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公開番号
2025002014
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-09
出願番号
2023101899
出願日
2023-06-21
発明の名称
加速度センサ装置
出願人
学校法人 名城大学
代理人
弁理士法人 快友国際特許事務所
主分類
G01P
15/10 20060101AFI20241226BHJP(測定;試験)
要約
【課題】高い応答性を有する加速度センサ装置を提供する。
【解決手段】加速度センサ装置は、基板と、加速度の測定方向に沿って基板に対して変位可能に構成されているマス部と、第1端及び第2端を有するビームであって、第1端がマス部に固定されており、第2端が基板に固定されており、マス部に加わる加速度に応じてばね定数が変化するように構成されている、ビームと、ビームを共振周波数で振動させるように構成されている励振電極部と、ビームの振動を検知するように構成されているモニタ電極部と、マス部の測定方向の変位を制御するように構成されている制御電極部と、を備えている。制御電極部は、モニタ電極部で検知されたモニタ信号に基づいて、ビームを振動させるときの共振周波数がマス部に加速度が加わっていないときの共振周波数に維持することでマス部の測定方向の変位を抑えるようにフィードバック制御する構成を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
加速度センサ装置であって、
基板と、
加速度の測定方向に沿って前記基板に対して変位可能に構成されているマス部と、
第1端及び第2端を有するビームであって、前記第1端が前記マス部に固定されており、前記第2端が前記基板に固定されており、前記マス部に加わる加速度に応じてばね定数が変化するように構成されている、ビームと、
前記ビームを共振周波数で振動させるように構成されている励振電極部と、
前記ビームの振動を検知するように構成されているモニタ電極部と、
前記マス部の前記測定方向の変位を制御するように構成されている制御電極部と、を備えており、
前記制御電極部は、前記モニタ電極部で検知されたモニタ信号に基づいて、前記ビームを振動させるときの共振周波数が前記マス部に加速度が加わっていないときの共振周波数に維持することで前記マス部の前記測定方向の変位を抑えるようにフィードバック制御する構成を有する、
加速度センサ装置。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記ビームは、前記測定方向に沿って延びているストレートビームであり、
前記励振電極部は、前記測定方向に直交する励振方向に沿って前記ストレートビームを振動させるように構成されている、
請求項1に記載の加速度センサ装置。
【請求項3】
前記ストレートビームは、前記第1端と前記第2端の間に設けられている剛体部を有しており、
前記励振電極部は、
前記剛体部に固定されている励振可動電極と、
前記励振可動電極に対向するとともに前記基板に固定されている励振固定電極と、を有しており、
前記励振可動電極と前記励振固定電極は、前記測定方向に対向するスライド型の櫛歯電極を構成しており、
前記モニタ電極部は、
前記剛体部に固定されているモニタ可動電極と、
前記モニタ可動電極に対向するとともに前記基板に固定されているモニタ固定電極と、を有しており、
前記モニタ可動電極と前記モニタ固定電極は、前記測定方向に対向するスライド型の櫛歯電極を構成している、
請求項2に記載の加速度センサ装置。
【請求項4】
前記ストレートビームは、前記マス部から同一向きに延びている一対のストレートビームを有しており、
前記励振電極部は、前記一対のストレートビームを逆相で振動させるように構成されている、請求項2に記載の加速度センサ装置。
【請求項5】
前記ストレートビームは、前記マス部から反対向きに延びている一対のストレートビームを有しており、
前記制御電極部は、前記一対のストレートビームの各々から検知された共振周波数を用いて演算される演算結果に基づいて、前記マス部の前記測定方向の変位を抑えるようにフィードバック制御するように構成されており、
前記演算結果では、前記マス部に加速度が加わっていないときの共振周波数の成分が除去されている、
請求項2に記載の加速度センサ装置。
【請求項6】
前記マス部に加わる加速度に応じて前記ビームに対して電気ばね効果を発生させるように構成されている電気ばね電極部、をさらに備えており、
前記マス部は、
リンクビームと、
前記測定方向に対向するように前記リンクビームを介して接続されている一対の逆相マス部と、を有しており、
前記励振電極部は、前記一対の逆相マス部を逆相で振動させることにより前記ビームが振動するように構成されている、
請求項1に記載の加速度センサ装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)構造を有する加速度センサ装置に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
MEMS構造を有する加速度センサ装置の一例として、マス部に接続されているビームの共振周波数の変化からマス部に加わっている加速度を測定する種類の加速度センサ装置が知られている。特許文献1は、この種の加速度センサ装置の一例を開示する。
【0003】
特許文献1の加速度センサ装置では、ビームに対して共振周波数調整電極が配置されている。共振周波数調整電極は、入力する直流電圧に応じてビームに電気ばね効果を発生させ、ビームのばね定数を調整し、ビームの共振周波数を調整するように構成されている。特許文献1の加速度センサ装置は、マス部に加速度が加わったときに、ビームの共振周波数を一定に保つように制御するための操作量に応じて加速度を測定するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2015-222246号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
マス部に加速度が加わると、マス部は加速度の方向に沿って変位する。図17(A)に示すように、マス部にステップ状の加速度が加わると、図17(B)に示すように、マス部に自由振動が発生する。自由振動が収束するまでは、ビームに加わる内部応力が変動し、ビームの共振周波数も変動する。このようなマス部の自由振動は、加速度センサ装置の応答性を低下させる。特許文献1の加速度センサ装置では、マス部に加速度が加わったときに加速度に応じたマス部の変位を許容する構造であり、マス部の自由振動を抑えることはできない。特に、マス部及びビームを含む振動系が真空封止された加速度センサ装置では、Q値が高くなるので、マス部の自由振動が収束しにくい。このため、応答性の低下が特に問題となる。本明細書は、高い応答性を有する加速度センサ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書が開示する加速度センサ装置は、基板と、加速度の測定方向に沿って前記基板に対して変位可能に構成されているマス部と、第1端及び第2端を有するビームであって、前記第1端が前記マス部に固定されており、前記第2端が前記基板に固定されており、前記マス部に加わる加速度に応じてばね定数が変化するように構成されている、ビームと、前記ビームを共振周波数で振動させるように構成されている励振電極部と、前記ビームの振動を検知するように構成されているモニタ電極部と、前記マス部の前記測定方向の変位を制御するように構成されている制御電極部と、を備えていてもよい。前記制御電極部は、前記モニタ電極部で検知されたモニタ信号に基づいて、前記ビームを振動させるときの共振周波数が前記マス部に加速度が加わっていないときの共振周波数に維持することで前記マス部の前記測定方向の変位を抑えるようにフィードバック制御する構成を有していてもよい。上記加速度センサ装置は、前記ビームを振動させるときの共振周波数を維持するように構成することで、前記マス部の前記測定方向の変位を抑えるようにフィードバック制御する。このため、上記加速度センサ装置では、前記マス部に加速度が加わったときに、前記マス部の前記測定方向の変位が抑えられるので、前記マス部の自由振動が抑えられる。上記加速度センサ装置は、高い応答性を有することができる。
【0007】
上記加速度センサ装置の一つの実施形態では、前記ビームは、前記測定方向に沿って延びているストレートビームであってもよい。前記励振電極部は、前記測定方向に直交する励振方向に沿って前記ストレートビームを振動させるように構成されていてもよい。
【0008】
前記ストレートビームは、前記第1端と前記第2端の間に設けられている剛体部を有していてもよい。この場合、前記励振電極部は、前記剛体部に固定されている励振可動電極と、前記励振可動電極に対向するとともに前記基板に固定されている励振固定電極と、を有していてもよい。前記励振可動電極と前記励振固定電極は、前記測定方向に対向するスライド型の櫛歯電極を構成していてもよい。さらに、前記モニタ電極部は、前記剛体部に固定されているモニタ可動電極と、前記モニタ可動電極に対向するとともに前記基板に固定されているモニタ固定電極と、を有していてもよい。前記モニタ可動電極と前記モニタ固定電極は、前記測定方向に対向するスライド型の櫛歯電極を構成していてもよい。この加速度センサ装置では、前記ストレートビームの前記励振方向における変位量を大きくすることができ、さらに前記モニタ電極部における容量変化と前記ストレートビームの前記励振方向における変位量の間の関係も線形になる。このため、この加速度センサ装置では、より高精度に加速度を測定することができる。
【0009】
前記ストレートビームは、前記マス部から同一向きに延びている一対のストレートビームを有していてもよい。この場合、前記励振電極部は、前記一対のストレートビームを逆相で振動させるように構成されていてもよい。この加速度センサ装置では、前記励振電極部による前記一対のストレートビームの振動に関するQ値が高くなり、小さい電圧で前記一対のストレートビームを振動させることができる。また、前記マス部に対して前記一対のストレートビームが設けられていることにより、前記マス部の回転が抑えられる。
【0010】
前記ストレートビームは、前記マス部から反対向きに延びている一対のストレートビームを有していてもよい。この場合、前記制御電極部は、前記一対のストレートビームの各々から検知された共振周波数を用いて演算される演算結果に基づいて、前記マス部の前記測定方向の変位を抑えるようにフィードバック制御するように構成されていてもよい。前記演算結果では、前記マス部に加速度が加わっていないときの共振周波数の成分が除去されていてもよい。前記マス部に加速度が加わっていないときの共振周波数は、環境温度に応じて変化する。この加速度センサ装置では、そのような共振周波数の成分が演算結果から除去されているので、環境温度の影響を抑えることができる。この加速度センサ装置は、環境温度が変化しても加速度を正確に測定することができる。
(【0011】以降は省略されています)
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