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公開番号2024160606
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-14
出願番号2023075797
出願日2023-05-01
発明の名称光学部材、レンズユニット、及び光学ユニット
出願人キヤノン電子株式会社
代理人弁理士法人大塚国際特許事務所
主分類G02B 1/10 20150101AFI20241107BHJP(光学)
要約【課題】
本発明は、高温環境下で生じる樹脂基板の黄変による画像の色の変化を抑制する光学部材、レンズユニット、及び光学ユニットを提供することを目的とする。
【解決手段】
透光性の樹脂基板と、前記樹脂基板の黄変による前記樹脂基板の可視光透過率の変化と相反する方向に可視光透過率が変化する黄変相殺層と、を備える。前記樹脂基板上に前記黄変相殺層は設けられる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
透光性の樹脂基板と、
前記樹脂基板の黄変による前記樹脂基板の可視光透過率の変化と相反する方向に可視光透過率が変化する黄変相殺層と、を備え、
前記樹脂基板上に前記黄変相殺層は設けられる、
ことを特徴とする光学部材。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記樹脂基板はレンズ形状を有し、
前記樹脂基板上に屈折率がそれぞれ異なる複数の層からなる反射防止膜をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の光学部材。
【請求項3】
前記黄変相殺層の消衰係数は、可視光領域の短波長側になるにつれて大きくなり、
光波長450nmにおける消衰係数k450と光波長550nmにおける消衰係数k550との比(k550/k450)は0.8以下であり、
光波長450nmにおける消衰係数k450と光波長600nmにおける消衰係数k600との比(k600/k450)は0.8以下である、
ことを特徴とする請求項1に記載の光学部材。
【請求項4】
前記黄変相殺層は、酸素欠損の金属酸化物を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の光学部材。
【請求項5】
前記黄変相殺層は、Al

Ox(x<3)及びSiOy(1≦y<2)の少なくともいずれかを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の光学部材。
【請求項6】
前記黄変相殺層は、前記樹脂基板と前記反射防止膜との間に設けられる、
ことを特徴とする請求項2に記載の光学部材。
【請求項7】
前記反射防止膜及び前記黄変相殺層の総積層数がN層である場合、前記黄変相殺層の少なくとも1層は、前記樹脂基板側から数えてN/2層よりも上に設けられる、
ことを特徴とする請求項2に記載の光学部材。
【請求項8】
前記総積層数が前記N層である時、前記黄変相殺層は前記樹脂基板側から数えて(N-1)層目に設けられる、
ことを特徴とする請求項7に記載の光学部材。
【請求項9】
前記樹脂基板と前記反射防止膜との間に設けられる前記黄変相殺層の膜密度は、前記樹脂基板と前記黄変相殺層との界面から前記黄変相殺層の厚み方向に遠ざかるほど高くなる、
ことを特徴とする請求項6に記載の光学部材。
【請求項10】
レンズ筐体と、
前記レンズ筐体に収容された複数のレンズと、を備え、
前記複数のレンズのうち少なくとも1つのレンズは請求項1から9のいずれか一項に記載の光学部材である、
ことを特徴とするレンズユニット。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光学部材、レンズユニット、及び光学ユニットに関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
車載カメラ及びセンサ、並びに監視カメラに使用されるレンズユニットには、軽量化や低コスト化を目的として樹脂基板上に反射防止膜を形成した樹脂レンズが使用されることがある。しかし、車載カメラや監視カメラのような過酷な温度条件で使用される用途では、樹脂基板が酸化などにより変色(黄変)してしまうという問題がある。この問題を解決するために、特許文献1は、樹脂レンズをレンズ鏡筒とガラス製素子により形成された密閉空間に配置し、更に樹脂基板と反射防止膜との間に酸素透過防止膜を形成することで、酸素による樹脂基板の黄変を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2016-105194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、レンズユニットの密閉空間を完全に維持することは難しい。例えば、車載用途のレンズユニットのように、振動を受ける環境下でレンズユニットを用いる場合、レンズユニットには酸素がより侵入しやすくなる。そのため、特許文献1の技術では、樹脂基板の黄変を抑制することができないといった課題がある。
【0005】
そこで、本発明は、高温環境下で生じる樹脂基板の黄変による画像の色の変化を抑制する光学部材、レンズユニット、及び光学ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的を達成するために、本発明の光学部材は、透光性の樹脂基板と、前記樹脂基板の黄変による前記樹脂基板の可視光透過率の変化と相反する方向に可視光透過率が変化する黄変相殺層と、を備え、前記樹脂基板上に前記黄変相殺層は設けられる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、高温環境下で生じる樹脂基板の黄変による画像の色の変化を抑制する光学部材、レンズユニット、及び光学ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明に係る光学部材の構成の一例を示す図。
等色関数を説明するための図。
実施例1に係る光学部材の構成及び光学部材の反射率を示す図。
実施例1に係る黄変相殺層の消衰係数を説明する図。
実施例1に係る反射防止膜及び黄変相殺層の光の吸収特性を示す図。
実施例2に係る光学部材の構成及び光学部材の反射率を示す図。
実施例2に係る黄変相殺層の消衰係数を説明する図。
実施例2に係る反射防止膜及び黄変相殺層の光の吸収特性を示す図。
実施例3に係る光学部材の構成及び光学部材の反射率を示す図。
実施例3に係る黄変相殺層の消衰係数を説明する図。
実施例3に係る反射防止膜及び黄変相殺層の光の吸収特性を示す図。
本発明に係るレンズユニットおよび光学ユニットを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
(実施例1)
図1は、本発明に係る光学部材の構成の一例を示す図である。
(【0011】以降は省略されています)

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