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公開番号
2025113745
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-04
出願番号
2024008052
出願日
2024-01-23
発明の名称
気体燃料エンジンユニットにおける残留気体燃料の排出方法及び排出装置
出願人
株式会社AIRMAN
代理人
弁理士法人小倉特許事務所
主分類
F02M
21/02 20060101AFI20250728BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約
【課題】エンジン停止後に燃料供給路やエンジン内の残留気体燃料を排出する。
【解決手段】エンジン10に水素を供給する燃料供給路22に不活性ガスを導入する不活性ガス導入路32を設け,電子制御装置から成る制御装置70によって,エンジン10の停止後,気体燃料供給制御機構40を操作して前記気体燃料源20と前記気体供給路22間の連通を遮断する気体燃料供給停止処理を実行した後,燃料供給路22内に残留する気体燃料を大気放出する供給路内燃料排出処理を実行する。この供給路内燃料排出制御処理は,放気機構50により燃料供給路22を大気開放した状態で,不活性ガス導入制御機構60により燃料供給路22に不活性ガス源30からの不活性ガスを導入することにより実行する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
気体燃料を燃料として使用可能なエンジンと,前記エンジンに対し気体燃料源からの気体燃料を供給する燃料供給路を備えた気体燃料エンジンユニットにおいて,
不活性ガス源からの不活性ガスを,前記燃料供給路に導入する不活性ガス導入路を設け,
前記エンジンの停止後,前記気体燃料源から前記燃料供給路に対する気体燃料の供給を停止する,気体燃料供給停止処理と,
前記気体燃料供給停止処理以後に,前記燃料供給路内に残留する気体燃料を大気放出する,供給路内燃料排出処理を実行し,
前記供給路内燃料排出処理を,前記燃料供給路を大気開放した状態で,前記燃料供給路に対し前記不活性ガス導入路を介して不活性ガスを導入することにより,前記燃料供給路内に残留する気体燃料を前記燃料供給路外に押し出して前記不活性ガスと置換させることにより行うと共に,
所定の排出終了条件が満たされることにより,前記燃料供給路の大気開放を終了すると共に,前記燃料供給路に対する不活性ガスの導入を停止して,前記供給路内燃料排出処理を終了することを特徴とする気体燃料エンジンユニットにおける残留気体燃料の排出方法。
続きを表示(約 2,600 文字)
【請求項2】
前記供給路内燃料排出処理の終了後,前記エンジンをスタータモータによって回転させるクランキング処理を,所定のクランキング終了条件が満たされるまで行うことにより,前記エンジンの燃焼室内に残留する気体燃料を,該エンジンの排気系を介して排出することを特徴とする,請求項1記載の気体燃料エンジンユニットにおける残留気体燃料の排出方法。
【請求項3】
所定の排出時間の経過,又は,前記燃料供給路内の気体燃料濃度の所定の閾値未満への低下を前記排出終了条件として,前記供給路内燃料排出処理を終了することを特徴とする請求項1記載の気体燃料エンジンユニットにおける残留気体燃料の排出方法。
【請求項4】
所定の排出時間の経過,又は,前記燃料供給路内の気体燃料濃度の所定の閾値未満への低下を前記排出終了条件として,前記供給路内燃料排出処理を終了することを特徴とする請求項2記載の気体燃料エンジンユニットにおける残留気体燃料の排出方法。
【請求項5】
前記燃料供給路内に残留する気体燃料を大気放出する放気流路を前記燃料供給路に連通して設け,該放気流路内の気体燃料濃度が前記所定の閾値未満に低下したとき,前記燃料供給路内の気体燃料濃度が前記所定の閾値未満に低下したと判定することを特徴とする請求項3又は4記載の気体燃料エンジンユニットにおける残留気体燃料の排出方法。
【請求項6】
所定のクランキング時間の経過,又は,前記エンジンの前記排気系内の気体燃料濃度の所定の閾値未満への低下を前記クランキング終了条件として前記クランキング処理を終了することを特徴とする請求項2記載の気体燃料エンジンユニットにおける残留気体燃料の排出方法。
【請求項7】
所定のクランキング時間の経過,又は,前記エンジンの前記排気系内の気体燃料濃度の所定の閾値未満への低下を前記クランキング終了条件として前記クランキング処理を終了することを特徴とする請求項4記載の気体燃料エンジンユニットにおける残留気体燃料の排出方法。
【請求項8】
前記燃料供給路中に気体燃料用圧力レギュレータを設け,該気体燃料用圧力レギュレータの一次側における前記燃料供給路を一次側燃料供給路,前記気体燃料用圧力レギュレータの二次側における前記燃料供給路を二次側燃料供給路とし,
前記供給路内燃料排出処理を,前記一次側燃料供給路と前記二次側燃料供給路をそれぞれ大気開放した状態で,前記一次側燃料供給路と前記二次側燃料供給路に対しそれぞれ不活性ガスを導入することにより行うと共に,
前記供給路内燃料排出処理を,前記一次側燃料供給路と前記二次側燃料供給路双方の大気開放を終了すると共に,前記一次側燃料供給路と前記二次側燃料供給路の双方に対する不活性ガスの導入をいずれも停止して終了することを特徴とする,請求項1~4,6,7のいずれか1項記載の気体燃料エンジンユニットにおける残留気体燃料の排出方法。
【請求項9】
気体燃料を燃料として使用可能なエンジンと,前記エンジンに対し気体燃料源からの気体燃料を供給する燃料供給路を備えた気体燃料エンジンユニットにおいて,
不活性ガス源と前記燃料供給路間を連通する不活性ガス導入路を設けると共に,
前記気体燃料源と前記燃料供給路間を開閉する気体燃料供給制御機構と,
前記燃料供給路の大気開放の開始及び停止を行う放気機構と,
前記不活性ガス源と前記燃料供給路間を開閉する不活性ガス導入制御機構と,
前記気体燃料供給制御機構,前記放気機構,及び,前記不活性ガス導入制御機構の動作を制御する,電子制御装置から成る制御装置を設け,
前記制御装置により,
前記エンジンの停止後,前記気体燃料供給制御機構を操作して前記気体燃料源と前記気体供給路間の連通を遮断して前記燃料供給路に対する気体燃料の供給を停止する気体燃料供給停止処理を実行する,気体燃料供給停止制御手段と,
前記気体燃料供給停止制御手段による前記気体燃料供給停止処理の実行以後に,前記燃料供給路内に残留する気体燃料を大気放出する供給路内燃料排出処理を実行する,供給路内燃料排出制御手段を実現し,
前記供給路内燃料排出制御手段が,
前記放気機構を操作して前記燃料供給路を大気開放すると共に,前記不活性ガス導入制御機構を操作して前記燃料供給路に前記不活性ガス源からの不活性ガスを導入することにより前記供給路内燃料排出処理を実行すると共に,
所定の排出終了条件が満たされることにより,前記放気機構を操作して前記燃料供給路の大気開放を終了すると共に,前記不活性ガス導入制御機構を操作して前記燃料供給路に対する不活性ガスの導入を停止することにより,前記供給路内燃料排出処理を終了するよう構成されていることを特徴とする,気体燃料エンジンユニットにおける残留気体燃料の排出装置。
【請求項10】
前記気体燃料供給制御機構を,前記気体燃料源と前記燃料供給路間を開閉する空動弁から成る気体燃料供給弁と,前記気体燃料供給弁に前記不活性ガス源からの不活性ガスを作動圧力として導入する気体燃料供給弁制御回路と,前記不活性ガス源と前記気体燃料供給弁制御回路間の連通と遮断を行う気体燃料供給制御用電磁弁により構成し,
前記放気機構を,前記燃料供給路を大気開放する空動弁から成る放気弁と,前記放気弁に前記不活性ガス源からの不活性ガスを作動圧として導入する放気弁制御回路と,前記不活性ガス源と前記放気弁制御回路間の連通と遮断を行う放気弁制御用電磁弁により構成すると共に,
前記不活性ガス導入制御機構を,前記不活性ガス導入路に設けた電磁開閉弁により構成し,
前記気体燃料供給制御用電磁弁が,前記制御装置の前記気体燃料供給停止制御手段によって動作可能に構成されていると共に,
前記放気弁制御用電磁弁と前記不活性ガス導入制御機構である前記電磁開閉弁が,前記制御装置の前記供給路内燃料排出制御手段によって動作可能に構成されていることを特徴とする請求項9記載の気体燃料エンジンユニットにおける残留気体燃料の排出装置。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は水素等の気体燃料の燃焼により作動する内燃機関であるエンジンと,該エンジンに気体燃料を供給する燃料供給路を備えたエンジンユニット(本発明において「気体燃料エンジンユニット」という。)において,エンジンを停止させた状態にあるときに,燃料供給路内,又は燃料供給路及びエンジン内に気体燃料を残留させないように排出する,残留気体燃料の排出方法,及び該排出方法を実行する残留気体燃料の排出装置に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【0002】
なお,本発明において「気体燃料エンジンユニット」には,水素ガス等の気体燃料をエンジンに供給するための燃料供給路を備えたものを広く含み,気体燃料のみを燃料として使用可能な気体燃料専焼エンジンを備えたエンジンユニットの他,気体燃料と液体燃料の双方を選択的に,又は気体燃料と液体燃料を混合して燃料として使用可能なエンジンを備えたエンジンユニットのいずれも含む。
【背景技術】
【0003】
環境問題に対する社会の関心が高まるに伴い,脱炭素の要求はあらゆる分野において要求されるようになっており,内燃機関であるエンジンで使用される燃料についても石油燃料に比較して燃焼時のCO
2
の排出量が少ない天然ガスや,燃焼時にCO
2
の発生がない水素ガス等の気体燃料の使用が注目されるようになっている。
【0004】
このような気体燃料の燃焼によって作動するエンジンを備えた気体燃料エンジンユニットには,気体燃料が充填されたボンベ等の気体燃料源からエンジンに対し高圧の気体燃料を供給するための燃料供給路が設けられているが,エンジンの停止後においても燃料供給路内に高圧の気体燃料が残留していると,燃料供給路内に残留している気体燃料が停止した状態のエンジン内を通過して徐々にエンジンルーム内に漏れ出すことから,漏出した気体燃料に対する引火の危険がある。
【0005】
また,気体燃料が水素ガスである場合,燃料供給路やエンジン内に水素ガスが残留していると,原子サイズが小さい水素原子が燃料供給路に設けられた配管やエンジンのシリンダやピストン等の金属材料内に侵入して材料を脆化させる「水素脆化」が発生することから,このような水素脆化の発生が,気体燃料エンジンユニットの故障や,これに伴う事故の発生原因ともなり得る。
【0006】
そのため,エンジンを停止している状態では,燃料供給路やエンジン内に残留している気体燃料を気体燃料の供給系やエンジン外に排出,好ましくはエンジンを収容するエンジンルームやボンネット外に排出することが望ましい。
【0007】
このような残留燃料の排出に関し,後掲の特許文献1には,図9に示すようにエンジン110に対し水素燃料を供給する水素燃料供給管122と水素源120との間に流量調整弁141を設け,この流量調整弁141を閉じて水素源120から水素燃料供給管122に対する燃料の供給を断った状態でエンジン110の停止前にエンジン110を無負荷状態で冷却運転するクーリングモード運転を実行することにより水素燃料供給管122内に残留している水素燃料を消費し,水素燃料供給管122内の圧力が所定の閾値TH未満となった後に,水素燃料供給管122内に残留している水素燃料を,放気弁187を介してエンジンルーム内に放出することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2022-149336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述した特許文献1に記載のエンジンユニットでは,水素燃料供給管122に対する水素源120からの水素燃料の供給を断った状態でエンジン110のクーリングモード運転を実行することで,クーリングモード運転中に水素燃料供給管122内に残留している水素燃料を無駄なく消費することができると共に,その後に残留水素燃料の排出を行うことで,水素燃料の排出量を可及的に減少させることができ,水素燃料によるエンジンの運転を経済的に行うことができるものとなっている。
【0010】
また,クーリングモード運転時に水素燃料供給管122内に残留している水素燃料を消費して,水素燃料供給管122内の水素燃料の量を可及的に減少させることができることから,その後に水素燃料供給管122内に残留している気体燃料を,放気弁187を介してエンジンルーム内に排出した場合であっても,エンジンルーム内の水素燃料の濃度を引火の可能性がある水素濃度未満(一例として4%未満)の低い値とすることが可能となっている。
(【0011】以降は省略されています)
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