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公開番号2024054730
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-17
出願番号2022161151
出願日2022-10-05
発明の名称航空燃料油および航空燃料油用基材
出願人コスモ石油株式会社
代理人弁理士法人あしたば国際特許事務所
主分類C10L 1/04 20060101AFI20240410BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】イソパラフィン系基材を主たる基材として含む場合においても、析出点が低く低温流動性に優れるとともに特に潤滑性および酸化安定性に優れた航空燃料油を提供する。
【解決手段】硫黄分、イソパラフィン、n-パラフィン、芳香族分を各々特定量含有するとともに、15℃における密度および蒸留範囲が各々特定範囲内にあるイソパラフィン系基材と、硫黄分を特定量含有し、15℃における密度および蒸留範囲が各々特定範囲内にある水素化脱硫灯油基材と、原油を常圧蒸留して得られる、硫黄分を特定量含有し、15℃における密度および蒸留範囲が各々特定範囲内にある直留灯油基材と、特定の原料油の水素化処理油から得られる、硫黄分を特定量含有し、15℃における密度および蒸留範囲が各々特定範囲内にある高圧水素化処理基材とが各々特定範囲内になるように含有し、30℃における動粘度が一定値以上で、メルカプタン硫黄分含有量が所定値以下であることを特徴とする航空燃料油である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
硫黄分含有量が10質量ppm未満、イソパラフィン含有量が85.0容量%以上、n-パラフィン含有量が7.0質量%以下、芳香族分含有量が0.5容量%以下であり、15℃における密度が0.7300~0.8000g/cm

、蒸留範囲が140.0℃~300.0℃であるイソパラフィン系基材を30.0容量%~50.0容量%含有するとともに、
硫黄分含有量が10質量ppm未満、15℃における密度が0.7600~0.8200g/cm

、蒸留範囲が135.0℃~290.0℃である水素化脱硫灯油基材を10.0容量%~25.0容量%、
硫黄分含有量が10質量ppm以上、15℃における密度が0.7600~0.8200g/cm

、蒸留範囲が120.0℃~290.0℃である直留灯油基材を5.0容量%~20.0容量%、
90容量%留出温度が320.0~360.0℃で、芳香族炭化水素を37.0~65.0質量%含む原料油の水素分圧10~18MPaによる水素化処理油から得られる、硫黄分含有量が10質量ppm未満、15℃における密度が0.7900~0.8600g/cm

、蒸留範囲が140.0℃~320.0℃である高圧水素化処理基材を25.0容量%~40.0容量%含有し、
30℃における動粘度が1.450mm

/秒以上、メルカプタン硫黄分含有量が30質量ppm以下であることを特徴とする航空燃料油。
続きを表示(約 580 文字)【請求項2】
下記式(I)
2.5×アルキルベンゼン含有量(容量%)-5.2×ナフテンベンゼン含有量(容量%) (I)
により算出される安定性指標が0.00より大きい請求項1に記載の航空燃料油。
【請求項3】
硫黄分含有量が10質量ppm未満、15℃における密度が0.7600~0.8200g/cm

、蒸留範囲が135.0℃~290.0℃である水素化脱硫灯油基材14.3容量%~45.5容量%と、
硫黄分含有量が10質量ppm以上、15℃における密度が0.7600~0.8200g/cm

、蒸留範囲が120.0℃~290.0℃である直留灯油基材7.1容量%~36.4容量%と、
90容量%留出温度が320.0~360.0℃で、芳香族炭化水素を37.0~65.0質量%含む原料油の水素分圧10~18MPaによる水素化処理油から得られる、硫黄分含有量が10質量ppm未満、15℃における密度が0.7900~0.8600g/cm

、蒸留範囲が140.0℃~320.0℃である高圧水素化処理基材35.7容量%~72.7容量%との混合物からなり、
メルカプタン硫黄分含有量が55質量ppm以下である
ことを特徴とする航空燃料油用基材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、航空燃料油および航空燃料油用基材に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
航空燃料油(「航空タービン燃料油」とも称する場合がある。)は、航空機用タービンエンジンに用いられる燃料油であって、航空機の主翼中に貯蔵され、エンジンへの供給に際し、エンジンからの排熱と熱交換することにより燃焼効率を上げると共に、エンジン冷却の役割をも担っている。
【0003】
航空燃料油を構成する燃料油基材としては、通常、原油を常圧蒸留して得られる灯油留分(直留灯油)を水素化脱硫した灯油基材(水素化脱硫灯油基材)が主に用いられている。
【0004】
一方、近年、持続可能な航空燃料油(SAF(Sustainable aviation fuel)または再生可能代替航空燃料油として、化石燃料に代えて、生物由来の有機性資源(バイオマス)を原料とし、発酵、搾油、熱分解処理等して製造された基材を含有する再生可能原料を用いた航空燃料油が注目されるようになっている。
【0005】
例えば、特許文献1(特開2014-159597号公報)には、C
1+

1+
炭化水素を含む水溶性酸素化炭化水素を準備する段階と、前記酸素化炭化水素を脱酸素触媒の存在下にて接触反応させ、C
1+

1-3
炭化水素を含む酸素化物を生成する段階と;前記酸素化物を縮合触媒の存在下に縮合温度及び縮合圧力にて接触反応させ、C
4+
化合物を生成する段階とを施した上で、さらに蒸留処理して得られた留分を構成基材とする、航空燃料油等が提案されている。
【0006】
また、バイオマスを原料とする航空燃料油として、例えば、木質バイオマスをガス化炉に投入してH

とCOを主成分とする合成ガス(Syngass)を得た後、フィッシャー・トロプシュ反応(FT反応)によって炭化水素を合成し、さらに水素を添加し異性化反応を行って航空燃料油の構成基材を生成する方法が提案されるようになっている。
【0007】
さらに、廃食油や藻類中の油脂や、一般的な動植物油から得られる油脂を原料として合成された、パラフィン類を主成分として含む航空燃料油の構成基材(HEFA-SPK(Hydroprocessed Esters and Fatty Acids Synthetic Paraffinic Kerosene))も知られるようになっている。
例えば、上記藻類や、ジャトロファ、カメリナ等の植物の種子から得られる油脂に対して脱酸素化処理および水素化処理を施すことにより、パラフィンを主成分とする航空燃料油の構成基材とする方法や、廃食油や一般的な油脂脂に由来するさまざまな脂質を水素化処理し、不純物を除去した後、得られたパラフィン分を異性化し、適宜分留処理してイソパラフィンを主成分とする航空燃料油の構成基材とする方法等を挙げることができる。
【0008】
加えて、バイオマスを発酵させて産生したエタノールやブタノール等のいわゆるバイオアルコールを原料として合成された、分岐鎖状飽和炭化水素(イソパラフィン)を主成分として含む航空燃料油の構成基材(ATJ-SPK (Alcohol to Jet Synthetic Paraffinic Kerosene))も知られるようになっている。
例えば、発酵法により産生されたエタノールやイソブタノールを脱水反応によりエチレンやイソブテンとした後、これを重合してオリゴマー化することにより、分岐鎖状飽和炭化水素(イソパラフィン)を主成分とする航空燃料油の構成基材とする方法が知られるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2014-159597号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
再生可能原料を用いた航空燃料油の構成基材の中でも、合成反応や異性化反応を伴う生産方法を経て得られたものは、分岐鎖状飽和炭化水素(イソパラフィン)が組成の大部分を占め、ワックス分を生成し易い直鎖状飽和炭化水素(n-パラフィン)の含有量が少なく、また、芳香族分(芳香族炭化水素化合物)もほとんど含有していない。
このようなイソパラフィン系基材の製造方法としては、上記再生可能原料を用いる方法以外にも、石油精製工程から得られるイソブテン等から合成する方法も挙げることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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