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公開番号2024066307
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-15
出願番号2022175809
出願日2022-11-01
発明の名称細胞剥離装置、及び細胞剥離方法
出願人キヤノン株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C12M 1/00 20060101AFI20240508BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】 高い剥離率で細胞を剥離する細胞剥離装置を提供する。
【解決手段】 細胞の培養容器の培養面の上に設けられた細胞に振動を付与することによって細胞を剥離する細胞剥離装置であって、細胞剥離装置は、振動子と振動板とを有し、振動子、振動板、音響伝達媒体、及び培養容器がこの順に重ねて配置され、振動板の振動が音響伝達媒体を介して培養容器に伝達されることで、培養容器に屈曲振動が励振され、音響伝達媒体と培養容器とが腹部を含む領域で接し、屈曲振動の節部では接しないように細胞剥離装置が構成されることを特徴とする。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
細胞の培養容器の培養面の上に設けられた細胞に振動を付与することによって前記細胞を剥離する細胞剥離装置であって、
前記細胞剥離装置は、振動子と振動板とを有し、
前記振動子、前記振動板、音響伝達媒体、及び前記培養容器がこの順に重ねて配置され、
前記振動板の振動が前記音響伝達媒体を介して前記培養容器に伝達されることで、前記培養容器に屈曲振動が励振され、
前記音響伝達媒体と前記培養容器とが前記腹部を含む領域で接し、前記屈曲振動の節部では接しないように前記細胞剥離装置が構成されることを特徴とする細胞剥離装置。
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
前記培養容器に複数の腹部を持つ屈曲振動が励振され、
前記音響伝達媒体と前記培養容器とが前記複数の腹部の少なくとも一部を含む領域で接するように前記細胞剥離装置が構成されることを特徴とする請求項1に記載の細胞剥離装置。
【請求項3】
前記振動は、超音波帯域の振動であることを特徴とする請求項1または2に記載の細胞剥離装置。
【請求項4】
前記音響伝達媒体は高分子材料を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の細胞剥離装置。
【請求項5】
前記高分子材料はシリコーンゴムであることを特徴とする請求項4に記載の細胞剥離装置。
【請求項6】
前記音響伝達媒体の前記培養容器と接する面は、凸の曲面を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の細胞剥離装置。
【請求項7】
前記重ねて配置される方向に垂直な平面内における、前記音響伝達媒体の断面は円形であることを特徴とする請求項1または2に記載の細胞剥離装置。
【請求項8】
前記屈曲振動の第1の腹部から、前記第1の腹部に最も近い、前記屈曲振動の第1の節部までの距離がLMであり、前記音響伝達媒体と前記培養容器とが接する領域の直径がLN1である場合、LN1/LMは、1.0以上1.6以下であることを特徴とする請求項7に記載の細胞剥離装置。
【請求項9】
前記音響伝達媒体は円環状であることを特徴とする請求項1または2に記載の細胞剥離装置。
【請求項10】
前記屈曲振動の第1の腹部から、前記第1の腹部に最も近い前記屈曲振動の第1の節部までの距離がLMであり、前記重ねて配置される方向に垂直な方向における、前記音響伝達媒体と前記培養容器とが接する領域の幅がLNである場合、LN/LMは、1.0以上1.6以下であることを特徴とする請求項9に記載の細胞剥離装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は細胞剥離装置、及び細胞剥離方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
細胞医薬・再生医療の分野では、大量の細胞を培養する必要があり、特に、生体組織の多くを占める接着性細胞を効率的かつ安定的に供給することが求められている。
【0003】
接着性細胞の培養においては、例えばポリスチレンディッシュのような培養容器上で細胞を培養し、培養容器から細胞を剥離し、細胞の回収及び洗浄の各工程を経ることで、目的とする細胞を取得する。細胞をさらに増やす際には、取得した細胞の一部をまた新たな培養容器に移して培養する、いわゆる継代操作を行なう。この一連の工程の中でも、培養容器から細胞を剥離する剥離工程は、ピペットなどで培養容器の液体に流動を発生させて細胞を引きはがす方法が一般的に行われている。しかし、剥離工程におけるピペットの角度や発生させる流動が人によって異なるため、細胞の効率的かつ安定的な供給への障壁となっている。
【0004】
特許文献1に、培養細胞群の細胞接着性を低下させる剥離液を、培養細胞群が収容された培養容器に供給し、加振装置によって培養容器を振動させることで培養細胞群を培養容器の内壁から剥離させる細胞回収装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2008-79554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、培養容器として、ディッシュやフラスコ、ウェルプレートなどを用いる場合がある。しかし、細胞培養用として一般に市販されている培養容器の底面には突出部があったり、培養容器の底面が平らではなく実際は撓んでいたりする場合があった。そのため、培養容器の底面と加振装置との間で振動を伝えるための音響伝達媒体を設ける場合においても、培養容器の底面と音響伝達媒体との間に空気が入り込む場合があった。空気が残っていると、加振装置の振動が音響伝達媒体と空気との界面で反射したり、振動が空気中で減衰したりするため、加振装置の振動が培養容器に伝わりにくくなり、剥離率が低下する場合があった。脱気処理などをしないと入り込んだ空気は抜けづらく、また、脱気処理は培養容器上の細胞の生存率を下げる可能性がある。したがって、効率的に細胞を剥離し、高い剥離率で細胞を得るためには、音響伝達媒体と培養容器との間に空気が入らないようにすることが求められる。
【0007】
本発明は、高い剥離率で細胞を剥離する細胞剥離装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る細胞剥離装置は、細胞の培養容器の培養面の上に設けられた細胞に振動を付与することによって細胞を剥離する細胞剥離装置であって、細胞剥離装置は、振動子と振動板とを有し、振動子、振動板、音響伝達媒体、及び培養容器がこの順に重ねて配置され、振動板の振動が音響伝達媒体を介して培養容器に伝達されることで、培養容器に屈曲振動が励振され、音響伝達媒体と培養容器とが腹部を含む領域で接し、屈曲振動の節部では接しないように細胞剥離装置が構成されることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る細胞剥離方法は、細胞の培養容器の培養面の上に設けられた細胞に振動を付与することによって細胞を剥離する細胞剥離方法であって、振動子と振動板とを有する細胞剥離装置、及び音響伝達媒体と培養容器とを用いて、振動子、振動板、音響伝達媒体、及び培養容器をこの順に重ねて配置した状態で、細胞に振動を付与し、振動板の振動が音響伝達媒体を介して培養容器に伝達されることで、屈曲振動が培養容器に励振され、音響伝達媒体と培養容器とが腹部を含む領域で接し、屈曲振動の節部では接しない状態で細胞に振動を付与することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、高い剥離率で細胞を剥離する細胞剥離装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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