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公開番号2024056646
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-23
出願番号2023174179
出願日2023-10-06
発明の名称官能化C4-5オレフィンポリマー及びそれらを含む潤滑剤組成物
出願人インフィニューム インターナショナル リミテッド
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C10M 149/06 20060101AFI20240416BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】燃費が向上し、耐久性及び摩耗防止を維持し、煤煙誘導粘度増加を防止する潤滑油を提供する。
【解決手段】官能化ポリマー及びそれらを含む組成物であって、官能化ポリマーは、i)2未満のMw/Mn、ii)3.5以下(GPC-PS)の官能価分布(Fd)値、及びiii)10,000g/mol以上(GPC-PS)の官能化前のポリマーのMnを有し、ただし、官能化前のポリマーがイソプレン及びブタジエンのコポリマーである場合は、コポリマーのMnは25,000g/mol(GPC-PS)よりも大きい、C4-5オレフィンを含むアミド、イミド、及び/又はエステル官能化部分的又は完全飽和ポリマーを含む、官能化ポリマー及びそれらを含む組成物に関する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】

4-5
オレフィンを含むアミド、イミド、及び/又はエステル官能化部分的又は完全飽和ポリマーであって、
i)2未満のMw/Mn、
ii)3.5以下の官能価分布(Fd)値、及び
iii)10,000g/mol以上(GPC-PS)の官能化前の前記ポリマーのMn
を有し、ただし、官能化前のポリマーがイソプレン及びブタジエンのコポリマーである場合は、コポリマーのMnは25,000g/mol(GPC-PS)よりも大きい、アミド、イミド、及び/又はエステル官能化部分的又は完全飽和ポリマー。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
少なくとも約50%の、モノマーの1,4-挿入を含む、請求項1に記載の官能化ポリマー。
【請求項3】
官能化前の前記ポリマーは、25,000g/mol以上(GPC-PS)又は30,000g/mol以上(GPC-PS)のMnを有する、請求項1に記載の官能化ポリマー。
【請求項4】
官能化前の前記ポリマーは、少なくとも90mol%のイソプレンリピート単位を含むか、又はホモ-ポリイソプレンである、請求項1に記載の官能化ポリマー。
【請求項5】
前記ポリマーは、官能化前に部分的に又は完全に水素化されている、請求項1に記載の官能化ポリマー。
【請求項6】
30,000~100,000g/mol(GPC-PS)のMnを有し、1つ又は複数のペンダントアミン基を含み、官能化前に、少なくとも約50%、例えば少なくとも約60%の1,4-挿入を有する部分的又は完全飽和ホモポリイソプレンを含む、請求項1に記載の官能化ポリマー。
【請求項7】
官能化前の前記ポリマーがホモポリイソブチレンである場合、前記C
4
オレフィンポリマーは、15,000g/mol以上(GPC-PS)のMnを有し、官能化前の前記ポリマーが、イソプレン及びブタジエンのコポリマーである場合、前記コポリマーのMnは35,000Mnより大きい(GPC-PS)、請求項1に記載の官能化ポリマー。
【請求項8】
官能化前の前記ポリマーは、90mol%以上のイソプレンリピート単位又は100mol%以上のイソプレンリピート単位を含み、30,000g/mol以上(GPC-PS)のMnを有する、請求項1に記載の官能化ポリマー。
【請求項9】
官能化前の前記ポリマーは、10,000g/mol当たり1~20の平均官能価を有するホモポリイソプレンの部分的又は完全水素化ポリマーである、請求項1に記載の官能化ポリマー。
【請求項10】
a)前記ポリマーにはスチレンリピート単位が存在せず、及び/又は
b)前記ポリマーにはブタジエンリピート単位が存在せず、及び/又は
c)前記ポリマーはホモポリイソブチレンではなく、及び/又は
d)前記ポリマーはイソプレン及びブタジエンのコポリマーではない、
請求項1に記載の官能化ポリマー。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンクランクケース応用、特に圧縮点火式エンジン応用において良好な分散性を有する潤滑剤組成物中の添加剤としての、アミド、イミド、及び/又はエステル官能基を有する、共役ジエンポリマー等のC
4-5
オレフィンポリマーの使用に関する。
続きを表示(約 5,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、燃費を重視する傾向が高まっている。車両の燃費を向上させる1つの手法は、耐久性及び摩耗保護のための良好な膜厚を維持しつつ、また煤煙誘導性粘度増加を防止しつつ、摩擦を低減する新しい潤滑油を設計することである。燃費を向上させる試みにおいて、相手先商標製品製造業者(OEM)による低粘度グレードの使用及び要求がますます広まりつつある。こうした低減粘度グレードを有するエンジン及び/又はドライブトレイントランスミッション油を提供するための課題の1つは、清澄性を維持することである。そのような油は、所望の燃費利益を提供しつつ、スラッジを低減し、良好な煤煙取扱いを提供し、摩耗保護を提供することができなければならない。こうした目標は、低レベルの硫酸灰分及びリン、並びにシール適合性(seal compatibility)を確保しつつ達成されるべきである。こうした要件を満たす低粘度グレードの新しいエンジン油を提供する必要性が存在する。
基油は、典型的には、粘度指数向上剤(VII)及び/又は分散剤等の添加剤を添加することにより改質される。VIIは、温度による潤滑剤の粘度変化の程度を低減するために使用することができ、エンジン及びトランスミッション潤滑剤を配合するために使用されることが多い。一般的なVIIとしては、典型的には、エチレン-プロピレンコポリマー、ポリメタクリレート、水素化スチレン-ブタジエンコポリマー、ポリイソブチレン等から誘導することができるポリマー物質が挙げられる。
【0003】
エンジン作動中に、煤煙等の油不溶性酸化副産物が生成される。分散剤は、こうした副産物の懸濁又は溶液中保持を維持することを支援し、したがって金属表面への副産物の堆積を軽減する。一般的な分散剤としては、(ポリ)アルケニルコハク酸誘導体、例えばヒドロカルビル置換無水コハク酸、例えばポリイソブチレン無水コハク酸(PIBSA)、及びヒドロカルビル置換コハク酸イミド、例えばポリイソブチレンコハク酸イミド(PIBSA-PAM)、例えばマレイン化ポリイソブチレンとN-フェニル-p-フェニレンジアミンとの反応から誘導されるもの等が挙げられる。有用な分散剤としては、コハク酸イミド、ヒドロキシエチルイミド、コハク酸エステル/アミド、及びオキサゾリン等の官能基を含むようにエン反応により修飾されているポリイソブテンが挙げられる。他の分散剤としては、ポリブテン、エチレンプロピレンポリマー、及びアクリルポリマーのマンニッヒ塩基誘導体が挙げられる。
他の分散剤は、マレイン化ポリアルファ-オレフィン(エチレン-プロピレンコポリマー等)とポリアミンとの反応から誘導される。米国特許第6,107,257号明細書は、多官能性オレフィンコポリマー粘度指数向上剤を含む、潤滑油組成物用の添加剤に関する。無水マレイン酸を、溶媒の存在下でエチレン-プロピレンコポリマー骨格と反応させるか又はグラフトし、次いでグラフトされたコポリマーを、界面活性剤の存在下でN-アリールフェニレンジアミン等のポリアミンと反応させて、多官能性オレフィンコポリマー粘度指数向上剤を提供する。同様に、米国特許第6,107,258号明細書は、C
3
~C
23
アルファオレフィンのアシル化、次いでアミノ化されたコポリマーから誘導される多官能性燃料及び潤滑油添加剤に関する。
【0004】
更に他の分散剤は、スチレン系コポリマーから誘導される。米国特許第6,248,702号明細書には、分散剤物質を形成するためにアミノプロピルモルホリンと反応させたマレイン化選択的水素化スチレン系ブロックコポリマー(Mn10,000、実施例1)が開示されている。
更に他の分散剤は、イソプレン及びブタジエンのブロックコポリマー等、2つの異なる共役ジエンのコポリマーから誘導される。米国特許第5,780,540号明細書には、自動車添加剤パッケージにおける官能化選択的水素化イソプレンブタジエンジブロックコポリマーが開示されている。実施例には、N-フェニル-1,4-フェニレンジアミンをポリエチレングリコールモノアルコール、4-(3-アミノプロピルモルホリン)、及び/又は3-ジブチルアミノプロピルアミンと組み合わせて使用して、マレイン化10,000Mn及び/又は20,000Mnイソプレン-ブタジエンコポリマーを官能化することが示されている。実施例1及び2には、2,2’ジピリジルを用いてIBコポリマーを製作すると、高1,4挿入を有する可能性がより低くなることが示されている。
【0005】
同様に、米国特許第6,319,881号明細書には、自動車添加剤パッケージにおける官能化選択的水素化イソプレンブタジエンジブロックコポリマーが開示されている。実施例IVには、アミノプロピルモルホリンと反応してモルホリノプロピルコハク酸イミド付加物を形成するマレイン化選択的水素化イソプレンブタジエンジブロックコポリマー(Mn15,000)が示されており、それは次いで添加剤パッケージに分散剤として使用されている(実施例V)。
米国特許第5,073,600号明細書は、典型的には500,000~約3,000,000のMnを有する、共役ジオレフィンのコポリマーを官能化(例えば、マレイン化、次いでアミノ化)するための反応押出法に関する。実施例には、反応押出機で無水マレイン酸及びジエチルアミノプロピルアミンと反応させた、平均で15個のアーム(1アーム当たり35,000Mn)を有する水素化ホモ-ポリイソプレンの水素化「低」分子量星形ポリマーが示されている。
【0006】
厳しい摩耗試験に合格しつつ、摩耗及び燃費の向上をももたらす、代替的な又は向上したエンジン/トランスミッション油組成物を提供する必要性が依然として存在する。本開示は、磨耗を低減するだけでなく、許容可能な煤煙取扱い及び/又はエンジン/トランスミッション清澄性を有する、グラフト化多官能性オレフィンコポリマーを含むエンジン油組成物を提供する。更に、本開示は、水素化及び官能化されている、1つ又は複数の共役ジエンの狭い分子量分布ポリマーを含む分散剤粘度指数向上剤を提供することによりこうした必要性に対処する。分散剤は、2つの異なる共役ジエンのコポリマー又は共役ジエンのホモポリマーを含む組成物を含む。ポリマーを選択的に水素化して、分子量分布が高度に制御されたポリマーを生成し、均一な官能基化を可能にする。また、本開示の分散剤により分散性及び/又は粘度特性が改質された、鉱物油、石油化学油、及び合成油等の潤滑剤流体が提供される。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、C
4

5
オレフィンを含むアミド、イミド、及び/又はエステル官能化部分的又は完全飽和ポリマーであって、
i)2未満のMw/Mn、
ii)3.5以下(下記の実験セクションに記載のGPC-PS)の官能価分布(Fd)値、及び
iii)10,000g/mol以上(GPC-PS)の官能化前のポリマーのMn
を有し、ただし、官能化前のポリマーがイソプレン及びブタジエンのコポリマーである場合は、コポリマーのMnは25,000g/mol(GPC-PS)よりも大きい、アミド、イミド、及び/又はエステル官能化部分的又は完全飽和ポリマーに関する。
【0008】
本開示は、2未満のMw/Mn(Mw及びMnは、ポリスチレン標準物質を使用してGPCにより決定される。「GPC-PS」)及び3.5以下(GPC-PS)の官能価分布(Fd)値を有する、C
4-5
オレフィンを含むアミド、イミド、及び/又はエステル官能化部分的又は完全飽和ポリマーであって、官能化前のポリマーは、30,000g/mol以上(GPC-PS)のMn[30,000~100,000g/mol(GPC-PS)のMnを有し、1つ又は複数のペンダントアミン基を含む部分的又は完全飽和ホモ-ポリイソプレン等]、及び少なくとも約50%の1,4-挿入(
1
H NMR)を有する、アミド、イミド、及び/又はエステル官能化部分的又は完全飽和ポリマーにも関する。
本開示は、2未満(GPC-PS)のMw/Mn、3.5以下(GPC-PS)の官能価分布(Fd)値を有するC
4-5
オレフィンを含む(又は本質的にからなるか又はからなる)アミド、イミド、及び/又はエステル官能化水素化/飽和ポリマーであって、官能化前のポリマーが、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、又はそれらのコポリマー(好ましくは、ポリイソブチレン又はポリブタジエン及びブタジエンのコポリマー)等のC
4
オレフィンポリマーである場合、C
4
オレフィンポリマーは、10,000g/mol以上(GPC-PS)のMnを有し、官能化前のポリマーが、イソプレン及びブタジエンのコポリマー等のC
4
/C
5
オレフィンコポリマーである場合、コポリマーのMnは25,000Mn(GPC-PS)よりも大きい、アミド、イミド、及び/又はエステル官能化水素化/飽和ポリマーにも関する。
本開示は、90mol%以上のイソプレンリピート単位を含み、2未満のMw/Mn、3.5以下(GPC-PS)の官能価分布(Fd)値を有する、アミド、イミド、及び/又はエステル官能化水素化/飽和ポリマーであって、官能化前のポリマーは、30,000g/mol以上(GPC-PS)のMnを有する、アミド、イミド、及び/又はエステル官能化水素化/飽和ポリマーにも関する。
【0009】
本開示は、2未満のMw/Mn、3.5以下(GPC-PS)の官能価分布(Fd)値を有するイソプレンのアミド、イミド、及び/又はエステル官能化水素化/飽和イソプレンホモポリマーであって、官能化前のポリマーは、30,000g/mol以上(GPC-PSにより決定して)のMnを有する、アミド、イミド、及び/又はエステル官能化水素化/飽和イソプレンホモポリマーにも関する。
任意選択で、官能化水素化/飽和ポリマーは、下記の実験セクションに記載のようにGPC-PSにより決定して、1.4~20FGグラフト/ポリマー鎖、例えば1.4~15FGグラフト/ポリマー鎖、例えば3~12.5FGグラフト/ポリマー鎖、例えば4~10FGグラフト/ポリマー鎖の平均官能価を有する。
任意選択で、官能化水素化/飽和ポリマーにはスチレンリピート単位が存在しなくてもよい。
任意選択で、官能化水素化/飽和ポリマーにはブタジエンリピート単位が存在しなくてもよい。
任意選択で、官能化水素化/飽和ポリマーは、ホモポリイソブチレンでなくてもよい。
任意選択で、官能化水素化/飽和ポリマーは、イソプレン及びブタジエンのコポリマーでなくてもよい。
【0010】
本開示は、2未満のMw/Mnを有するC
4-5
共役ジエンの完全又は部分的(例えば、少なくとも90%飽和)水素化ポリマーを、マレイン酸又は無水マレイン酸等のアシル化剤と反応させ、その後アシル化ポリマーをアミン(ポリアミン又はモノアミン等)と反応させて、イミド、アミド、又はそれらの組合せを形成することにより得られる、本明細書に記載の1つ又は複数のC
4-5
共役ジエンのアミド、イミド、及び/又はエステル官能化水素化ポリマーに関する。
本開示は、1つ又は複数のペンダントアミン基を含み、少なくとも部分的に(例えば、少なくとも90%、好ましくは完全に)水素化されたC
4-5
オレフィンポリマーを、マレイン酸若しくは無水マレイン酸等のアシル化剤と混合し、その後アシル化ポリマーをポリアミンと反応させて、イミド、アミド、又はそれらの組合せを形成することを含むか又はから得られるポリマーに関する。
本開示は、本明細書に記載の官能化水素化/飽和ポリマーを含むか又は混合することから得られる潤滑油組成物及び添加剤/成分濃縮物にも関する。
本開示は、本明細書に記載の官能化水素化/飽和ポリマー、並びに少なくとも40質量%の炭化水素ベースストック油、例えばグループI、II、及び/又はIIIの油、例えばグループIIの油を含むか又は混合することから得られる潤滑油組成物にも関する。
(【0011】以降は省略されています)

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