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公開番号2025090647
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-17
出願番号2025033979,2020181288
出願日2025-03-04,2020-10-29
発明の名称メタクリル系重合体およびその製造方法、並びに成形体
出願人株式会社クラレ
代理人弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類G02B 5/30 20060101AFI20250610BHJP(光学)
要約【課題】耐熱性が高く、弾性率が高く、吸水率が高くなく、熱や温水安定性が良好なメタクリル系重合体を提供する。
【解決手段】メタクリル酸メチル単位15~83質量%と、α-メチルスチレン単位7~35質量%と、マレイン酸無水物単位(M)0~20質量%と、ラクトン環単位、無水グルタル酸単位、N-置換若しくは無置換グルタルイミド単位およびN-置換若しくは無置換マレイミド単位からなる群より選ばれる少なくとも1つ以上の環構造を主鎖に有する構造単位(R)10~65質量%と、メタクリル酸メチル単位に共重合可能なその他のビニル系単量体単位(C)0~20質量%とを有してなるメタクリル系共重合体。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
メタクリル酸メチル単位15~83質量%と、α-メチルスチレン単位7~35質量%と、式(I)で表されるN-置換グルタルイミド単位(R)10~65質量%と、メタクリル酸メチルに共重合可能なその他のビニル系単量体単位(C)0~20質量%とを有してなり、マレイン酸無水物単位(M)0質量%であるメタクリル系共重合体を含む偏光子保護フィルム。
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43
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(式(I)中、R

は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基であり、R

は、炭素数1~18のアルキル基、炭素数3~12のシクロアルキル基または芳香環を含む炭素数6~15の有機基である。)
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
メタクリル酸メチル単位に共重合可能なその他のビニル系単量体単位(C)が、アクリル酸エステル単量体、芳香族ビニル単量体、及びシアン化ビニル単量体からなる群より選ばれる少なくとも一種により形成されている、請求項1に記載の偏光子保護フィルム。
【請求項3】
前記メタクリル酸メチル単位に共重合可能なその他のビニル系単量体単位(C)が、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、スチレン、及びアクリロニトリルからなる群より選ばれる少なくとも一種により形成されている、請求項1又は2に記載の偏光子保護フィルム。
【請求項4】
前記メタクリル系共重合体のガラス転移温度が140℃以上である、請求項1~3のいずれかひとつに記載の偏光子保護フィルム。
【請求項5】
メタクリル酸メチル単位15~83質量%と、α-メチルスチレン単位7~35質量%と、式(I)で表されるN-置換グルタルイミド単位(R)10~65質量%と、メタクリル酸メチルに共重合可能なその他のビニル系単量体単位(C)0~20質量%とを有してなり、マレイン酸無水物単位(M)0質量%であるメタクリル系共重合体を含有するメタクリル系共重合体組成物を含む偏光子保護フィルム。
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43
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(式(I)中、R

は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基であり、R

は、炭素数1~18のアルキル基、炭素数3~12のシクロアルキル基または芳香環を含む炭素数6~15の有機基である。)
【請求項6】
請求項1~5のいずれかひとつに記載の偏光子保護フィルムからなる層と、他の材料を含有する層とを有する積層体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、メタクリル系重合体およびその製造方法、並びにフィルム、光学フィルム、積層体を含む成形体に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
メタクリル樹脂は透明性、耐候性、表面硬度などに優れる。該メタクリル樹脂を含むアクリル系樹脂組成物を成形することによって、表示部材、電子・電気部材、輸送機器部品などに使用される種々の部材を得ることができる。近年、各種部材の高性能化が求められており、特に耐熱性、弾性率の改善が強く求められている。
【0003】
(メタ)アクリル樹脂の耐熱性および弾性率改善のために、メタクリル酸メチルとα-メチルスチレンのランダム共重合体が古くから知られている。しかし、α-メチルスチレンは工業的条件でのラジカル重合単独重合性がなく、他モノマーとの共重合性も低く、共重合体の製造が困難であった。例えば特許文献1では、バッチ方式の塊状重合法で合成した共重合体が開示されているが、重合時間が非常に長く、生産性の低いものであった。
【0004】
該2元共重合体(メタクリル酸メチルとα‐メチルスチレンのランダム共重合体)の重合速度を高め、更に優れた耐熱性を有する方法として、無水マレイン酸を共重合する方法が知られている。例えば、特許文献2にはメタクリル酸メチルとα‐メチルスチレンおよび無水マレイン酸を共重合させる方法を開示している。また、特許文献3にはメタクリル酸メチルとα‐メチルスチレンと無水マレイン酸およびスチレンを共重合させる方法を開示している。これらα-メチルスチレン共重合体と無水マレイン酸とを共重合した重合体は重合速度が速く、更に耐熱性も高いが、熱や温水に対し化学変化を起こし分解し易く、成形加工時に著しい制約を受け、また加工品を水または水蒸気に接触させたり、高温高湿下にさらしたりする場合、物性低下を引き起こすという欠点がある。
【0005】
耐熱分解性を改良し、高温高湿下での物性低下を抑制する方法として、イミド化反応が提案されている。特許文献4には、芳香族ビニル単量体、無水マレイン酸及びこれらと共重合可能なビニル単量体としてメタクリル酸メチルからなる共重合体のイミド化樹脂の製法を開示している。また、特許文献5には、メタクリル酸メチルとスチレンおよび無水マレイン酸の3元共重合体のイミド化樹脂及びその樹脂組成物を開示している。
【0006】
いずれの開示例も熱安定性は向上するが、イミド化率が高いために吸水や着色が起き易い。以上のように、耐熱性、高弾性率、熱・温水安定性、低吸水性をさらに高いレベルでバランスさせる手法に関しては検討の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
US特許3135723
特公昭45-31953号公報
特公昭61-36764号公報
特公昭60-45642号公報
特開2006-124592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記事情を鑑み、本発明の目的は、耐熱性が高く、弾性率が高く、吸水率が低く、熱や温水安定性が良好なメタクリル系重合体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために検討した結果、以下の形態を包含する本発明を完成するに至った。
〔1〕
メタクリル酸メチル単位15~83質量%と、α-メチルスチレン単位7~35質量%と、マレイン酸無水物単位(M)0~20質量%と、ラクトン環単位、無水グルタル酸単位、N-置換若しくは無置換グルタルイミド単位およびN-置換若しくは無置換マレイミド単位からなる群より選ばれる少なくとも1つ以上の環構造を主鎖に有する構造単位(R)10~65質量%と、メタクリル酸メチルに共重合可能なその他のビニル系単量体単位(C)0~20質量%とを有してなるメタクリル系共重合体。
〔2〕
構造単位(R)が式(I)で表されるN-置換若しくは無置換グルタルイミド単位である、〔1〕に記載のメタクリル系共重合体。
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(式(I)中、R

は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基であり、R

は、水素原子、炭素数1~18のアルキル基、炭素数3~12のシクロアルキル基または芳香環を含む炭素数6~15の有機基である。)
〔3〕
構造単位(R)が式(II)で表されるN-置換若しくは無置換マレイミド単位である、〔1〕、〔2〕のいずれかひとつに記載のメタクリル系共重合体。
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169
(式(II)中、R

は、水素原子、炭素数1~18のアルキル基、炭素数3~12のシクロアルキル基または芳香環を含む炭素数6~15の有機基である。)
〔4〕
メタクリル酸メチル単位に共重合可能なその他のビニル系単量体単位(C)が、アクリル酸エステル単量体、芳香族ビニル単量体、及びシアン化ビニル単量体からなる群より選ばれる少なくとも一種により形成されている、〔1〕~〔3〕のいずれかひとつに記載のメタクリル系共重合体。
〔5〕
前記メタクリル酸メチル単位に共重合可能なその他のビニル系単量体単位(C)が、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、スチレン、及びアクリロニトリルからなる群より選ばれる少なくとも一種により形成されている、〔1〕~〔4〕のいずれかひとつに記載のメタクリル系共重合体。
〔6〕
マレイン酸無水物単位(M)0.1~3質量%を有してなる、〔1〕~〔5〕のいずれかひとつに記載のメタクリル系共重合体。
〔7〕
マレイン酸無水物単位(M)と、ラクトン環単位、無水グルタル酸単位、N-置換若しくは無置換グルタルイミド単位およびN-置換若しくは無置換マレイミド単位からなる群より選ばれる少なくともひとつの環構造を主鎖に有する構造単位(R)との質量比率、{100×(M)/(R)}が0~20%の範囲である、〔1〕~〔6〕のいずれかひとつに記載のメタクリル系共重合体。
〔8〕
ガラス転移温度が140℃以上である、〔1〕~〔7〕のいずれかひとつに記載のメタクリル系共重合体。
〔9〕
〔1〕~〔8〕のいずれかひとつに記載の共重合体を含有するメタクリル系共重合体組成物。
〔10〕
〔1〕~〔8〕のいずれかひとつに記載のメタクリル系共重合体または〔9〕に記載のメタクリル系共重合体組成物を含む成形体。
〔11〕
〔1〕~〔8〕のいずれかひとつに記載のメタクリル系共重合体または〔9〕に記載のメタクリル系共重合体組成物を含むフィルム。
〔12〕
〔1〕~〔8〕のいずれかひとつに記載のメタクリル系共重合体または〔9〕に記載のメタクリル系共重合体組成物を含む光学フィルム。
〔13〕
〔1〕~〔8〕のいずれかひとつに記載のメタクリル系共重合体または〔9〕に記載のメタクリル系共重合体組成物を含有する層と、他の材料を含有する層とを有する積層体。〔14〕
メタクリル酸メチル50~92質量%と、α-メチルスチレン単位7~30質量%およびマレイン酸無水物単位(M)1~20質量%、メタクリル酸メチル単位に共重合可能なその他のビニル系単量体単位(C)0~20質量%を含む単量体混合物を含んでなる反応原料を、槽型反応器に連続的に供給する工程、槽型反応器内で重合転化率30~60質量%まで重合して反応生成物を得る工程、および反応生成物中の単量体混合物を除去する工程、得られた前駆体ポリマーに環構造形成反応をさせる工程を含む、〔1〕~〔8〕のいずれかひとつに記載のメタクリル系共重合体の製造方法。
〔15〕
前記の環構造形成反応が、押出機において前駆体ポリマーにイミド化剤を加えて混練、反応させるイミド環化反応である、〔14〕に記載のメタクリル系共重合体の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、熱や温水中での安定性に優れ、耐熱性が高く、弾性率が高く、吸水率が低いメタクリル系重合体を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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