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公開番号2025015544
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-30
出願番号2024181796,2022090042
出願日2024-10-17,2017-05-04
発明の名称排ガス焼却炉の制御
出願人イネオス ユーロープ アクチェンゲゼルシャフト
代理人個人,個人,個人,個人
主分類F23G 5/50 20060101AFI20250123BHJP(燃焼装置;燃焼方法)
要約【課題】吸収器の排ガス焼却炉に利用される燃料ガスの量を最小化し、排出をより良好に制御する方法を提供する。吸収器の排ガス焼却炉の火室における温度偏差を少なくし、吸収器の排ガス焼却炉の煙道ガスにおける酸素の量における偏差を少なくする方法を提供する。
【解決手段】反応物流の流れをアンモ酸化反応器に導入するステップ;
反応物流における炭化水素の量を測定し、反応物流の供給速度を測定するステップ;
反応器の排出物を、アンモ酸化反応器から吸収器に運ぶステップ;
吸収器の排ガスを、吸収器から吸収器の排ガス焼却炉に供給するステップ;ならびに
燃料ガスおよび空気を、吸収器の排ガス焼却炉に供給するステップ;
を含む、排ガス焼却炉を操作するための方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
排ガス焼却炉を操作するための方法であって、
反応物流の流れをアンモ酸化反応器に導入するステップ;
反応物流における炭化水素の量を判定し、反応物流の供給速度を判定するステップ;
反応器の排出物を、アンモ酸化反応器から吸収器に運ぶステップ;
吸収器の排ガスを、吸収器から吸収器の排ガス焼却炉に供給するステップ;ならびに
燃料ガスおよび空気を、吸収器の排ガス焼却炉に供給するステップ;
を含み、
吸収器の排ガス、燃料ガスおよび空気が、吸収器の排ガス焼却炉の煙道ガスにおいて、生成されたアクリロニトリル1トン当たり約6kg以下のNO
x
を維持する量、ならびに吸収器の排ガス焼却炉の煙道ガスにおいて、生成されたアクリロニトリル1トン当たり約3.5kg以下の非メタン炭化水素を維持する量で、吸収器の排ガス焼却炉に供給される、方法。
続きを表示(約 960 文字)【請求項2】
吸収器の排ガス焼却炉における温度が、吸収器の排ガス焼却炉の温度設定点の約10°F(5.56℃)以内に維持される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
反応物流における炭化水素が、プロパン、プロピレン、イソブテン、イソブチレンおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
炭化水素がプロピレンである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
吸収器の排ガス焼却炉の煙道ガスにおいて、約5体積%以下の酸素を提供する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
吸収器の排ガス焼却炉の煙道ガスにおいて、生成されたアクリロニトリル1トン当たり約3.5kg以下のCOを維持する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
吸収器の排ガス焼却炉の温度設定点が、吸収器の排ガス焼却炉の煙道ガスにおけるNO
x
、非メタン炭化水素、および/またはCOの必要量未満を達成するのに必要な最小温度である、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
反応物流の流れをアンモ酸化反応器に導入するステップ;
反応物流における炭化水素の量を判定し、反応物流の供給速度を判定するステップ;
反応器の排出物を、アンモ酸化反応器から吸収器に運ぶステップ;
吸収器の排ガスを、吸収器から吸収器の排ガス焼却炉に供給するステップ;ならびに
燃料ガスおよび空気を、吸収器の排ガス焼却炉に供給するステップ;
を含み、
吸収器の排ガス、燃料ガスおよび空気が、排ガス焼却炉内の温度を、排ガス焼却炉の温度設定点の約10°F(5.56℃)以内に維持する量で、吸収器の排ガス焼却炉に供給される、排ガス焼却炉を操作する方法。
【請求項9】
排ガス焼却炉内の温度が、排ガス焼却炉の温度設定点の約5°F(2.78℃)以内に維持される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
反応物流における炭化水素が、プロパン、プロピレン、イソブテン、イソブチレンおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
排ガス焼却炉を制御するための方法が提供される。より具体的には、この方法は、吸収器の排ガス焼却炉に利用される燃料ガスの量を最小化するステップ、および焼却炉からの排出を制御するステップを含む。
続きを表示(約 4,500 文字)【背景技術】
【0002】
アクリロニトリルは、アンモ酸化プロセスにより製造され、このプロセスでは、空気、アンモニアおよびプロピレンが、流動床において触媒の存在下において反応して、反応器の蒸気性排出物が形成される。反応器の蒸気性排出物は、次いで、クエンチ系を通過し、反応器の排出物は、そこで水性クエンチ液、通常は水と直接接触する。このクエンチにより、未反応のアンモニアおよび重ポリマーが除去される。クエンチしたガスは、次いで吸収カラムに進められる。吸収器では、ガスは、吸収液、通常はやはり水と直接接触する。水、アクリロニトリル、アセトニトリル、HCNおよび付随する不純物は、吸収器の下部から水溶液として放出される。ガスは、吸収器の上部から除去される。吸収器の上部から除去されたガスは、吸収器の排ガス焼却炉(AOGI)に送られる。
【0003】
吸収器の排ガス焼却炉(AOGI)は、未反応の炭化水素および少量のアクリロニトリルを含有する吸収されていないガス流を燃焼する、アクリロニトリル法に使用される。AOGIは、アクリロニトリル法の他の要素として使用される高圧蒸気を生成する熱回収セクションを含む。AOGIでは、空気および燃料ガスは、吸収器の排ガスを高温にて燃焼させるために使用される。AOGIにおいて制御される重要な変数は、焼却炉の温度および煙道のO2である。こうした2つの変数をより厳格に制御することが、排出制御の観点から望ましい。この制御目標は、通常の操作中だけではなく、速度の変化中も、また、プロピレン純度が変化する際も望ましい。
モデル予測制御(MPC)は、高度プロセス制御(APC)としても公知であり、プロセスモデルを使用して、将来のプロセス挙動を予測し、次いで最適化した制御動作を実行に移して、望ましい目標からのプロセス偏差を無効にする。プロセスの制御と共に、MPCは、重要なプロセス変数を変動させて、プロセスを最も「経済的な」状態にしようとする。
【発明の概要】
【0004】
方法は、吸収器の排ガス焼却炉に利用される燃料ガスの量を最小化するステップ、および排出をより良好に制御することを提供する。この方法は、吸収器の排ガス焼却炉の火室における温度偏差を少なくすること、および吸収器の排ガス焼却炉の煙道ガスにおける酸素の量における偏差を少なくすることを提供する。吸収器の排ガス焼却炉の火室温度、および吸収器の排ガス焼却炉の煙道の酸素における標準偏差の低下により、燃料ガス使用量は抑制され、環境変数はより厳格に制御される。こうした制御目標は、通常の操作中、速度の変化中、また、プロピレン純度が変化する際に達成される。この方法により、反応器供給流における炭化水素の量、および反応器供給流の供給速度を判定することにより、AOGI温度およびAOGI煙道ガスにおけるO2が想定外にも制御される。
この方法は、アンモ酸化反応器の供給速度、および、反応器中における炭化水素供給物の純度を測定するステップを含む。この方法によれば、反応器の供給速度および炭化水素の純度は、排ガス焼却炉への燃料ガス流および空気流の量に影響を与える。ある重要な態様では、操作者は、公知の反応器の供給速度および炭化水素の純度に基づいて、排ガス焼却炉の性能を予測でき、次いで、制御を実行に移して、AOGI温度、および、排ガス焼却炉の煙道ガスにおける酸素の偏差を最小化できる。
排ガス焼却炉を操作する(稼働させる)ための方法は、反応物流の流れをアンモ酸化反応器に導入するステップ;反応物流における炭化水素の量を判定し、反応物流の供給速度を判定するステップ;反応器の排出物を、アンモ酸化反応器から吸収器に運ぶステップ;吸収器の排ガスを、吸収器から吸収器の排ガス焼却炉に供給するステップ;ならびに燃料ガスおよび空気を、吸収器の排ガス焼却炉に供給するステップを含む。吸収器の排ガス、燃料ガスおよび空気が、吸収器の排ガス焼却炉の煙道ガスにおいて、プラントで生成されたAN1トン当たり約6kg以下のNO
x
を維持する量、ならびに吸収器の排ガス焼却炉の煙道ガスにおいて、プラントで生成されたAN1トン当たり約3.5kg以下の非メタン炭化水素を維持する量で、吸収器の排ガス焼却炉に供給される。
【0005】
排ガス焼却炉を操作するための方法は、反応物流の流れをアンモ酸化反応器に導入するステップ;反応物流における炭化水素の量を判定し、反応物流の供給速度を判定するステップ;反応器の排出物を、アンモ酸化反応器から吸収器に運ぶステップ;吸収器の排ガスを、吸収器から吸収器の排ガス焼却炉に供給するステップ;ならびに燃料ガスおよび空気を、吸収器の排ガス焼却炉に供給するステップを含む。一態様では、吸収器の排ガス、燃料ガスおよび空気が、排ガス焼却炉の温度設定点の約10°F(5.56℃)以内に排ガス焼却炉における温度を維持する量で、吸収器の排ガス焼却炉に供給される。
別の態様では、排ガス焼却炉を操作するための方法は、反応物流の流れをアンモ酸化反応器に導入するステップ;反応物流における炭化水素の量を判定し、反応物流の供給速度を判定するステップ;反応器の排出物を、アンモ酸化反応器から吸収器に運ぶステップ;吸収器の排ガスを、吸収器から吸収器の排ガス焼却炉に供給するステップ;ならびに燃料ガスおよび空気を、吸収器の排ガス焼却炉に供給するステップを含む。一態様では、1セットの操作変数は、吸収器の排ガス焼却炉への燃料ガス流、および吸収器の排ガス焼却炉への空気流を含み、1セットの制御変数は、吸収器の排ガス焼却炉の煙道における酸素の量、および吸収器の排ガス焼却炉における温度を含む。この方法は、操作変数を調整することによる、少なくとも1セットの制御変数を制御するステップを含む。この態様では、操作変数は、フィードフォワード変数に基づいて変化する。
本方法の上記および他の態様、いくつかの態様の特徴および利点は、以下の図からさらに明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
アンモ酸化プロセスを例証する図である。
AOGIのさらに詳細な概観を示す図である。
【0007】
対応する参照文字は、図面中のいくつかの概観の間の対応する構成成分を指し示す。当業者は、図中の構成要素は、簡潔さおよび明確さのために例証され、必ずしも原寸に比例していないことを認識するであろう。例えば、図におけるいくつかの構成要素の寸法は、様々な態様の理解を深める一助とするために、他の構成要素に対して誇張されていることがある。また、商業的に実行可能な態様では有用な、または必須の、一般的であるが十分に理解されている構成要素は、これらの様々な態様を、妨げることなく概観しやすくするために、描写されていないことが多い。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の説明は、限定的な意味として解釈されるべきではないが、模範的な実施形態の一般的原理を説明する目的のためだけになされている。本発明の範囲は、特許請求の範囲に準拠して決定されるべきである。
アンモ酸化プロセス
図1は、アンモ酸化プロセスの系統図である。図を参照すると、このプロセスは、反応器10、クエンチ容器20、任意の排出物圧縮器30および吸収器40を含む。流れ1中のアンモニアおよび流れ2中の炭化水素(HC)供給物は、合わせた流れ3として反応器10に供給され得る。HC供給流2は、プロパン、プロピレン、イソブテン、イソブチレンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される炭化水素を含み得る。一態様では、炭化水素は、主にプロピレンである。触媒(図1で示されていない)は、反応器10に存在し得る。酸素を含有するガスが、反応器10に供給され得る。例えば、空気は、空気圧縮器(図1で示されていない)により圧縮し、反応器10に供給され得る。
アクリロニトリルは、反応器10中の触媒の存在下において、炭化水素、アンモニアおよび酸素の反応から、反応器10で生成される。アクリロニトリルを含む流れは、反応器10の上部から、反応器の排出物流4として流出し得る。反応器10で生成されたアクリロニトリルを含む反応器の排出物流4は、ライン11を通ってクエンチ容器20に運ばれ得る。
【0009】
クエンチ容器20では、反応器の排出物流4は、ライン12を経由してクエンチ容器20に入るクエンチ水流5との接触により冷却され得る。クエンチ水流5は、水に加えて酸を含み得る。アクリロニトリルを含む、冷却された反応器の排出物(副産物、例えばアセトニトリル、シアン化水素および不純物を含む)は、次いで、クエンチ流6として、ライン13を経由して排出物圧縮器30に運ばれ得る。
クエンチ流6は、排出物圧縮器30により圧縮され得、圧縮器の排出物流7として排出物圧縮器30から流出する。この方法は、圧縮器なしで操作するステップを含んでよい。圧縮器の排出物流7は、ライン14を経由して吸収器40の下部に運ばれ得る。吸収器40において、アクリロニトリルは、第2のまたは吸収器の水流8に吸収され得、これはライン15を経由して吸収器40の上部に入る。アクリロニトリルおよび他の副産物を含む水流または豊水流18は、次いで、吸収器40から、ライン19を経由して、生成物をさらに精製するための回収カラム(図1で示されていない)に運搬され得る。吸収されなかった排出物9は、吸収器カラム40の上部からパイプ16を通って流出する。吸収されなかった排出物または吸収器の排出物9は、吸収器の排ガス焼却炉21(AOGI)または吸収器の排ガス酸化器(AOGO)で燃焼できる排ガスを含み得る。
【0010】
AOGIの操作
AOGI21のさらに詳細な概観は、図2で示されている。図2で示されているように、吸収器の排出物9、燃料ガス120および空気125は、AOGI21に入る。AOGI排出物ガス130は、AOGI煙道150に送られる。
環境許可要件は、AOGIの操作パラメータを定義できる。例えば、環境要件は、AOGI煙道ガスにおけるNO
x
(NOx)、非メタン炭化水素、および/またはCOを必要量未満にする操作を必要とすることがある。AOGI煙道ガスにおけるこうした化合物の各量のモニタリングは、当業界で公知の方法による。この方法は、連続排出モニタリング系(CEMS)を含み得る。環境要件は、AOGIの操作を直接制御しないが、環境要件を達成するのに必要な操作条件および設定点を定義する一助となる。
(【0011】以降は省略されています)

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