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公開番号
2025106778
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-16
出願番号
2024061770
出願日
2024-04-05
発明の名称
炭化珪素半導体装置の製造方法および炭化珪素半導体装置
出願人
富士電機株式会社
代理人
個人
主分類
H10D
30/60 20250101AFI20250709BHJP()
要約
【課題】チャネル移動度の低下を防止することができる炭化珪素半導体装置の製造方法および炭化珪素半導体装置を提供すること。
【解決手段】MOSゲートを形成するにあたって、まず、半導体基体を加熱しないか、または半導体基体を400℃以下程度の低温度に加熱した状態で、水素ガス、希ガスまたはハロゲン系ガスを含む非酸化の原料ガスを用いて半導体基体の表面を低温プラズマエッチングする。この低温プラズマエッチングに連続して、半導体基体を酸素雰囲気に曝すことなく、スパッタリング法等によって半導体基体の表面にゲート絶縁膜を堆積する。次に、NOガス、N
2
OガスまたはN
2
ガスを用いた熱処理により、ゲート絶縁膜と半導体基体との界面を窒化する。これによって、ゲート絶縁膜と半導体基体との界面の欠陥密度、SiCの酸化に由来する余剰炭素量および余剰炭素分布幅が低減される。その後、ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
炭化珪素からなる半導体基体に絶縁ゲートを備えた炭化珪素半導体装置の製造方法であって、
前記半導体基体を加熱しないか、または前記半導体基体を400℃以下の温度で加熱した状態で、前記半導体基体の表面を、酸素原子を含まない原料ガスを用いて発生させたプラズマによってエッチングする第1工程と、
前記第1工程の後、前記半導体基体を酸素雰囲気に曝すことなく、前記半導体基体の表面に前記絶縁ゲートを構成するゲート絶縁膜を堆積する第2工程と、
前記ゲート絶縁膜と前記半導体基体との界面を窒化する第3工程と、
前記半導体基体の表面に前記ゲート絶縁膜を介して対向して前記絶縁ゲートを構成するゲート電極を形成する第4工程と、
を含むことを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法。
続きを表示(約 940 文字)
【請求項2】
前記第1工程では、前記半導体基体の表面を前記プラズマに曝して前記半導体基体の表層を溶解することを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記第1工程では、水素ガスを含む前記原料ガスを用いることを特徴とする請求項1または2に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記第1工程では、前記半導体基体の表面に前記プラズマ中のラジカルを衝突させて前記半導体基体の表層を削り取ることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記第1工程では、希ガスまたはハロゲン系ガスを含む前記原料ガスを用いることを特徴とする請求項1または4に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記第1工程の後、前記第2工程の前、酸素を含まない雰囲気において800℃以上1000℃以下の温度で前記半導体基体を加熱する第5工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記第1工程と前記第2工程とを同一のチャンバー内で連続して行うことを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記第2工程では、スパッタリング法によって前記ゲート絶縁膜を堆積することを特徴とする請求項7に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記第2工程では、プラズマ支援化学気相堆積法によって前記ゲート絶縁膜を堆積することを特徴とする請求項7に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記第2工程は、
前記第1工程の後、前記半導体基体を酸素雰囲気に曝すことなく、前記半導体基体を加熱しないか、または前記半導体基体を600℃以下の温度で加熱した状態で、前記半導体基体の表面に、酸素原子を含まない珪素含有層を堆積する第1堆積工程と、
前記珪素含有層の上に前記ゲート絶縁膜を堆積する第2堆積工程と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この開示は、炭化珪素半導体装置の製造方法および炭化珪素半導体装置に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ゲート絶縁膜の形成前に、炭化珪素(SiC)表面に析出したドーパントや余剰炭素の析出層を再析出しないようにエッチングしてSiC表面を平坦化することで、チャネル移動度の低下を抑制する技術が記載されている。特許文献2には、ゲート絶縁膜の形成前に、SiC基板の表面を原子状水素の照射によりエッチングして平坦化することで、チャネル抵抗の増大を抑制する技術が記載されている。特許文献3には、SiC基板の表面をH
2
ガスでエッチングしてからSiC基板の表面にSiO
2
膜を形成し、その後、SiO
2
膜とSiC基板との界面(以下、SiO
2
/SiC界面とする)を窒化することで、SiO
2
/SiC界面の欠陥密度を低減する技術が記載されている。特許文献4には、熱酸化によるSiO
2
膜の形成時にSiO
2
/SiC界面の窒素量を所定範囲内にすることでSiO
2
/SiC界面の余剰炭素を低減する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-082689号公報
特許第6447732号公報
特開2021-192397号公報
特開2018-186140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1,3では、1200℃以上の高温度の処理を含むため、この高温度の処理前にSiC表面にフィールド酸化膜等の絶縁層(SiO
2
)が存在していると、当該絶縁層にダメージが生じる。上記特許文献2では、800℃以上の温度でSiC基板を加熱した状態でSiC基板の表面を原子状水素の照射によりエッチングするが、絶縁層がSiCよりも原子状水素と反応しやすいため、絶縁層の表面荒れが顕著となる。このため、上記特許文献1~3では、製造プロセスの設計変更が必要となる虞がある。上記特許文献4では、SiO
2
/SiC界面の余剰炭素が十分に低減されているとは言えない。
【0005】
この開示は、チャネル移動度の低下を防止することができる炭化珪素半導体装置の製造方法および炭化珪素半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この開示の一態様にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法は、炭化珪素からなる半導体基体に絶縁ゲートを備えた炭化珪素半導体装置の製造方法であって、以下の通りである。前記半導体基体を加熱しないか、または前記半導体基体を400℃以下の温度で加熱した状態で、前記半導体基体の表面を、酸素原子を含まない原料ガスを用いて発生させたプラズマによってエッチングする第1工程を行う。前記第1工程の後、前記半導体基体を酸素雰囲気に曝すことなく、前記半導体基体の表面に前記絶縁ゲートを構成するゲート絶縁膜を堆積する第2工程を行う。前記ゲート絶縁膜と前記半導体基体との界面を窒化する第3工程を行う。前記半導体基体の表面に前記ゲート絶縁膜を介して対向して前記絶縁ゲートを構成するゲート電極を形成する第4工程を行う。
【0007】
この開示の一態様にかかる炭化珪素半導体装置は、以下の通りである。炭化珪素からなる半導体基体の表面にゲート絶縁膜が設けられている。前記半導体基体の表面に、前記ゲート絶縁膜を介してゲート電極が設けられている。前記ゲート絶縁膜と前記ゲート電極とで絶縁ゲートが構成される。前記半導体基体と前記ゲート絶縁膜との界面に存在する余剰炭素は、前記半導体基体と前記ゲート絶縁膜との界面から前記半導体基体側および前記ゲート絶縁膜側ともに2nm以内の範囲に分布し、かつ、前記半導体基体の炭素量に対する量の比率が0.025以下である。
【発明の効果】
【0008】
本開示にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法および炭化珪素半導体装置によれば、チャネル移動度の低下を防止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法の概要を示すフローチャートである。
実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である(その1)。
実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である(その2)。
実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である(その3)。
実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である(その4)。
実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である(その5)。
実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である(その6)。
実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である(その7)。
実施の形態2にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法の概要を示すフローチャートである。
実施の形態3にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法の概要を示すフローチャートである。
実施の形態3にかかる炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である(その1)。
実施の形態3にかかる炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である(その2)。
実施の形態3にかかる炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である(その3)。
実施の形態3にかかる炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である(その4)。
実施の形態3にかかる炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である(その5)。
実施の形態3にかかる炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である(その6)。
一般的なMOSキャパシタの構造を示す断面図である。
実施例1~4および比較例1のゲート絶縁膜形成前のSiC基体表面処理条件を示す図表である。
実施例1~4および比較例1,2のSiO
2
/SiC界面の界面準位密度を測定した結果を示す図表である。
実施例5~7および比較例3のゲート絶縁膜形成前のSiC基体表面処理条件を示す図表である。
実施例5~7および比較例3の電界効果移動度を算出した結果を示す図表である。
実施例8,9および比較例4~6,10のゲート絶縁膜形成前のSiC基体表面処理条件と、ゲート絶縁膜の形成条件と、SiO
2
/SiC界面の界面準位密度を測定した結果と、SiO
2
/SiC界面の余剰炭素量および余剰炭素分布幅を算出した結果と、を示す図表である。
実施例10,11および比較例7~9のゲート絶縁膜形成前のSiC基体表面処理条件を示す図表である。
実施例10,11および比較例7~9の電界効果移動度およびゲートしきい値電圧を算出した結果を示す図表である。
実施例1および比較例10の余剰炭素のスペクトルの対SiC成分面積強度比分布を示す特性図である。
試料片のSiO
2
/SiC界面近傍のEELS測定の測定点を模式的に示す説明図である。
図26Aの各測定点でのSiC成分のスペクトル(実線)および余剰炭素のスペクトル(破線)をそれぞれあらわす電子の損失エネルギー強度分布図である。
図26Bの余剰炭素のスペクトルの対SiC成分面積強度比分布図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<本開示の実施形態の概要>
(1)この開示の一態様にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法は、炭化珪素からなる半導体基体に絶縁ゲートを備えた炭化珪素半導体装置の製造方法であって、以下の通りである。前記半導体基体を加熱しないか、または前記半導体基体を400℃以下の温度で加熱した状態で、前記半導体基体の表面を、酸素原子を含まない原料ガスを用いて発生させたプラズマによってエッチングする第1工程を行う。前記第1工程の後、前記半導体基体を酸素雰囲気に曝すことなく、前記半導体基体の表面に前記絶縁ゲートを構成するゲート絶縁膜を堆積する第2工程を行う。前記ゲート絶縁膜と前記半導体基体との界面を窒化する第3工程を行う。前記半導体基体の表面に前記ゲート絶縁膜を介して対向して前記絶縁ゲートを構成するゲート電極を形成する第4工程を行う。
(【0011】以降は省略されています)
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