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公開番号2025073195
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-13
出願番号2023183740
出願日2023-10-26
発明の名称作業機械における油圧制御システム
出願人キャタピラー エス エー アール エル
代理人個人,個人,個人
主分類F15B 11/044 20060101AFI20250502BHJP(流体圧アクチュエータ;水力学または空気力学一般)
要約【課題】ワークツールとしてハンマー等が装着された場合に背圧低減制御を行えるようにするにあたり、コスト削減を図る。
【解決手段】ワークツール1が単動アクチュエータの場合に油排出路となる第二アクチュエータ油路7から分岐形成されて油タンク4に至るアンロード油路12と、信号圧の供給でアンロード油路12を開くパイロットチェック弁14とを設けるとともに、ワークツール1に対する油給排制御を行うコントロールバルブ5の作動位置に、信号圧出力領域X2と信号圧非出力領域X1とを設け、ワークツール1が単動アクチュエータで背圧低減制御を必要とする場合にはコントロールバルブ5を信号出力領域X2に位置せしめ、ワークツール1が背圧低減制御を必要としない場合には信号非出力領域X1に位置せしめるように構成した。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
作業機械に選択的に装着され、油圧ポンプからの圧油供給で駆動するワークツール用油圧アクチュエータと、ワークツール用操作具の操作に基づいて作動してワークツール用油圧アクチュエータに対する油給排制御を行うコントロールバルブと、該コントロールバルブの作動を制御する制御装置と、コントロールバルブとワークツール用油圧アクチュエータとを接続する第一、第二アクチュエータ油路とを備えてなる作業機械の油圧制御システムにおいて、
前記ワークツール用油圧アクチュエータは、第一アクチュエータ油路を油流入路として使用し第二アクチュエータ油路を油流出路として使用する単動アクチュエータと、第一、第二アクチュエータ油路を油流入路および油流出路として使用する複動アクチュエータの何れかが含まれるとともに、
前記油圧制御システムに、
前記第二アクチュエータ油路から分岐形成されて油タンクに至るアンロード油路と、信号圧が供給されていない状態ではアンロード油路を閉じ信号圧が供給されることでアンロード油路を開くパイロットチェック弁とを設けるとともに、
前記コントロールバルブの作動位置に、パイロットチェック弁に信号圧を出力する信号出力領域と信号圧を出力しない信号非出力領域とを設ける一方、
前記制御装置は、ワークツール用油圧アクチュエータが単動アクチュエータで背圧低減制御を必要とする場合にはコントロールバルブを信号出力領域に位置せしめ、ワークツール用油圧アクチュエータが背圧低減制御を必要としない場合には信号非出力領域に位置せしめることを特徴とする作業機械における油圧制御システム。
続きを表示(約 240 文字)【請求項2】
請求項1において、コントロールバルブから単動アクチュエータへの油供給制御を、単動アクチュエータに一定流量を供給する定流量制御と、ワークツール用操作具の操作量に応じて単動アクチュエータへの供給流量を増減制御する可変流量制御とを選択的に行える構成にするとともに、制御装置は、単動アクチュエータの定流量制御を行う場合にはコントロールバルブを信号出力領域に位置せしめ、可変流量制御を行う場合には信号非出力領域に位置せしめることを特徴とする作業機械における油圧制御システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ショベル等の作業機械における油圧制御システムの技術分野に関するものである。
続きを表示(約 4,400 文字)【背景技術】
【0002】
一般に、油圧ショベル等の作業機械のなかには、複数のワークツールを選択的に取り付け可能に構成されたものがある。例えば油圧ショベルでは、ワークツールとして汎用的に用いられるバケットに代えて、油圧で作動するブレーカや破砕機、グラップル等の様々なワークツールを着脱自在に装着できるようになっている。
このようなワークツールを駆動させるワークツール用油圧アクチュエータの油圧回路を作業機械の油圧回路に設ける場合、省スペース化、コスト低減のために複数のワークツール用油圧アクチュエータに共用できる回路にすることが要求される一方、個々のワークツール用油圧アクチュエータに応じた作動圧や特有な制御に対応できる回路にすることも要求される。
そこで、従来から、ワークツール用油圧アクチュエータとコントロールバルブ(ワークツール用油圧アクチュエータに対する油給排制御を行うバルブ)とを接続する第一、第二アクチュエータ油路に電磁リリーフ弁を接続し、該電磁リリーフ弁のリリーフ圧をワークツールの種類に応じて変更することで、第一、第二アクチュエータ油路の圧力を個々のワークツール用油圧アクチュエータの作動圧に対応できるようにした技術が知られている。この場合、第一、第二アクチュエータ油路(第1、第2の管路)からそれぞれ油タンクに至る第一、第二リリーフ油路(第1、第2のバイパス油路)を設け、これら第一、第二リリーフ油路にそれぞれ電磁リリーフ弁を配したもの(例えば、特許文献1参照。)や、第一、第二アクチュエータ油路のうち高圧側を選択するシャトル弁を設け、該シャトル弁の出口側から油タンクに至るリリーフ油路に共用の電磁リリーフ弁を配したもの(例えば、特許文献2の図2参照。)が知られている。
一方、ワークツール用油圧アクチュエータには、該ワークツール用油圧アクチュエータへの油供給方向が一方向のもの(単動アクチュエータ)と往復二方向のもの(複動アクチュエータ)とがあり、さらに、単動アクチュエータのなかには、例えばコンクリートや岩石等を破砕するハンマー(ブレーカ)のように、背圧が高いと駆動力が弱くなって打撃性能が低下してしまうため、背圧を低減させるための特有の制御を行う回路が必要なものもある。
このため、前記特許文献1のものでは、ワークツール用油圧アクチュエータが背圧低減を必要とする単動アクチュエータの場合に、前記第一、第二アクチュエータ油路のうち流出路となる第二アクチュエータ油路に接続された電磁リリーフ弁のリリーフ圧を所定値まで低減させ、これにより背圧低減を図るように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2023-53814号公報
特開2023-64458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかるに、前記特許文献1のように、第一、第二アクチュエータ油路の圧力を個々のワークツール用油圧アクチュエータの作動圧に対応させるために設けられた電磁リリーフ弁を用いてハンマー等の背圧低減制御を行う場合、該電磁リリーフ弁は、リリーフ圧をタンク圧程度にまで一気に低下させることができるアンロード機能を有したものでなければならないが、このようなアンロード機能を有した電磁リリーフ弁は高価であって、コスト削減の妨げになる。また、特許文献2のように、第一、第二アクチュエータ油路に共用の電磁リリーフ弁が接続されているものでは、該共用電磁リリーフ弁のリリーフ圧を低下させるとワークツール用油圧アクチュエータの作動圧を確保できないため、背圧低減制御のために共用電磁リリーフ弁を用いることはできず、このため、第一、第二アクチュエータ油路に個別に電磁リリーフ弁を設けるとともに、何れかの電磁リリーフ弁をアンロード機能を有したものにしなければならず、コスト増加の要因になるという問題があり、ここに本発明の解決すべき課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、作業機械に選択的に装着され、油圧ポンプからの圧油供給で駆動するワークツール用油圧アクチュエータと、ワークツール用操作具の操作に基づいて作動してワークツール用油圧アクチュエータに対する油給排制御を行うコントロールバルブと、該コントロールバルブの作動を制御する制御装置と、コントロールバルブとワークツール用油圧アクチュエータとを接続する第一、第二アクチュエータ油路とを備えてなる作業機械の油圧制御システムにおいて、前記ワークツール用油圧アクチュエータは、第一アクチュエータ油路を油流入路として使用し第二アクチュエータ油路を油流出路として使用する単動アクチュエータと、第一、第二アクチュエータ油路を油流入路および油流出路として使用する複動アクチュエータの何れかが含まれるとともに、前記油圧制御システムに、前記第二アクチュエータ油路から分岐形成されて油タンクに至るアンロード油路と、信号圧が供給されていない状態ではアンロード油路を閉じ信号圧が供給されることでアンロード油路を開くパイロットチェック弁とを設けるとともに、前記コントロールバルブの作動位置に、パイロットチェック弁に信号圧を出力する信号出力領域と信号圧を出力しない信号非出力領域とを設ける一方、前記制御装置は、ワークツール用油圧アクチュエータが単動アクチュエータで背圧低減制御を必要とする場合にはコントロールバルブを信号出力領域に位置せしめ、ワークツール用油圧アクチュエータが背圧低減制御を必要としない場合には信号非出力領域に位置せしめることを特徴とする作業機械における油圧制御システムである。
請求項2の発明は、請求項1において、コントロールバルブから単動アクチュエータへの油供給制御を、単動アクチュエータに一定流量を供給する定流量制御と、ワークツール用操作具の操作量に応じて単動アクチュエータへの供給流量を増減制御する可変流量制御とを選択的に行える構成にするとともに、制御装置は、単動アクチュエータの定流量制御を行う場合にはコントロールバルブを信号出力領域に位置せしめ、可変流量制御を行う場合には信号非出力領域に位置せしめることを特徴とする作業機械における油圧制御システムである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明とすることにより、コントロールバルブからの信号圧の供給でアンロード油路を開くパイロットチェック弁を用いて背圧低減制御を行うことができて、コスト削減に貢献できる。
請求項2の発明とすることにより、ワークツール用油圧アクチュエータが単動アクチュエータであっても、ワークツール用操作具の操作量が少ない領域では可変流量制御にすることでワークツールの速度制御を行うことができる一方、操作量が多い領域、つまり流量が多く背圧が立ちやすい領域においては定流量制御にしてアンロード油路を開くことで、背圧を低減する制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
ワークツール用油圧アクチュエータに関する油圧回路図である。
各モードにおける操作具操作量と制御信号値との関係を示す図である。
第一作動位置の信号非出力領域、信号出力領域におけるスプール移動ストロークと供給用油路、排出用油路、信号用油路の開口面積との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の作業機械の一例である油圧ショベル(図示せず)に設けられる油圧制御システムのうち、ワークツール用油圧アクチュエータに関する油圧回路図であって、該図1において、1はワークツール用油圧アクチュエータ、2はワークツール用油圧アクチュエータ1の油圧供給源となる油圧ポンプ、3は油圧ポンプ2の吐出油が供給されるポンプライン、4は油タンク、5はワークツール用油圧アクチュエータ1に対する油給排制御を行う後述のコントロールバルブ、6、7はワークツール用油圧アクチュエータ1に設けられる一対の流出入ポート1a、1bとコントロールバルブ5とを接続する第一、第二アクチュエータ油路である。
【0009】
前記ワークツール用油圧アクチュエータ1は、油圧ショベルに選択的に装着されるワークツールを油圧ポンプ2からの圧油供給で駆動させるべくワークツールに具備される油圧アクチュエータであって、例えばワークツールとしてハンマー(ブレーカ)が装着されている場合にはハンマー用油圧アクチュエータであり、グラップルが装着されている場合にはグラップルの爪を開閉させるためのグラップル用油圧アクチュエータであるが、該ワークツール用油圧アクチュエータ1としては、第一アクチュエータ油路6を油流入路として使用し第二アクチュエータ油路7を油流出路として使用する、つまり、ワークツール用油圧アクチュエータ1への油供給方向が一方向である単動アクチュエータ(例えば、ハンマー、ハーベスタ、マルチャー用油圧アクチュエータ等)1Sと、第一、第二の両方のアクチュエータ油路6、7を油流入路および油流出路として使用する、つまり、ワークツール用油圧アクチュエータ1への油供給方向が往復二方向である複動アクチュエータ1D(例えば、グラップル用油圧アクチュエータ等)がある。尚、以下の説明において、ワークツール用油圧アクチュエータ1を単にワークツール1と称することもある。また、ワークツール1を単動、複動で区別する必要があるときには単動アクチュエータ1S、複動アクチュエータ1Dと称し、区別する必要がないときにはワークツール1と称するが、図1には、ワークツール1として複動アクチュエータである油圧シリンダが図示されている。
【0010】
さらに、図1において、8はポンプライン3に接続されるパイロット一次圧生成用の減圧弁であって、該減圧弁8は、油圧ポンプ2の吐出圧を、パイロット一次圧として予め設定される設定圧まで減圧して、パイロット一次側油路9に供給する。該パイロット一次側油路9は、後述する第一、第二電磁比例弁10、11の入力側に接続されていてパイロット油圧源として用いられるとともに、コントロールバルブ5の信号圧入力ポート5eに接続されていて信号圧供給源として用いられるようになっている。
(【0011】以降は省略されています)

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