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公開番号2024133850
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-03
出願番号2023043844
出願日2023-03-20
発明の名称コンクリートの劣化の早期検知方法
出願人太平洋セメント株式会社
代理人個人,個人
主分類G01N 33/38 20060101AFI20240926BHJP(測定;試験)
要約【課題】コンクリート構造物の将来ひび割れになり得るひずみの集中領域を、早期、迅速、かつ明瞭に検知できる方法を提供する。
【解決手段】(A)~(D)工程を経て得た最小主ひずみの分布の像を用いてコンクリートの劣化を早期に検知する。(A)コンクリートのデジタル画像を取得するための画像取得対象面において、デジタル画像を取得する、第1の画像取得工程。(B)画像取得対象面に対し加熱、乾燥、および冷却のいずれかの処置を行って、ひずみを顕在化させる、ひずみ顕在化処置工程。(C)処置を行った後、再度、前記画像取得対象面のデジタル画像を取得する、第2の画像取得工程。(D)処置の前と後のデジタル画像に基づき、デジタル画像相関法を用いてひずみを算出し、該ひずみに基づき最小主ひずみの変化の分布を得る、最小主ひずみ分布取得工程
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
下記(A)~(D)工程を経て得た最小主ひずみの分布の像を用いてコンクリートの劣化を検知する、コンクリートの劣化の早期検知方法。
(A)コンクリートのデジタル画像を取得するための画像取得対象面において、デジタル画像を取得する、第1の画像取得工程
(B)前記画像取得対象面に対し加熱、乾燥、および冷却のいずれかの処置を行って、ひずみを顕在化させる、ひずみ顕在化処置工程
(C)前記処置を行った後、再度、前記画像取得対象面のデジタル画像を取得する、第2の画像取得工程
(D)前記処置の前と後のデジタル画像に基づき、デジタル画像相関法を用いてひずみを算出し、該ひずみに基づき最小主ひずみの変化の分布を得る、最小主ひずみ分布取得工程
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記最小主ひずみの分布の像に現れた模様を用いて、下記(a)~(e)の基準に基づきコンクリートの劣化を検知する、請求項1に記載のコンクリートの劣化の早期検知方法。
(a)亀甲状の模様が出現した部分は、アルカリシリカ反応として検知する。
(b)全体的に一様な模様が出現した部分は、エトリンガイトの遅延生成として検知する。
(c)斑点状の模様が出現した部分は、凍結融解として検知する。
(d)鉄筋が存在しない箇所に線状の模様、または、構造物の柱若しくは梁等の部材に対して斜め方向に線状の模様が出現した部分は、乾燥収縮として検知する。
(e)鉄筋の直上に線状の模様が出現した部分は、鉄筋の腐食として検知する。
【請求項3】
前記模様に加えて、ひずみの正負の分布に基づきコンクリートの劣化を検知する、請求項2に記載のコンクリートの劣化の早期検知方法。
【請求項4】
前記最小主ひずみの分布の像にマイナス(収縮)の線が出現した部分を、ひび割れが発生し得る部分として検知する、請求項1に記載のコンクリートの劣化の早期検知方法。
【請求項5】
前記模様とマイナスのひずみの分布を用いて、下記(f)~(j)の基準に基づきコンクリートの劣化を検知する、請求項4に記載のコンクリートの劣化の早期検知方法。
(f)亀甲状の模様が出現した部分であって、亀甲状の模様の線部が、より大きいマイナス(収縮)のひずみを示し、基質部(模様以外の部分)も全体的にマイナス(収縮)のひずみを示す部分は、アルカリシリカ反応として検知する。
(g)全体的に一様な模様が出現した部分であって、ペーストまたはモルタルからなる部分が全体的にマイナス(収縮)のひずみを示す部分は、エトリンガイトの遅延生成として検知する。
(h)斑点状の模様が出現した部分であって、斑点の部分が大きいマイナス(収縮)のひずみを示す部分は、凍結融解として検知する。
(i)鉄筋が存在しない箇所に線状の模様、または、構造物の柱若しくは梁等の部材に対して斜め方向に線状の模様が出現した部分であって、該模様の線部がマイナス(収縮)のひずみを示し、基質部は全体的にマイナス(収縮)のひずみを示す部分は、乾燥収縮として検知する。
(j)鉄筋の直上に線状の模様が出現した部分であって、模様の線部がマイナス(収縮)のひずみを示す場合は、鉄筋の腐食として検知する。
【請求項6】
前記コンクリートがコンクリート構造物である、請求項1または4に記載のコンクリートの劣化の早期検知方法。
【請求項7】
前記加熱処置は40~80℃で5~120分間である、請求項1または4に記載のコンクリートの劣化の早期検知方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート表面のデジタル画像を解析して、コンクリートの劣化を早期に検知する方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
かつて、国土交通省がまとめた“RC造(コンクリート)の寿命に係る既往の研究例”では、「鉄筋コンクリート造建物の物理的寿命を117年と推定」していた(飯塚裕、1979、建築の維持管理、鹿島出版会)。また、“鉄筋コンクリート部材の効用持続年数”として、「一般建物(住宅も含む。)の耐用年数は120年、外装仕上げにより延命して、150年」とし(大蔵省主税局、1951、固定資産の耐用年数の算定方式)、コンクリートは100年を超える耐久性があると考えられていた(非特許文献1)。
しかし、現在に至るまでのコンクリートの耐久性の研究により、アルカリシリカ反応、エトリンガイトの遅延生成、凍結融解、乾燥収縮、および鉄筋の腐食等が、コンクリートの劣化の要因であり、コンクリートの劣化は、これらの要因に起因して生じるひび割れに、二酸化炭素や塩分等の劣化因子が侵入して起ることが広く知られるようになった。
【0003】
これらのコンクリートの劣化の要因のうち、アルカリシリカ反応は、反応性骨材中のシリカとコンクリート中のアルカリ金属イオンが、高いpH環境下で反応してアルカリシリカゲルが生成し、このゲルが吸水により膨張して、ひび割れが生じる現象である。
【0004】
また、エトリンガイトの遅延生成は、コンクリートを蒸気養生した数年後に、エトリンガイトが集中して生じる場合があり、このエトリンガイトによりコンクリートが膨張して崩壊する現象である。
【0005】
また、凍結融解は、コンクリート中の水分が、長年にわたり凍結と融解を繰り返し、凍結した水の体積膨張により、ひび割れが生じる現象である。
【0006】
また、乾燥収縮は、乾燥によりコンクリート中の水分が蒸発し、コンクリートが収縮して引張応力が発生し、ひび割れが生じる現象である。
【0007】
さらに、鉄筋の腐食は、中性化や塩害により鉄筋表面の不動態被膜が損傷し、鉄筋が発錆して膨張し、ひび割れが生じる現象である。
【0008】
これらのコンクリートの劣化では、ひび割れが顕在化してひび割れを視認できる時点では、劣化が進み過ぎている場合が多い。したがって、コンクリートのひび割れを防ぐには、ひび割れが顕在化する前にひび割れの予兆を検知し、それぞれのひび割れの態様に応じてコンクリートの劣化に対処する必要がある。
しかし、コンクリート表面は、傷、汚れ、および湿潤等の影響を受けるため、視認によるひび割れの検知方法では、ひび割れの予兆を検知するのが難しい。
【0009】
そこで、コンンクリートの劣化を検知する方法が、いくつか提案されている。例えば、
特許文献1に記載のコンクリート構造物の亀裂検査方法は、コンクリート構造物を構成する基体の上に、下塗層、剥落防止用シート層、および上塗層を順次積層したうえに、さらに上塗層の上に、励起光によって発光する蛍光色素を混入した高弾性塗膜層と、励起光の透過を阻止する遮蔽剤を混入した低弾性塗膜層を順次積層して、コンクリート構造物の供用を開始した後に、当該構造物に励起光を照射し、経時劣化により基体に発生した亀裂を検出する方法である。
【0010】
また、特許文献2に記載のコンクリート劣化因子検出方法は、コンクリート面を撮像して可視光画像を取得し、他方、そのコンクリート面に赤外線を照射すると共に、コンクリート面からの反射光をスキャニング装置を介して分光器に入力し、その分光器で特定の劣化因子を検出するための特定の波長の光強度に基づく吸光度を検出すると共に、その吸光度を劣化因子の濃度に換算してその濃度を量子化し、その量子化した値を基に前記測定するコンクリート面に対応させて濃淡または色に表して劣化因子画像を取得し、その劣化因子画像と前記可視光画像とを合成する方法である。
(【0011】以降は省略されています)

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