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公開番号2025032883
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-12
出願番号2023138384
出願日2023-08-28
発明の名称微粒子スラリーの洗浄濃縮装置、微粒子粉末の製造装置および製造方法
出願人月島機械株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類B01D 29/39 20060101AFI20250305BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】微粒子粉末の製造装置において使用する洗浄水量或いは洗浄廃水量を削減可能な微粒子スラリーの洗浄濃縮装置を提供する。
【解決手段】微粒子スラリーを貯留するスラリータンク30と、貯留された微粒子スラリーを攪拌式クロスフローろ過装置6に供給する流路56と、攪拌式クロスフローろ過装置6から排出されるろ液をスラリータンク30に返送する返送流路76と、攪拌式クロスフローろ過装置6から排出されるろ液を廃棄する廃棄流路78と、攪拌式クロスフローろ過装置6から排出されるろ液の導電度を測定する導電度センサ71又はろ液の密度を測定する密度センサを含むろ液センサと、攪拌式クロスフローろ過装置6から排出されるろ液を返送流路76に流すか廃棄流路78に流すかの流路切替を行う流路切替装置74と、ろ液を廃棄流路78か返送流路76に流すために流路切替装置74を制御する制御部69と、を備える微粒子スラリーの洗浄濃縮装置。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
粒径7μm以下の微粒子を含む微粒子スラリーを貯留するスラリータンクと、
貯留された前記微粒子スラリーを攪拌式クロスフローろ過装置に供給する流路と、
前記攪拌式クロスフローろ過装置から排出されるろ液をスラリータンクに返送する返送流路と、
前記攪拌式クロスフローろ過装置から排出される前記ろ液を廃棄する廃棄流路と、
前記攪拌式クロスフローろ過装置から排出される前記ろ液の導電度を測定する導電度センサ、または前記ろ液の密度を測定する密度センサのうち少なくとも一つを含むろ液センサと、
前記攪拌式クロスフローろ過装置から排出される前記ろ液を前記返送流路に流すか前記廃棄流路に流すかの流路の切り替えを行う流路切替装置と、
前記ろ液センサの測定結果が閾値以上の場合に前記ろ液を前記廃棄流路に流し、前記ろ液センサの測定結果が閾値を下回った場合に前記ろ液を前記返送流路に流すように前記流路切替装置を制御する制御部と、
を備える微粒子スラリーの洗浄濃縮装置。
続きを表示(約 940 文字)【請求項2】
前記ろ液センサは導電率計であって、閾値は、10[mS/cm]以下の範囲にある値で設定されることを特徴とする請求項1記載の微粒子スラリーの洗浄濃縮装置。
【請求項3】
前記ろ液センサは、前記攪拌式クロスフローろ過装置の下流側であり前記流路切替装置の上流側に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の微粒子スラリーの洗浄濃縮装置。
【請求項4】
前記微粒子は二次電池用正極材料前駆体であることを特徴とする請求項1または2記載の微粒子スラリーの洗浄濃縮装置。
【請求項5】
請求項1記載の微粒子スラリーの洗浄濃縮装置から供給された前記微粒子スラリーを乾燥させる伝導伝熱式の乾燥機を備え、前記乾燥機は、撹拌伝熱装置を有し、前記撹拌伝熱装置は、一端に流入口が形成され他端に流出孔が形成されたケーシングと、前記ケーシング内に軸線回りに回転可能かつ前記軸線を互いに平行にして配置された複数の回転軸と、前記回転軸のそれぞれに軸方向に間隔をあけて、かつ各回転軸の撹拌翼が前記軸方向に見て一部重なりあうように固定された撹拌翼と、これら前記撹拌翼を加熱する加熱機構を有し、前記回転軸を回転させることにより、加熱された前記撹拌翼が前記流入口から供給された前記微粒子スラリーを加熱しつつ前記流出孔へ移送しその間に前記微粒子スラリーを乾燥して微粒子粉末へ転換することを特徴とする微粒子粉末の製造装置。
【請求項6】
粒径7μm以下の微粒子および母液を含むスラリーに洗浄液を加えてなるスラリーを攪拌式クロスフローろ過装置によりろ過して洗浄スラリーを得る希釈洗浄ろ過工程と、前記洗浄スラリーを前記攪拌式クロスフローろ過装置により濃縮し、濃縮スラリーを得る濃縮工程と、
前記攪拌式クロスフローろ過装置から排出されるろ液の導電度又は密度を測定し、前記導電度又は密度が閾値以上の場合に前記ろ液を廃棄し、前記導電度又は密度が前記閾値を下回った場合に前記ろ液を前記洗浄液として再利用する流路切り替え工程と、
前記濃縮スラリーを加熱乾燥して微粒子粉末を得る乾燥工程と、を備えることを特徴とする微粒子粉末の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、微粒子スラリーの洗浄濃縮装置、微粒子粉末の製造装置および製造方法に関し、例えば二次電池正極活物質前駆体などの製造に適した装置と方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
微粒子粉末の製造、例えば、二次電池正極活物質前駆体などの製造においては、近年、最終製品の性能を向上するためにできるだけ微粒子の粒径を小さくすることが望まれており、遷移金属元素を含む溶液をアルカリ溶液と接触させることにより遷移金属水酸化物を主成分とする沈殿物成分を含む原液スラリーを得る工程と、前記スラリー中の沈殿物成分の洗浄・濃縮を行って洗浄・濃縮スラリーを得る工程と、前記洗浄・濃縮スラリーを乾燥して微粒子粉末を得る工程とを有する製造方法が一般に用いられる。
【0003】
しかし、この種の微粒子粉末の製造方法では、原液スラリーの製造工程の条件を調整して微粒子を得た場合には、ろ過・洗浄工程においてフィルターでのろ過時に形成されるケーキ層のろ過抵抗が非常に大きくなるため、一般に使用されるフィルタープレス(加圧ろ過)などのケーキろ過方式の適用は困難であった。
【0004】
また、フィルタープレス方式では、濾室全体を均一なケーキ厚みとすることが難しく、厚さが不均一なケーキ層に洗浄水を透過して洗浄を行う置換洗浄方式を採用しようとすると、洗浄水はケーキ厚の薄い箇所に集中して透過しやすい一方、ケーキが厚い箇所は洗浄水が透過しにくいため、洗浄水量を増やす必要があるが、それでも洗浄の度合いにむらがでることが避けられず、ケーキ層の全体を均一に洗浄することが難しかった。
【0005】
そこで、特許文献1または特許文献2に開示された方法が提案されている。特許文献1、2の方法では、遷移金属元素を含む溶液をアルカリ溶液と接触させることにより遷移金属水酸化物を主成分とする沈殿物成分を含む原液スラリーを得た後に、クロスフローろ過によって前記スラリー中の沈殿物成分の濃縮を行ない、得られた濃縮スラリーに熱風を吹き付ける対流伝熱による熱風乾燥法で乾燥する工程とを有する。
【0006】
前記クロスフローろ過は、フィルターの内壁に対して平行に原液スラリーを流しながらろ過を行う方法である。フィルター内壁に平行して流れるスラリーの剪断力により、フィルター表面に固形分がケーク層として堆積することを抑制し、これにより、原液スラリーが微粒子を含む場合においても比較的早いろ過速度を維持できる利点がある。クロスフローろ過方式には、中空糸膜、チュ-ブラー膜、スパイラル膜などのカートリッジ式膜モジュールの利用が考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2012-87039号公報
特開2012-99470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1、2の方法における、ろ過及び洗浄操作において、ランニングコストの低減を考える上で、使用する洗浄水量或いは洗浄廃水量を削減することが課題となっている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、使用する洗浄水量或いは洗浄廃水量を削減可能であり、微粒子スラリーの洗浄濃縮装置と微粒子粉末を安定して製造できる装置と方法を提供することを課題としている。
【0010】
本発明の態様1に係る微粒子スラリーの洗浄濃縮装置は、粒径7μm以下の微粒子を含む微粒子スラリーを貯留するスラリータンクと、貯留された前記微粒子スラリーを攪拌式クロスフローろ過装置に供給する流路と、前記攪拌式クロスフローろ過装置から排出されるろ液をスラリータンクに返送する返送流路と、前記攪拌式クロスフローろ過装置から排出される前記ろ液を廃棄する廃棄流路と、前記攪拌式クロスフローろ過装置から排出される前記ろ液の導電度を測定する導電度センサ、または前記ろ液の密度を測定する密度センサのうち少なくとも一つを含むろ液センサと、前記攪拌式クロスフローろ過装置から排出される前記ろ液を前記返送流路に流すか前記廃棄流路に流すかの流路の切り替えを行う流路切替装置と、前記ろ液センサの測定結果が閾値以上の場合に前記ろ液を前記廃棄流路に流し、前記ろ液センサの測定結果が閾値を下回った場合に前記ろ液を前記返送流路に流すように前記流路切替装置を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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