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公開番号
2025091788
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-19
出願番号
2023207243
出願日
2023-12-07
発明の名称
リチウムイオン二次電池の検査方法及びリチウムイオン二次電池の製造方法
出願人
トヨタバッテリー株式会社
代理人
個人
主分類
H01M
10/058 20100101AFI20250612BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】リチウムイオン二次電池の製造工程において、容易かつ正確に反応抵抗R
R
[Ω]の推定、検査をすること。
【解決手段】リチウムイオン二次電池の検査方法は、非晶質炭素の充放電におけるdQ/dV[Ah/V]を予め測定するdQ/dV予備測定工程(S5)と、非晶質炭素のコート由来ピーク[V]範囲を推定するコート由来ピーク範囲推定工程(S6)と、検査の対象の充放電時のdQ/dV[Ah/V]を測定するdQ/dV測定工程(S7)と、dQ/dV[Ah/V]のコート由来ピーク範囲[V]においてグラフの積分値をピーク面積として求めるピーク面積算出工程(S8)と、参照リチウムイオン二次電池において、ピーク面積/反応抵抗関係を予め求めるピーク面積/反応抵抗関係推定工程(S9)と、検査の対象とするリチウムイオン二次電池の反応抵抗R
R
[Ω]を推定する反応抵抗関係推定工程(S10)とを備えた。
【選択図】図5
特許請求の範囲
【請求項1】
負極活物質として、その表面に非晶質炭素の被膜である非晶質コートが形成された黒鉛粒子を備えたリチウムイオン二次電池において、
検査対象となる前記リチウムイオン二次電池の材料として用いる前記非晶質炭素の充電若しくは放電における負極電位の変化dV[V]と、その変化に対する容量Q[Ah]の比であるdQ/dV[Ah/V]を予め測定するdQ/dV予備測定工程と、
前記dQ/dV予備測定工程の結果に基づき前記非晶質炭素のコート由来ピーク範囲[V]を推定するコート由来ピーク範囲推定工程と、
検査の対象とする前記リチウムイオン二次電池の充電若しくは放電におけるdQ/dV[Ah/V]を測定するdQ/dV測定工程と、
前記dQ/dV測定工程における前記コート由来ピーク範囲推定工程で求めたdQ/dV[Ah/V]の前記コート由来ピーク範囲[V]においてグラフの積分値をピーク面積S
P
として求めるピーク面積算出工程と、
検査対象となる前記リチウムイオン二次電池と同種の参照リチウムイオン二次電池において、前記ピーク面積算出工程で算出したピーク面積S
P
と反応抵抗R
R
[Ω]との関係であるピーク面積/反応抵抗関係を予め求めるピーク面積/反応抵抗関係推定工程と、
前記ピーク面積算出工程で算出したピーク面積S
P
と前記ピーク面積/反応抵抗関係に基づいて、検査の対象とする前記リチウムイオン二次電池の前記反応抵抗R
R
[Ω]を推定する反応抵抗推定工程と、
を備えたことを特徴とするリチウムイオン二次電池の検査方法。
続きを表示(約 870 文字)
【請求項2】
前記反応抵抗推定工程において推定した反応抵抗R
R
[Ω]を予め設定した閾値Thと比較して、良品と不良品を識別する良品識別工程とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池の検査方法。
【請求項3】
前記ピーク面積/反応抵抗関係推定工程における前記ピーク面積/反応抵抗関係を、複数の前記参照リチウムイオン二次電池におけるピーク面積S
P
と反応抵抗R
R
[Ω]を測定したプロット点に基づいて、ピーク面積S
P
と反応抵抗R
R
[Ω]の関係式として求めることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池の検査方法。
【請求項4】
前記関係式は、ピーク面積S
P
と反応抵抗R
R
[Ω]の一次関数として求められたことを特徴とする請求項3に記載のリチウムイオン二次電池の検査方法。
【請求項5】
前記コート由来ピーク範囲推定工程における前記コート由来ピーク範囲を、2.75~2.95[V]としたことを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池の検査方法。
【請求項6】
請求項2に記載のリチウムイオン二次電池の検査方法を含むリチウムイオン二次電池の製造方法であって、
前記良品識別工程において不良品として識別された場合に、当該リチウムイオン二次電池の反応抵抗R
R
[Ω]を予め設定した閾値となるように製造条件を補正して、他の前記リチウムイオン二次電池の製造工程にフィードバックすることを特徴とするリチウムイオン二次電池の製造方法。
【請求項7】
前記良品識別工程において不良品として識別された場合に、前記製造条件の補正は前記リチウムイオン二次電池の負極板若しくは電極体のプレス工程におけるプレス圧の補正であることを特徴とする請求項6に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
リチウムイオン二次電池の検査方法及びリチウムイオン二次電池の製造方法に係り、詳しくはリチウムイオン二次電池の製造工程において、反応抵抗の推定、検査をすることができるリチウムイオン二次電池の検査方法及びリチウムイオン二次電池の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン二次電池は、大きな電池容量や大電流の充放電が可能なことから、広く用いられている。このようなリチウムイオン二次電池は、正極活物質のリチウムイオンを負極に挿入することで充電し、負極から離脱したリチウムイオンが再び正極に挿入されることで放電する。
【0003】
リチウムイオン二次電池は、負極合材に炭素材料を含有している。このようなリチウムイオン二次電池では、近年結晶性の黒鉛(グラファイト)を用いた負極活物質が広く用いられている。黒鉛は充放電容量が高い一方、充放電レート特性が比較的低く、大電流を継続的に充放電可能な特性でない等の課題を有しているため、黒鉛粒子の改良が行なわれている。例えば、リチウムイオン二次電池の負極の結晶性の黒鉛粒子を、結晶化度の低い非晶質炭素で被覆した非晶質コートを備えた黒鉛粒子が提案されている。このように低い結晶性を有する炭素質は、被覆された黒鉛粒子の親水性を高めることで充放電レート特性を向上することができると推定されている。
【0004】
リチウムイオン二次電池は負極板の比表面積BET[m
2
/g]と反応抵抗R
R
[Ω]に相関があることが分かっているが、生産ロットごとの非晶質コートの状態によって性能がばらつくことがある。非晶質コートの量が多過ぎると、かえって負極板の比表面積BET[m
2
/g]が小さくなることで、反応抵抗R
R
[Ω]が大きくなる。そこで、適度な非晶質コートの厚みであることが望まれる。
【0005】
特許文献1には、複合酸化物と導電性高分子材料と導電助材と高分子結着材からなる電極層を具備してなるリチウム二次電池用の電極の検査方法が開示されている。この電極の検査方法では、電極層の表面にX線を照射して、光電効果により放出される光電子を検出し光電子のエネルギーを解析する。これにより、電極層表面における導電性高分子材料、高分子結着材、導電助材及び複合酸化物の各専有面積を測定する。そして、各専有面積より、電極層表面における複合酸化物に対する導電性高分子材料の被覆率を測定する方法を採用する。このような方法であれば、導電性高分子材料の被覆率を測定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2002-008638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、非晶質コートは焼成時の温度によって結晶性が変化する。このため、その被覆率のみならず、焼きムラや焼成温度の違いなどがあると非晶質コートの状態が変わる。そうすると負極板の比表面積BET[m
2
/g]と反応抵抗R
R
[Ω]の関係に影響を与えて、その相関が取れなくなることがある。さらに、リチウムイオン二次電池の製造工程で、プレス圧などで負極板の比表面積BET[m
2
/g]が変化することもある。
【0008】
特許文献1に記載された検査方法では、そのような状態までも解析することができない。さらに特許文献1に記載されたような検査方法は、測定の装置や操作が複雑で、作業が煩雑である。
【0009】
本発明のリチウムイオン二次電池の検査方法及びリチウムイオン二次電池の製造方法が解決しようとする課題は、リチウムイオン二次電池の製造工程において、容易かつ正確に反応抵抗R
R
[Ω]の推定、検査をすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明のリチウムイオン二次電池の検査方法では、負極活物質として、その表面に非晶質炭素の被膜である非晶質コートが形成された黒鉛粒子を備えたリチウムイオン二次電池において、検査対象となる前記リチウムイオン二次電池の材料として用いる前記非晶質炭素の充電若しくは放電における負極電位の変化dV[V]と、その変化に対する容量Q[Ah]の比であるdQ/dV[Ah/V]を予め測定するdQ/dV予備測定工程と、前記dQ/dV予備測定工程の結果に基づき前記非晶質炭素のコート由来ピーク範囲[V]を推定するコート由来ピーク範囲推定工程と、検査の対象とする前記リチウムイオン二次電池の充電若しくは放電におけるdQ/dV[Ah/V]を測定するdQ/dV測定工程と、前記dQ/dV測定工程における前記コート由来ピーク範囲推定工程で求めたdQ/dV[Ah/V]の前記コート由来ピーク範囲[V]においてグラフの積分値をピーク面積S
P
として求めるピーク面積算出工程と、検査対象となる前記リチウムイオン二次電池と同種の参照リチウムイオン二次電池において、前記ピーク面積算出工程で算出したピーク面積S
P
と前記反応抵抗R
R
[Ω]との関係であるピーク面積/反応抵抗関係を予め求めるピーク面積/反応抵抗関係推定工程と、前記ピーク面積算出工程で算出したピーク面積S
P
と前記ピーク面積/反応抵抗関係に基づいて、検査の対象とする前記リチウムイオン二次電池の反応抵抗R
R
[Ω]を推定する反応抵抗推定工程と、を備えたことを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)
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