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公開番号
2025086820
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-09
出願番号
2023201123
出願日
2023-11-28
発明の名称
耐水化された繊維質基材及びその製造方法
出願人
信越化学工業株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
D06M
15/643 20060101AFI20250602BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約
【課題】質感を変えずに耐水性が大幅に向上し、水に濡れても十分な強度を維持できる繊維質基材を提供することを目的とする。
【解決手段】シラザン化合物を含む処理剤で耐水化された繊維質基材であって、JIS Z0403-2:1999(A法)記載の方法で測定した垂直圧縮強さにおいて、浸漬前の垂直圧縮強度(s1)と3時間浸水後の垂直圧縮強度(s2)の比(s2/s1)が0.15以上であることを特徴とする耐水化された繊維質基材。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
シラザン化合物を含む処理剤で耐水化された繊維質基材であって、
JIS Z0403-2:1999(A法)記載の方法で測定した垂直圧縮強さにおいて、浸漬前の垂直圧縮強度(s1)と3時間浸水後の垂直圧縮強度(s2)の比(s2/s1)が0.15以上であることを特徴とする耐水化された繊維質基材。
続きを表示(約 590 文字)
【請求項2】
前記シラザン化合物が、下記式(1):
TIFF
2025086820000005.tif
37
69
(式中、R
1
は独立して、水素原子、または炭素数1~6の脂肪族炭化水素基、炭素数6~12の芳香族炭化水素基、炭素数1~6のアルコキシ基から選ばれる基である。ただし、R
1
全体のうち、90%以上が水素原子である。)
で表される構造を持つシラザン化合物であることを特徴とする請求項1に記載の耐水化された繊維質基材。
【請求項3】
前記シラザン化合物がペルヒドロポリシラザンであることを特徴とする請求項1に記載の耐水化された繊維質基材。
【請求項4】
前記処理剤が硬化触媒を含むことを特徴とする請求項1に記載の耐水化された繊維質基材。
【請求項5】
前記繊維質基材が段ボール紙であることを特徴とする請求項1に記載の耐水化された繊維質基材。
【請求項6】
耐水化された繊維質基材の製造方法であって、
(1)繊維質基材にシラザン化合物を含む処理剤を含浸させる工程、及び
(2)前記処理剤を含浸させた前記繊維質基材を120℃以上で加熱処理する工程
を含むことを特徴とする耐水化された繊維質基材の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐水化された繊維質基材とその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
紙や布などに代表される繊維質材料は繊維状の原料から形成されるため加工成形性に優れ、作り方によって様々な用途で使用できるので非常に汎用性のある材料として我々の生活には欠かせない存在である。特に紙はノートブックや新聞紙などの筆記印刷用、ティッシュペーパーやトイレットペーパーなどの生活必需品用、障子などの建築材料用、食品包装用など使用用途は多岐にわたる。それぞれの用途ごとに必要な特性を付与した製品が数多く市場に出ているが一般的には水に弱いという弱点がある。
【0003】
特に、段ボールは荷物の保管や運搬に用いられる包装資材であるが、青果物や水産物などの搬送に用いる場合において、水分による強度の低下を防止するために、撥水性を付与した撥水段ボールが広く利用されている。撥水性を与える方法としては、パラフィンワックス、粘着付与剤及び乳化剤を含む混合エマルジョンと、ガラス転移温度が-10℃から60℃の範囲にある合成樹脂エマルジョンを含有する撥水剤組成物を塗工する方法(特許文献1)や、カチオン性共重合体の4級化合物とポリアミドポリアミン-エピハロヒドリン樹脂からなる混合液を下塗り後、撥水剤を塗工する方法(特許文献2)などの撥水化処理が採用されている。
【0004】
また、テトラアルコキシシランと撥水性付与のシランカップリング剤との併用によるポリシロキサン樹脂系の撥水剤も開発されている(特許文献3)。この手法は、撥水性付与のシランカップリング剤を多量に用いるため、不均一の反応が起こり易く、繊維質基材の強度が著しく低下するという欠点がある。
【0005】
一方、水に濡れることが前提の用途では段ボールの代わりに発泡スチロールなどの有機樹脂(プラスチック)製品を使用する場合が多い。しかしながら、発泡スチロールなどの有機樹脂は自然分解されないため所定の方法で回収されないと山林や海洋の汚染に直結する。特に近年においては国連サミットで「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」、通称「SDGs」が採択され世界的に推進されてきている。このことからも山林や海洋の汚染につながる有機樹脂製品はできる限り削減することが世界的な流れになっている。この課題に対して、改めて紙製品が注目されている。しかし、耐水性を謳った紙製品はほとんどが紙表面や繊維を有機樹脂などでコーティングしたものである(特許文献4)。
【0006】
これらコーティングは防水性に関してはある程度効果的であるが、本来の紙にはないような光沢や、つるつるした手触りが発現してしまうため質感が大幅に変わり、インクを弾いたりガムテープが接着しなかったりと言った作業性が悪化してしまう。また、繊維質であるために発現していた通気性やインクによる印字性などの利点もコーティングにより失われてしまうので、用途によってはこのような改質は好まれない。さらに、廃棄時に有機樹脂成分を含むため環境にも悪く、根本的な解決にならない。この手法の他にも紙と有機樹脂シートを交互に張り合わせて耐水性を発現させる手法も提案されているが上記と同じ理由で本当の意味での代替技術にはならない(特許文献5および6)。
【0007】
上記の理由から繊維質基材の機能を損なわず、環境にも配慮した手法で耐水性を向上し、水に濡れた場合でも十分な強度を維持でき、かつ生産性に優れる繊維質基材の提供が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2004-183165号公報
特開2005-336663号公報
特開2002-001873号公報
特開2016-180044号公報
特開2005-193934号公報
特開2013-095058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、質感を変えずに耐水性が大幅に向上し、水に濡れても十分な強度を維持できる繊維質基材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明では、
シラザン化合物を含む処理剤で耐水化された繊維質基材であって、
JIS Z0403-2:1999(A法)記載の方法で測定した垂直圧縮強さにおいて、浸漬前の垂直圧縮強度(s1)と3時間浸水後の垂直圧縮強度(s2)の比(s2/s1)が0.15以上である耐水化された繊維質基材を提供する。
(【0011】以降は省略されています)
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