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公開番号2025101888
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-08
出願番号2023218969
出願日2023-12-26
発明の名称電子写真用トナー
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人ユニアス国際特許事務所
主分類G03G 9/087 20060101AFI20250701BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】耐ホットオフセット性、及びラミネート密着性に優れる電子写真用トナー、及び電子写真用トナーの製造方法を提供する。
【解決手段】結着樹脂を含む電子写真用トナーであって、前記結着樹脂が、2価以上のカルボン酸成分と、2価以上のアルコール成分と、変性シリコーン、を含む原料成分の反応物である非晶性ポリエステル系樹脂(A)を含有し、前記カルボン酸成分が、アルケニルコハク酸を5モル%以上35モル%以下含有し、前記変性シリコーンは、アミノ基、カルボキシ基、エポキシ基、及びカルビノール基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する変性シリコーンであって、前記非晶性ポリエステル系樹脂(A)をメチルエチルケトンに溶解させた際の不溶分が、非晶性ポリエステル系樹脂(A)の質量に対し1質量%以上であって、離型剤の含有量が、結着樹脂の総量100質量部に対して、0質量部以上1質量部未満である、電子写真用トナー。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
結着樹脂を含む電子写真用トナーであって、
前記結着樹脂が、2価以上のカルボン酸成分と、2価以上のアルコール成分と、変性シリコーン、を含む原料成分の反応物である非晶性ポリエステル系樹脂(A)を含有し、
前記カルボン酸成分が、アルケニルコハク酸を5モル%以上35モル%以下含有し、
前記変性シリコーンは、アミノ基、カルボキシ基、エポキシ基、及びカルビノール基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する変性シリコーンであって、
前記非晶性ポリエステル系樹脂(A)をメチルエチルケトンに溶解させた際の不溶分が、非晶性ポリエステル系樹脂(A)の質量に対し1質量%以上であって、
離型剤の含有量が、前記結着樹脂の総量100質量部に対して、0質量部以上1質量部未満である、
電子写真用トナー。
続きを表示(約 790 文字)【請求項2】
前記変性シリコーンは、前記官能基の少なくとも1つを側鎖に有するシリコーンである、請求項1に記載の電子写真用トナー。
【請求項3】
前記変性シリコーンは、少なくともアミノ基を前記官能基として有する、請求項1又は2に記載の電子写真用トナー。
【請求項4】
前記アルケニルコハク酸のアルケニル基が分岐構造を有する、請求項1~3のいずれかに記載の電子写真用トナー。
【請求項5】
前記非晶性ポリエステル系樹脂(A)の軟化点が128℃以上である、請求項1~4のいずれかに記載の電子写真用トナー。
【請求項6】
前記非晶性ポリエステル系樹脂(A)の含有量が40質量%以上80質量%以下である、請求項1~5のいずれかに記載の電子写真用トナー。
【請求項7】
2価以上のカルボン酸成分と、2価以上のアルコール成分と、変性シリコーン、を含む原料成分の反応物である非晶性ポリエステル系樹脂(A)を含む結着樹脂組成物を溶融混練して溶融混練物を得る工程と、該溶融混練物を粉砕分級してトナー母粒子を得る工程を含む電子写真用トナーの製造方法であって、
前記カルボン酸成分が、アルケニルコハク酸を5モル%以上35モル%以下含有し、
前記変性シリコーンは、アミノ基、カルボキシ基、エポキシ基、及びカルビノール基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する変性シリコーンであって、
前記非晶性ポリエステル系樹脂(A)をメチルエチルケトンに溶解させた際の不溶分が、非晶性ポリエステル系樹脂(A)の質量に対し1質量%以上であって、
離型剤の含有量が、前記結着樹脂組成物中の結着樹脂の総量100質量部に対して、0質量部以上1質量部未満である、
電子写真用トナーの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられる電子写真用トナー、及び電子写真用トナーの製造方法等に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、プリント・オン・デマンド市場が成長しているなか、電子写真技術に対する高速化の要求が益々高まっている。そこで、高速化に対応するための手段の一つとして、トナーをより少ないエネルギーで紙上に定着させるために、結着樹脂としてポリエステルを使用したトナーが用いられている。しかしながら、このような高速化の要求に対応してトナーを低粘度化した結果、定着器とトナー画像との分離性が悪化し、耐ホットオフセット性が悪化するなどの課題がある。
【0003】
そこで、これらの課題を解決するために、例えば特許文献1には、トナー粒子を含む電子写真用トナーであって、前記トナー粒子は、2価以上のアルコールを含むアルコール成分と、2価以上のカルボン酸化合物を含むカルボン酸成分と、ヒドロキシ基、カルボキシ基、又はエポキシ基を、片末端又は両末端に有する変性シリコーンとの反応物である樹脂(A)(但し、前記変性シリコーンが、ヒドロキシ基を片末端又は両末端に有する場合は、前記樹脂(A)の数平均分子量は1,000以上10,000以下である。)を結着樹脂として含み、前記トナー粒子の体積中位粒径(D
50
)が6.5μm以下であり、定着装置にベルト定着方式又はフリーベルトニップ定着方式を用いた電子写真装置に用いられる、電子写真用トナーについて記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、結着樹脂及び極性基含有オレフィン共重合体を含有するトナー粒子を有するトナーであって、該結着樹脂は、シリコーンユニットを有する変性ポリエステルを含有し、該極性基含有オレフィン共重合体は、極性を有するユニットとポリオレフィンユニットとを有する重合体であり、該極性を有するユニットが、α,β-不飽和カルボン酸およびその誘導体、不飽和ニトリルおよびその誘導体からなる群より選択されるいずれかの化合物に由来するユニットであることを特徴とするトナーについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2022-067909号公報
特開2021-096333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
プリント・オン・デマンド印刷においては、印刷後の製本化やカタログ作製、郵便物の作製等の後処理において、トナーの定着工程後に、高耐久化や質感の付与のためにラミネート加工が行われる場合がある。特許文献1及び2に記載のトナーは、耐ホットオフセット性に優れる一方、ラミネート接着性が低下する場合があった。
本発明は、耐ホットオフセット性、及びラミネート密着性に優れる電子写真用トナーに関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の〔1〕~〔2〕に関する。
〔1〕結着樹脂を含む電子写真用トナーであって、
前記結着樹脂が、2価以上のカルボン酸成分と、2価以上のアルコール成分と、変性シリコーン、を含む原料成分の反応物である非晶性ポリエステル系樹脂(A)を含有し、
前記カルボン酸成分が、アルケニルコハク酸を5モル%以上35モル%以下含有し、
前記変性シリコーンは、アミノ基、カルボキシ基、エポキシ基、及びカルビノール基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する変性シリコーンであって、
前記非晶性ポリエステル系樹脂(A)をメチルエチルケトンに溶解させた際の不溶分が、非晶性ポリエステル系樹脂(A)の質量に対し1質量%以上であって、
離型剤の含有量が、前記結着樹脂の総量100質量部に対して、0質量部以上1質量部未満である、
電子写真用トナー。
〔2〕2価以上のカルボン酸成分と、2価以上のアルコール成分と、変性シリコーン、を含む原料成分の反応物である非晶性ポリエステル系樹脂(A)を含む結着樹脂組成物を溶融混練して溶融混練物を得る工程と、該溶融混練物を粉砕分級してトナー母粒子を得る工程を含む電子写真用トナーの製造方法であって、
前記カルボン酸成分が、アルケニルコハク酸を5モル%以上35モル%以下含有し、
前記変性シリコーンは、アミノ基、カルボキシ基、エポキシ基、及びカルビノール基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する変性シリコーンであって、
前記非晶性ポリエステル系樹脂(A)をメチルエチルケトンに溶解させた際の不溶分が、非晶性ポリエステル系樹脂(A)の質量に対し1質量%以上であって、
離型剤の含有量が、前記結着樹脂組成物中の結着樹脂の総量100質量部に対して、0質量部以上1質量部未満である、
電子写真用トナーの製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、耐ホットオフセット性、及びラミネート密着性に優れる電子写真用トナー、及び電子写真用トナーの製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[電子写真用トナー]
本発明の一実施形態の電子写真用トナー(以下、単に「トナー」ともいう)は、2価以上のカルボン酸成分と、2価以上のアルコール成分と、変性シリコーン、を含む原料成分の反応物である非晶性ポリエステル系樹脂(A)を含する結着樹脂を含み、カルボン酸成分が、アルケニルコハク酸を5モル%以上35モル%以下含有し、変性シリコーンは、アミノ基、カルボキシ基、エポキシ基、及びカルビノール基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する変性シリコーンであって、非晶性ポリエステル系樹脂(A)中をメチルエチルケトンに溶解させた際の不溶分が、非晶性ポリエステル系樹脂(A)の質量に対し1質量%以上であり、離型剤の含有量が、結着樹脂の総量100質量部に対して、0質量部以上1質量部未満である。
以上の構成によれば、耐ホットオフセット性、及びラミネート密着性に優れる電子写真用トナーを提供することができる。
【0010】
本発明の効果が得られる理由は定かではないが、次のように考えられる。
ラミネート密着性の向上には、ラミネート接着剤がアンカー効果を十分に発現できる程度に、トナー画像に凹凸が必要である。特にオフセット性を持たせるために汎用されている離型剤は、トナー画像表面にブリードアウトして表面の凹凸形状を埋めて平滑化するため、ラミネート密着性の観点からは使用しないほうが有利である。
耐ホットオフセット性を持たせる技術としては、シリコーン変性ポリエステル樹脂の使用が検討されている。しかし、従来技術では、高極性のポリエステルに対し、低極性のシリコーンの分散性が低いため反応が十分に進行せず、変性シリコーンが未反応のまま残存し、これらが画像定着時にトナー画像表面にブリードアウトしてしまう。そのため、トナー画像を平滑化してしまい、耐ホットオフセット性が向上しても、ラミネート密着性は低下してしまう。
これに対し、本発明では、アルケニルコハク酸を特定量含有する2価以上のカルボン酸成分と、2価以上のアルコール成分と、変性シリコーンと、を含む原料成分の反応物である非晶性ポリエステル系樹脂(A)を、上記シリコーン変性ポリエステル系樹脂としてトナーが含む結着樹脂中に含有する。アルケニルコハク酸が反応時の変性シリコーンの分散性を高めることで未反応の変性シリコーンの含有量を低減し、ブリードアウトによる画像表面の平滑化を抑制できる。同時に、非晶性ポリエステル系樹脂(A)が、メチルエチルケトン不溶分を特定量含有するほどに高分子量体であることで、定着工程後も樹脂が画像表面に適度な凹凸形状を維持しやすくなる。その結果、離型剤を実質的に含有しないトナーでありながら、耐ホットオフセット性に優れるとともに、ラミネート密着性が向上するものと考えられる。
(【0011】以降は省略されています)

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