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公開番号2024118137
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-30
出願番号2023024398
出願日2023-02-20
発明の名称偏向電磁石
出願人株式会社東芝,東芝エネルギーシステムズ株式会社
代理人弁理士法人東京国際特許事務所
主分類G21K 1/093 20060101AFI20240823BHJP(核物理;核工学)
要約【課題】荷電粒子ビームを偏向するために必要な条件を満たしつつ、線材の使用量を低減する偏向電磁石を提供する。
【解決手段】偏向電磁石に設けられる立体コイル11は、磁場の印加方向Y、荷電粒子ビームの軌道方向Zで座標系を定義した場合、磁場で偏向された荷電粒子ビームの円弧軌道の半径方向Xと印加方向Yが成すX-Y断面座標において、励磁電流が同方向のコイル線材12(12a,12b)が、半径方向Xと成す角度が-30°<θ<+30°の範囲において、他の範囲より相対的に占積率が低く巻回されている。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
磁場の印加方向Y、荷電粒子ビームの軌道方向Zで座標系を定義した場合、
前記磁場で偏向された前記荷電粒子ビームの円弧軌道の半径方向Xと前記印加方向Yが成すX-Y断面座標において、
励磁電流が同方向のコイル線材が、前記半径方向Xと成す角度が-30°<θ<+30°の範囲において、他の範囲より相対的に占積率が低く巻回された立体コイルを備える偏向電磁石。
続きを表示(約 640 文字)【請求項2】
請求項1の偏向電磁石において、前記立体コイルは、
前記磁場の印加方向Yを一方において貫通させるよう形成した開口領域を中心に前記コイル線材が巻回され、
巻回した前記コイル線材のうち前記軌道方向Zに沿う両側の端部が間隔を空けて互いに向かい合い、前記印加方向Yを他方において貫通させる間隔領域を形成し、
巻回した前記コイル線材のうち前記軌道方向Zと直交する両側の端部がそれぞれ前記荷電粒子ビームを通過させる通過口を形成する偏向電磁石。
【請求項3】
請求項2に記載の偏向電磁石において、
複数の前記立体コイルが、前記開口領域と前記間隔領域が交互となるように同心状に積層させれている偏向電磁石。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の偏向電磁石において、
前記立体コイルの外側に同心状に積層され、前記-30°<θ<+30°の範囲において、前記立体コイルよりも占積率が高く巻回された外環コイルを備える偏向電磁石。
【請求項5】
請求項2又は請求項3に記載の偏向電磁石において、
前記立体コイルの外側に同心状に配置され、前記磁場をさらに誘導させる強磁性のヨーク材を備える偏向電磁石。
【請求項6】
請求項2又は請求項3に記載の偏向電磁石において、
前記コイル線材は超電導性を示し、粒子線の照射装置の回転ガントリーに実装される偏向電磁石。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、荷電粒子ビームを偏向する偏向電磁石に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
偏向電磁石は、荷電粒子ビームを偏向するために、必要とされる強度の磁場を通過領域全体にわたって均一に形成することが求められている。そして、荷電粒子ビームを偏向する必要条件を満たす線材配置が、理論計算によって求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2013-206635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、必要な磁場強度を維持したうえでさらに均一性を向上させようとすると、線材の使用量が増加し、偏向電磁石が高重量及び高コストになる課題があった。
【0005】
本発明の実施形態はこのような事情を考慮してなされたもので、荷電粒子ビームを偏向するために必要な条件を満たしつつ、線材の使用量を低減する偏向電磁石を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る偏向電磁石において、磁場の印加方向Y、荷電粒子ビームの軌道方向Zで座標系を定義した場合、前記磁場で偏向された前記荷電粒子ビームの円弧軌道の半径方向Xと前記印加方向Yが成すX-Y断面座標において、励磁電流が同方向のコイル線材が、前記半径方向Xと成す角度が-30°<θ<+30°の範囲において、他の範囲より相対的に占積率が低く巻回された立体コイルを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態によれば、荷電粒子ビームを偏向するために必要な条件を満たしつつ、線材の使用量が低減する偏向電磁石が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の第1実施形態に係る偏向電磁石に適用される立体コイルを示す斜視図。
荷電粒子ビームの軌道方向Zに直交する立体コイルのX-Y断面座標。
立体コイルの円周方向の角度θにおけるコイル線材の占積率を示すグラフ。
(A)立体コイルを円周方向の角度θ-ビーム軌道方向Zによる平面座標系で展開した平面展開図、(B)立体コイルを円周方向の角度θによる直線座標系で展開した断面図。
(A)励磁したコイルが発生する磁場の2極成分の強度を示す図、(B)同・4極成分の強度を示す図、(C)同・6極成分の強度を示す図。
第2実施形態に係る偏向電磁石に適用される立体コイルの断面図。
第3実施形態に係る偏向電磁石に適用される立体コイル及び外環コイルの断面図。
実施形態に係る偏向電磁石の断面図。
実施形態に係る偏向電磁石が実装されたガントリ式の照射装置の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る偏向電磁石10A(10)に適用される立体コイル11を示す斜視図である。図2は荷電粒子ビームの軌道方向Zに直交する立体コイル11のX-Y断面座標である。図1に示すように立体コイル11は、その中心軸が荷電粒子ビームの軌道方向Zに一致するように、湾曲形状を有している。そして立体コイル11の少なくとも内側全体は、荷電粒子ビームが通過する真空の磁場空間13が形成されている。
【0010】
このように偏向電磁石10に設けられる立体コイル11は、磁場の印加方向Y、荷電粒子ビームの軌道方向Zで座標系を定義した場合、磁場で偏向された荷電粒子ビームの円弧軌道の半径方向Xと印加方向Yが成すX-Y断面座標において、励磁電流が同方向のコイル線材12(12a,12b)が、半径方向Xと成す角度が-30°<θ<+30°の範囲において、他の範囲より相対的に占積率が低く巻回されている。
(【0011】以降は省略されています)

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