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公開番号2024056292
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-23
出願番号2022163073
出願日2022-10-11
発明の名称診断補助情報提供システム、診断補助装置、症状指標提供装置および症状指標提供プログラム
出願人国立大学法人大阪大学,PGV株式会社
代理人個人,個人
主分類A61B 5/374 20210101AFI20240416BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】更年期女性の血管運動神経症状またはうつ症状に関する症状指標の提供をするための症状指標提供装置を提供する。
【解決手段】脳波計10により取得された被検者の睡眠期間についての経時的な脳波データに基づいて、症状指標提供装置3000の睡眠ステージ予測部3110は、被検者の睡眠状態が、複数の睡眠ステージのいずれに該当するかを所定の時間間隔で経時的に判定する。うつ症状予測部3240および更年期症状予測部3250は、経時的な睡眠ステージのデータがスムージング処理され、周波数成分に変換された後に、この周波数成分を入力として、機械学習により生成された学習済みモデルにより症状指標を出力する。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
被検者の更年期症状に対する診断補助情報を提供するための診断補助情報提供システムであって、
被検者からの脳波信号を取得するための脳波センサーと、
前記脳波センサーからの脳波信号に基づく前記被検者の睡眠期間についての経時的な脳波データを記憶する記憶手段と、
前記経時的な脳波データを入力として、前記被検者の睡眠状態が、複数の睡眠ステージのいずれに該当するかを所定の時間間隔で経時的に判定する睡眠段階判定手段と、
経時的な前記睡眠ステージの判定結果を受けて、時間的なスムージング処理を実施するスムージング処理手段と、
前記スムージング処理手段の出力を受けて、周波数成分に変換するための周波数変換手段と、
前記被検者からの脳波信号に基づいて、前記被検者に対する診断補助情報を出力する症状予測手段とを備え、
前記症状予測手段は、複数の学習対象者について計測された脳波データの周波数成分と対応する更年期症状の臨床上の指標とを学習データとして、予め機械学習により生成され、前記被験者からの脳波データについて前記周波数変換手段により変換された周波数成分を入力として前記診断補助情報を出力する第1の学習済みモデルを含む、診断補助情報提供システム。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
前記スムージング処理は、移動三角平均処理である、請求項1記載の診断補助情報提供システム。
【請求項3】
前記症状予測手段は、複数の学習対象者について計測された脳波データの周波数成分と対応するうつ症状の臨床上の指標とを学習データとして、予め機械学習により生成され、前記被験者からの脳波データについて前記周波数変換手段により変換された周波数成分を入力として前記診断補助情報を出力する第2の学習済みモデルを含む、請求項1または2記載の診断補助情報提供システム。
【請求項4】
前記睡眠段階判定手段は、
前記脳波センサーにおいて前記被検者の頭部の異なる位置に配置された電極からの複数チャネルの前記脳波データを入力として受け、前記脳波データに対する特徴量を抽出するための、それぞれ異なるフィルタサイズを有する第1および第2の畳み込みニューラルネットワークと、
前記第1および第2の畳み込みニューラルネットワークの出力を入力として受けて、前記睡眠ステージを出力する双方向再帰型ニューラルネットワークとを含む、請求項3記載の診断補助情報提供システム。
【請求項5】
脳波センサーにより取得された被検者の睡眠期間についての経時的な脳波データに基づいて、前記被検者の更年期症状に対する診断補助情報を提供するための診断補助装置であって、
前記脳波センサーにより取得された前記脳波データを受信して、前記経時的な脳波データを入力として、前記被検者の睡眠状態が、複数の睡眠ステージのいずれに該当するかを所定の時間間隔で経時的に判定する睡眠段階判定手段と、
経時的な前記睡眠ステージの判定結果を受けて、時間的なスムージング処理を実施するスムージング処理手段と、
前記スムージング処理手段の出力を受けて、周波数成分に変換するための周波数変換手段と、
前記被検者からの脳波信号に基づいて、前記被検者に対する診断補助情報を返信する症状予測手段とを備え、
前記症状予測手段は、複数の学習対象者について計測された脳波データの周波数成分と対応する更年期症状の臨床上の指標とを学習データとして、予め機械学習により生成され、前記被験者からの脳波データについて前記周波数変換手段により変換された周波数成分を入力として前記診断補助情報を出力する第1の学習済みモデルを含む、診断補助装置。
【請求項6】
前記スムージング処理は、移動三角平均処理である、請求項5記載の診断補助装置。
【請求項7】
前記症状予測手段は、複数の学習対象者について計測された脳波データの周波数成分と対応するうつ症状の臨床上の指標とを学習データとして、予め機械学習により生成され、前記被験者からの脳波データについて前記周波数変換手段により変換された周波数成分を入力として前記診断補助情報を出力する第2の学習済みモデルを含む、請求項5または6記載の診断補助装置。
【請求項8】
脳波センサーにより取得された被検者の睡眠期間についての経時的な脳波データに基づいて、前記被検者の更年期症状に対する症状指標を提供するための症状指標提供装置であって、
前記脳波センサーにより取得された前記脳波データを受信して、前記経時的な脳波データを入力として、前記被検者の睡眠状態が、複数の睡眠ステージのいずれに該当するかを所定の時間間隔で経時的に判定する睡眠段階判定手段と、
経時的な前記睡眠ステージの判定結果を受けて、時間的なスムージング処理を実施するスムージング処理手段と、
前記スムージング処理手段の出力を受けて、周波数成分に変換するための周波数変換手段と、
前記被検者からの脳波信号に基づいて、前記被検者に対する症状指標を出力する症状予測手段とを備え、
前記症状予測手段は、複数の学習対象者について計測された脳波データの周波数成分と対応する更年期症状の臨床上の指標とを学習データとして、予め機械学習により生成され、前記被験者からの脳波データについて前記周波数変換手段により変換された周波数成分を入力として前記症状指標を出力する第1の学習済みモデルを含む、症状指標提供装置。
【請求項9】
前記スムージング処理は、移動三角平均処理である、請求項5記載の症状指標提供装置。
【請求項10】
前記症状予測手段は、複数の学習対象者について計測された脳波データの周波数成分と対応するうつ症状の臨床上の指標とを学習データとして、予め機械学習により生成され、前記被験者からの脳波データについて前記周波数変換手段により変換された周波数成分を入力として前記症状指標を出力する第2の学習済みモデルを含む、請求項8または9記載の症状指標提供装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、更年期女性の血管運動神経症状とうつ症状の鑑別を補助する診断補助装置および診断補助情報提供システム、更年期症状に関する症状指標の提供をするための症状指標提供装置および症状指標提供プログラムに関する。
続きを表示(約 1,000 文字)【背景技術】
【0002】
「更年期」とは、女性の閉経前後の5年間のことをいい、日本人では、平均として、45~55歳くらいの期間をいう。
【0003】
ここで、「閉経」とは、卵巣の活動性が次第に消失し、ついに月経が永久に停止した状態をいう。月経が来ない状態が12か月以上続いた時に、1年前を振り返って閉経としている。日本人の平均閉経年齢は約50歳であるものの、個人差が大きく、早い人では40歳台前半、遅い人では50歳台後半に閉経を迎えるとされている(非特許文献1を参照)。
【0004】
上述の通り、閉経前の5年間と閉経後の5年間とを併せた10年間を「更年期」といい、またその更年期に現れる症状の中で器質的変化に起因しない症状を「更年期症状」と呼び、これらの症状の中で日常生活に支障をきたす病態が「更年期障害」と定義されている。
【0005】
更年期障害の主な原因は、女性ホルモン(エストロゲン)が大きくゆらぎながら低下していくこと(内分泌因子)だとされ、その上に加齢などの身体的因子、成育歴や性格などの心理的因子、職場や家庭における人間関係などの社会的因子が複合的に関与することで発症すると考えられている。
【0006】
ここで、更年期女性の社会・心理的な背景としては、i)成長した子供の自立(就職・結婚)、ii)夫との死別・定年退職、iii)夫婦間・子供との葛藤、iv)社会や家族からの疎外感・孤独感、v)近親者・友人の喪失体験、vi)老化による容姿・容貌の変化などがあげられる(非特許文献2を参照)。
【0007】
この結果、明確な原因がないのに心身の不調を感じる状態を、「不定愁訴」と呼ぶ。
【0008】
更年期症状は多岐に渡り、のぼせや発汗などの血管運動神経症状、不眠や不安感、抑うつ気分などの精神症状、頭痛や腰痛、関節痛、皮膚の乾燥感などの身体症状に分けられる。
【0009】
統計によれば、更年期世代の約55%が更年期症状に悩んでおり、更年期前の世代の約30%は、更年期のような症状を自覚し、自分は更年期だと思っているとの報告もある(非特許文献3を参照)。
【0010】
そして、血管運動神経症状(汗をかきやすい、顔や手足が冷えやすい、顔がほてる)だけではなく、神経症状(怒りやすい、イライラする、寝付きが悪い、眠りが浅い、くよくよする、憂うつになる)も目立つのが、日本人の特徴である。
(【0011】以降は省略されています)

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