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公開番号2024093886
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-09
出願番号2022210518
出願日2022-12-27
発明の名称ボイラシステム
出願人三浦工業株式会社
代理人個人,個人
主分類F23C 1/08 20060101AFI20240702BHJP(燃焼装置;燃焼方法)
要約【課題】BOGを含む気体燃料中のBOG濃度が変化しても安定した燃焼処理が可能なボイラシステムを実現することにある。
【解決手段】ボイラシステム1は、BOG燃料の燃焼を優先するBOG燃焼制御モードM2または窒素を含む窒素混合BOG燃料を所定の空気比で燃焼させる空気比制御モードM3を設定可能なモード設定部19と、ボイラ10の燃焼を制御する制御部20と、を有する。制御部20は、モード設定部19によってBOG燃焼制御モードM2が設定された場合、所定燃焼量になるように気体燃料流量調整部3を調整する。制御部20は、モード設定部19によって空気比制御モードM3が設定された場合、ボイラ10にBOG燃料と重油とが供給されるように気体燃料流量調整部3と液体燃料流量調整部7とを調整すると共にボイラ20の排ガスの酸素濃度Coが所定の酸素濃度Cotになるように、空気流量調整部12を調整する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
液化ガス貯蔵タンクと、前記液化ガス貯蔵タンク内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給部と、前記液化ガス貯蔵タンクから排出されるボイルオフガス及び不活性ガスが流れるフリーフローラインとを備えた船舶に搭載されるボイラシステムであって、
前記ボイラシステムは、
ボイルオフガスを含む気体燃料と液体燃料とを燃焼できるボイラと、
前記ボイラに供給されるボイルオフガスを含む気体燃料の圧力を検知する気体燃料圧力検知部と、
前記ボイラに供給されるボイルオフガスを含む気体燃料の流量を調整する気体燃料流量調整部と、
前記ボイラに供給される液体燃料の流量を調整する液体燃料流量調整部と、
前記ボイラに供給される燃焼用空気の流量を調整する空気流量調整部と、
前記ボイラの排ガスにおける酸素濃度を検知する酸素濃度検知部と、
前記ボイラにおいて、ボイルオフガスを含む気体燃料の燃焼を優先するボイルオフガス燃焼制御モード及び不活性ガスを含むボイルオフガスを含む気体燃料を所定の空気比で燃焼させる空気比制御モードのうちいずれか一方の制御モードを設定可能なモード設定部と、
前記ボイラの燃焼を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、
前記モード設定部によって前記ボイルオフガス燃焼制御モードが設定された場合、所定燃焼量になるように前記気体燃料流量調整部を調整し、
前記モード設定部によって前記空気比制御モードが設定された場合、前記ボイラにボイルオフガスを含む気体燃料と液体燃料とが供給されるように前記気体燃料流量調整部と前記液体燃料流量調整部とを調整すると共に前記ボイラの排ガスの酸素濃度が所定の酸素濃度になるように、前記空気流量調整部を調整する、
ボイラシステム。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
請求項1に記載のボイラシステムであって、
前記制御部は、
ボイルオフガスに含まれる不活性ガスの混合程度を算出する不活性ガス混合判定部を、さらに有し、
前記空気比制御モードにおいて、
不活性ガス混合判定部によりボイルオフガスを含む気体燃料に含まれる不活性ガスの混合程度が所定値未満であると判定した場合、前記ボイラにボイルオフガスを含む気体燃料のみが供給されるように前記気体燃料流量調整部と前記液体燃料流量調整部とを調整し、
不活性ガス混合判定部によりボイルオフガスを含む気体燃料に含まれる不活性ガスの混合程度が所定値以上であると判定した場合、前記ボイラにボイルオフガスを含む気体燃料と液体燃料とが供給されるように前記気体燃料流量調整部と前記液体燃料流量調整部とを調整する、
ボイラシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のボイラシステムであって、
前記制御部は、
前記酸素濃度検知部の検出結果に基づいて排ガスの酸素濃度が所定値になるように前記空気流量調整部を調整し、
前記空気流量調整部の調整量に基づいて、前記不活性ガス混合判定部によってボイルオフガスに含まれる不活性ガスの混合程度を判定する、
ボイラシステム。
【請求項4】
請求項2に記載のボイラシステムであって、
前記制御部は、
前記ボイルオフガス燃焼制御モードにおいて、前記不活性ガス混合判定部によってボイルオフガスを含む気体燃料の不活性ガスの混合程度を判定し、
ボイルオフガスを含む気体燃料の不活性ガスの混合程度が所定値以上であると判定した場合、前記空気比制御モードに切り替えるとともに前記ボイラにボイルオフガスを含む気体燃料と液体燃料とが供給されるように前記気体燃料流量調整部と前記液体燃料流量調整部とを調整する、
ボイラシステム。
【請求項5】
請求項2に記載のボイラシステムであって、
前記モード設定部は、
前記空気比制御モードが設定された場合、不活性ガス増加燃焼制御モード及びボイルオフガス増加燃焼制御モードのうちいずれか一つの制御モードを設定可能に構成され、
前記制御部は、
前記モード設定部によって不活性ガス増加燃焼制御モードが設定された場合、前記ボイラにボイルオフガスを含む気体燃料のみが供給されるように前記気体燃料流量調整部と前記液体燃料流量調整部とを調整した状態でメイン燃焼を開始し、
前記モード設定部によってボイルオフガス増加燃焼制御モードが設定された場合、前記ボイラにボイルオフガスを含む気体燃料と液体燃料とが供給されるように前記気体燃料流量調整部と前記液体燃料流量調整部とを調整した状態でメイン燃焼を開始する、
ボイラシステム。
【請求項6】
請求項1に記載のボイラシステムであって、
前記制御部は、
前記モード設定部によって前記ボイルオフガス燃焼制御モードが設定された場合、前記酸素濃度検知部によって検知される前記ボイラの排ガスの酸素濃度が所定の酸素濃度になるように、前記空気流量調整部を調整する、
ボイラシステム。
【請求項7】
請求項1に記載のボイラシステムであって、
前記ボイラにおいて発生する蒸気の圧力を検知する蒸気圧力検知部を有し、
前記モード設定部は、
前記ボイラにおける蒸気の生成を優先する蒸気圧力優先制御モードを更に設定可能に構成され、
前記制御部は、
前記モード設定部によって前記蒸気圧力優先制御モードが設定された場合、前記蒸気圧力検知部によって検知される蒸気圧力が所定の蒸気圧力になるように、前記気体燃料流量調整部及び前記液体燃料流量調整部のうち少なくとも一方を調整する、
ボイラシステム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、フリーフローラインを流れるボイルオフガスを燃焼処理可能なボイラシステムに関連する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
天然ガスは、船舶によって輸送する場合、大気圧下において約-160℃に冷却することで液化した状態(液化ガス)で輸送されている。このような液化ガスを輸送する船舶は、内部を極低温状態に保持可能な断熱、防熱機能を有する液化ガス貯蔵タンク内に液化ガスを貯蔵して輸送する。しかし、前記液化ガス貯蔵タンク内の液化ガスは、前記液化ガス貯蔵タンク内に侵入した熱によってボイルオフガス(以下、単に「BOG」と記載する。部材名、用語、名称等に含まれている「ボイルオフガス」ついても「BOG」と記載するものとする。)が発生する。BOGの発生によりタンク圧が上昇した前記液化ガス貯蔵タンクは、許容タンク圧に到達する前にBOGを処理する必要がある。特許文献1では、液化ガス貯蔵タンク内で発生したBOGは、圧縮機へ導かれて圧縮され推進用の主ガスエンジン及び船内発電用の副ガスエンジンの燃料として利用されている。また、BOGは、GCUへ供給して燃焼することが可能である。
【0003】
一方、圧縮機を必要とする特許文献1の構成では、設備費用およびランニング費用が増大する。よって、液化ガス貯蔵タンクにおいて発生するBOGをガス焼却装置にフリーフローラインによって供給するためのフリーフローガス供給手段と、タンクから汲み上げた液化ガスを過冷却する液化ガス過冷却装置と、過冷却された液化ガスを前記タンク内に戻す液化ガス噴霧手段とを備えるタンク圧力制御システムが特許文献2に開示されている。特許文献2では、余剰のBOGは、ガス圧縮機を用いずに、液化ガス貯蔵タンク内の圧力で燃料ガスをガス燃焼装置に送るフリーフローガス供給ラインを通して燃焼装置に供給される。しかしながら、特許文献2には、ガス燃焼装置における余剰のBOGの燃焼制御技術に関連する記載はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2018―48607号公報
特開2019―163804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年のSDGs等への社会的要請の高まりにより、地球温暖化係数が高いメタンなどのBOGを、大気に排出することなく余剰のBOGの発生量に応じて効率的に燃焼処理するボイラシステムが求められている。よって、ボイラシステムは、液化ガス貯蔵タンク内に残留しているBOGを不活性ガスに置換した際、または不活性ガスが充填された液化ガス貯蔵タンクにLNGが充填された際に液化ガス貯蔵タンクから排出される不活性ガスが混合されたBOGも適切に燃焼処理しなくてはならない。
【0006】
本発明の目的は、BOGを含む気体燃料中のBOG濃度が変化しても安定した燃焼処理が可能なボイラシステムを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係るボイラシステムは、液化ガス貯蔵タンクと、前記液化ガス貯蔵タンク内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給部と、前記液化ガス貯蔵タンクから排出されるBOG及び不活性ガスが流れるフリーフローラインとを備えた船舶に搭載されるボイラシステムである。前記ボイラシステムは、BOGを含む気体燃料と液体燃料とを燃焼できるボイラと、前記ボイラに供給されるBOGを含む気体燃料の圧力を検知する気体燃料圧力検知部と、前記ボイラに供給されるBOGを含む気体燃料の流量を調整する気体燃料流量調整部と、前記ボイラに供給される液体燃料の流量を調整する液体燃料流量調整部と、前記ボイラに供給される燃焼用空気の流量を調整する空気流量調整部と、前記ボイラの排ガスにおける酸素濃度を検知する酸素濃度検知部と、前記ボイラにおいて、BOGを含む気体燃料の燃焼処理を優先するBOG燃焼制御モード及び不活性ガスを含むBOGを含む気体燃料を所定の空気比で燃焼させる空気比制御モードのうちいずれか一方の制御モードを設定可能なモード設定部と、前記ボイラの燃焼を制御する制御部と、を有する。
【0008】
前記制御部は、前記モード設定部によって前記BOG燃焼制御モードが設定された場合、所定燃焼量になるように前記気体燃料流量調整部を調整する。前記制御部は、前記モード設定部によって前記空気比制御モードが設定された場合、前記ボイラにBOGを含む気体燃料と液体燃料とが供給されるように前記気体燃料流量調整部と前記液体燃料流量調整部とを調整すると共に前記ボイラの排ガスの酸素濃度が所定の酸素濃度になるように、前記空気流量調整部を調整する。
【0009】
上述のボイラシステムは、BOG圧力を低下させることが必要な(BOG燃焼処理の優先度が高い)場合、BOG燃焼制御モードにおいて、BOG燃料のみを燃焼し余剰のBOGの燃焼量を増加することができる。また、前記ボイラシステムは、液化ガス貯蔵タンク内の不活性ガスパージによりBOGを含む気体燃料に不活性ガスが混入した場合、または不活性ガスが充填された液化ガス貯蔵タンクに対するLNGの充填によって不活性ガス中にBOG混入した場合に、空気比制御モードにおいて液体燃料が燃焼することによりBOGと不活性ガスの混合割合が変化しても燃焼を継続することができる。さらに、ボイラの排ガスの酸素濃度に基づいて、BOGを含む気体燃料の燃焼処理に必要な燃焼用空気の供給量を制御する。これにより、BOGを含む気体燃料中のBOG濃度が変化してもボイラ効率の低下を抑制し、安定した燃焼処理が可能なボイラシステムを実現することができる。
【0010】
なお、余剰のBOGとは、主機や発電機等のボイラ以外の機器において燃料として利用されないBOG及び再液化によって液化ガス貯蔵タンクに回収されないBOGを含む。また、船内の蒸気需要等に対してボイラを運転する場合など、ボイラで回収された熱量を有効利用する場合に燃料として利用されるBOGは、余剰のBOGに含むものとする。
(【0011】以降は省略されています)

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