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公開番号2024168185
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-05
出願番号2023084642
出願日2023-05-23
発明の名称基地局システム、無線制御ユニット、無線通信方法、及びプログラム
出願人日本電気株式会社
代理人弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
主分類H04L 7/00 20060101AFI20241128BHJP(電気通信技術)
要約【課題】無線制御ユニットが複数のアナログ部とケーブルにより接続された基地局システムにおいて、コストが高くなってしまうことを防ぎつつ、無線制御ユニットと複数のアナログ部との間の伝送遅延を補償する。
【解決手段】無線制御ユニット(10)は、アナログ部(20)がループバックモードに移行するよう制御するための制御信号をアナログ部(20)に送信し、遅延時間を観測するための観測信号をアナログ部(20)に送信し、複数のアナログ部(20)のそれぞれについて、観測信号を送信してから当該観測信号を受信するまでのクロック数を基に伝送遅延を算出し、アナログ部(20)のループバックモードを解除するための制御信号をアナログ部(20)に送信する。また、無線制御ユニット(10)は、上記伝送遅延に応じて個々のアナログ部(20)についてそれぞれ算出したタイミングでダウンリンク信号を送信する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
無線制御ユニットと、当該無線制御ユニットと通信ケーブルにより接続された複数のアナログ部と、を有する基地局システムであって、
前記無線制御ユニットは、
前記アナログ部がループバックモードに移行するよう制御するための制御信号を当該アナログ部に送信する第1送信手段と、
基準となる内部クロックに同期して遅延時間を観測する観測信号を前記アナログ部に送信する第2送信手段と、
前記複数のアナログ部のそれぞれについて、前記観測信号を送信してから当該観測信号を受信するまでのクロック数をカウントし、カウントしたクロック数を基に伝送遅延を算出する算出手段と、
前記アナログ部のループバックモードを解除するための制御信号を前記アナログ部に送信する第3送信手段と、
前記伝送遅延に応じて個々の前記アナログ部についてそれぞれ算出したタイミングで、そのタイミングに対応する特定の前記アナログ部に対してダウンリンク信号を送信する第4送信手段と、
を備え、
前記複数のアナログ部の各々は、
前記ループバックモードに移行するための制御信号を受信した場合に前記ループバックモードに移行する一方、前記ループバックモードを解除するための制御信号を受信した場合に通信モードに移行するモード切替手段と、
前記ループバックモードにおいて前記無線制御ユニットからの受信信号から送信信号を再生して当該送信信号を前記無線制御ユニットに送信するループバック処理手段と、
前記通信モードにおいて前記無線制御ユニットから受信した前記ダウンリンク信号をアンテナから電波として出力するダウンリンク信号送信手段と、
を備える基地局システム。
続きを表示(約 3,900 文字)【請求項2】
前記無線制御ユニットと前記アナログ部とは光ファイバーケーブルにより接続され、
前記第1送信手段は、前記無線制御ユニットの光モジュール又は前記アナログ部の光モジュールの劣化が検出された場合に、前記アナログ部が前記ループバックモードに移行するよう制御するための制御信号を送信する、
請求項1に記載の基地局システム。
【請求項3】
無線制御ユニットと、当該無線制御ユニットと通信ケーブルにより接続された複数のアナログ部と、を有し、当該無線制御ユニットと当該アナログ部とがWDM(Wavelength Division Multiplexing)方式で通信する基地局システムであって、
前記無線制御ユニットは、
基準となる内部クロックに同期して遅延時間を観測するための観測信号を、第1の波長で前記アナログ部に送信する第2送信手段と、
前記複数のアナログ部のそれぞれについて、前記観測信号を送信してから当該観測信号を受信するまでのクロック数をカウントし、カウントしたクロック数を基に伝送遅延を算出する算出手段と、
前記伝送遅延に応じて個々の前記アナログ部についてそれぞれ算出したタイミングで、そのタイミングに対応する特定の前記アナログ部に対してダウンリンク信号を前記第1の波長と異なる第2の波長で送信する第4送信手段と、
を備え、
前記複数のアナログ部の各々は、
前記第1の波長で前記無線制御ユニットから受信される受信信号から送信信号を再生して当該送信信号を前記無線制御ユニットに送信するループバック処理手段と、
前記第2の波長で前記無線制御ユニットから受信される前記ダウンリンク信号をアンテナから電波として出力するダウンリンク信号送信手段と、
を備える基地局システム。
【請求項4】
前記第2送信手段は、前記無線制御ユニットの光モジュール又は前記アナログ部の光モジュールの劣化が検出された場合に、前記観測信号を送信する、
請求項3に記載の基地局システム。
【請求項5】
無線制御ユニットと、当該無線制御ユニットと通信ケーブルにより接続された複数のアナログ部と、を有する基地局システムが行う無線通信方法であって、
前記無線制御ユニットが、
前記アナログ部がループバックモードに移行するよう制御するための制御信号を当該アナログ部に送信することと、
基準となる内部クロックに同期して遅延時間を観測するための観測信号を前記アナログ部に送信することと、
前記複数のアナログ部のそれぞれについて、前記観測信号を送信してから当該観測信号を受信するまでのクロック数をカウントし、カウントしたクロック数を基に伝送遅延を算出することと、
前記アナログ部のループバックモードを解除するための制御信号を前記アナログ部に送信することと、
前記伝送遅延に応じて個々の前記アナログ部についてそれぞれ算出したタイミングで、そのタイミングに対応する特定の前記アナログ部に対してダウンリンク信号を送信することと、
前記アナログ部が、
前記ループバックモードに移行するための制御信号を受信した場合に前記ループバックモードに移行することと、
前記ループバックモードにおいて前記無線制御ユニットからの受信信号から送信信号を再生して当該送信信号を前記無線制御ユニットに送信することと、
前記ループバックモードを解除するための制御信号を受信した場合に通信モードに移行することと、
前記通信モードにおいて前記無線制御ユニットから受信した前記ダウンリンク信号をアンテナから電波として出力することと、
を含む無線通信方法。
【請求項6】
無線制御ユニットと、当該無線制御ユニットと通信ケーブルにより接続された複数のアナログ部と、を有し、当該無線制御ユニットと当該アナログ部とがWDM(Wavelength Division Multiplexing)方式で通信する基地局システムが行う無線通信方法であって、
前記無線制御ユニットが、
基準となる内部クロックに同期して遅延時間を観測するための観測信号を、第1の波長で前記アナログ部に送信することと、
前記複数のアナログ部のそれぞれについて、前記観測信号を送信してから当該観測信号を受信するまでのクロック数をカウントし、カウントしたクロック数を基に伝送遅延を算出することと、
前記伝送遅延に応じて個々の前記アナログ部についてそれぞれ算出したタイミングで、そのタイミングに対応する特定の前記アナログ部に対してダウンリンク信号を前記第1の波長と異なる第2の波長で送信することと、
前記アナログ部が、
前記第1の波長で前記無線制御ユニットから受信される受信信号から送信信号を再生して当該送信信号を前記無線制御ユニットに送信することと、
前記第2の波長で前記無線制御ユニットから受信される前記ダウンリンク信号をアンテナから電波として出力することと、
を含む無線通信方法。
【請求項7】
各々がダウンリンク信号を電波としてアンテナから出力する複数のアナログ部と通信ケーブルにより接続された基地局の無線制御ユニットであって、
前記アナログ部がループバックモードに移行するよう制御するための制御信号を当該アナログ部に送信する第1送信手段と、
基準となる内部クロックに同期して遅延時間を観測するための観測信号を前記アナログ部に送信する第2送信手段と、
前記複数のアナログ部のそれぞれについて、前記観測信号を送信してから当該観測信号を受信するまでのクロック数をカウントし、カウントしたクロック数を基に伝送遅延を算出する算出手段と、
前記アナログ部のループバックモードを解除するための制御信号を前記アナログ部に送信する第3送信手段と、
前記伝送遅延に応じて個々の前記アナログ部についてそれぞれ算出したタイミングで、そのタイミングに対応する特定の前記アナログ部に対してダウンリンク信号を送信する第4送信手段と、
を備える無線制御ユニット。
【請求項8】
各々がダウンリンク信号を電波としてアンテナから出力する複数のアナログ部と通信ケーブルにより接続され、当該アナログ部とWDM(Wavelength Division Multiplexing)方式で通信する基地局の無線制御ユニットであって、
基準となる内部クロックに同期して遅延時間を観測するための観測信号を、第1の波長で前記アナログ部に送信する第2送信手段と、
前記複数のアナログ部のそれぞれについて、前記観測信号を送信してから当該観測信号を受信するまでのクロック数をカウントし、カウントしたクロック数を基に伝送遅延を算出する算出手段と、
前記伝送遅延に応じて個々の前記アナログ部についてそれぞれ算出したタイミングで、そのタイミングに対応する特定の前記アナログ部に対してダウンリンク信号を前記第1の波長と異なる第2の波長で送信する第4送信手段と、
を備える無線制御ユニット。
【請求項9】
各々がダウンリンク信号を電波としてアンテナから出力する複数のアナログ部と通信ケーブルにより接続された基地局の無線制御ユニットに、
前記アナログ部がループバックモードに移行するよう制御するための制御信号を当該アナログ部に送信する第1送信処理と、
基準となる内部クロックに同期して遅延時間を観測するための観測信号を前記アナログ部に送信する第2送信処理と、
前記複数のアナログ部のそれぞれについて、前記観測信号を送信してから当該観測信号を受信するまでのクロック数をカウントし、カウントしたクロック数を基に伝送遅延を算出する算出処理と、
前記アナログ部のループバックモードを解除するための制御信号を前記アナログ部に送信する第3送信処理と、
前記伝送遅延に応じて個々の前記アナログ部についてそれぞれ算出したタイミングで、そのタイミングに対応する特定の前記アナログ部に対してダウンリンク信号を送信する第4送信処理と、
を実行させるためのプログラム。
【請求項10】
各々がダウンリンク信号を電波としてアンテナから出力する複数のアナログ部と通信ケーブルにより接続され、当該アナログ部とWDM(Wavelength Division Multiplexing)方式で通信する基地局の無線制御ユニットに、
基準となる内部クロックに同期して遅延時間を観測するための観測信号を、第1の波長で前記アナログ部に送信する第2送信処理と、
前記複数のアナログ部のそれぞれについて、前記観測信号を送信してから当該観測信号を受信するまでのクロック数をカウントし、カウントしたクロック数を基に伝送遅延を算出する算出処理と、
前記伝送遅延に応じて個々の前記アナログ部についてそれぞれ算出したタイミングで、そのタイミングに対応する特定の前記アナログ部に対してダウンリンク信号を前記第1の波長と異なる第2の波長で送信する第4送信処理と、
を実行させるためのプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局システム、無線制御ユニット、無線通信方法、及びプログラムに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
5G(第5世代移動通信システム)においては更なる高速化を目指して、高周波数帯の電波(ミリ波)の活用が導入されている。ミリ波等の高周波数帯の電波は直進性が強いため、通信品質を満足させるためには見通し通信路の確保が必要となる。見通し通信路を確保するための解決策の一つとして、分散MIMO(Cell-Free Massive MIMO)と呼ばれるシステムが提案されている(例えば、非特許文献1)。分散MIMOでは、無線制御ユニット(BBU(ブロードバンドユニット))と光ファイバ等の有線で接続した多数のアクセスポイント(AP)を分散して配置することにより見通し通信路を確保して送受信を行う。分散MIMOにおいてAPは主にアナログ回路で構成された電気信号と電波を変換する装置であり、APの小型化及び低価格化は重要な課題である。
【0003】
一方、モバイル通信網(RAN)のTDD(Time Division Duplex)方式においては、UL(アップリンク)/DL(ダウンリンク)間の干渉回避の観点から無線区間の信号の送受信タイミングが揃っていることが望ましい。そのため、分散MIMOにおいては、APの送受信タイミングがAP同士で同期していることが重要である。従来の同期方法はTA(Timing Advance)として知られている。
【0004】
非特許文献1に記載の技術においては、BBUとAPとの距離はAPの設置場所によって異なるため、BBUとAPとを接続するケーブル長がばらつくことにより複数のAPの間で送受信タイミングに差が生じてしまうという問題がある。そこで、PTP(Precision Time Protocol)等を適用することにより、BBUとAPを時刻同期するよう制御することが考えられる。また、光ケーブルの測定装置としてOTDR(光時間領域反射率計)が知られており、このOTDRにより損失の測定だけでなく、光ファイバーケーブルの長さ、光ファイバーケーブルの接続点の数や位置、光を伝達している途中での接続損失、反射までを確認できる。OTDRを用いる場合、BBU側にOTDRを接続し、AP側を開放することによりBBUとAPとの間の距離を測定して伝送遅延を知ることができる。
【0005】
特許文献1には、光ケーブルを通して主基地局と遠隔基地局との遅延を測定して補償する技術が開示されている。特許文献1に記載の技術において、主基地局は、SDHフレームのオーバーヘッド部に所定のテストパターンを挿入して遠隔基地局に伝送し、遠隔基地局によってループバックされたSDHフレームを受信してテストパターンを検出した後、テストパターンによって伝送遅延を測定する。また、受信されたSDHフレームの内の所定の位置で少なくとも1つのFAW(Frame Alignment Word)を検出し、FAW検出情報によって遅延誤差を計算する。遅延誤差をもって測定された伝送遅延を補償し、光ケーブルによる伝送遅延を求める。
【0006】
また、特許文献2には、アナログ回路部における送受信タイミングのばらつきを抑制する無線通信機が開示されている。特許文献1に記載の無線通信機は、データ送信動作の開始直前に、アンテナ出力制御スイッチを一旦OFF状態(ループバック接続)に設定し、アナログ遅延量を測定し、測定したアナログ遅延量を保存して送信データタイミング調整部におけるタイミング調整値を自動更新する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特表2006-515489号公報
特開2008-118253号公報
【非特許文献】
【0008】
H. Q. Ngo, A. Ashikhmin, H. Yang, E. G. Larsson, and T. L. Marzetta, “Cell-free massive MIMO versus small cells,” IEEE Trans. Wireless Commun., vol. 16, no.3, pp. 1834-1850, Mar. 2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述のPTPを使う時刻同期をAPに適用する場合、PTPを動作させるデジタル回路が必要となりコストが高くなってしまうという課題がある。また、PTPおよびOTDRを使う場合も、伝送遅延の測定結果を個別に無線制御ユニットに設定する必要があるため、分散MIMOのように複数のAPが接続された状況で測定する場合に測定に要するコストが高くなってしまうという問題がある。特許文献1及び2に記載の技術においても同様である。
【0010】
本発明の一態様は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的の一例は、無線制御ユニットが複数のアナログ部と通信ケーブルにより接続された基地局システムにおいて、コストが高くなってしまうことを防ぎつつ、無線制御ユニットと複数のアナログ部との間の伝送遅延を補償できる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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