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公開番号2024139550
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-09
出願番号2023050541
出願日2023-03-27
発明の名称船舶の制御システム、船舶を制御する方法、及び船舶
出願人ヤマハ発動機株式会社
代理人弁理士法人新樹グローバル・アイピー,個人
主分類F02D 45/00 20060101AFI20241002BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】船舶における不具合の発生を、不具合の発生の初期段階においてユーザが発見することができる船舶の制御システム及び船舶を制御するための方法を提供する。
【解決手段】制御システムは、機器と、センサと、コンピュータとを備える。機器は、船舶に搭載される。センサは、機器の状態を示す状態データを検出する。コンピュータは、船舶の不具合を判定するための判定ロジックを記憶している。コンピュータは、判定ロジックを参照して状態データに基づいて船舶の不具合を判定する。
【選択図】図9
特許請求の範囲【請求項１】
船舶の制御システムであって、
前記船舶に搭載される機器と、
前記機器の状態を示す状態データを検出するセンサと、
前記船舶の不具合を判定するための判定ロジックを記憶しており、前記判定ロジックを参照して前記状態データに基づいて前記船舶の不具合を判定するコンピュータと、
を備える制御システム。
続きを表示（約 1,900 文字）【請求項２】
前記機器は、
エンジンと、
前記エンジンに接続され、前記エンジンに燃料を供給するデリバリパイプと、
を含み、
前記コンピュータは、
前記デリバリパイプ内の燃料の圧力を、前記状態データとして取得し、
前記エンジンの停止後に、前記デリバリパイプ内の燃料の圧力が、所定値以上、低下している場合に、前記不具合が発生していると判定する、
請求項１に記載の制御システム。
【請求項３】
前記機器は、
エンジンと、
前記エンジンのためのスタータモータと、
前記スタータモータに電力を供給するバッテリと、
を含み、
前記コンピュータは、
前記バッテリの電圧及び／又は電流と、前記エンジンの始動時の回転速度とを、前記状態データとして取得し、
前記バッテリの電圧及び／又は電流に対しての前記エンジンの始動時の回転速度が閾値よりも低い場合に、前記不具合が発生していると判定する、
請求項１に記載の制御システム。
【請求項４】
前記機器は、エンジンを含み、
前記エンジンは、
クランク軸と、
前記クランク軸の位相を検出するクランクセンサと、
カム軸と、
前記カム軸の位相を検出するカムセンサと、
を含み、
前記コンピュータは、
前記クランク軸の位相と前記カム軸の位相とを、前記状態データとして取得し、
前記クランク軸の位相に対して前記カム軸の位相が異常な位置である場合に、前記不具合が発生していると判定する、
請求項１に記載の制御システム。
【請求項５】
前記機器は、
駆動源と、
クラッチを含み、前記駆動源からの駆動力を伝達するシフト機構と、
前記クラッチの係合と解放とを切り替えるシフトアクチュエータと、
を含み、
前記コンピュータは、
前記シフトアクチュエータの動作を前記状態データとして取得し、
前記クラッチを係合させるための前記シフトアクチュエータの動作が、所定回数以上、連続して繰り返されて場合に、前記不具合が発生していると判定する、
請求項１に記載の制御システム。
【請求項６】
前記機器は、
駆動源と、
クラッチを含み、前記駆動源からの駆動力を伝達するシフト機構と、
前記クラッチの係合と解放とを切り替えるシフトアクチュエータと、
を含み、
前記コンピュータは、
前記シフトアクチュエータの動作を前記状態データとして取得し、
前記クラッチを係合させるための前記シフトアクチュエータの指令信号を出力した時点から、前記クラッチの係合が完了するまでの時間が、所定の閾値以上である場合に、前記不具合が発生していると判定する、
請求項１に記載の制御システム。
【請求項７】
前記機器は、
エンジンと、
前記エンジンを停止させるためにオン操作されるキルスイッチと、
を含み、
前記コンピュータは、
前記エンジンの動作を前記状態データとして取得し、
前記キルスイッチがオン操作されていない状態で、前記エンジンが停止している場合に、前記不具合が発生していると判定する、
請求項１に記載の制御システム。
【請求項８】
前記コンピュータは、
前記判定ロジックの更新データを取得し、
前記更新データにより、前記判定ロジックを更新し、
前記更新された判定ロジックを参照して、前記状態データに基づいて前記船舶の不具合を判定する、
請求項１に記載の制御システム。
【請求項９】
前記船舶から遠隔に配置されたサーバと無線通信を行う通信装置をさらに備え、
前記コンピュータは、前記船舶に搭載され、前記通信装置を介して前記サーバから前記更新データを受信する、
請求項８に記載の制御システム。
【請求項１０】
前記コンピュータは、前記船舶から遠隔に配置されたサーバであり、
前記コンピュータと無線通信を行う通信装置と、
前記船舶に搭載されたコントローラと、
をさらに備え、
前記コントローラは、前記通信装置を介して前記コンピュータに前記状態データを送信する、
請求項１に記載の制御システム。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、船舶の制御システム、船舶を制御する方法、及び船舶に関する。
続きを表示（約 1,300 文字）【背景技術】
【０００２】
船舶に搭載されたコンピュータが、船舶の各種の機器から、機器の状態を示す状態データを検出し、状態データに基づいて、船舶の不具合を判定するシステムが知られている。例えば、特許文献１では、船舶情報収集装置が、船舶に搭載されている。船舶情報収集装置は、各種の機器の船舶情報を取得し、船舶情報の値に基づいて、不具合の発生を判定する。船舶情報収集装置は、陸上のサーバと通信可能であり、不具合が発生したと判定した場合に、サーバに船舶情報を送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２０１１－１１３５３８号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
上述したシステムでは、コンピュータは、不具合を判定するための判定ロジックを記憶している。コンピュータは、判定ロジックを参照して、状態データに基づいて、不具合の発生を判定する。例えば、船舶情報収集装置は、振動計の検出値を取得し、検出値が閾値より大きいときに、不具合が発生していると判定する。
【０００５】
しかし、船舶において発生する不具合には様々なものがある。例えば、船舶には、エンジンを含む船舶推進器が搭載される。エンジンは、インジェクタを含む。例えばエンジンのメンテナンス不足により、このインジェクタにおいて、漏れが発生することがある。
【０００６】
また、エンジンでは、クランク軸とカム軸とにタイミングベルトが巻回されている。このタイミングベルトがズレていたり、或いは、タイミングベルトが延びていたりする場合がある。
【０００７】
また、船舶推進器には、前進ギアと後進ギアとの接続を切り替えるドッグクラッチを備えている。このドッグクラッチが摩耗すると、前進ギア、或いは後進ギアへの係合がうまくいかず、前進ギア、或いは後進ギアへの係合に時間がかかる場合がある。
【０００８】
また、エンジンには、スタータモータが接続されており、スタータモータがエンジンのクランク軸を回転させることで、エンジンを始動させる。しかし、スタータモータに不具合が発生している場合には、バッテリの電圧、或いは電流が十分であっても、エンジンの始動が困難になる場合がある。
【０００９】
また、船舶においてエンストが発生した場合、不具合によるエンストであるのか否かを判定することは容易ではない。例えば、船舶には、キルスイッチが搭載されており、船舶のユーザがキルスイッチを操作した場合にも、エンジンが停止される。その場合、エンストの原因が、エンジンの不具合であるのか、ユーザによるキルスイッチの操作であるのかを区別することは困難である。
【００１０】
上述した不具合を、不具合の発生の初期段階においてユーザが発見することは容易ではない。本発明の目的は、船舶における不具合の発生を、不具合の発生の初期段階においてユーザが発見することができる船舶の制御システム、船舶を制御するための方法、及び船舶を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
（【００１１】以降は省略されています）

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