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公開番号2025095340
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-26
出願番号2023211270
出願日2023-12-14
発明の名称メタライズ基板およびそれを用いた半導体装置、メタライズ基板の製造方法
出願人株式会社東芝,東芝マテリアル株式会社
代理人個人
主分類H01L 23/13 20060101AFI20250619BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】 鉛フリー半田との接合性を改善したメタライズ基板を提供する。
【解決手段】 セラミックス基板上にメタライズ層、メタライズ層上にめっき膜を設けたメタライズ基板であって、メタライズ層は、Ag(銀)またはCu(銅)の1種または2種と、Sn(錫)またはIn(インジウム)の1種または2種と、活性金属を含有し、めっき膜は、Ni(ニッケル)を主成分とする膜と、Sn(錫)を主成分とする膜が積層されていることを特徴とする。また、メタライズ層はC(炭素)を含有することが好ましい。また、メタライズ層の厚さは5μm以上60μm以下の範囲内であることが好ましい。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
セラミックス基板上にメタライズ層、メタライズ層上にめっき膜を設けたメタライズ基板であって、
メタライズ層は、Ag(銀)またはCu(銅)の1種または2種と、Sn(錫)またはIn(インジウム)の1種または2種と、活性金属を含有し、
めっき膜は、Ni(ニッケル)を主成分とする膜と、Sn(錫)を主成分とする膜が積層されていることを特徴とするメタライズ基板。
続きを表示(約 820 文字)【請求項2】
メタライズ層はC(炭素)を含有することを特徴とする請求項1記載のメタライズ基板。
【請求項3】
メタライズ層の厚さは5μm以上60μm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のメタライズ基板。
【請求項4】
めっき膜の厚さは、0.5μm以上20μm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のメタライズ基板。
【請求項5】
メタライズ層は、Agを20質量%以上70質量%以下、Cuを20質量%以上70質量%以下、Snを5質量%以上40質量%以下、活性金属(活性金属化合物含む)を1質量%以上15質量%以下、Cを0.1質量%以上1質量%以下、を満たすことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のメタライズ基板。
【請求項6】
メタライズ層は、Agを20質量%以上70質量%以下、Cuを20質量%以上70質量%以下、Snを5質量%以上40質量%以下、活性金属(活性金属化合物含む)を1質量%以上15質量%以下、Cを0.1質量%以上1質量%以下、を満たすことを特徴とする請求項4に記載のメタライズ基板。
【請求項7】
Snめっき膜表面は白色または薄い灰色を示すことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のメタライズ基板。
【請求項8】
セラミックス基板が窒化アルミニウム基板、窒化珪素基板のいずれか1種であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のメタライズ基板。
【請求項9】
セラミックス基板が窒化アルミニウム基板、窒化珪素基板のいずれか1種であることを特徴とする請求項6に記載のメタライズ基板。
【請求項10】
請求項1記載のメタライズ基板に半導体素子を実装したことを特徴とする半導体装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
後述する実施形態は、おおむね、メタライズ基板およびそれを用いた半導体装置、メタライズ基板の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
セラミックス回路基板は、半導体素子を実装する回路基板として用いられている。セラミックス回路基板には、金属板を接合したものやメタライズ層を設けたものがある。メタライズ層は、セラミックス基板上に金属ペーストを塗布、焼成して導体部を形成したものである。金属板を接合したものは、回路形状を付与するためにエッチング工程を用いている。エッチング工程は、薬液などの管理が必要である。また、金属板は高価なものである。
それに対し、メタライズ層は、金属板を用いないため、その分、コストを下げることができる。また、導体部としたい箇所のみに金属ペーストを塗布することにより、エッチングレスにすることも可能である。このように、メタライズ基板は金属板を接合したセラミックス回路基板に対し、コスト低減が可能である。
例えば、特開平6-21261号公報(特許文献1)には、Mo(モリブデン)またはW(タングステン)を主成分とし、Ti(チタン)を添加したメタライズ層が開示されている。特許文献1では、MoとTiN(窒化チタン)を混合したメタライズ層を用いている。特許文献1では、セラミックス基板から粒界相成分がにじみ出ることを抑制することにより、Niめっきの付着性を向上させている。Moは融点2623℃程度の高融点金属である。特許文献1ではメタライズ層を形成するための焼成工程は1800℃で行っている。1800℃はMo粉末の融点より低いため、Mo粉末が完全に溶けるわけではない。Mo粉末同士の隙間を粒界相成分がにじみ出るのを完全に抑制することは困難である。
また、特開平8-59375号公報(特許文献2)には、活性金属を含むIn-Ag-Cu系金属材料からなるメタライズ層が開示されている。特許文献2のように、AgCu共晶を用いることにより、緻密なメタライズ層を形成することができる。これにより、粒界相成分のにじみ出しを抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平6-21261号公報
特開平8-59375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、メタライズ層上に半田層を介して半導体素子を実装していた。近年、半田層には鉛フリー半田が用いられている。In-Ag-Cu系メタライズ層と鉛フリー半田の接合強度は必ずしも良いものではなかった。また、特許文献1のように、Niめっき膜を設けたとしても、接合強度の改善は十分とは言えなかった。
実施形態は、このような課題に対処するためのものであり、鉛フリー半田との接合強度が良好なメタライズ基板を提供するためものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態にかかるメタライズ基板は、セラミックス基板上にメタライズ層、メタライズ層上にめっき膜を設けたメタライズ基板であって、メタライズ層は、Ag(銀)またはCu(銅)の1種または2種と、Sn(錫)またはIn(インジウム)の1種または2種と、活性金属を含有し、めっき膜は、Ni(ニッケル)を主成分とする膜と、Sn(錫)を主成分とする膜が積層されていることを特徴とするものである。
【図面の簡単な説明】
【0006】
実施形態にかかるメタライズ基板の一例を示す図。
実施形態にかかる半導体装置の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
実施形態にかかるメタライズ基板は、セラミックス基板上にメタライズ層、メタライズ層上にめっき膜を設けたメタライズ基板であって、メタライズ層は、Ag(銀)またはCu(銅)の1種または2種と、Sn(錫)またはIn(インジウム)の1種または2種と、活性金属を含有し、めっき膜は、Ni(ニッケル)を主成分とする膜と、Sn(錫)を主成分とする膜が積層されていることを特徴とするものである。
図1に実施形態にかかるメタライズ基板の一例を示した。図中、符号1はメタライズ基板、符号2はセラミックス基板、符号3はメタライズ層、符号4はNiめっき膜、符号5はSnめっき膜、である。
メタライズ基板1は、セラミックス基板2上に、メタライズ層3、Niめっき膜4、Snめっき膜5の積層構造を具備している。
【0008】
セラミックス基板2は、様々なものを適用することができる。セラミックス基板としては、窒化珪素基板、窒化アルミニウム基板、アルミナ基板、ジルコニア基板、アルジル基板が挙げられる。なお、アルジル基板とはアルミナとジルコニアを混合したセラミックス焼結体である。セラミックス基板の厚さは0.2mm以上3mm以下のものが好ましい。
窒化珪素基板は、3点曲げ強度が600MPa以上のものであることが好ましい。また、熱伝導率は80W/m・K以上のものであることが好ましい。窒化珪素基板の強度を上げることにより、基板厚さを薄くすることができる。このため、窒化珪素基板は3点曲げ強度は600MPa以上、さらには700MPa以上が好ましい。窒化珪素基板は基板厚さを2mm以下、さらには0.40mm以下と薄くできる。
また、窒化アルミニウム基板は3点曲げ強度は300~450MPa程度である。その一方、窒化アルミニウム基板の熱伝導率は160W/m・K以上250W/m・K以下である。窒化アルミニウム基板は強度が低いため、基板厚さは0.60mm以上が好ましい。
また、酸化アルミニウム基板は3点曲げ強度は300MPa以上550MPa以下であるが、安価である。また、アルジル基板は3点曲げ強度が550MPa程度と高いが熱伝導率は30~50W/m・K程度である。
【0009】
また、窒化珪素基板または窒化アルミニウム基板は、窒化物系セラミックス基板である。また、酸化アルミニウム基板またはアルジル基板は酸化物系セラミックス基板である。窒化物系セラミックス基板と酸化物系セラミックス基板を比較すると、窒化物系セラミックス基板の方が好ましい。窒化物系セラミックス基板の方が熱伝導率が高いものが多い。また、後述するようにセラミックス基板と反応して活性金属反応相を形成する。窒化物系セラミックス基板の活性金属反応相は活性金属窒化物相となる。また、酸化物系セラミックスの活性金属反応相は活性金属酸化物相となる。例えば、活性金属としてTi(チタン)を使った場合、活性金属窒化物相は窒化チタン、活性金属酸化物相は酸化チタンとなる。窒化チタンと酸化チタンを比較すると、窒化チタンの方が熱伝導率が高い。このため、窒化物系セラミックス基板の方が好ましい。
また、メタライズ層は、Ag(銀)またはCu(銅)の1種または2種と、Sn(錫)またはIn(インジウム)の1種または2種と、活性金属を含有している。
【0010】
AgまたはCuはメタライズ層の母体となる成分である。AgまたはCuは1種または2種含有させても良い。AgとCuの両方を用いることにより、AgCu共晶を形成する。これにより、メタライズ層の緻密化を向上させることができる。
また、メタライズ層は、SnまたはInの1種または2種を含有している。SnまたはInは1種または2種含有させても良い。SnまたはInはメタライズ層を構成するためのメタライズペーストの融点を下げることができる。SnまたはInを添加したメタライズペーストは、400~600℃程度で溶け始める。それにより、AgやCuと合金を形成する。合金としては、AgSn、CuSn、AgIn、CuIn、AgCuSn、AgCuInの1種または2種以上が挙げられる。また、合金には化合物(金属間化合物含む)も含むものとする。合金の形成は、メタライズ層の緻密化に寄与する。
(【0011】以降は省略されています)

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