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公開番号2025028662
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-03
出願番号2023133609
出願日2023-08-18
発明の名称超音波バリ取りシステムの脱気装置及び脱気方法
出願人株式会社ブルー・スターR&D
代理人弁理士法人むつきパートナーズ
主分類B01D 19/00 20060101AFI20250221BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】超音波によるキャビティでワークのバリを除去するバリ取りシステムに組み込まれ、安定した脱気性能を与え得る超音波/真空型の脱気装置及びその脱気方法の提供。
【解決手段】脱気装置は、中心軸を鉛直にして配置された筒状容器と、筒状容器の上部の近傍に設けられて内部閉空間を真空引きする脱気口と、脱気口の下部であって筒状容器の側壁に設けられて内部閉空間に洗浄液を供給する供給口と、底板に設けられて内部閉空間から洗浄液を排出させる排出口と、を有し、供給口の下部において筒状容器の側壁を貫通して設けられた窓部と、窓部を閉塞するように与えられた封鎖壁と、封鎖壁の前面を中心軸に向けて往復動させるように封鎖壁の後面に取り付けた振動子と、を含む。脱気方法は、同脱気装置を用い、洗浄液を窓部よりも水面位置を高くするように筒状容器に導いた上で、振動子が封鎖壁を振動させて中心軸に向けて筒状容器内の洗浄液に疎密波を放射する。
【選択図】図4

特許請求の範囲【請求項1】
脱気された洗浄液中にワークを入れ超音波により形成されるキャビティによって該ワークのバリを除去するバリ取り装置を備える超音波バリ取りシステムに組み込まれる超音波/真空型の脱気装置であって、
中心軸を鉛直にして配置され上部及び下部をそれぞれ蓋板及び底板で閉塞された内部閉空間を有する筒状容器と、
前記筒状容器の前記上部の近傍に設けられて前記内部閉空間を真空引きする脱気口と、
前記脱気口の下部であって前記筒状容器の側壁に設けられて前記内部閉空間に前記洗浄液を供給する供給口と、
前記底板に設けられて前記内部閉空間から前記洗浄液を排出させる排出口と、を有し、
前記供給口の下部において前記筒状容器の前記側壁を貫通して設けられた窓部と、
前記窓部を閉塞するように与えられた封鎖壁と、
前記封鎖壁の前面を前記中心軸に向けて往復動させるように前記封鎖壁の後面に取り付けた振動子と、を含むことを特徴とする超音波バリ取りシステムの脱気装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記筒状容器は円筒型であって、前記中心軸から垂直方向に延びる水平線に沿って前記窓部の周縁から前記側壁の外方に向けて伸びる環状壁部を設け、前記環状壁部の伸張端部を閉塞して前記封鎖壁が前記水平線を法線とする鉛直面に沿って与えられることを特徴とする請求項1記載の超音波バリ取りシステムの脱気装置。
【請求項3】
前記洗浄液は発泡性を有することを特徴とする請求項1記載の超音波バリ取りシステムの脱気装置。
【請求項4】
前記振動子は前記バリ取り装置での前記超音波の振動数よりも高い振動数で振動することを特徴とする請求項1乃至3のうちの1つに記載の超音波バリ取りシステムの脱気装置。
【請求項5】
脱気された洗浄液中にワークを入れ超音波により形成されるキャビティによって該ワークのバリを除去するバリ取り装置を備える超音波バリ取りシステムに組み込まれる超音波/真空型の脱気装置を用いた脱気方法であって、
中心軸を鉛直にして配置され上部及び下部をそれぞれ蓋板及び底板で閉塞された内部閉空間を有する筒状容器と、
前記筒状容器の前記上部の近傍に設けられて前記内部閉空間を真空引きする脱気口と、
前記脱気口の下部であって前記筒状容器の側壁に設けられて前記内部閉空間に前記洗浄液を供給する供給口と、
前記底板に設けられて前記内部閉空間から前記洗浄液を排出させる排出口と、を有し、
前記供給口の下部において前記筒状容器の前記側壁を貫通して設けられた窓部と、
前記窓部を閉塞するように与えられた封鎖壁と、
前記封鎖壁の前面を前記中心軸に向けて往復動させるように前記封鎖壁の後面に取り付けた振動子と、を含み、
前記洗浄液を少なくとも前記窓部よりも水面位置を高くするように前記筒状容器に導いた上で、前記振動子が前記封鎖壁を振動させて前記中心軸に向けて前記筒状容器内の前記洗浄液に疎密波を放射することを特徴とする超音波バリ取りシステムの脱気方法。
【請求項6】
前記洗浄液は発泡性を有することを特徴とする請求項5記載の超音波バリ取りシステムの脱気方法。
【請求項7】
前記振動子は前記バリ取り装置での前記超音波の振動数よりも高い振動数で振動することを特徴とする請求項5又は6に記載の超音波バリ取りシステムの脱気方法。
【請求項8】
前記振動数は50KHz以上であることを特徴とする請求項7記載の超音波バリ取りシステムの脱気方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、脱気された洗浄液中にワークを入れ超音波により形成されるキャビティによって該ワークのバリを除去する超音波バリ取りシステムの脱気装置及び脱気方法に関し、特に、超音波/真空型の脱気装置及び脱気方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
洗浄液にワークを浸漬し超音波を照射して洗浄液中に形成されるキャビティによって該ワークのバリを除去するバリ取りシステムが知られている。ここで、キャビティの形成及び崩壊によるキャビテーションの衝撃効果を高めるためには、キャビティの核となり得る洗浄液中の気体を十分に除去しておくことが好ましいとされる。
【0003】
例えば、特許文献1では、超音波を照射する発振装置を備えた貯留槽(バリ取り槽)内の洗浄液を冷却させながら循環させる循環路の途中に、該洗浄液から溶存酸素を脱気する中空糸を用いた脱気手段を与えたバリ取りシステムが開示されている。脱気能力は中空糸に依存するが、溶存酸素量1mg/l以下まで脱気できるとしている。
【0004】
また、特許文献2では、洗浄液を与えて真空引きされる脱気槽に超音波を照射しつつ脱気するバリ取りシステムの脱気装置が開示されている。閉空間を形成する脱気槽の上面側には真空ポンプが接続され、底面側には振動周波数25KHz~2MHzの超音波振動子が取り付けられている。脱気槽に洗浄液を与えて、振動周波数35~45KHzの範囲の振動、特に、振動周波数40KHzの振動を与えると、10分以内に溶存酸素量(DO値)が2.5mg/l以下になるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2014-180757号公報
特許第5999857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
中空糸を用いた脱気手段は、高い脱気性能を有するものの、循環する洗浄液からの汚れによって中空糸の脱気能力が変化してしまう。特に、超音波バリ取りシステムにあっては、洗浄液に不可避的に汚れが含まれるとともに、界面活性剤や防錆剤などを含むことも多く、中空糸のダメージが大きい。一方、真空空間内の洗浄水に超音波振動を与えて脱気する超音波/真空型の脱気装置は、洗浄液の汚れの影響を受けづらいが、脱気性能とともに、動作の安定性に欠けるといった問題があった。
【0007】
本発明は以上のような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、脱気された洗浄液中にワークを入れ超音波により形成されるキャビティによって該ワークのバリを除去するバリ取り装置を備えるバリ取りシステムに組み込まれ、安定した脱気性能を与え得る超音波/真空型の脱気装置及びその脱気方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のよる脱気装置は、脱気された洗浄液中にワークを入れ超音波により形成されるキャビティによって該ワークのバリを除去するバリ取り装置を備える超音波バリ取りシステムに組み込まれる超音波/真空型の脱気装置であって、中心軸を鉛直にして配置され上部及び下部をそれぞれ蓋板及び底板で閉塞された内部閉空間を有する筒状容器と、前記筒状容器の前記上部の近傍に設けられて前記内部閉空間を真空引きする脱気口と、前記脱気口の下部であって前記筒状容器の側壁に設けられて前記内部閉空間に前記洗浄液を供給する供給口と、前記底板に設けられて前記内部閉空間から前記洗浄液を排出させる排出口と、を有し、前記供給口の下部において前記筒状容器の前記側壁を貫通して設けられた窓部と、前記窓部を閉塞するように与えられた封鎖壁と、前記封鎖壁の前面を前記中心軸に向けて往復動させるように前記封鎖壁の後面に取り付けた振動子と、を含むことを特徴とする。
【0009】
かかる特徴によれば、洗浄液を少なくとも窓部よりも水面位置を高くするように筒状容器に導いたときに、筒状容器の中心軸に向けて疎密波を放射でき、気泡を洗浄液中に漂わせることなく、直ちに上方に移動させて消泡させるから、安定した脱気性能を得られるのである。
【0010】
上記した発明において、前記筒状容器は円筒型であって、前記中心軸から垂直方向に延びる水平線に沿って前記窓部の周縁から前記側壁の外方に向けて伸びる環状壁部を設け、前記環状壁部の伸張端部を閉塞して前記封鎖壁が前記水平線を法線とする鉛直面に沿って与えられることを特徴としてもよい。かかる特徴によれば、洗浄液の流通を円滑に出来るとともに、疎密波を導入する封鎖壁の面積を大きく出来て、安定した脱気性能を得られるのである。
(【0011】以降は省略されています)

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