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公開番号2024086191
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-27
出願番号2022201202
出願日2022-12-16
発明の名称液体吐出ヘッドとその製造方法
出願人キヤノン株式会社
代理人個人,個人
主分類B41J 2/14 20060101AFI20240620BHJP(印刷;線画機;タイプライター;スタンプ)
要約【課題】液体吐出ヘッドの電気接続部の良好な封止を確保し、カバー部材上への封止材の乗り上げを抑える。
【解決手段】液体吐出ヘッド1が、支持部材5と、エネルギー発生素子12を有し支持部材5上に固定されている素子基板2と、支持部材5上に固定され素子基板2と電気的に接続されている電気配線基板3と、電気配線基板3の一部に重なるように支持部材5上に配置されているカバー部材4と、素子基板2と電気配線基板3との電気接続部20を封止する封止材21と、を有する。カバー部材4は、電気接続部20と素子基板2とを避けて配置されている。カバー部材4は素子基板2の外周部2aと対向する部分4cを有し、当該部分4cの、カバー部材4の支持部材5との接合面4aにおける素子基板2の外周部2aまでの間隔は、接合面4aと反対側の面4bにおける素子基板2の外周部2aまでの間隔よりも大きい。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
支持部材と、エネルギー発生素子を有し前記支持部材上に固定されている素子基板と、前記支持部材上に固定され前記素子基板と電気的に接続されている電気配線基板と、前記素子基板の面と垂直な方向から見て前記電気配線基板の一部に重なるように前記支持部材上に配置されているカバー部材と、前記素子基板と前記電気配線基板との電気接続部を封止する封止材と、を有し、
前記カバー部材は、前記素子基板の面と垂直な方向から見て前記電気接続部と前記素子基板とを避けて配置されており、
前記カバー部材は前記素子基板の外周部と対向する部分を有し、当該部分の、前記カバー部材の前記支持部材との接合面における前記素子基板の前記外周部までの間隔は、前記接合面と反対側の面における前記素子基板の外周部までの間隔よりも大きいことを特徴とする、液体吐出ヘッド。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記素子基板は、前記エネルギー発生素子に電気的に接続されている第1の端子を有し、前記電気配線基板は、前記第1の端子と並んで位置する第2の端子を有し、前記電気接続部は、前記第1の端子と、前記第2の端子と、前記第1の端子と前記第2の端子とを電気的に接続する接続部材と、を含む、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項3】
前記カバー部材は開口部を有し、前記素子基板は前記開口部の内部に配置されており、前記カバー部材の前記素子基板の外周部と対向する部分は、前記開口部の内周部である、請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項4】
前記カバー部材の前記素子基板の外周部と対向する部分は、前記素子基板の前記外周部までの間隔が連続的に変化する傾斜面または湾曲面を含む、請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項5】
前記カバー部材の前記素子基板の外周部と対向する部分は、前記素子基板側に突出した張り出し部を含み、当該張り出し部は前記反対側の面を含む、請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項6】
前記カバー部材はセラミックからなる、請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項7】
前記カバー部材は接着材によって前記支持部材に固定されており、前記接着材は、前記カバー部材の前記支持部材との接合面における前記素子基板の外周部側の端部よりも、前記素子基板側に延出している、請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項8】
前記支持部材と前記カバー部材とは親水性の材料で構成され、前記接着材は撥水性の材料で構成されている、請求項7に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項9】
前記カバー部材の面における純水接触角が40度以下である、請求項8に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項10】
エネルギー発生素子を有する素子基板と電気配線基板とを支持部材上に固定する工程と、
前記素子基板と前記電気配線基板とを電気的に接続する工程と、
前記素子基板の面と垂直な方向から見て前記電気配線基板の一部に重なるように前記支持部材上にカバー部材を配置する工程と、
前記素子基板と前記電気配線基板との電気接続部を封止材によって封止する工程と、
を含み、
前記カバー部材は、前記素子基板の面と垂直な方向から見て前記電気接続部と前記素子基板とを避けて配置されており、
前記カバー部材は前記素子基板の外周部と対向する部分を有し、当該部分の、前記カバー部材の前記支持部材との接合面における前記素子基板の前記外周部までの間隔は、前記接合面と反対側の面における前記素子基板の外周部までの間隔よりも大きく、
前記電気接続部を封止材によって封止する工程は、前記封止材を、前記素子基板の前記外周部に沿って這い上がらせるとともに前記支持部材に沿って流れさせた後に、前記カバー部材に沿って前記素子基板へ向かって進行させることを含むことを特徴とする、液体吐出ヘッドの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は液体吐出ヘッドとその製造方法に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
液体吐出ヘッドの素子基板に設けられたエネルギー発生素子に駆動用の電気信号を供給するために、素子基板と電気配線基板とが接続部材により電気的に接続される。この電気接続部は、液体等の付着による電気的短絡等の不具合を防ぐために、封止材で覆われて保護される。液体吐出ヘッドの1つであるインクジェットヘッドでは、近年、従来一般的な紙への記録だけでなく、塩化ビニールやアクリルなど非吸収メディアへの記録も行われている。それに伴い、使用する液体(インク)も水性インクだけでなく、UV硬化などの溶剤系インクや、ラテックスインクなど様々なインクが用いられている。これらのインクは従来の水性インクよりも多くの溶剤を含むため、封止材に浸透し易いものがある。このため、電気接続部の封止の確実性をさらに高めることが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2012-187805号公報
特開2021-160306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
液体吐出ヘッドにおいて、素子基板を収容可能な開口部を有するカバー部材が設けられる場合がある。この構成では、液体吐出ヘッドの非使用時に吐出口やその近傍において液体が固着することを防ぐために、カバー部材の開口部の少なくとも一部を覆うようにキャップを行う領域として使用されることがある。この場合、カバー部材上に、素子基板における電気接続部を封止するための封止材が乗り上げてしまうと、良好にキャップすることができなくなり、液体の吐出不良を引き起こす可能性がある。すなわち、電気接続部の確実な封止を行いつつ、封止材のカバー部材上への乗り上げを抑制することが望まれている。特許文献1,2には、電気接続部の封止の確実性を高めるとともに封止材による被覆範囲を制限することができる構成が記載されている。しかし、特許文献1,2に記載の構成において仮にカバー部材が設けられた際に、封止材がカバー部材上に乗り上げることを抑制することは想定されていない。
【0005】
そこで、本発明の目的は、電気接続部の良好な封止を確保しつつ、カバー部材上への封止材の乗り上げを抑えることができる液体吐出ヘッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の液体吐出ヘッドは、支持部材と、エネルギー発生素子を有し前記支持部材上に固定されている素子基板と、前記支持部材上に固定され前記素子基板と電気的に接続されている電気配線基板と、前記素子基板の面と垂直な方向から見て前記電気配線基板の一部に重なるように前記支持部材上に配置されているカバー部材と、前記素子基板と前記電気配線基板との電気接続部を封止する封止材と、を有し、前記カバー部材は、前記素子基板の面と垂直な方向から見て前記電気接続部と前記素子基板とを避けて配置されており、前記カバー部材は前記素子基板の外周部と対向する部分を有し、当該部分の、前記カバー部材の前記支持部材との接合面における前記素子基板の前記外周部までの間隔は、前記接合面と反対側の面における前記素子基板の外周部までの間隔よりも大きいことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、電気接続部の良好な封止を確保しつつ、カバー部材上への封止材の乗り上げを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の一実施形態の液体吐出ヘッドの斜視図である。
図1のA-A線の位置で切断した断面図である。
図1に示す液体吐出ヘッドの製造方法の各工程を順番に示す斜視図である。
図1に示す液体吐出ヘッドの封止工程を示す断面図である。
比較例の液体吐出ヘッドの封止工程を示す断面図である。
比較例の液体吐出ヘッドのキャップ状態を模式的に示す断面図である。
本発明の第2の実施形態の液体吐出ヘッドの封止工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
(液体吐出ヘッドの構成)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る液体吐出ヘッド1の要部を示す斜視図である。図2は図1のA-A線の位置で切断した断面図である。図3は液体吐出ヘッド1の製造方法の一部の工程を順番に示す斜視図である。この液体吐出ヘッド1は、素子基板2と、電気配線基板3と、カバー部材4と、支持部材5と、を有している。素子基板2は、基板6と流路形成部材7と吐出口形成部材8とが積層された多層基板である。基板6は、一例としてはシリコン基板であり、貫通孔である供給路9が設けられている。流路形成部材7には、供給路9に接続される圧力室10が設けられている。吐出口形成部材8には、圧力室10に連通し外部に向かって開口する吐出口11が設けられている。基板6の、流路形成部材7側であって各吐出口11に略対向する位置に、エネルギー発生素子12(例えば発熱素子または圧電素子など)がそれぞれ形成されている。さらに、基板6には、エネルギー発生素子12に電気的に接続されている配線(図示せず)と、この配線の一部に繋がる第1の端子13と、が設けられている。第1の端子13は流路形成部材7および吐出口形成部材8に覆われていない。電気配線基板3には、図示しない配線部材と接続される配線14(図1参照)と、この配線14の一部に繋がる第2の端子15と、が設けられている。支持部材5は、素子基板2と電気配線基板3の一部とを載置可能な大面積の表面5aを有しており、供給路9に接続される接続流路16を有している。カバー部材4は、素子基板2を内部に位置させることができる開口部17を有している。カバー部材4は、素子基板2の面と垂直な方向から見て、後述する電気接続部20と素子基板2とを避けて配置されている。
【0010】
支持部材5の表面5a上に、素子基板2と電気配線基板3の一部とが並べて配置され、接着材18によってそれぞれ固定されている。さらに、カバー部材4が、支持部材上において、素子基板2の面と垂直な方向から見て電気配線基板3の少なくとも一部を覆うとともに、電気配線基板3の第2の端子15と素子基板2とが開口部17の内部に位置するように、支持部材5上に配置されている。カバー部材4の一部は接着材18によって電気配線基板3に固定され、他の一部は接着材18によって支持部材5の表面5aに固定されている。そして、カバー部材4の開口部17の内部において、電気配線基板3の第2の端子15と素子基板2の第1の端子13とが、接続部材(例えばボンディング用のワイヤー19)によって接続されている。そして、第1の端子13とワイヤー19と第2の端子15とを含む電気接続部20が、封止材21によって封止されている。本実施形態の封止材21は、2種類の封止材、すなわち下層に位置する第1の封止材21aと、第1の封止材21aよりも粘度が高く流動性が低い、上層に位置する第2の封止材21bとからなる。第1の端子13と、第2の端子15と、ワイヤー19の下部は、第1の封止材21aによって封止されている。第1の封止材21aに封止されていないワイヤー19の上部は、第2の封止材21bによって封止されている。図1に示す例では電気接続部20のみが封止材21によって封止されている。ただし、図2~3に示すように、電気接続部20が封止材21a,21bで封止されるのみならず、電気接続部20以外の部分においても素子基板2の外周部と開口部17の内周部4cとの間の隙間が封止材21aで満遍なく充填された構成にしてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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