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公開番号2024121933
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-09
出願番号2023029184
出願日2023-02-28
発明の名称処理装置、方法及びプログラム
出願人株式会社デンソー
代理人個人,個人,個人
主分類G01S 7/497 20060101AFI20240902BHJP(測定;試験)
要約【課題】視差による距離誤差の影響が抑制された距離情報を安定的に提供可能な処理装置を提供する。
【解決手段】処理装置3は、光ビームを測定領域MAへ向けて投光する投光ユニット10と、投光ユニット10とはずれた位置に配置され、物体OBJによって反射された光ビームを受光する受光ユニット30と、を備えるLiDAR2のセンシングデータを処理する。処理装置3は、投光レンズ系12の焦点位置Ptfと、受光レンズ系31の焦点位置Prfとを、記憶する少なくとも1つのメモリ3aと、プロセッサ3bと、を備える。プロセッサ3bは、光ビームの光路について、焦点位置Ptfを起点とし、焦点位置Prfを終点とする近似に基づき、投光ユニット10と受光ユニット31との位置のずれに起因した物体OBJの距離誤差が補正された補正距離情報を、LiDAR2から物体OBJまでの距離情報として出力可能に構成される。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
光源(11)から投光レンズ系(12)を通じて光ビームを測定領域(MA)へ向けて投光する投光ユニット(10)と、前記投光ユニットとはずれた位置に配置され、前記測定領域の測定対象物(OBJ)によって反射された前記光ビームを、受光レンズ系(31)を通じて受光素子(32)で受光する受光ユニット(30)と、を備える光学センサ(2)のセンシングデータを処理する処理装置であって、
前記投光レンズ系の焦点位置(Ptf)と、前記受光レンズ系の焦点位置(Prf)とを、記憶する少なくとも1つの記憶媒体(3a)と、
前記センシングデータ、前記投光レンズ系の焦点位置及び前記受光レンズ系の焦点位置を取得して処理を実行可能に構成される少なくとも1つのプロセッサ(3b)と、を備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記光ビームの光路について、前記投光レンズ系の焦点位置を起点とし、前記受光レンズ系の焦点位置を終点とする近似に基づき、前記投光ユニットと前記受光ユニットとの位置のずれに起因した前記測定対象物の距離誤差が補正された補正距離情報を、前記光学センサから前記測定対象物までの距離情報として出力可能に構成される処理装置。
続きを表示(約 3,200 文字)【請求項2】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記光ビームの飛行時間に基づく測定光路長を取得することと、
前記測定光路長に応じた大きさを備え、前記投光レンズ系の焦点位置及び前記受光レンズ系の焦点位置を焦点とした仮想楕円(VE)を、前記測定対象物の候補位置として特定することと、
前記センシングデータに含まれる受光画素位置に基づき、前記候補位置から前記測定対象物の推定位置(Pd)を算出することと、
前記投光レンズ系の焦点位置から前記推定位置までの距離と、前記推定位置から前記受光レンズ系の焦点位置までの距離の和に基づいた距離情報を、前記補正距離情報として出力することと、を実行するように構成される請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記投光レンズ系の光軸(OAt)と前記受光レンズ系の光軸(OAr)とは、平行に配置されており、
前記光ビームの飛行時間に基づく測定光路長をLm、前記投光レンズ系の焦点位置から前記測定対象物までの距離をLt2、前記測定対象物から前記受光レンズ系の焦点位置までの距離をLr2、前記センシングデータに含まれる受光画素位置で受光される光線が前記受光レンズ系の光軸に対してなす角度をθr、前記光線が前記測定対象物に反射される前において前記投光レンズ系の光軸に対してなす角度をθt、前記投光レンズ系の焦点位置と前記受光レンズ系の焦点位置との距離をLbと、それぞれ定義すると、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
Lm=Lt2+Lr2
Lt2・cosθt=Lr2・cosθr
Lt2・sinθt+Lr2・sinθr=Lb
の3つの連立方程式から、未知数であるLt2,Lr2,θtを算出することにより、前記補正距離情報を出力することを、実行するように構成される請求項1に記載の処理装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの記憶媒体は、前記光源の発光位置に個別に対応した前記受光素子上の検出結果分布波形(WF)を示す受光プロファイルを、さらに記憶し、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記光ビームの飛行時間に基づく測定光路長を取得することと、
前記測定光路長に応じた大きさを備え、前記投光レンズ系の焦点位置及び前記受光レンズ系の焦点位置を焦点とした仮想楕円(VE)を、想定することと、
前記仮想楕円と、前記センシングデータに含まれる画素レベルの受光画素位置とに基づき、前記光ビームが前記投光レンズ系の光軸(OAt)に対してなす角度を特定することと、
前記角度に基づき、前記測定対象物によって反射された前記光ビームの前記発光位置を特定することと、
前記発光位置に個別に対応した分布波形を示す前記受光プロファイルと前記センシングデータとをマッチングし、前記受光素子上の受光強度が最大となる高精度受光位置を前記受光画素位置よりも高い精度で特定することと、
前記仮想楕円を、前記発光位置と前記高精度受光位置を焦点とした置換仮想楕円に置換した形態により、前記置換仮想楕円の候補位置から前記測定対象物の推定位置を算出することと、
前記発光位置から前記推定位置までの距離と、前記推定位置から前記高精度受光位置までの距離の和に基づいた距離情報を、前記測定対象物の距離情報として出力することと、を実行するように構成される請求項1に記載の処理装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの記憶媒体は、前記光源の発光位置に個別に対応した前記受光素子上の検出結果分布波形(WF)を示す受光プロファイルを、さらに記憶し、
前記投光レンズ系の光軸(OAt)と前記受光レンズ系の光軸(OAr)とは、平行に配置されており、
前記光ビームの飛行時間に基づく測定光路長をLm、前記投光レンズ系の焦点位置から前記測定対象物までの距離をLt2、前記測定対象物から前記受光レンズ系の焦点位置までの距離をLr2、前記センシングデータに含まれる受光画素位置で受光される光線が前記受光レンズ系の光軸に対してなす角度をθr、前記光線が前記測定対象物に反射される前において前記投光レンズ系の光軸に対してなす角度をθt、前記投光レンズ系の焦点位置と前記受光レンズ系の焦点位置との距離をLbと、それぞれ定義すると、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
Lm=Lt2+Lr2
Lt2・cosθt=Lr2・cosθr
Lt2・sinθt+Lr2・sinθr=Lb
の3つの連立方程式から、未知数であるLt2,Lr2,θtを算出することと、
θtを用いて前記測定対象物によって反射された前記光ビームの前記発光位置を特定することと、
前記発光位置に個別に対応した分布波形を示す前記受光プロファイルと前記センシングデータとをマッチングし、前記受光素子上の受光強度が最大となる高精度受光位置を前記受光画素位置よりも高い精度で特定することと、
前記3つの連立方程式におけるLbを、前記発光位置と前記高精度受光位置との距離Lbdに置換した上で、未知数であるLt2,Lr2,θtを再度算出することにより、前記補正距離情報を出力することを、実行するように構成される請求項1に記載の処理装置。
【請求項6】
光源(11)から投光レンズ系(12)を通じて光ビームを測定領域(MA)へ向けて投光する投光ユニット(10)と、前記投光ユニットとはずれた位置に配置され、前記測定領域の測定対象物(OBJ)によって反射された前記光ビームを、受光レンズ系(31)を通じて受光素子(32)で受光する受光ユニット(30)と、を備える光学センサ(2)のセンシングデータを処理する、少なくとも1つのプロセッサにより実行される方法であって、
前記センシングデータを取得することと、
前記投光レンズ系の焦点位置(Ptf)と、前記受光レンズ系の焦点位置(Prf)とを、記憶媒体(3a)から取得することと、
前記光ビームの光路について、前記投光レンズ系の焦点位置を起点とし、前記受光レンズ系の焦点位置を終点とする近似を実行することと、
前記近似に基づいて、前記投光ユニットと前記受光ユニットとの位置のずれに起因した前記測定対象物の距離誤差を補正し、補正距離情報を、前記光学センサから前記測定対象物までの距離情報として出力することと、を含む方法。
【請求項7】
光源(11)から投光レンズ系(12)を通じて光ビームを測定領域(MA)へ向けて投光する投光ユニット(10)と、前記投光ユニットとはずれた位置に配置され、前記測定領域の測定対象物(OBJ)によって反射された前記光ビームを、受光レンズ系(31)を通じて受光素子(32)で受光する受光ユニット(30)と、を備える光学センサ(2)のセンシングデータを処理するプログラムであって、
少なくとも1つのプロセッサに、
前記センシングデータを取得することと、
前記投光レンズ系の焦点位置(Ptf)と、前記受光レンズ系の焦点位置(Prf)とを、記憶媒体(3a)から取得することと、
前記光ビームの光路について、前記投光レンズ系の焦点位置を起点とし、前記受光レンズ系の焦点位置を終点とする近似を実行することと、
前記近似に基づいて、前記投光ユニットと前記受光ユニットとの位置のずれに起因した前記測定対象物の距離誤差を補正し、補正距離情報を、前記光学センサから前記測定対象物までの距離情報として出力することと、を実行させるように構成されるプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この明細書による開示は、光学センサを用いた測距技術に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来、光学センサを用いた測距技術が知られている。投光ユニットと受光ユニットとが互いにずれた位置に配置された非同軸型の光学センサでは、両ユニットの視差による距離誤差が発生する。そこで特許文献1では、投光ユニット及び受光ユニットの配置情報を用いて、当該距離誤差を補正している。具体的に、遠距離では同軸系であると仮定し、近距離では反復処理で補正を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-12136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術では、近距離において数値が条件を満たすまで反復処理が用いられるため、当該反復処理に時間や負荷がかかってしまうことがある。このため、距離情報を安定的に提供することにおいて、課題があった。
【0005】
この明細書の開示による目的のひとつは、視差による距離誤差の影響が抑制された距離情報を安定的に提供可能な処理装置、方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここに開示された態様のひとつは、光源(11)から投光レンズ系(12)を通じて光ビームを測定領域(MA)へ向けて投光する投光ユニット(10)と、投光ユニットとはずれた位置に配置され、測定領域の測定対象物(OBJ)によって反射された光ビームを、受光レンズ系(31)を通じて受光素子(32)で受光する受光ユニット(30)と、を備える光学センサ(2)のセンシングデータを処理する処理装置であって、
投光レンズ系の焦点位置(Ptf)と、受光レンズ系の焦点位置(Prf)とを、記憶する少なくとも1つの記憶媒体(3a)と、
センシングデータ、投光レンズ系の焦点位置及び受光レンズ系の焦点位置を取得して処理を実行可能に構成される少なくとも1つのプロセッサ(3b)と、を備え、
少なくとも1つのプロセッサは、
光ビームの光路について、投光レンズ系の焦点位置を起点とし、受光レンズ系の焦点位置を終点とする近似に基づき、投光ユニットと受光ユニットとの位置のずれに起因した測定対象物の距離誤差が補正された補正距離情報を、光学センサから測定対象物までの距離情報として出力可能に構成される。
【0007】
また、開示された態様の他のひとつは、光源(11)から投光レンズ系(12)を通じて光ビームを測定領域(MA)へ向けて投光する投光ユニット(10)と、投光ユニットとはずれた位置に配置され、測定領域の測定対象物(OBJ)によって反射された光ビームを、受光レンズ系(31)を通じて受光素子(32)で受光する受光ユニット(30)と、を備える光学センサ(2)のセンシングデータを処理する、少なくとも1つのプロセッサにより実行される方法であって、
センシングデータを取得することと、
投光レンズ系の焦点位置(Ptf)と、受光レンズ系の焦点位置(Prf)とを、記憶媒体(3a)から取得することと、
光ビームの光路について、投光レンズ系の焦点位置を起点とし、受光レンズ系の焦点位置を終点とする近似を実行することと、
近似に基づいて、投光ユニットと受光ユニットとの位置のずれに起因した測定対象物の距離誤差を補正し、補正距離情報を、光学センサから測定対象物までの距離情報として出力することと、を含む。
【0008】
また、開示された態様の他のひとつは、光源(11)から投光レンズ系(12)を通じて光ビームを測定領域(MA)へ向けて投光する投光ユニット(10)と、投光ユニットとはずれた位置に配置され、測定領域の測定対象物(OBJ)によって反射された光ビームを、受光レンズ系(31)を通じて受光素子(32)で受光する受光ユニット(30)と、を備える光学センサ(2)のセンシングデータを処理するプログラムであって、
少なくとも1つのプロセッサに、
センシングデータを取得することと、
投光レンズ系の焦点位置(Ptf)と、受光レンズ系の焦点位置(Prf)とを、記憶媒体(3a)から取得することと、
光ビームの光路について、投光レンズ系の焦点位置を起点とし、受光レンズ系の焦点位置を終点とする近似を実行することと、
近似に基づいて、投光ユニットと受光ユニットとの位置のずれに起因した測定対象物の距離誤差を補正し、補正距離情報を、光学センサから測定対象物までの距離情報として出力することと、を実行させるように構成される。
【0009】
これらの態様によると、光学センサから測定対象物までの距離情報を出力するにあたって、投光ユニットと受光ユニットとの位置のずれに起因した測定対象物の距離誤差が補正される。この補正は、光ビームの光路について、投光レンズ系の焦点位置を起点とし、受光レンズ系の焦点位置を終点とする近似に基づいて実行される。この近似の採用により、補正演算における数値が収束ないし条件を満たすまでの反復処理により時間や負荷がかかってしまうことが抑制される。距離情報を出力するための時間や負荷が大幅に軽減される結果、距離情報を安定的に提供することができるようになる。
【0010】
なお、特許請求の範囲等に含まれる括弧内の符号は、後述する実施形態の部分との対応関係を例示的に示すものであって、技術的範囲を限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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