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公開番号
2025114784
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-05
出願番号
2025080156
出願日
2025-05-13
発明の名称
アニオン欠陥を有するバリウム-ケイ素オルトシリケート系オキシニトリド-ハイドライドの構造制御による高機能触媒及びその多元的応用方法
出願人
ニューヨークゼネラルグループインク
,
Nyu-Yo-ku Zeneral Guru-pu, Inku.
代理人
主分類
B01J
27/24 20060101AFI20250729BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】Ba3SiO5-xNyHz触媒のアニオン欠陥サイトの密度、分布、および電子状態を精密に制御し、触媒活性、耐久性、および応用範囲を拡大する。
【解決手段】希土類元素ドープ(Ba3-yLnySiO5-xNuHw)およびSiサイト部分置換(Ba3Si1-zM'zO5-xNuHw、M'=GeまたはSn)により、アニオン欠陥サイトの電子状態を最適化した触媒、表面に酸化物超薄膜をコーティングした触媒、および水熱合成法により高比表面積化した触媒を開発する。これらの改良型触媒は、従来のBa3SiO5-xNyHz触媒と比較して、2-3倍のアンモニア合成活性を示し、さらに50℃低い温度でも高活性を維持する。また、CO2還元反応、NO分解反応、炭化水素脱水素反応にも高い触媒活性を示し、応用範囲が大幅に拡大する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
一般式Ba3-yLnySi1-zM'zO5-xNuHw(ここで、Lnは希土類元素、M'はGeまたはSn、0≦y≦0.5、0≦z≦0.5、0<x≦3、0<u≦3、0<w≦6)で表され、Ba3SiO5の結晶構造を有し、一部の酸素がN3-イオンおよびH-イオンで置換され、さらにBaの一部が希土類元素で置換されおよび/またはSiの一部がGeまたはSnで置換されたバリウム-ケイ素オルトシリケート系オキシニトリド-ハイドライド触媒であって、表面に厚さ1-5 nmの酸化物層を有し、比表面積が50-200 m2/gである触媒。
続きを表示(約 400 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の触媒の製造方法であって、
(a) テトラエトキシシランとバリウム塩および希土類元素塩を水溶液中で混合し、pH 10-12、150-200℃で水熱処理を行う工程、
(b) 得られた前駆体をアンモニアガス雰囲気下で処理し、中間体を得る工程、
(c) 前記中間体をアンモニアガス雰囲気下、500-600℃で熱処理する工程、
(d) 得られた触媒に、原子層堆積法または金属有機化合物の加水分解法により酸化物層をコーティングする工程、
を含む方法。
【請求項3】
請求項1に記載の触媒を用いた化学反応方法であって、
前記触媒の存在下、200-500℃の条件で、アンモニア合成反応、二酸化炭素還元反応、窒素酸化物分解反応、および炭化水素脱水素反応からなる群から選択される少なくとも1つの反応を行う方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、アニオン欠陥を有するバリウム-ケイ素オルトシリケート系オキシニトリド-ハイドライド(Ba3SiO5-xNyHz)の構造を精密に制御することによって得られる高機能触媒及びその多元的応用方法に関する。特に、窒素分子の活性化能を有する触媒材料の構造制御による高機能化、多機能化、及び従来にない新規応用分野への展開に関するものである。本発明は、具体的には、希土類元素ドーピング、異種元素置換、酸化物超薄膜コーティング、及び高比表面積化を組み合わせた新規な触媒設計手法と、それによって得られる触媒のアンモニア合成、二酸化炭素還元、窒素酸化物分解、及び炭化水素脱水素反応等への応用に関するものである。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
アンモニア合成は、世界中の食料生産を支える重要な工業プロセスである。現在の工業的アンモニア合成法であるハーバー・ボッシュ法は、高温(400-500℃)・高圧(15-25 MPa)条件下で鉄系触媒を用いて窒素と水素からアンモニアを合成する方法であり、全世界のエネルギー消費量の約1-2%を占めている。このプロセスの効率化は、エネルギー消費の削減と環境負荷の低減に大きく貢献する。
【0003】
従来、アンモニア合成触媒としては鉄やルテニウムなどの遷移金属が必須であると考えられてきた。これは窒素分子の三重結合を切断するためには、遷移金属の特殊な電子状態が必要であるとされてきたためである。遷移金属を用いない触媒系としては、水素化カリウム-グラファイト複合体(KH0.19C24)などが報告されているが、触媒活性は低く、実用的ではなかった。
【0004】
また、酸化物触媒におけるアニオン欠陥(酸素欠陥)は、様々な化学反応において活性点または促進点として機能することが知られている。例えば、V2O5触媒における格子酸素は有機分子の酸化に関与し、V2O5-x(xは酸素欠陥)を形成し、その後気相O2分子によって再生されるマルス-ファンクレベレン機構が知られている。しかし、遷移金属を含まない酸化物材料が効果的な触媒として機能する例はほとんど報告されていない。
【0005】
近年、Zhang等によって、バリウム-ケイ素オルトシリケート系オキシニトリド-ハイドライド(Ba3SiO5-xNyHz)が、遷移金属を含まないにもかかわらず、アニオン欠陥を介して窒素分子を直接活性化し、アンモニアを合成する能力を有することが報告された(Nature Chemistry, Volume 17, May 2025, 679-687。この触媒は、Ba3SiO5の結晶構造を基本骨格とし、一部の酸素イオン(O2-)が窒化物イオン(N3-)および水素化物イオン(H-)で置換された構造を有する。この材料は、加熱処理により格子内のH-およびN3-が脱離し、電子を含むアニオン欠陥サイトが形成される。このアニオン欠陥サイトが窒素分子を捕捉し、直接活性化する機能を有する。
【0006】
Zhangらの報告によれば、Ba3SiO5-xNyHzは正方晶Ba3SiO5の結晶構造を基本骨格とし、SiO4四面体中の酸素の一部がN-H対で置換され(2O2- → N3- + H-)、さらにBa6O単位中の酸素がH-H対で置換された(O2- → 2H-)構造を有する。Ba3SiO5結晶は2種類の酸素サイト、すなわちSiO4中の4つのOIサイトとBa6O中の1つのOIIサイトを有する。密度汎関数理論(DFT)計算によれば、Ba3SiO2.5N1.0H2.0ユニットセルは主に2つのOIサイトをN-H対で置換した(2O2- → N3- + H-)SiO2NHブロックと、1つのOIIサイトをH-H対で置換した(O2- → 2H-)Ba6H2ブロックから構成される。
【0007】
この材料の特徴は、格子内のH-イオンとN3-イオンが熱的に容易に脱離し、電子を含むアニオン欠陥サイトを形成できることである。これは、Ba3SiO5-xNyHzがオルトシリケート構造を有し、SiX4四面体(X = O, N, H)が互いに連結せず、格子内のNとHがSiだけでなくBaにも配位されているためである。アニオン欠陥サイトに捕捉された電子は、窒素分子の活性化に寄与する。
【0008】
さらに、Zhangらは、Ba3SiO5-xNyHz触媒にルテニウム等の遷移金属ナノ粒子を担持することにより、触媒活性が劇的に向上することを見出した。ここで注目すべき点は、担持されたルテニウムは従来のアンモニア合成触媒のように窒素分子を解離する機能ではなく、ルテニウム-担体界面におけるアニオン欠陥の形成を促進する役割を果たすことである。これは、従来の触媒設計概念とは全く異なる新しい触媒作用機構である。
【0009】
しかしながら、Zhangらの報告では、Ba3SiO5-xNyHz触媒のアニオン欠陥サイトの形成メカニズムの詳細な制御や、アニオン欠陥サイトの電子状態の精密制御については検討されていない。また、触媒の耐久性や選択性の向上に関する検討も十分ではない。さらに、アンモニア合成以外の化学反応への応用については言及されていない。これらの点を解決することができれば、Ba3SiO5-xNyHz触媒の実用化可能性が大きく向上し、さらに新たな応用分野が開拓される可能性がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
Zhang, Z., Miyashita, K., Wu, T. et al. Anion vacancies activate N2 to ammonia on Ba-Si orthosilicate oxynitride-hydride. Nat. Chem. 17, 679-687 (2025). https://doi.org/10.1038/s41557-025-01737-8
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)
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