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公開番号2024176882
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-19
出願番号2023095731
出願日2023-06-09
発明の名称満充電容量推定方法及び満充電容量推定装置
出願人株式会社豊田自動織機
代理人インフォート弁理士法人,個人,個人,個人
主分類G01R 31/387 20190101AFI20241212BHJP(測定;試験)
要約【課題】二次電池の満充電容量の推定精度を向上させる。
【解決手段】満充電容量推定処理の実施時、充電終了時の二次電池Bの上側充電率SUから、充電開始時の二次電池Bの電圧と頻度との対応関係を示す頻度分布FDに基づく下側充電率SLを減算した結果を、充電終了時の二次電池Bの充電率と充電開始時の二次電池Bの充電率との充電率差ΔSOCとして取得し、充電開始時から充電終了時までの間に二次電池Bに流れる電流の積算値Iを充電率差ΔSOCで除算した値に100を乗算した結果を、二次電池Bの満充電容量として推定する。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
二次電池の満充電容量を推定する満充電容量推定装置により実施される満充電容量推定方法であって、
前記満充電容量推定装置は、満充電容量推定処理の実施時、充電終了時の前記二次電池の上側充電率から、充電開始時の前記二次電池の電圧と頻度との対応関係を示す情報に基づく下側充電率を減算した結果を、充電終了時の前記二次電池の充電率と充電開始時の前記二次電池の充電率との充電率差として取得し、充電開始時から充電終了時までの間に前記二次電池に流れる電流の積算値を前記充電率差で除算した値に100を乗算した結果を、前記二次電池の満充電容量として推定する
満充電容量推定方法。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
請求項1に記載の満充電容量推定方法であって、
前記下側充電率は、前記二次電池の電圧と頻度との対応関係を示す頻度分布に基づき、
前記満充電容量推定装置は、前記二次電池が充電される度に充電開始時の前記二次電池の電圧により前記頻度分布を更新する
満充電容量推定方法。
【請求項3】
請求項1に記載の満充電容量推定方法であって、
前記満充電容量推定装置は、一次元カルマンフィルタを用いて、推定した前記満充電容量を補正する
満充電容量推定方法。
【請求項4】
請求項1に記載の満充電容量推定方法であって、
前記二次電池は、単位充電率あたりの開回路電圧の変化量が所定値以下であるプラトー領域を有するリチウムイオン電池である
満充電容量推定方法。
【請求項5】
請求項4に記載の満充電容量推定方法であって、
前記単位充電率は10[%]であり、
前記所定値は10[mV]である
満充電容量推定方法。
【請求項6】
請求項1に記載の満充電容量推定方法であって、
前記二次電池は、正極材料としてリン酸鉄リチウムが使用されるリチウムイオン電池である
満充電容量推定方法。
【請求項7】
請求項1に記載の満充電容量推定方法であって、
前記満充電容量推定装置は、充電開始時の前記二次電池の電圧が下側判定閾値電圧以下である場合で、かつ、充電終了時の前記二次電池の電圧が上側判定閾値電圧以上である場合、または、前記二次電池が満充電状態になったと判断した場合、満充電容量推定条件が満たされたと判断し、前記満充電容量推定処理を実施する
満充電容量推定方法。
【請求項8】
請求項1に記載の満充電容量推定方法であって、
前記満充電容量推定装置は、前記頻度分布の最頻値と、過放電警告電圧との第1電圧差が第1閾値以下である場合、前記最頻値に対応する充電率を前記下側充電率とする
満充電容量推定方法。
【請求項9】
請求項7に記載の満充電容量推定方法であって、
前記満充電容量推定装置は、前記頻度分布の最頻値と、前記頻度分布の最小電圧から最大電圧までの間の中間電圧との第2電圧差が第2閾値以下である場合、前記下側判定閾値電圧に対応する充電率を前記下側充電率とする
満充電容量推定方法。
【請求項10】
充電終了時の前記二次電池の上側充電率から、充電開始時の前記二次電池の電圧と頻度との対応関係を示す頻度分布に基づく下側充電率を減算した結果を、充電終了時の前記二次電池の充電率と充電開始時の前記二次電池の充電率との充電率差として取得する取得部と、
充電開始時から充電終了時までの間に前記二次電池に流れる電流の積算値を前記充電率差で除算した値に100を乗算した結果を、前記二次電池の満充電容量として推定する推定部と、
を備える満充電容量推定装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池の満充電容量を推定するための満充電容量推定方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
満充電容量推定方法として、充電開始時から充電終了時までの間に二次電池に流れる電流の積算値を、充電終了時の二次電池の開回路電圧に対応する充電率と充電開始時の二次電池の開回路電圧に対応する充電率との差で除算した値に100を乗算した結果を、二次電池の満充電容量とする、いわゆる、電流積算法により二次電池の満充電容量を推定するものがある。この電流積算法は、二次電池の容量の増加分や二次電池の充電率の増加分を直接的に求めて満充電容量を推定するものであり、二次電池の劣化の進行度合いや温度変化に追従して満充電容量を推定することができるため、二次電池の劣化特性や温度特性を考慮せずに満充電容量を推定することができるというメリットを有する。関連する技術として、特許文献1がある。
【0003】
ところで、充電終了時の二次電池の開回路電圧に対応する充電率や充電開始時の二次電池の開回路電圧に対応する充電率を推定する場合、通常、二次電池の充電率と二次電池の開回路電圧との対応関係を示すSOC-OCV特性が用いられる。
【0004】
そのため、単位充電率あたりの開回路電圧の変化量が比較的大きい変化領域を多く有する二次電池、例えば、正極材料として三元系(NMC)が使用されるリチウムイオン電池の満充電容量をSOC-OCV特性を用いて推定する場合では、開回路電圧に含まれる誤差の影響をあまり受けずに充電率を推定することができるため、満充電容量を精度よく推定することができる。
【0005】
一方、単位充電率あたりの開回路電圧の変化量が比較的小さいプラトー領域を多く有する二次電池、例えば、正極材料としてリン酸鉄リチウム(LFP(LiFePO4))が使用されるリチウムイオン電池の満充電容量をSOC-OCV特性を用いて推定する場合では、開回路電圧に含まれる誤差の影響を受けて充電率の推定精度が低下するおそれがあるため、満充電容量の推定精度が低下するおそれがある。
【0006】
そこで、他の満充電容量推定方法として、二次電池の電圧と二次電池の残容量の電圧微分との対応関係を示すdQ/dV曲線や二次電池の内部抵抗を用いて二次電池の満充電容量を推定するものがある。
【0007】
しかしながら、dQ/dV曲線や二次電池の内部抵抗は、二次電池の劣化の進行度合いや二次電池の温度変化に応じて変動するため、二次電池の劣化特性や温度特性を考慮してdQ/dV曲線や内部抵抗を逐次更新または補正する必要がある。
【0008】
そのため、上記他の満充電容量推定方法では、二次電池の劣化特性や温度特性を示す情報を予め取得しておく必要があるという懸念や予め取得しておいた劣化特性情報に示される劣化の進行度合いが実際の劣化の進行度合いと異なる場合または予め取得しておいた温度特性情報に示される温度変化が実際の温度変化と異なる場合に満充電容量の推定精度が低下するおそれがあるという懸念がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2008-241358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の一側面に係る目的は、二次電池の満充電容量の推定精度を向上させることが可能な満充電容量推定方法及び満充電容量推定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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