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公開番号2024058186
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-25
出願番号2022165394
出願日2022-10-14
発明の名称凍結耐性付与剤、それを含む冷凍物、及びその製造方法
出願人学校法人 関西大学
代理人弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類C12N 1/00 20060101AFI20240418BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】新規な凍結耐性付与剤を提供することを課題とする。
【解決手段】メラノイジン及び澱粉を含む、凍結耐性付与剤。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
メラノイジン及び澱粉を含む、凍結耐性付与剤。
続きを表示(約 470 文字)【請求項2】
メラノイジン及び澱粉を含む、培養培地。
【請求項3】
食材と添加剤とを含み、前記添加剤がメラノイジン及び澱粉を含む、冷凍食品。
【請求項4】
前記澱粉が、バレイショ由来澱粉及びキャッサバ芋由来澱粉からなる群より選択される少なくとも一種の澱粉である、請求項1に記載の凍結耐性付与剤、請求項2に記載の培養培地、又は請求項3に記載の冷凍食品。
【請求項5】
i)メラノイジン及び澱粉を混合する工程と、
ii)前記工程i)により得られた混合物を加熱する工程と
を含む、メラノイジン及び澱粉を含む培養培地の製造方法。
【請求項6】
前記工程ii)の加熱温度が70℃~120℃である、請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
1A)メラノイジン及び澱粉を食品に添加する工程;又は
1B)メラノイジン及び澱粉を食材に添加し、食品を得る工程と、
2)前記食品を冷凍する工程と
を含む、冷凍食品の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、凍結耐性付与剤、それを含む冷凍物、及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
一般に、冷凍物を解凍すると品質が低下する場合があることが知られており、こうした現象は冷凍物中に含まれる水の凍結に起因すると考えられている。例えば、微生物検査用に販売されている培養培地は、一度冷凍すると解凍後に培養培地表面の滑らかさが失われたり、ドリップが発生したりするなど、培養培地としての品質が著しく低下するため、冷凍保存が不可能であった。このため、市販の培養培地は冷蔵保存される。しかしながら、冷蔵保存は長期保存に適さず、寒冷地でのサプライチェーンにおいては凍結した培養培地を廃棄することも度々あった。また、冷凍食品においても同様の現象が生じることが知られている。
【0003】
水の凍結は、水の中に存在する異物が核となり氷核が形成され、この氷核を中心に氷結晶が発生し、氷結晶が成長することにより引き起こされる。氷結晶の成長は、周囲の構造の破壊やタンパク質の変性等を生じさせ、冷凍物の解凍時の品質低下につながる。そのため、このような問題を回避するためには、水の凍結を制御することが重要である。
【0004】
水の凍結の制御において、氷核の形成を阻害する過冷却促進物質、氷核形成から氷結晶の成長を阻害する不凍タンパク質や不凍多糖が重要な役割を果たす。これまでに、カイワレ大根由来の不凍タンパク質等を含む氷結晶化阻害剤(特許文献1)や、還元糖とアミノ酸の反応(メイラード反応)により得られる化合物であるメラノイジンを含有する過冷却促進剤(特許文献2)、味噌や醤油等の大豆発酵物の抽出物を含む氷再結晶化抑制剤(特許文献3)等が報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2016-069603号公報
特開2019-006883号公報
特開2022-083887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者の検討により、従来提案されている氷再結晶化抑制剤では解凍時の品質低下の問題が十分には解消されない場合があることが判明した。よって、本発明は、新規な凍結耐性付与剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意検討を行ったところ、メラノイジン及び澱粉を含む培養培地及び食品では、冷凍後解凍しても培養培地及び食品の品質が保たれ、ドリップの発生を軽減できることを見出した。本発明はかかる知見に基づいてさらに鋭意検討を加えることにより完成したものであり、以下の態様を包含する。
項1.
メラノイジン及び澱粉を含む、凍結耐性付与剤。
項2.
メラノイジン及び澱粉を含む、培養培地。
項3.
食材と添加剤とを含み、前記添加剤がメラノイジン及び澱粉を含む、冷凍食品。
項4.
前記澱粉が、バレイショ由来澱粉及びキャッサバ芋由来澱粉からなる群より選択される少なくとも一種の澱粉である、項1に記載の凍結耐性付与剤、項2に記載の培養培地、又は項3に記載の冷凍食品。
項5.
i)メラノイジン及び澱粉を混合する工程と、
ii)前記工程i)により得られた混合物を加熱する工程と
を含む、メラノイジン及び澱粉を含む培養培地の製造方法。
項6.
前記工程ii)の加熱温度が70℃~120℃である、項5に記載の製造方法。
項7.
1A)メラノイジン及び澱粉を食品に添加する工程;又は
1B)メラノイジン及び澱粉を食材に添加し、食品を得る工程と、
2)前記食品を冷凍する工程と
を含む、冷凍食品の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、新規な凍結耐性付与剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
冷凍後解凍した培養培地の写真を示す図である。
澱粉の添加量が冷凍前及び解凍後の培養培地の重量変化、並びに、解凍時に発生するドリップ量に与える影響を調べた結果を示す図である。
培養培地の種類が解凍時に発生するドリップ量に与える影響を調べた結果を示す図である。
冷凍前及び解凍後のうどんの破断荷重を測定した結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.
本発明の凍結耐性付与剤
本発明の凍結耐性付与剤は、メラノイジン及び澱粉を含む。
(【0011】以降は省略されています)

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