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公開番号2025092751
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-19
出願番号2025062059,2022569842
出願日2025-04-03,2021-12-01
発明の名称複合材料およびその製造方法、並びに生体インプラント
出願人京セラ株式会社
代理人弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
主分類A61K 6/58 20200101AFI20250612BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】優れた抗菌性を示すとともにフッ素溶出が低減された複合材料を提供する。
【解決手段】本開示に係る複合材料は、ベース材と、ベース材の表面に位置する表面層とを備える。前記表面層は、チタンとフッ素との化合物、および、チタンとフッ素と酸素との化合物を含む。前記表面層におけるチタンとフッ素との化合物の存在量は、チタンとフッ素と酸素との化合物の存在量を超えない。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ベース材と、ベース材の表面に位置する表面層とを備え、
前記表面層は、チタンとフッ素との化合物、および、チタンとフッ素と酸素との化合物を含み、
前記表面層におけるチタンとフッ素との化合物の存在量が、チタンとフッ素と酸素との化合物の存在量を超えず、
前記表面層に対してX線光電子分光分析法(XPS)による測定を行ったとき、得られたXPSスペクトルの、チタンとフッ素との化合物に帰属されるピークおよびチタンとフッ素と酸素との化合物に帰属されるピークの合計のピーク面積に対する、チタンとフッ素との化合物に帰属されるピークのピーク面積の比が、0.5以下であり、
酸性の溶液に浸漬することにより測定されたフッ素の溶出量が1μg/cm

・day以下である、複合材料。
続きを表示(約 660 文字)【請求項2】
前記チタンとフッ素と酸素との化合物は、TiOF、TiO
2-X

2X
(0<X<2)、フッ素置換型F-TiO

、フッ素侵入型F-TiO

からなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含む、請求項1に記載の複合材料。
【請求項3】
前記チタンとフッ素との化合物は、TiF

(1≦X≦4)を含む、請求項1または2に記載の複合材料。
【請求項4】
フッ素濃度の最大値が10原子%を超える、請求項1~3のいずれか1項に記載の複合材料。
【請求項5】
前記表面層におけるフッ素濃度が1ppm以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載の複合材料。
【請求項6】
前記表面層の厚さが20~1100nmである、請求項1~5のいずれか1項に記載の複合材料。
【請求項7】
チタンと酸素との化合物を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の複合材料。
【請求項8】
前記チタンと酸素との化合物が、TiO

を含む、請求項7に記載の複合材料。
【請求項9】
前記ベース材が純チタンまたはチタン合金を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の複合材料。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の複合材料を含む、生体インプラント。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、複合材料およびその製造方法、並びに生体インプラントに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
生体内にチタンなどで構成されたインプラントデバイスを挿入することにより生体機能を回復させる治療が広く行われている。これらインプラント治療において、術後に生じる感染を低減することが課題となっている。
【0003】
例えば、チタン表面にフッ素イオンを注入した場合に抗菌性が示されることが知られている。
【発明の概要】
【0004】
本開示の一態様に係る複合材料は、ベース材と、ベース材の表面に位置する表面層とを備える。前記表面層は、チタンとフッ素との化合物、および、チタンとフッ素と酸素との化合物を含む。前記表面層におけるチタンとフッ素との化合物の存在量は、チタンとフッ素と酸素との化合物の存在量を超えない。
【0005】
本開示の一態様に係る複合材料の製造方法は、以下の(a)~(d)のいずれかによって、ベース材の表面に位置する表面層におけるチタンとフッ素との化合物の存在量が、チタンとフッ素と酸素との化合物の存在量を超えない複合材料を形成する工程を含む:
(a)金属チタンを含むベース材に、3×10
17
原子/cm

以下のフッ素を注入すること;
(b)金属チタンを含み、且つ表面に酸化被膜を備えるベース材に、フッ素を注入すること;
(c)金属チタンを含み、且つフッ素が注入されたベース材に、酸素を反応させること;
(d)金属チタンを含むベース材に、フッ素および酸素を反応させること。
【図面の簡単な説明】
【0006】
一実施形態に係る歯科インプラントの模式図である。
実施例1および比較例1におけるフッ素溶出量を示すグラフである。
実施例1および比較例1における生理食塩水への浸漬前後のフッ素濃度の変化を示すグラフである。
実施例1および比較例1における生理食塩水への浸漬前後のフッ素結合状態の変化を示すグラフである。
未処理チタン、実施例1および比較例1における生理食塩水への浸漬前後の抗菌性の変化を示すグラフである。
未処理チタンおよび実施例1における相対コロニー形成率を示すグラフである。
実施例2および比較例1におけるフッ素溶出量を示すグラフである。
実施例2および比較例1における生理食塩水への浸漬前後のフッ素濃度の変化を示すグラフである。
実施例2および比較例1における生理食塩水への浸漬前後のフッ素結合状態の変化を示すグラフである。
比較例2および実施例3におけるフッ素溶出量を示すグラフである。
透過型電子顕微鏡によって撮影された比較例2および実施例3における複合材料の断面観察図である。
比較例2および実施例3における生理食塩水への浸漬前後のフッ素濃度の変化を示すグラフである。
比較例2および実施例3における生理食塩水への浸漬前後のフッ素結合状態の変化を示すグラフである。
未処理チタンおよび実施例3における抗菌性を示すグラフである。
未処理チタンおよび実施例3における相対コロニー形成率を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本開示の一実施形態について、詳細に説明する。本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A~B」は、「A以上B以下」を意味する。
【0008】
〔1.複合材料〕
整形外科で術後半年程度、口腔領域では術後数年の間、感染が発生し得るといわれる。本発明者らはこの課題を解決するため、チタン材料のフッ素処理による抗菌処理技術の開発を行い、高い抗菌性と優れた機械的特性とを有する表面処理を実現した。一方、酸性環境においてフッ素処理チタン表面からフッ素が溶出する現象を確認した。生体内の炎症反応および食事などで生じる口腔環境におけるpHの変動にも耐える長期耐用性を実現するためにはフッ素の溶出の低減が必要であることを本発明者らは見出した。
【0009】
本開示の一実施形態に係る複合材料は、ベース材と、ベース材の表面に位置する表面層とを備える。前記表面層は、チタンとフッ素との化合物、および、チタンとフッ素と酸素との化合物を含む。前記表面層におけるチタンとフッ素との化合物の存在量は、チタンとフッ素と酸素との化合物の存在量を超えない。フッ素を含有させることにより抗菌性を付与できる。ここで、チタンとフッ素との化合物は、チタンと酸素とフッ素との化合物に比べて溶出しやすい。チタンとフッ素との化合物の存在量を低減することにより、フッ素の溶出を低減できる。これにより、抗菌性を維持できる。
【0010】
本明細書において、チタンとフッ素との化合物とは、チタン原子とフッ素原子とからなる化合物を意味する。また、チタンと酸素との化合物とは、チタン原子と酸素原子とからなる化合物を意味する。チタンとフッ素と酸素との化合物とは、チタン原子とフッ素原子と酸素原子とからなる化合物を意味する。チタンとフッ素と酸素との化合物には、チタン原子と酸素原子とからなる構造中の一部の酸素原子がフッ素原子に置換された構造を有する化合物、および、チタン原子と酸素原子とからなる構造中にフッ素原子が侵入している構造を有する化合物も包含される。
(【0011】以降は省略されています)

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