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公開番号
2025111918
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-31
出願番号
2024005852
出願日
2024-01-18
発明の名称
非鉄金属水砕スラグの製造方法
出願人
日鉄環境株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C04B
5/00 20060101AFI20250724BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約
【課題】水砕で昇温した冷水を熱交換器で処理して循環使用する水の冷却処理工程を含む非鉄金属水砕スラグの製造方法において、簡便な方法で、特に流路の洗浄等の作業負荷の低減を実現できる技術の提供。
【解決手段】溶融した非鉄金属スラグを水砕する急冷粉砕工程、該工程で水砕したスラグを収容した状態の水砕槽内からスラグを取り出す取り出し工程、前記急冷粉砕工程で水砕したことで温度が上昇した水砕槽内の水を冷却処理する工程を有し、該冷却処理工程で得た貯水設備中の冷却水を、前記急冷粉砕工程で用いる冷水に供して溶融状態の非鉄金属スラグを水砕する水砕水として利用し、且つ、前記急冷粉砕工程、前記スラグの取り出し工程及び前記冷却処理工程の少なくとも1の工程で高分子凝結剤を添加して、該薬剤と、非鉄金属スラグと、前記冷水が、流速0.5m/秒以上の乱流状態で混合されて共存する状態になるようにした非鉄金属水砕スラグの製造方法。
【選択図】 図1
特許請求の範囲
【請求項1】
非鉄金属製錬において行われる、冷水を循環使用して水砕を行う非鉄金属の水砕スラグの製造方法であって、
加熱炉内からの溶融状態の非鉄金属スラグを冷水で水砕する溶融状態の非鉄金属スラグの急冷粉砕工程と、
前記急冷粉砕工程で水砕した非鉄金属スラグが収容された状態になる水砕槽内から、該槽内に収容されている水砕された非鉄金属スラグを外部へ取り出す非鉄金属スラグの取り出し工程と、
前記急冷粉砕工程で、前記溶融状態の非鉄金属スラグを水砕したことで温度が上昇した前記水砕槽内の水を、再度、前記水砕に用いる冷水として循環利用するために、前記温度が上昇した水を冷却処理する冷却処理工程とを有してなり、
前記冷却処理工程で、プレート式熱交換器又は管式熱交換器を用いて前記温度が上昇した水の冷却処理を行い、該冷却処理して得られた貯水設備中の冷却水を、前記非鉄スラグの急冷粉砕工程で用いる冷水に供して前記溶融状態の非鉄金属スラグを冷水で水砕する際の水砕水として再利用されて水砕用の冷水が循環使用されており、且つ、
前記急冷粉砕工程、前記非鉄金属スラグの取り出し工程及び前記冷却処理工程の少なくともいずれか1の工程で高分子凝結剤を添加して、該高分子凝結剤と、水砕された非鉄金属スラグ或いは水砕された状態になる前の非鉄金属スラグと、前記冷水が、流速0.5m/秒以上の乱流状態で混合されて共存する状態になるように構成したことを特徴とする非鉄金属水砕スラグの製造方法。
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【請求項2】
前記急冷粉砕工程において、前記加熱炉内からの溶融状態の非鉄金属スラグの移送経路にあるスラグ樋内に加圧水(冷却水)を吹き付けて、移送されている溶融状態の非鉄金属スラグを急冷することで水砕を行い、且つ、前記高分子凝結剤の添加を前記非鉄金属スラグが前記スラグ樋内を移送されている間のいずれかの位置で行う、及び/又は、前記高分子凝結剤の添加を前記スラグ樋の出口から、前記水砕槽内に非鉄金属スラグが収容される前のいずれかの位置で行う、及び/又は、前記高分子凝結剤の添加を前記貯水設備内にする請求項1に記載の非鉄金属水砕スラグの製造方法。
【請求項3】
前記急冷粉砕工程において、前記加熱炉内からの溶融状態の非鉄金属スラグを、前記乱流状態の前記水砕槽内の冷水中に移送して該冷水で水砕を行って、及び/又は、前記水砕槽へ冷水(水砕水)を流す水砕樋内に前記加熱炉内からの溶融状態の非鉄金属スラグを投入することで水砕を行って、且つ、前記高分子凝結剤の添加を前記乱流状態の前記水砕槽内にする、及び/又は、前記高分子凝結剤の添加を前記加熱炉内からの溶融状態の非鉄金属が投入される水砕樋内の水砕水流中にする、及び/又は、前記高分子凝結剤の添加を前記貯水設備内にする請求項1に記載の非鉄金属水砕スラグの製造方法。
【請求項4】
前記高分子凝結剤が、下記一般式(1)、下記一般式(2)で表されるモノマーのいずれか一方又は両方を必須成分として5モル%以上含む原料モノマーから誘導されるカチオン性又は両性の共重合体を主成分としてなる請求項1に記載の非鉄金属水砕スラグの製造方法。
TIFF
2025111918000005.tif
62
170
[上記一般式(1)及び(2)中の、R
1
、R
2
はそれぞれ独立に、CH
3
又はC
2
H
5
を表し、R
3
は、H、CH
3
又はC
2
H
5
を表し、X
-
は、アニオン性対イオンを表す。]
【請求項5】
前記溶融状態の非鉄金属スラグを水砕したことで温度が上昇した前記水砕槽内の水を、そのまま前記冷却処理工程で冷却処理する請求項2又は3に記載の非鉄金属水砕スラグの製造方法。
【請求項6】
前記溶融状態の非鉄金属スラグを水砕したことで温度が上昇した前記水砕槽内の水を、沈降ピットに導入し、該沈降ピットで導入した水の中に残留している水砕された非鉄金属スラグ粒子を沈降させ、前記沈降ピットの上澄水を前記冷却処理工程で冷却処理する請求項2又は3に記載の非鉄金属水砕スラグの製造方法。
【請求項7】
前記非鉄金属スラグの成分が、酸化物表記の質量基準で、CaOを35%以下含むか又はFeOを5%以上含むか、もしくは、CaOを35%以下で且つFeOを5%以上で含むか、のいずれかである請求項1に記載の非鉄金属水砕スラグの製造方法。
【請求項8】
非鉄金属スラグが、銅、鉛及び亜鉛からなる群から選ばれる少なくともいずれかの非鉄金属を製錬する際に副次的に得られるスラグである請求項1に記載の非鉄金属水砕スラグの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、非鉄金属を乾式製錬する際に副次的に得られる非鉄金属スラグの製造方法に関し、特に、加熱炉内からの溶融状態の非鉄金属スラグを冷水で水砕し、且つ、冷水を循環使用(再利用)して水砕を行う非鉄金属水砕スラグの製造方法に関する。さらに詳しくは、溶融状態の非鉄金属スラグを冷水(水砕水)で急冷して粒状化(水砕)して水砕スラグを製造する際に、高分子凝結剤を効果的に用いることで、極めて簡便に、従来、頻繁に生じていた、水砕に用いて昇温した水を水砕に再利用可能な冷水(冷却水)にするための冷却処理装置(熱交換器)の流路閉塞の頻度の低減を実現することが可能になり、円滑な冷却水の循環利用を実現した工業上有用な非鉄金属水砕スラグの製造方法についての技術に関する。
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【背景技術】
【0002】
非鉄金属スラグ(以下、非鉄スラグとも呼ぶ)は、銅、鉛、亜鉛等の非鉄金属の乾式製錬過程で副次的に得られるものであり、例えば、セメント原料の鉄源、サンド・ブラスト、細骨材、ケーソン(中詰材)などの用途で使われている。中でも銅スラグ及びフェロニッケルスラグは、コンクリート用スラグ骨材としてJIS規格化され、利用されている。上記に示したように有用な資源となり得、種々の利用が期待される非鉄金属スラグは、一般的に、溶融状態のスラグを、急冷若しくは徐冷し、その後、破砕・粒度調整を経て製造されている。このようにして得られた非鉄金属スラグは、通常、砂や礫の形状を有している。
【0003】
銅スラグは密度が大きいという特徴を有し、粒子形状は角張っていることが知られている。例えば、銅スラグの主成分は、鉄(FeO)50%以上、シリカ(SiO
2
)30%以上であり、その他に石灰(CaO)やアルミナ(Al
2
O
3
)等を含有している。フェロニッケルの水砕スラグは、径5mm以下の砂状で堅硬であり、その主成分は、シリカ(SiO
2
)50%以上、マグネシア(MgO)30%以上であり、その他に鉄(FeO)を5%~10%程度含んでいる。銅スラグもフェロニッケルも、単位体積重量が砂より大きいことから、中詰材として一般的に砂に比べて有利であり、利用もされている。また、フェロニッケルスラグは、骨材に利用するとアスファルト舗装の長寿命化に寄与するとした報告がなされている。また、非鉄金属スラグは、鉄鋼の高炉スラグと異なり、いずれも水硬性をほとんど有さない。
【0004】
スラグとしては、その生産量の多さから、鉄鉱石から鉄を取り出す際に得られる高炉スラグを高圧水で急冷した水砕スラグがよく知られており、広く使用もされている。高炉スラグは、鉄鋼生産の副産物として、その製造方法が確立しており一般化されている。これに対し、非鉄金属スラグは、対象としている金属によって溶錬炉が異なり、規模もそれぞれであり、非鉄金属スラグを粒子化する方法も、水で急冷して水砕する方法以外に、空気で急冷する風砕や、大気中で冷却する徐砕などの方法が行われている。本発明では、これらの方法の中でも、特に、冷水を循環使用して水砕を行う非鉄金属の水砕スラグの製造方法の改善を目的とする。
【0005】
非鉄金属スラグを、水砕することで粒子化する方法としては、下記の方法が知られている。例えば、銅の乾式製錬工程において排出されるスラグは、溶融スラグをスラグ水砕水流中に落下させることによって、急冷凝固させる、いわゆる「水砕」を行うことで、粒径約2mmの水砕スラグとされるのが一般的であるとされている(特許文献1参照)。特許文献1に添付の図1、図5に記載されている方法では、スラグ水砕水が入っている槽内に高温の溶融スラグを投入して、該槽内のスラグ水砕水で水砕を行い、水砕スラグをスラグ水砕水の外部に取り出した後に、水砕で昇温したスラグ水砕水を熱交換器で冷却処理して循環使用されている。
【0006】
特許文献2では、非鉄金属製錬において生成されるスラグを水砕するために使用される水砕水を系外に排出することなく循環使用するに際してスラグ水砕水を移送する流路へのスケールの付着を防止するためのスラグ水砕水の処理方法が提案されている。そして、錬銅工程において溶錬炉から分離排出される銅スラグは、水砕ピットにおいて高圧水によって粉砕するとしている。特許文献3では、溶錬炉で生成されたスラグを水砕した水砕水から重金属を含む水砕水をブリードオフし、重金属を除去した後の処理水を放流することなく再び水砕水として循環使用するスラグ水砕水の循環方法が提案されている。特許文献3の場合も、溶錬炉で生成されたスラグを冷水槽に貯えられた水砕水によって水砕したスラグ水砕水を循環使用するとしている。上記した従来技術では、いずれも、水砕槽(水砕ピット)内で、銅製錬炉などで発生する溶融スラグから水砕水を用いて水砕スラグを生産するとしており、また、いずれも循環使用する水砕水について検討した技術に関する。
【0007】
特許文献4では、銅製錬炉で発生する溶融スラグから水砕スラグを生産する水砕工程を有する銅製錬プラントの排水処理方法において、循環使用させる水砕水のpH値を、特有の時点で7.0~8.5の範囲内に調整することの有用性についての開示がされている。また、特許文献5では、ヒ素の溶出量の少ない銅製錬水砕スラグ(カラミ)粒を得る方法として、循環する水砕水に無機凝集剤及び有機凝集剤を添加し、pHを5~10に調整後、沈降槽において浮遊物を除去後、水砕水として再利用することが提案されている。そして、水砕方法については、炉から排出されたカラミは、カラミ樋を介して水砕樋に流入し、その水砕樋を流下してきた水砕水により水砕され、水砕カラミとして水砕ピット内に落下するとしている。また、特許文献6では、循環して使用する水砕水のpHを制御することで、得られたスラグがヒ素及びカドミウムの溶出が低減されたものになることが提案されている。上記した従来技術も、循環使用する水砕水について検討した技術に関するものであり、特に、水砕水を特有の構成にすることで、水砕した非鉄金属スラグからのヒ素などの溶出量を低減できるとした効果が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特許第4483435号公報
特開2016-102054号公報
特許第5546499号公報
特開2009-291667号公報
特許第4373965号公報
特許第4059864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記した現状に対し、本発明者らは、特に非鉄金属スラグを細粒化する方法として一般的な、水で急冷して水砕する方法、さらに、その際に水砕水として循環して使用する冷却水において下記の課題があることを見出した。先に例示したように、非鉄金属水砕スラグを製造する場合、溶融状態の非鉄金属スラグ(高温の溶融スラグ)の移送経路にあるスラグ樋内に加圧水(冷却水)を吹き付けて急冷し水砕する工程後に、或いは、高温の溶融スラグを、水砕槽(水砕ピット)内や、水砕槽へ水砕水を流す水砕樋内のスラグ水砕水流中に落下或いは流入させることで、溶融スラグを急冷凝固させて水砕する工程後に、水砕槽(水砕ピット)内に沈降した水砕した非鉄金属スラグを水砕槽内から外部に取り出している。本発明者らは、水砕槽内に沈降した水砕した非鉄金属スラグについて検討した結果、水砕槽(水砕ピット)内に沈降した水砕した非鉄金属スラグを、より多く且つより取り出し易い形態にすることができれば、水砕した非鉄金属スラグの回収率を向上させることができ、加えて、取り出した後における水砕槽の水中に残る非鉄金属スラグの細粒の量を低減させることができるので、水砕したことで温度が上昇した水砕水を循環使用するために行う冷却処理に極めて有用であるとの認識をもった。
【0010】
本発明者らは、非鉄金属スラグを水砕して粒子化する方法について検討する過程で、特に、使用して昇温した水砕水の冷却処理工程において、非鉄金属スラグに特有の課題があることを認識した。先述したように、従来技術では、水砕槽(水砕ピット)内の水砕した非鉄金属スラグを沈降物として外部に取り出し、沈殿物を取り出した後の昇温した水は、沈降槽(沈降ピット)に導入して細粒を沈殿させ、細粒が分離された上澄水を冷却機内に導入して、該冷却機で水砕水として機能できる程度の温度に冷却され、再度、非鉄金属スラグの水砕水(冷水)として利用されている。昇温した水を冷却する際には、プレート式熱交換器或いは管式熱交換器などの冷却処理装置(熱交換器)が用いられている。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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