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公開番号2024056752
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-23
出願番号2024011812,2022148250
出願日2024-01-30,2018-01-29
発明の名称潤滑剤のための球状炭素同素体
出願人ライテン・インコーポレイテッド,LYTEN, INC.
代理人弁理士法人深見特許事務所
主分類C10M 125/02 20060101AFI20240416BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】高速用途、高応力用途、高温環境用途、高熱伝導率用途、または反スティクションのための潤滑剤を提供する。
【解決手段】液体と、前記液体内の炭素凝集体であって、前記炭素凝集体のそれぞれが複数の炭素ナノ粒子を含み、前記複数の炭素ナノ粒子のぞれぞれが少なくとも2つの結合した多層球状フラーレンと前記少なくとも2つの結合した多層球状フラーレンを被覆する1層以上のグラフェンとを含む、前記炭素凝集体と、を含む、潤滑剤。前記炭素凝集体の表面積は、吸着質として窒素を用いるBrunauer-Emmett-Teller(BET)法で測定したとき、10~200m2/gであり、圧縮したとき、500S/m~20,000S/mの導電率を有する。
【選択図】図4B
特許請求の範囲【請求項1】
炭素材料であって、
複数の炭素凝集体を含み、各炭素凝集体が、複数の炭素ナノ粒子を含み、各炭素ナノ粒子が、グラフェンを含み、シード粒子を含まず、
前記グラフェンが最大15層を含み、
前記炭素凝集体中の炭素の、水素を除く他の元素に対する比が、99%超であり、
前記炭素凝集体のメジアン径が、1~50ミクロンであり、
前記炭素凝集体の表面積が、吸着質として窒素を用いるBrunauer-Emmett-Teller(BET)法によって測定したときに少なくとも50m

/gであり、
前記炭素凝集体が、圧縮したときに500S/m超の導電率を有する、
前記炭素材料。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
グラフェンに加えて1種以上の他の炭素同素体を更に含み、前記グラフェンの前記他の炭素同素体に対する比が90%超である、請求項1に記載の炭素材料。
【請求項3】
前記炭素材料のラマンスペクトルが、532nmの入射光を使用した場合、2Dモードピーク、Gモードピーク、及び0.5超の2D/G強度比を含む、請求項1に記載の炭素材料。
【請求項4】
前記炭素凝集体の前記表面積が、前記吸着質として窒素を用いる前記BET法を使用して測定したときに50~300m

/gである、請求項1に記載の炭素材料。
【請求項5】
前記炭素凝集体の前記導電率が、圧縮したときに1000~20,000S/mである、請求項1に記載の炭素材料。
【請求項6】
請求項1に記載の炭素材料であって、無定形炭素を更に含み、
前記無定形炭素の前記グラフェンに対する比が5%未満であり、
前記無定形炭素を含む前記炭素材料のラマンスペクトルが、532nmの入射光を使用した場合、2Dモードピーク、Dモードピーク、Gモードピーク、0.5超のD/G強度比、低強度2Dモードピーク、及び前記Dモードピークと前記Gモードピークとの間の浅い谷を含む、前記炭素材料。
【請求項7】
前記炭素凝集体が、ミリング、研磨、剥離、アニーリング、焼結、蒸気処理、濾過、脱脂、ドーピング、及び元素添加からなる群から選択される方法を使用して後処理される、請求項1に記載の炭素材料。
【請求項8】
前記後処理された炭素凝集体の前記表面積が、前記吸着質として窒素を用いる前記BET法を使用して測定したときに50~1000m

/gである、請求項7に記載の炭素材料。
【請求項9】
炭素材料であって、
複数の炭素凝集体を含み、各炭素凝集体が、複数の炭素ナノ粒子を含み、各炭素ナノ粒子が、グラフェン及び多層球状フラーレンを含み、シード粒子を含まず、
前記グラフェンが最大15層を含み、
前記多層球状フラーレンを含む前記炭素材料のラマンスペクトルが、532nmの入射光を使用した場合、Dモードピーク、Gモードピーク、及び1.2未満のD/G強度比を含み、
前記炭素凝集体中の炭素の、水素を除く他の元素に対する比が、99%超であり、
前記炭素凝集体のメジアン径が、1~100ミクロンであり、
前記炭素凝集体の表面積が、吸着質として窒素を用いるBrunauer-Emmett-Teller(BET)法を使用して測定したときに少なくとも10m

/gであり、
前記炭素凝集体が、圧縮したときに500S/m超の導電率を有する、
前記炭素材料。
【請求項10】
前記D/G強度比が0.9~1.1である、請求項9に記載の炭素材料。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2017年2月9日に出願され米国特許第9,767,992号として発行された米国特許出願第15/428,474号の継続出願である、2017年8月14日に出願された米国特許出願第15/676,649号の一部継続出願である、2017年9月21日に出願された米国特許出願第15/711,620号に基づく優先権を主張する。これらの特許出願は全て、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。
続きを表示(約 4,000 文字)【背景技術】
【0002】
グラファイト及びグラフェンを含有する炭素粒子は、自動車タイヤ添加剤から潤滑剤や電子材料に及ぶ広範な用途において使用されている。このような幅広い用途におけるこれらの使用を可能にする一部の特性は、高い表面積、ならびに高い導電率及び熱伝導率である。
【0003】
天然に存在するグラフェン及びグラファイト材料は、採掘され、様々な用途で使用するために処理される。天然に存在するグラファイト及びグラフェン材料は高濃度の不純物を含有し、より純度の高い材料を得るために天然に存在するグラファイト及びグラフェンを精製するのは困難であり、コストが高い。
【0004】
種々の粗製炭化水素または精製炭化水素(例えば、メタン、エタン、プロパンなど)を熱分解またはクラッキングして、グラフェン及びフラーレンなどの高次炭素物質ならびに水素を生成することもできる。しかしながら、高次炭素物質を生成するために使用されるプロセスの一部は、金属触媒などの触媒の使用を必要とし、高次炭素物質中に不純物が存在することになる。更に、一部のプロセスでは、「シード」または「コア」を形成し、その周囲に高次炭素物質を形成することが必要である。更に、これらの熱分解またはクラッキングプロセスは、非常に小さく(例えば、直径100nm未満)、収集が困難かつ高価である粒子を生成する。
【0005】
高次炭素同素体のいくつかの例を図1A~1Dに示す。図1Aは、炭素が原子スケールの2次元六角形格子(ここで、1つの原子が各頂点を形成している)の複数の層を形成しているグラファイトの概略図を示す。グラファイトは、グラフェンの複数の単層でできている。図1Bは、湾曲して円柱になった六角形格子を炭素原子が形成しているカーボンナノチューブの概略図を示す。カーボンナノチューブは、円柱状フラーレンと呼ばれる場合もある。図1Cは、炭素原子からなる六角形格子の単層が球体を形成しているC60バックミンスターフラーレンの概略図を示す。他には、炭素原子からなる六角形格子の単層を複数含有し、60個の原子、70個の原子、または70個より多くの原子を含有し得る球状フラーレンが存在する。図1Dは、米国特許第6,599,492号による、球状フラーレンの複数の同心円層を含有するカーボンナノオニオンの概略図を示す。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
一部の実施形態では、炭素材料は、複数の炭素凝集体を含み、各炭素凝集体は、複数の炭素ナノ粒子を有し、各炭素ナノ粒子は、グラフェンを含み、シード粒子を含まない。炭素材料中のグラフェンは、最大15層を有する。炭素凝集体中の炭素の、水素を除く他の元素に対する比は、99%超である。炭素凝集体のメジアン径は、1~50ミクロンである。炭素凝集体の表面積は、吸着質として窒素を用いるBrunauer-Emmett-Teller(BET)法を使用して測定したときに少なくとも50m

/gである。
炭素凝集体は、圧縮したときに500S/m超の導電率を有する。
【0007】
一部の実施形態では、炭素材料は、複数の炭素凝集体を含み、各炭素凝集体は、複数の炭素ナノ粒子を有し、各炭素ナノ粒子は、グラフェン及び多層球状フラーレンを含み、シード粒子を含まない。炭素材料中のグラフェンは、最大15層を有する。多層球状フラーレンを含む炭素材料のラマンスペクトルは、532nmの入射光を使用した場合、Dモードピーク、Gモードピーク、及び1.2未満のD/G強度比を有する。炭素凝集体中の炭素の、水素を除く他の元素に対する比は、99%超である。炭素凝集体のメジアン径は、1~100ミクロンである。炭素凝集体の表面積は、吸着質として窒素を用いるBET法を使用して測定したときに少なくとも10m

/gである。炭素凝集体は、圧縮したときに500S/m超の導電率を有する。
【0008】
一部の実施形態では、炭素材料は、複数の炭素凝集体を含み、各炭素凝集体は、複数の炭素ナノ粒子を有し、各炭素ナノ粒子は、グラフェンと少なくとも1種の他の炭素同素体との混合物を含み、シード粒子を含まない。炭素材料中のグラフェンは、最大15層を有する。炭素凝集体中の炭素の、水素を除く他の元素に対する比は、99%超である。炭素凝集体のメジアン径は、1~100ミクロンである。炭素凝集体の表面積は、吸着質として窒素を用いるBET法を使用して測定したときに少なくとも10m

/gである。炭素凝集体は、圧縮したときに100S/m超の導電率を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
先行技術による炭素同素体の概略図である。
先行技術による炭素同素体の概略図である。
先行技術による炭素同素体の概略図である。
先行技術による炭素同素体の概略図である。
一部の実施形態による、理想的な結合した多層球状フラーレンの概略図である。
本開示の一部の実施形態による、マイクロ波ガス処理システムの簡略化した縦断面図である。
本開示の諸実施形態による、フィラメントを有するマイクロ波ガス処理システムの簡略化した縦断面図である。
本開示の諸実施形態による、炭素粒子、ナノ粒子、凝集体、及び材料を作製するための方法のフローチャートである。
一部の実施形態による、第1の実施例におけるグラファイト及びグラフェンを含有する合成したままの炭素凝集体のラマンスペクトルを示す。
一部の実施形態による、第1の実施例におけるグラファイト及びグラフェンを含有する合成したままの炭素凝集体の走査型電子顕微鏡(SEM)画像を示す。
一部の実施形態による、第1の実施例におけるグラファイト及びグラフェンを含有する合成したままの炭素凝集体の走査型電子顕微鏡(SEM)画像を示す。
一部の実施形態による、第1の実施例におけるグラファイト及びグラフェンを含有する合成したままの炭素凝集体の透過型電子顕微鏡(TEM)画像を示す。
一部の実施形態による、第1の実施例におけるグラファイト及びグラフェンを含有する合成したままの炭素凝集体の透過型電子顕微鏡(TEM)画像を示す。
一部の実施形態による、第2の実施例におけるグラファイト、グラフェン、及び多層球状フラーレンを含有する合成したままの炭素凝集体のトップダウン画像を示す。
一部の実施形態による、第2の実施例における多層球状フラーレンを含有する合成したままの炭素凝集体の、図5Aに示した位置からのラマンスペクトルを示す。
図5Aの異なる位置を強調したトップダウン画像である。
一部の実施形態による、第2の実施例におけるグラファイト及びグラフェンを含有する合成したままの炭素凝集体の、図5Cに示した位置からのラマンスペクトルを示す。
一部の実施形態による、第2の実施例におけるグラファイト、グラフェン、及び多層球状フラーレンを含有する合成したままの炭素凝集体のTEM画像を示す。
一部の実施形態による、第2の実施例におけるグラファイト、グラフェン、及び多層球状フラーレンを含有する合成したままの炭素凝集体のTEM画像を示す。
一部の実施形態による、第2の実施例におけるグラファイト、グラフェン、及び多層球状フラーレンを含有する合成したままの炭素凝集体のTEM画像を示す。
一部の実施形態による、第2の実施例におけるグラファイト、グラフェン、及び多層球状フラーレンを含有する合成したままの炭素凝集体のTEM画像を示す。
一部の実施形態による、第2の実施例におけるグラファイト、グラフェン、及び多層球状フラーレンを含有する合成したままの炭素凝集体のTEM画像を示す。
一部の実施形態による、第2の実施例におけるグラファイト、グラフェン、及び多層球状フラーレンを含有する合成したままの炭素凝集体のTEM画像を示す。
一部の実施形態による、第3の実施例におけるグラファイト、グラフェン、及び無定形炭素を含有する合成したままの炭素凝集体のラマンスペクトルを示す。
一部の実施形態による、第3の実施例におけるグラファイト、グラフェン、及び無定形炭素を含有する合成したままの炭素凝集体のラマンスペクトルを示す。
一部の実施形態による、第3の実施例におけるグラファイト、グラフェン、及び無定形炭素を含有する合成したままの炭素凝集体のTEM画像を示す。
一部の実施形態による、第3の実施例におけるグラファイト、グラフェン、及び無定形炭素を含有する合成したままの炭素凝集体のTEM画像を示す。
一部の実施形態による、第3の実施例におけるグラファイト、グラフェン、及び無定形炭素を含有する合成したままの炭素凝集体のTEM画像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、後述するように、グラファイト、グラフェン、フラーレン、無定形炭素、及びそれらの組み合わせをはじめとする様々な炭素同素体(すなわち、種々の形態の炭素)を含む、炭素ナノ粒子及び凝集体に関する。一部の実施形態では、炭素ナノ粒子及び凝集体は、従来のシステム及び方法を用いて達成される、秩序度がより低く、かつ純度がより低い粒子とは対照的に、高い秩序度(すなわち、低い欠陥濃度)、及び/または高い純度(すなわち、低い元素不純物濃度)を特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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