び前記青色ホログラム層の位置を調整する位置調整工程と、位置調整後の前記赤色ホログラム層、前記緑色ホログラム層及び前記青色ホログラム層を貼り合わせる貼り合わせ工程と、を有する積層ホログラム素子の製造方法を提供する。
【0008】
本発明において、「赤色波長」は、例えば、波長600~700nmを意味し、「緑色波長」は、例えば、波長500~560nmを意味し、「青色波長」は、例えば、波長430~500nmを意味する。
本発明において、「一方の方向近傍」とは、一方の方向(各ホログラム層を生成するために照射した第1照明光、第2照明光及び第3照明光の方向)と完全に合致する方向のみならず、一方の方向に対して±15°以内の角度を成す方向も含む概念である。
本発明によれば、撮像画像取得工程で取得した第1撮像画像において、本発明者らが知見したように、赤色ホログラム層の外部(感光材料の赤色ホログラム層が生成されていない部分等)に対して、赤色ホログラム層が比較的高いコントラストで撮像されている。同様に、撮像画像取得工程で取得した第2撮像画像において、緑色ホログラム層の外部に対して、緑色ホログラム層が比較的高いコントラストで撮像されている。また、撮像画像取得工程で取得した第3撮像画像において、青色ホログラム層の外部に対して、青色ホログラム層が比較的高いコントラストで撮像されている。このため、座標検出工程において、第1撮像画像、第2撮像画像及び第3撮像画像を画像処理することで、各ホログラム層(赤色ホログラム層、緑色ホログラム層及び青色ホログラム層)のそれぞれについての角部又は辺の一部の座標を精度良く検出可能である。
そして、本発明によれば、位置調整工程において、各ホログラム層の少なくとも2箇所の角部の座標がそれぞれ合致するように、又は、各ホログラム層の互いに直交する少なくとも2箇所の辺の一部の座標がそれぞれ合致するように、又は、各ホログラム層の少なくとも1箇所の角部の座標及び少なくとも1箇所の辺の一部の座標がそれぞれ合致するように、各ホログラム層の位置を調整し、貼り合わせ工程において、位置調整後の各ホログラム層を貼り合わせるため、各ホログラム層が精度良く位置合わせされた積層ホログラム素子を製造可能である。
本発明によれば、従来のように各ホログラム層にマークが残存するという問題が生じない。また、本発明によれば、各ホログラム層自体の角部の座標や辺の一部の座標に基づき位置調整行うため、従来のように各ホログラム層の外部に設けたアライメントマークの座標に基づき位置調整を行う場合に比べて、位置合わせの精度を高めることが可能である。
【0009】
本発明で製造される積層ホログラム素子は、各ホログラム層を直接積層した構成に限らず、基板と基板上に設けられたホログラム層とを有する各ホログラム基板を積層した構成とすることも可能である。
この場合、本発明において、前記積層ホログラム素子は、第1基板及び前記第1基板上に設けられた前記赤色ホログラム層を有する赤色ホログラム基板と、第2基板及び前記第2基板上に設けられた前記緑色ホログラム層を有する緑色ホログラム基板と、第3基板及び前記第3基板上に設けられた前記青色ホログラム層を有する青色ホログラム基板と、が積層されることで製造され、前記撮像画像取得工程において、前記赤色ホログラム基板に対して前記第1照明光を照射して前記第1撮像画像を所得し、前記緑色ホログラム基板に対して前記第2照明光を照射して前記第2撮像画像を所得し、前記青色ホログラム基板に対して前記第3照明光を照射して前記第3撮像画像を所得し、前記位置調整工程において、前記赤色ホログラム基板、前記緑色ホログラム基板及び前記青色ホログラム基板の位置を調整し、前記貼り合わせ工程において、位置調整後の前記赤色ホログラム基板、前記緑色ホログラム基板及び前記青色ホログラム基板を貼り合わせる。
【0010】
本発明において、好ましくは、前記赤色ホログラム層、前記緑色ホログラム層及び前記青色ホログラム層は、体積ホログラム(3次元的な屈折率分布構造を有するホログラム)層である。
(【0011】以降は省略されています)

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