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公開番号2025083177
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-30
出願番号2023196930
出願日2023-11-20
発明の名称光学素子、光学素子の製造方法および光学機器
出願人キヤノン株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類G02B 5/08 20060101AFI20250523BHJP(光学)
要約【課題】高精度な光学素子を提供すること。
【解決手段】基材と、前記基材上に形成され、複数の光学形状面を有する光学形状層とを備えた光学素子であって、前記光学形状層の厚さが、10μm以上3000μm以下であり、前記光学素子には溝が設けられており、前記複数の光学形状面のそれぞれの輪郭に沿った前記光学形状層の側面と前記基材の側面とが、前記溝の側壁を形成することを特徴とする光学素子である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
基材と、前記基材上に形成され、複数の光学形状面を有する光学形状層とを備えた光学素子であって、
前記光学形状層の厚さが、10μm以上3000μm以下であり、
前記光学素子には溝が設けられており、前記複数の光学形状面のそれぞれの輪郭に沿った前記光学形状層の側面と前記基材の側面とが、前記溝の側壁を形成することを特徴とする光学素子。
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
基材と、前記基材上に形成され、複数の光学形状面を有する光学形状層とを備えた光学素子であって、
前記基材の熱膨張係数に対する前記光学形状層の熱膨張係数の比の絶対値が、3.0以上であり、
前記光学素子には溝が設けられており、前記複数の光学形状面のそれぞれの輪郭に沿った前記光学形状層の側面と前記基材の側面とが、前記溝の側壁を形成することを特徴とする光学素子。
【請求項3】
不透明な基材と、前記基材上に形成され、複数の光学形状面を有する光学形状層とを備えた光学素子であって、
前記基材の熱膨張係数が前記光学形状層の熱膨張係数よりも小さく、
前記光学素子には溝が設けられており、前記複数の光学形状面のそれぞれの輪郭に沿った前記光学形状層の側面と前記基材の側面とが、前記溝の側壁を形成することを特徴とする光学素子。
【請求項4】
前記光学形状面上に設けられた反射層を備える請求項1~3のいずれか1項に記載の光学素子。
【請求項5】
前記反射層の材料が前記溝の中で前記基材に付着している請求項4に記載の光学素子。
【請求項6】
前記反射層が、Au、Ag、およびAlからなる群から選択される1つを主成分とする層である請求項4に記載の光学素子。
【請求項7】
前記基材の熱膨張係数が、0.21ppm/K以下である請求項1~3のいずれか1項に記載の光学素子。
【請求項8】
前記光学形状層の熱膨張係数が、10ppm/K以上である請求項1~3のいずれか1項に記載の光学素子。
【請求項9】
前記溝の幅が、0.02mm以上3mm以下である請求項1~3のいずれか1項に記載の光学素子。
【請求項10】
前記溝の深さが、5mm以上20mm以下である請求項1~3のいずれか1項に記載の光学素子。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本技術は、光学素子、光学素子の製造方法および光学機器に関するものである。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
ミラーアレイなどの光学素子は、例えば、天文観測分野などにおける面分光用光学素子およびそれを用いた面分光装置において、所定の波長の光を計測する際に好適なものである。面分光光学系を有する面分光装置において、ミラーアレイの光学素子は、イメージスライサータイプで使用することができる。
面分光とは、天文観測分野の観測手法として知られており、一度の露出で取得する2次元の空間情報を同時にスペクトル観測することが可能である。観測装置のタイプの1つにイメージスライサータイプがあり、代表的な光学素子として、例えば、瞳ミラーアレイ(Pupils Mirror Array)、スリットミラーアレイ(Slits Mirror Array)がある。
【0003】
天文観測分野における観測では、例えば宇宙空間や砂漠、山岳地帯といった厳しい自然環境下に光学素子が置かれる場合や、光学素子の熱放射が観測に及ぼす影響を低減するために、極低温環境下に光学素子が置かれる場合がある。光学素子の製造環境と使用環境に大きな温度差があると、光学素子を構成する材料の熱膨張係数の差により、光学素子に形状精度の維持が困難なほどの熱変形を生じ、光学性能が悪化するという問題を生じる。
【0004】
このような問題を解決するために、特許文献1には、複数の光学機能面を単一の基材に対して切削加工で形成した光学素子において、基材と反射層との間に中間層を備え、中間層が基材と反射層の中間の熱膨張係数を有する光学素子が提案されている。これにより、複数の光学機能面の相対位置関係を高精度に保ちつつ、高品位な面粗さを同時に成立させると共に、極限環境の熱的影響下でも形状精度を維持できる光学素子を提供することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2016-21057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
光学素子の製造環境と使用環境に大きな温度差がある場合に、面分光用光学素子の光学性能の悪化を防ぐためには、光学機能面の相対位置だけでなく、各光学機能面の形状精度も維持する必要がある。
しかしながら、特許文献1に記載の光学素子は、複数の光学機能面が同一の光学形状層の表面に形成されているために、光学機能面が配置された場所によって熱変形後の形状はそれぞれ異なる。
【0007】
切削加工で光学素子を形成する場合、使用環境下での熱変形量を加味した補正加工が行われる。その際に、熱変形後の形状が各光学機能面によって異なると、光学機能面ごとに異なる補正値を算出することが考えられるが、複数の光学機能面を形成するのに長時間を要するため、改善の余地があるといえる。
また、光学機能面同士の間にスリットを備えたとしても、光学機能面が同一の光学形状層の表面に形成されているために、光学機能面が配置された場所によって熱変形後の形状はそれぞれ異なる。
したがって、高精度な光学素子全体の熱変形の抑制と、複数の光学機能面それぞれが熱変形したときの、複数の光学機能面それぞれの形状差の抑制とを同時に成立させることが望まれる。
【0008】
本開示はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、高精度な光学素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は、
基材と、前記基材上に形成され、複数の光学形状面を有する光学形状層とを備えた光学素子であって、
前記光学形状層の厚さが、10μm以上3000μm以下であり、
前記光学素子には溝が設けられており、前記複数の光学形状面のそれぞれの輪郭に沿った前記光学形状層の側面と前記基材の側面とが、前記溝の側壁を形成することを特徴とする光学素子である。
また、本開示は、
基材と、前記基材上に形成され、複数の光学形状面を有する光学形状層とを備えた光学素子であって、
前記基材の熱膨張係数に対する前記光学形状層の熱膨張係数の比の絶対値が、3.0以上であり、
前記光学素子には溝が設けられており、前記複数の光学形状面のそれぞれの輪郭に沿った前記光学形状層の側面と前記基材の側面とが、前記溝の側壁を形成することを特徴とする光学素子である。
また、本開示は、
不透明な基材と、前記基材上に形成され、複数の光学形状面を有する光学形状層とを備えた光学素子であって、
前記基材の熱膨張係数が前記光学形状層の熱膨張係数よりも小さく、
前記光学素子には溝が設けられており、前記複数の光学形状面のそれぞれの輪郭に沿った前記光学形状層の側面と前記基材の側面とが、前記溝の側壁を形成することを特徴とする光学素子である。
また、本開示は、
基材の上に、前記膜を形成する膜形成工程と、
前記基材と前記膜とを加工し、溝を形成する溝形成工程と、
前記膜を加工し、前記光学形状面を形成する光学形状面形成工程と
を含むことを特徴とする光学素子の製造方法である。
また、本開示は、上記の光学素子を有する光学機器である。
また、本開示は、上記の光学素子と、上記の光学素子を氷点下に冷却する冷却装置と、を備える光学機器である。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、高精度な光学素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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