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公開番号2025086398
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-09
出願番号2023200325
出願日2023-11-28
発明の名称樹脂複合物および樹脂複合物の製造方法
出願人日本製紙株式会社,地方独立行政法人京都市産業技術研究所
代理人個人
主分類C08L 1/00 20060101AFI20250602BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】 機械強度、衝撃強度、および線膨張係数に優れた樹脂複合物および樹脂複合物の製造方法を提供する。
【解決手段】 熱可塑性樹脂と、セルロース繊維とを含む樹脂複合物であって、前記セルロース繊維の主成分の原料が乾燥工程を経た坪量が100g/m2以下の低坪量紙とする。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
熱可塑性樹脂と、セルロース繊維とを含む樹脂複合物であって、前記セルロース繊維の主成分の原料が乾燥工程を経た坪量が100g/m

以下の低坪量紙である樹脂複合物。
続きを表示(約 920 文字)【請求項2】
前記セルロース繊維が、粉砕処理工程を経た粉砕物であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂複合物。
【請求項3】
前記セルロース繊維が、ゆるめ嵩密度が10~60g/Lの範囲にある粉砕物であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂複合物。
【請求項4】
前記セルロース繊維が、かため嵩密度が15~80g/Lの範囲にある粉砕物であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂複合物。
【請求項5】
前記セルロース繊維の
(粉砕物のセルロース繊維のアスペクト比)/(粉砕処理工程前のセルロース繊維のアスペクト比)×100(%)
であらわされるアスペクト比保持率が60%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂複合物。
【請求項6】
前記低坪量紙が、坪量が3~40g/m

の薄葉紙である、請求項1または2に記載の樹脂複合物。
【請求項7】
前記低坪量紙が家庭用薄葉紙である、請求項1または2記載の樹脂複合物。
【請求項8】
前記熱可塑性樹脂は、ポリオレフィンもしくはポリオレフィンとエラストマーとのブレンド物であって、曲げ弾性率1.00GPa以上、かつ衝撃強度が5.0kJ/m

以上、かつ線膨張係数が100×10
-6
/K以下であることを特徴とする請求項1または2記載の樹脂複合物。
【請求項9】
前記熱可塑性樹脂が、衝撃強度が3.0kJ/m

以上のナイロンもしくはナイロンとエラストマーとのブレンド物である、請求項1または2記載の樹脂複合物。
【請求項10】
前記熱可塑性樹脂は、ナイロンもしくはナイロンとエラストマーとのブレンド物であって、曲げ弾性率が1.60GPa以上、かつ衝撃強度が2.0kJ/m

以上、かつ線膨張係数が70×10
-6
/K以下であることを特徴とする請求項1または2記載の樹脂複合物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂複合物および樹脂複合物の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
樹脂複合物において、機械強度(曲げ弾性率、曲げ強度)と衝撃強度とはトレードオフの関係にあり、このトレードオフを解消するために様々な検討が行われている(例えば、特許文献1~3参照)。特許文献1および2では、無機フィラーを含有させた樹脂複合物について、特許文献3では、強化繊維を含有させた樹脂複合物について検討が行われているが、更なる性能の向上が求められている。また線膨張係数は熱可塑性樹脂の成形において寸法安定性を付与する重要な指標であるが、機械強度、衝撃強度および線膨張係数のすべてに優れた樹脂複合物およびその製造方法は確立していなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2009-62492号公報
国際公開第2018/135648号
国際公開第2019/208826号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、機械強度、衝撃強度、および線膨張係数に優れた樹脂複合物および樹脂複合物の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、鋭意検討の結果、乾燥工程を経た低坪量紙、中でもトイレットペーパー、ティッシュペーパー、ワイパーのような家庭用薄葉紙製品等を用いることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、乾燥工程を経た低坪量紙から得られるセルロース繊維と、熱可塑性樹脂とを加熱混練して得られる樹脂複合物は、機械強度(曲げ弾性率、曲げ強度)と衝撃強度と線膨張係数が、ともに優れる効果が得られた。
【0006】
すなわち、本発明によれば、
(1) 熱可塑性樹脂と、セルロース繊維とを含む樹脂複合物であって、前記セルロース繊維の主成分の原料が乾燥工程を経た坪量が100g/m

以下の低坪量紙である樹脂複合物、
(2) 前記セルロース繊維が、粉砕処理工程を経た粉砕物であることを特徴とする(1)に記載の樹脂複合物、
(3) 前記セルロース繊維が、ゆるめ嵩密度が10~60g/Lの範囲にある粉砕物であることを特徴とする(1)または(2)に記載の樹脂複合物、
(4) 前記セルロース繊維が、かため嵩密度が15~80g/Lの範囲にある粉砕物であることを特徴とする(1)または(2)に記載の樹脂複合物、
(5) 前記セルロース繊維の(粉砕物のセルロース繊維のアスペクト比)/(粉砕処理工程前のセルロース繊維のアスペクト比)×100(%)であらわされるアスペクト比保持率が60%以上であることを特徴とする(1)または(2)に記載の樹脂複合物、
(6) 前記低坪量紙が、坪量が3~40g/m

の薄葉紙である、(1)または(2)に記載の樹脂複合物、
(7) 前記低坪量紙が家庭用薄葉紙である、(1)または(2)記載の樹脂複合物、
(8) 前記熱可塑性樹脂は、ポリオレフィンもしくはポリオレフィンとエラストマーとのブレンド物であって、曲げ弾性率1.00GPa以上、かつ衝撃強度が5.0kJ/m

以上、かつ線膨張係数が100×10
-6
/K以下であることを特徴とする(1)または(2)記載の樹脂複合物、
(9) 前記熱可塑性樹脂が、衝撃強度が3.0kJ/m

以上のナイロンもしくはナイロンとエラストマーとのブレンド物である、(1)または(2)記載の樹脂複合物、
(10) 前記熱可塑性樹脂は、ナイロンもしくはナイロンとエラストマーとのブレンド物であって、曲げ弾性率が1.60GPa以上、かつ衝撃強度が2.0kJ/m

以上、かつ線膨張係数が70×10
-6
/K以下であることを特徴とする(1)または(2)記載の樹脂複合物、
(11) 前記熱可塑性樹脂が、衝撃強度が3.0kJ/m

以上のポリ乳酸もしくはポリ乳酸とエラストマーとのブレンド物である、(1)または(2)記載の樹脂複合物、
(12) 前記熱可塑性樹脂は、ポリ乳酸もしくはポリ乳酸とエラストマーとのブレンド物であって、曲げ弾性率が3.50GPa以上、かつ衝撃強度が3.0kJ/m

以上、かつ線膨張係数が80×10
-6
/K以下であることを特徴とする(1)または(2)記載の樹脂複合物、
(13) 下記工程(A)~(C)を有することを特徴とする樹脂複合物の製造方法。
工程(A):原料パルプを抄紙工程と乾燥工程に供し、坪量が100g/m

以下の低坪量紙を得る工程
工程(B):前記工程(A)を経た低坪量紙を、粉砕処理する工程
工程(C):前記工程(B)により粉砕処理された低坪量紙と、熱可塑性樹脂とを混合し、加熱混練する工程
(14) 前記工程(B)は、前記低坪量紙のゆるめ嵩密度が10~60g/Lの範囲となるように粉砕処理することを特徴とする、(13)に記載の樹脂複合物の製造方法、
(15) 前記工程(B)は、前記低坪量紙のかため嵩密度が15~80g/Lの範囲となるように粉砕処理することを特徴とする、(13)または(14)に記載の樹脂複合物の製造方法、
(16) 前記工程(B)は、(粉砕処理された前記低坪量紙のアスペクト比)/(前記低坪量紙の粉砕処理工程前のアスペクト比)×100(%)であらわされるアスペクト比保持率が60%以上となるように粉砕処理することを特徴とする(13)または(14)記載の樹脂複合物の製造方法
が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、機械強度(曲げ弾性率、曲げ強度)と衝撃強度と線膨張係数に優れた樹脂複合物および樹脂複合物の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の樹脂複合物および樹脂複合物の製造方法について説明する。本発明の樹脂複合物は、熱可塑性樹脂と、セルロース繊維とを含む樹脂複合物であって、前記セルロース繊維の主成分が乾燥工程を経た坪量が100g/m

以下の低坪量紙を原料とする。
【0009】
また、本発明の樹脂複合物の製造方法は、下記工程(A)~(C)を有することを特徴とする。
工程(A):原料パルプを抄紙工程と乾燥工程に供し、坪量が100g/m

以下の低坪量紙を得る工程
工程(B):前記工程(A)を経た低坪量紙を、粉砕処理する工程
工程(C):前記工程(B)により粉砕処理された低坪量紙と、熱可塑性樹脂とを混合し、加熱混練する工程
【0010】
(セルロース繊維)
本発明に使用するセルロース繊維は、主成分が乾燥工程を経た低坪量紙から得られる。
本発明において、乾燥工程を経た低坪量紙を、その後含水解砕してもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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