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公開番号2024111772
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-19
出願番号2023016477
出願日2023-02-06
発明の名称高力ボルト摩擦接合構造
出願人日本製鉄株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類E04B 1/61 20060101AFI20240809BHJP(建築物)
要約【課題】すべり係数を向上できる高力ボルト摩擦接合構造を提供する。
【解決手段】高力ボルト摩擦接合構造FSは、表面にめっき部を有し、ボルト孔が形成された複数のめっき鋼材(第1めっき鋼材20,第2めっき鋼材26)を、高力ボルト34、ナット36、及び座金によって摩擦接合させる高力ボルト接合構造であって、めっき鋼材が重ね合わせられた領域において、ボルト孔の径方向に沿ったボルト孔縁からの離隔距離が{(D-d)/2+t}mm以上であり(但し、D:座金の径[mm],d:ボルト孔の径[mm],t:座金と接する側のめっき鋼材の板厚[mm])、かつ、めっき鋼材の互いに対向する表面の間の隙間が10μm以上、600μm以下である範囲内のめっき部の上に設けられ、めっき鋼材のめっき部を構成する金属に由来する成分と酸素とを含む化合物を有する摩擦補助層を備える。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
表面にめっき部を有し、ボルト孔が形成された複数のめっき鋼材を、高力ボルト、ナット、及び座金によって摩擦接合させる高力ボルト接合構造であって、
前記めっき鋼材が重ね合わせられた領域において、前記ボルト孔の径方向に沿ったボルト孔縁からの離隔距離が{(D-d)/2+t}以上であり、かつ、前記めっき鋼材の互いに対向する表面の間の隙間が10μm以上、600μm以下である範囲内の前記めっき部の上に設けられ、前記めっき鋼材の前記めっき部を構成する金属に由来する成分と酸素とを含む化合物を有する摩擦補助層を備える、
高力ボルト摩擦接合構造。
但し、D:座金の径[mm],d:ボルト孔の径[mm],t:座金と接する側のめっき鋼材の板厚[mm]
続きを表示(約 330 文字)【請求項2】
前記摩擦補助層が有する前記化合物と前記めっき部を構成する化合物とは、互いに異なる、
請求項1に記載の高力ボルト摩擦接合構造。
【請求項3】
複数の前記めっき鋼材のうち少なくとも1つの前記めっき鋼材の端面の一部は、鉄を含む表面を有する非めっき部であり、
前記摩擦補助層が有する前記化合物は、前記めっき部を構成する金属に由来する成分と前記非めっき部の鉄との間で生じたガルバニック腐食に起因する鉄酸化物を含む、
請求項1又は2に記載の高力ボルト摩擦接合構造。
【請求項4】
前記めっき部は、Zn-Al-Mg系の成分を含む、
請求項1又は2に記載の高力ボルト摩擦接合構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、高力ボルト摩擦接合構造に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1のように、めっき処理が施されボルト孔を有する複数のめっき鋼材を、高力ボルト、ナット、及び座金によって摩擦接合させる高力ボルト摩擦接合構造が知られている。特許文献1では、めっき層のビッカース硬さを母材のめっき鋼材よりも大きくすることによって、すべり係数を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2016-156425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、めっき鋼材が重ね合わせられた領域では、対向するめっき鋼材の間に隙間が形成される。また、形成された隙間では、めっき鋼材の表面が互いに接触しない状態が生じる。すなわち、対向するめっき鋼材の間の隙間では、高力ボルトの張力による接触圧が得られない。しかし、特許文献1では、めっき鋼材の間の隙間を考慮した、すべり係数を向上させる技術は検討されていない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、上記に鑑みなされたものであって、すべり係数を向上できる高力ボルト摩擦接合構造を提供する。
【0006】
本開示に係る高力ボルト摩擦接合構造は、表面にめっき部を有し、ボルト孔が形成された複数のめっき鋼材を、高力ボルト、ナット、及び座金によって摩擦接合させる高力ボルト接合構造であって、めっき鋼材が重ね合わせられた領域において、ボルト孔の径方向に沿ったボルト孔縁からの離隔距離が{(D-d)/2+t}mm以上であり、かつ、めっき鋼材の互いに対向する表面の間の隙間が10μm以上、600μm以下である範囲内のめっき部の上に設けられ、めっき鋼材のめっき部を構成する金属に由来する成分と酸素とを含む化合物を有する摩擦補助層を備える。
(但し、D:座金の径[mm],d:ボルト孔の径[mm],t:座金と接する側のめっき鋼材の板厚[mm])
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、すべり係数を向上できる高力ボルト摩擦接合構造を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1(A)は、本開示の実施形態に係る高力ボルト摩擦接合構造の平面図であり、図1(B)は、本開示の実施形態に係る高力ボルト摩擦接合構造の側面図である。
本実施形態に係る高力ボルト摩擦接合構造の重ね合わせ部に形成される隙間を説明する部分拡大図である。
本実施形態に係る離隔距離の設定方法を一部を切断して説明する図である。
図4(A)は、本実施形態に係る摩擦補助層としての鉄酸化物が形成される前の接合部の状態を説明する斜視図であり、図4(B)は、本実施形態に係る摩擦補助層としての鉄酸化物が形成された後の接合部の状態を説明する斜視図である。
図5(A)は、実験用の試験体の仕様を説明する平面図であり、図5(B)は、実験用の試験体の仕様を説明する側面図である。
図6(A)は、複合サイクル腐食試験開始前の接合面を表す写真であり、図6(B)は、複合サイクル腐食試験の33サイクル後の時点における試験体の接合面のガルバニック腐食の進行状態を表す写真であり、図6(C)は、複合サイクル腐食試験の48サイクル後の時点における試験体の接合面のガルバニック腐食の進行状態を表す写真である。
複合サイクル腐食試験開始前である0サイクルの時点における、4つの断面位置でのそれぞれのミクロ観察の結果を説明する写真である。
複合サイクル腐食試験の48サイクル後の時点における、4つの断面位置でのそれぞれのミクロ観察の結果を説明する写真である。
3つの試験体のそれぞれにおける、すべり係数の測定値と各サイクル毎の平均値との算出結果を説明するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に本実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一の部分及び類似の部分には、同一の符号又は類似の符号を付している。ただし、図面における厚みと平面寸法との関係、各装置や各部材の厚みの比率等は現実のものとは異なる。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判定すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
【0010】
<高力ボルト摩擦接合構造>
まず、本実施形態に係る高力ボルト摩擦接合構造FSを図1~図3を参照して説明する。図1(A)及び図1(B)に示すように、本実施形態に係る高力ボルト摩擦接合構造FSでは、複数のめっき鋼材が、高力ボルト34、ナット36、及び座金38によって摩擦接合される。また、高力ボルト摩擦接合構造FSは、摩擦補助層40を備える。
(【0011】以降は省略されています)

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