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公開番号2025115496
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-07
出願番号2024009975
出願日2024-01-26
発明の名称分光分析方法、分光分析装置
出願人セイコーエプソン株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類G01N 21/27 20060101AFI20250731BHJP(測定;試験)
要約【課題】被測定物に応じて、分析不要画素と分析対象画素とを適正に分離可能な反射率閾値を設定可能な分光分析方法及び分光分析装置を提供する。
【解決手段】分析装置は、複数の分光波長に対する被測定物の分光画像を取得する画像取得ステップと、複数の前記分光波長に対応する前記分光画像から、各画素の分光スペクトルを抽出し、各前記画素の反射率を算出するスペクトル算出ステップと、各前記画素の前記反射率に基づいて、分析不要画素と分析対象画素とを判別する反射率閾値を決定する閾値決定ステップと、前記反射率閾値に基づいて、複数の前記画素を前記分析不要画素と、前記分析対象画素とに分類する画素分類ステップと、前記分析対象画素に基づいて、前記被測定物の分光分析を行う分析ステップと、を実施する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
複数の分光波長に対する被測定物の分光画像を取得する画像取得ステップと、
複数の前記分光波長に対応する前記分光画像から、各画素の分光スペクトルを抽出し、各前記画素の反射率を算出するスペクトル算出ステップと、
各前記画素の前記反射率に基づいて、分析不要画素と分析対象画素とを判別する反射率閾値を決定する閾値決定ステップと、
前記反射率閾値に基づいて、複数の前記画素を前記分析不要画素と、前記分析対象画素とに分類する画素分類ステップと、
前記分析対象画素に基づいて、前記被測定物の分光分析を行う分析ステップと、
を実施する分光分析方法。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
前記閾値決定ステップにおいて、仮閾値に基づいて複数の前記画素を二値化し、前記仮閾値を変化させた場合に、前記仮閾値以上の前記反射率を有する画素数が変化しない前記仮閾値の範囲である平坦部を特定し、前記平坦部の前記仮閾値の範囲に基づいて前記反射率閾値を決定する、
請求項1に記載の分光分析方法。
【請求項3】
前記スペクトル算出ステップにおいて、複数の前記分光波長のそれぞれに対応した分光反射率を前記画素毎に算出し、
前記閾値決定ステップにおいて、複数の前記分光波長に対応する前記分光反射率に基づいて、前記分光波長毎に前記平坦部を特定し、前記平坦部の前記仮閾値の範囲が最大となる前記分光波長を解析波長とし、当該解析波長における前記平坦部に基づいて前記反射率閾値を決定し、
前記画素分類ステップにおいて、前記解析波長に対する前記分光画像を、前記反射率閾値に基づいて前記分析不要画素と前記分析対象画素とに分類する、
請求項2に記載の分光分析方法。
【請求項4】
前記被測定物の種別に応じたピーク波長を取得するピーク波長取得ステップをさらに実施し、
前記閾値決定ステップにおいて、前記ピーク波長を中心とした所定の波長誤差範囲に含まれる複数の前記分光波長の前記平坦部を特定する、
請求項3に記載の分光分析方法。
【請求項5】
前記閾値決定ステップにおいて、前記平坦部の前記仮閾値の範囲における下限値と上限値との平均を前記反射率閾値として決定する、
請求項2に記載の分光分析方法。
【請求項6】
前記閾値決定ステップにおいて、前記仮閾値以上の前記反射率を有する前記画素数が変化しない前記仮閾値の範囲の幅が所定幅以上となる場合に、当該仮閾値の範囲を前記平坦部として特定し、前記仮閾値の範囲の幅が前記所定幅未満である場合、当該仮閾値の範囲を前記平坦部から除外する、
請求項2に記載の分光分析方法。
【請求項7】
前記閾値決定ステップにおいて、
各前記画素の前記反射率に基づいて、前記反射率毎の画素数を算出して、前記反射率に対する前記画素数を演算し、
前記画素数がピーク値となる反射率をピーク反射率として検出し、隣り合う前記ピーク反射率の間で前記画素数が所定値未満となる頻度ゼロ区間を特定し、
前記頻度ゼロ区間に基づいて前記反射率閾値を決定する、
請求項1に記載の分光分析方法。
【請求項8】
前記スペクトル算出ステップにおいて、複数の前記分光波長のそれぞれに対応した分光反射率を前記画素毎に算出し、
前記閾値決定ステップにおいて、複数の前記分光波長について、前記反射率に対する前記画素数をそれぞれ演算し、前記分光波長毎に前記頻度ゼロ区間を特定し、前記頻度ゼロ区間の幅が最大となる前記分光波長を解析波長とし、当該解析波長における前記頻度ゼロ区間に基づいて前記反射率閾値を決定し、
前記画素分類ステップにおいて、前記解析波長に対する前記分光画像を、前記反射率閾値に基づいて前記分析不要画素と前記分析対象画素とに分類する、
請求項7に記載の分光分析方法。
【請求項9】
前記被測定物に対する前記分光画像と、前記分光画像に対する前記反射率閾値と、を教師データとして蓄積し、新規被測定物に対する前記分光画像の入力に対して、前記反射率閾値を出力する閾値導出モデルを生成する、
請求項1に記載の分光分析方法。
【請求項10】
複数の分光波長に対する被測定物の分光画像を取得する画像取得部と、
複数の前記分光波長に対応する前記分光画像から、各画素の分光スペクトルを抽出し、各前記画素の反射率を算出するスペクトル算出部と、
各前記画素の前記反射率に基づいて、分析不要画素と分析対象画素とを判別する反射率閾値を決定する閾値決定部と、
前記反射率閾値に基づいて、複数の前記画素を前記分析不要画素と、前記分析対象画素とに分類する画素分類部と、
前記分析対象画素に基づいて、前記被測定物の分光分析を行う分析部と、
を備える分光分析装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、分光分析方法、及び分光分析装置に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来、被測定物を分光分析する分光分析装置が知られている。例えば特許文献1に記載の分光分析装置は、搬送路により搬送された被測定物に対して赤外光を照射し、被測定物で反射した赤外光を受光する。そして、受光した赤外光に基づいて、被測定物がリサイクル樹脂であるか否かを判定する。
この装置では、被測定物の厚みの条件が異なる複数のリサイクル樹脂に関して、予め吸収スペクトルの基準データを用意しておき、被測定物の厚みに対応した基準データを用いて被測定物の判定処理を行う。これにより、被測定物が透明樹脂であり、搬送路で反射された赤外光が受光された場合でも、当該搬送路で反射される赤外光によるノイズ成分を軽減した樹脂の種別判定を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2014-98555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、被測定物が複雑な形状を有する場合、分析不要箇所が含まれる場合がある。例えば、被測定物がペレット形状である場合、ペレットの切れ端部分では、光の乱反射が起こり、適正な分光分析処理を実施することができないため、分析不要箇所となる。上記特許文献1の分光分析装置では、被測定物が透明である場合を考慮するが、このような分光不要箇所に関して考慮されていない。この場合、分光不要箇所の分光分析結果が被測定物の分析結果に対してノイズ成分となり、誤差の原因となる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第一態様に係る分光分析方法は、複数の分光波長に対する被測定物の分光画像を取得する画像取得ステップと、複数の前記分光波長に対応する前記分光画像から、各画素の分光スペクトルを抽出し、各前記画素の反射率を算出するスペクトル算出ステップと、各前記画素の前記反射率に基づいて、分析不要画素と分析対象画素とを判別する反射率閾値を決定する閾値決定ステップと、前記反射率閾値に基づいて、複数の前記画素を前記分析不要画素と、前記分析対象画素とに分類する画素分類ステップと、前記分析対象画素に基づいて、前記被測定物の分光分析を行う分析ステップと、を実施する。
【0006】
本開示の第二態様に係る分光分析装置は、複数の分光波長に対する被測定物の分光画像を取得する画像取得部と、複数の前記分光波長に対応する前記分光画像から、各画素の分光スペクトルを抽出し、各前記画素の反射率を算出するスペクトル算出部と、各前記画素の前記反射率に基づいて、分析不要画素と分析対象画素とを判別する反射率閾値を決定する閾値決定部と、前記反射率閾値に基づいて、複数の前記画素を前記分析不要画素と、前記分析対象画素とに分類する画素分類部と、前記分析対象画素に基づいて、前記被測定物の分光分析を行う分析部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
第一実施形態の分光分析装置の概略構成を示すブロック図。
第一実施形態の分光分析方法を示すフローチャート。
所定の分光波長における被測定物の分光画像の一例を示す図。
各画素の分光反射率スペクトルの一例を示す図。
各分光波長に関し、仮閾値を変化させた場合に、仮閾値以上の反射率となる画素数(画素割合)の一例を示した図。
1つの分光波長について、仮閾値を変化させた場合に、仮閾値以上の反射率となる画素数(画素割合)を表した概略図。
反射率の仮閾値をスイープさせた場合の平坦部に関する各情報の一例を示した図。
第二実施形態の分光分析装置の概略構成を示すブロック図。
第二実施形態の分光分析方法を示すフローチャート。
第二実施形態において波長誤差範囲の設定を説明するための説明図。
第三実施形態の分光分析方法を示すフローチャート。
第三実施形態の反射率閾値の決定方法を説明するための説明図。
第四実施形態の分光分析装置の概略構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第一実施形態]
以下、第一実施形態について説明する。
図1は、第一実施形態に係る分光分析装置1の概略構成を示すブロック図である。
本実施形態の分光分析装置1は、被測定物Wの分光画像を撮像する分光カメラ10と、撮像された分光画像に基づいて被測定物Wを分析する分析装置20と、を備える。
この分光分析装置1は、例えば、搬送路によって搬送された被測定物Wに対して、分光カメラ10を用いて複数の分光波長の分光画像を撮像し、撮像された分光画像から、被測定物Wの分析を実施する。
ここで、被測定物Wの分光画像を撮像する際に、撮像された分光画像の画素として分析に適さない画素が存在することがある。例えば、ペレット状の樹脂成形品を例示すると、ペレット端部では複数の凹凸面が形成されることから光の乱反射が起こり、分光画像における当該ペレット端部に相当する画素では、ペレット側面の画素に比べて各分光波長の反射率が高くなる。このような画素を分析対象画素として含めると、被測定物Wの分析結果に誤差が含まれる可能性が高くなる。本開示では、このような分析に適さない画素を分析不要画素として除外し、分析に適する分析対象画素のみで被測定物Wの分析を行う。
以下、このような分光分析装置1について詳細に説明する。
【0009】
[分光カメラ10の構成]
分光カメラ10は、被測定物Wからの入射光を所定の分光波長に分光し、分光された入射光を撮像する。また、分光カメラ10は、分光波長を切り替え可能であり、複数の分光波長に対する分光画像を撮像する。
分光カメラ10において、入射光から分光波長の光を分光する構成については特に限定されず、例えば、波長可変干渉フィルター(ファブリーペローエタロン)、AOTF(Acousto-Optic Tunable Filter)、LCTF(Liquidcrystal tunable filter)等を利用できる。
【0010】
[分析装置20の構成]
分析装置20は、例えば、例えば、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピューター等の一般的なコンピューターにより構成することができ、図1に示すように、記憶部21と、1つ又は複数のプロセッサー22と、を少なくとも備える。
(【0011】以降は省略されています)

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