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公開番号2025085661
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-05
出願番号2025038153,2024007242
出願日2025-03-11,2019-04-25
発明の名称光学機器、光学機器の製造方法
出願人キヤノン株式会社
代理人弁理士法人近島国際特許事務所
主分類G02B 7/02 20210101AFI20250529BHJP(光学)
要約【課題】炭素繊維強化樹脂により構成され、耐衝撃性能など強度に優れ、小型ないし薄型軽量で、高品位な外観を備えた鏡筒部品を提供する。
【解決手段】筒状に、かつその周方向に無端に組まれた炭素繊維の組紐層3、5と、1方向に配向された炭素繊維から成る1方向プリプレグシート層4を熱可塑性樹脂によって固化、結合させ、筒状体1を構成する。組紐層3(または5)は、マンドレル上で、1方向プリプレグシート層4を中間に位置させた状態で、その周方向には無端な筒形状に製紐される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
撮像装置に着脱可能に構成された光学機器であって、
筒状に組まれた組紐層である第1の炭素繊維層を含む筒状体であって、前記第1の炭素繊維層に対して前記筒状体の外周側に位置する筒状の第2の炭素繊維層を含み、前記第1の炭素繊維層と前記第2の炭素繊維層とが、前記第1の炭素繊維層に含浸した第1の熱可塑性樹脂と、前記第2の炭素繊維層に含浸した第2の熱可塑性樹脂とが一体化した熱可塑性樹脂によって結合されている筒状体と、
光学素子と、を備え、
前記第1の炭素繊維層は、前記第1の炭素繊維層の炭素繊維が前記筒状体の軸方向に対して傾斜して綾織状に組まれ、前記筒状体の周方向に無端となるように設けられ、
前記第2の炭素繊維層は、シート状の炭素繊維層である、
ことを特徴とする光学機器。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
撮像装置に着脱可能に構成された光学機器であって、
筒状に組まれた組紐層である第1の炭素繊維層を含む筒状体であって、前記第1の炭素繊維層に対して前記筒状体の内周側に位置する筒状の第2の炭素繊維層を含み、前記第1の炭素繊維層と前記第2の炭素繊維層とが、前記第1の炭素繊維層に含浸した第1の熱可塑性樹脂と、前記第2の炭素繊維層に含浸した第2の熱可塑性樹脂とが一体化した熱可塑性樹脂によって結合されている筒状体と、
光学素子と、を備え、
前記第1の炭素繊維層は、前記第1の炭素繊維層の炭素繊維が前記筒状体の軸方向に対して傾斜して綾織状に組まれ、前記筒状体の周方向に無端となるように設けられ、
前記第2の炭素繊維層は、シート状の炭素繊維層である、
ことを特徴とする光学機器。
【請求項3】
前記筒状体は、前記第1の熱可塑性樹脂が含浸された前記第1の炭素繊維層と、前記第2の熱可塑性樹脂が含浸された前記第2の炭素繊維層とが、外型を用いた加圧状態で加熱処理されることで一体化して結合されている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の光学機器。
【請求項4】
前記第2の炭素繊維層は、前記筒状体の周方向において継ぎ目があるように設けられている、前記周方向に沿ったシート状の炭素繊維層である、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光学機器。
【請求項5】
前記第2の炭素繊維層に対して前記第1の炭素繊維層とは反対側、及び第1の炭素繊維層に対して前記第2の炭素繊維層とは反対側、のそれぞれに、厚みが5μm~15μmの第1の樹脂層を備える、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光学機器。
【請求項6】
前記第2の炭素繊維層の炭素繊維は、前記筒状体の軸方向に配向している、かつ、前記筒状体の軸方向に対して傾斜している炭素繊維は含まない、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の光学機器。
【請求項7】
前記第2の炭素繊維層に対して前記第1の炭素繊維層とは反対側に位置する筒状に組まれた組紐層である第3の炭素繊維層を備えており、前記第2の炭素繊維層と前記第3の炭素繊維層とが樹脂によって結合されている、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の光学機器。
【請求項8】
前記第3の炭素繊維層の炭素繊維が前記筒状体の軸方向に対して傾斜して組まれている、
ことを特徴とする請求項7に記載の光学機器。
【請求項9】
前記第1の炭素繊維層における炭素繊維の前記筒状体の軸方向に対する組角と、前記第3の炭素繊維層における炭素繊維の前記筒状体の軸方向に対する組角と、が互いに異なる、
ことを特徴とする請求項7または8に記載の光学機器。
【請求項10】
前記第3の炭素繊維層は綾織層である、
ことを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載の光学機器。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
炭素繊維強化樹脂により構成された鏡筒部品、光学機器、および鏡筒部品の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来、カメラの交換レンズ、例えば、焦点距離が300mmを超えるような望遠レンズは大型で、重量もKgのオーダに達するものがある。このような焦点距離レンジの光学機器でも、持ち運びのしやすさ、撮影時の操作性向上の観点から、軽量で高強度な製品が望まれている。
【0003】
従来では、この種の大型の光学機器の鏡筒の材質には、耐衝撃性の観点からアルミニウム合金やマグネシウム合金が用いられていた。また、そのレンズに取付けられるフードも、耐衝撃性の観点からその材質にアルミニウム合金が採用されてきた。しかし、この種の金属材料は軽金属に属するものであっても、軽量化には限界があった。
【0004】
そこで、近年では、炭素繊維にエポキシ等の熱硬化樹脂を含浸させた炭素繊維強化樹脂(CFRP)を用いて、鏡筒やフードを製造することが考えられている。その炭素繊維強化樹脂(CFRP)によって鏡筒部品を製造する場合、例えば、炭素繊維を一方向に引き揃えた1方向プリプレグシートをマンドレルと呼ばれる円筒状の金型に巻き付けるシートワインディング法(SW法)と呼ばれる製法で形状を形成する。その後、オートクレーブなどで炭素繊維にエポキシ等の熱硬化樹脂を含浸硬化させる。
【0005】
しかし炭素繊維の引き揃えられた方向と層の組合せによって、得られる強度に差が生じてしまい、求める耐衝撃性能が得られない場合があった。そこで、このような問題点を解決するためにまず、1方向プリプレグシートを鏡筒の軸方向と周方向とへそれぞれ単層もしくは複数層に積層して一体化する。そして、その際、最終周方向の1方向プリプレグシートを、軸方向の1方向プリプレグシートの外側になるように巻き付けることにより耐衝撃性能を得る構成が提案されている(下記の特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第4813619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のように、1方向プリプレグシートをマンドレルに巻き付けるSW法ではシートの継ぎ目が製法上必ず生じ、その継ぎ目で強度のばらつき、例えば、耐衝撃性能が低下する可能性があった。そこで、マンドレルへ巻き付ける1方向プリプレグシートを複数層積層し、またその際、継ぎ目の位置をずらす対策が考えられる。しかしながら、継ぎ目による強度劣化を層数の増加で補う必要が生じ、軽量化の効果が低下する懸念がある。また、継ぎ目があることで、その後の含浸樹脂を硬化し、形状を形成する焼結工程時、継ぎ目の部分とそれ以外の部分とで硬化収縮の差異が生じ、結果鏡筒としての真円度が得られなくなる可能性があった。また、含浸樹脂が硬化時間の長いエポキシなどの熱硬化樹脂である場合には、生産性の低下が懸念される。
【0008】
本発明の課題は、炭素繊維強化樹脂により構成され、耐衝撃性能など強度に優れ、小型ないし薄型軽量で、高品位な外観を備えた鏡筒部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様は、撮像装置に着脱可能に構成された光学機器であって、筒状に組まれた組紐層である第1の炭素繊維層を含む筒状体であって、前記第1の炭素繊維層に対して前記筒状体の外周側に位置する筒状の第2の炭素繊維層を含み、前記第1の炭素繊維層と前記第2の炭素繊維層とが、前記第1の炭素繊維層に含浸した第1の熱可塑性樹脂と、前記第2の炭素繊維層に含浸した第2の熱可塑性樹脂とが一体化した熱可塑性樹脂によって結合されている筒状体と、光学素子と、を備え、前記第1の炭素繊維層は、前記第1の炭素繊維層の炭素繊維が前記筒状体の軸方向に対して傾斜して綾織状に組まれ、前記筒状体の周方向に無端となるように設けられ、前記第2の炭素繊維層は、シート状の炭素繊維層であることを特徴とする光学機器である。
本発明の第2の態様は、撮像装置に着脱可能に構成された光学機器であって、筒状に組まれた組紐層である第1の炭素繊維層を含む筒状体であって、前記第1の炭素繊維層に対して前記筒状体の内周側に位置する筒状の第2の炭素繊維層を含み、前記第1の炭素繊維層と前記第2の炭素繊維層とが、前記第1の炭素繊維層に含浸した第1の熱可塑性樹脂と、前記第2の炭素繊維層に含浸した第2の熱可塑性樹脂とが一体化した熱可塑性樹脂によって結合されている筒状体と、光学素子と、を備え、前記第1の炭素繊維層は、前記第1の炭素繊維層の炭素繊維が前記筒状体の軸方向に対して傾斜して綾織状に組まれ、前記筒状体の周方向に無端となるように設けられ、前記第2の炭素繊維層は、シート状の炭素繊維層であることを特徴とする光学機器である。
本発明の第3の態様は、マンドレルの上に複数の炭素繊維を交差させて筒状に組み、第1の熱可塑性樹脂が含浸された第1の炭素繊維層を形成する工程と、前記マンドレルの上に第2の熱可塑性樹脂が含浸された第2の炭素繊維層を形成する工程と、前記第1の炭素繊維層と前記第2の炭素繊維層とを加熱処理することで熱可塑性樹脂によって結合する工程と、を有し、前記結合する工程は、外型を用いた加圧状態で行われ、前記第1の炭素繊維層を形成する工程において、前記第1の炭素繊維層は、前記第1の炭素繊維層の炭素繊維が筒状体の軸方向に対して傾斜して綾織状に組まれ、前記筒状体の周方向に無端となるように設けられ、前記第2の炭素繊維層を形成する工程において、前記第2の炭素繊維層は、シート状の炭素繊維層であることを特徴とする筒状体の製造方法である。
【発明の効果】
【0010】
上記構成によれば、炭素繊維強化樹脂により構成され、耐衝撃性能など強度に優れ、小型ないし薄型軽量で、高品位な外観を備えた鏡筒部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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