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公開番号2024002337
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-01-11
出願番号2022101457
出願日2022-06-23
発明の名称結晶粒粗大化防止鋼
出願人大同特殊鋼株式会社
代理人個人
主分類C22C 38/00 20060101AFI20231228BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】結晶粒の粗大化が防止された肌焼鋼を提供する。
【解決手段】肌焼鋼は、質量%で、0.10%以上0.35%以下の銅(C)、0%より大きく2.0%以下のケイ素(Si)、0.4%以上2.0%以下のマンガン(Mn)、0.03%未満のリン(P)、0.05%未満の硫黄(S)、0%より大きく2.0%以下のクロム(Cr)、0.1%以上2.0%以下のアルミニウム(Al)、0.02%以上1.00%以下の銅(Cu)、0.001%以上0.100%以下の窒素(N)を含み、残部がFe及び不可避的不純物である化学組成を有し、Nの質量含有率に対するAlの質量含有率の比であるAl/Nの値が30より大きい。
【選択図】図2


特許請求の範囲【請求項1】
質量%で、
C:0.10%以上0.35%以下、
Si:0%より大きく2.0%以下、
Mn:0.4%以上2.0%以下、
P:0.03%未満、
S:0.05%未満、
Cr:0%より大きく2.0%以下、
Al:0.1%以上2.0%以下、
Cu:0.02%以上1.00%以下、
N:0.001%以上0.100%以下、
を含み、残部がFe及び不可避的不純物である化学組成を有し、
Nの質量含有率に対するAlの質量含有率の比であるAl/Nの値が30より大きい、肌焼鋼。
続きを表示(約 510 文字)【請求項2】
質量%で、
Ni:0.01%以上2.00%以下、
をさらに含む化学組成を有する、請求項1記載の肌焼鋼。
【請求項3】
質量%で、
V:0.01%以上0.50%以下、または、
Ti:0.005%以上0.200%以下、
の少なくとも1種をさらに含む化学組成を有する、請求項1記載の肌焼鋼。
【請求項4】
質量%で、
Mo:0.001%以上1.00%以下、
をさらに含む化学組成を有する、肌焼鋼。
【請求項5】
質量ppmで、
B:5ppm以上30ppm以下、
をさらに含む化学組成を有する、請求項1記載の肌焼鋼。
【請求項6】
JIS G 0551に準じた粒度判定において求められる粒度番号の最大値と最小値の差である結晶粒度差が6以下である、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の肌焼鋼。
【請求項7】
JIS Z 2274に準じた疲労試験によって求められる疲労強度が、500MPa以上である、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の肌焼鋼。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼材の浸炭処理中に結晶粒の異常粒成長が発生することを抑制できる技術に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
一般に、例えば、ギヤやシフト等の自動車部品をはじめとして、鋼材を用いて作製される機械装置の部品には、高い強度と靭性とが求められる。鋼材の強度と靭性を向上させるための技術としては浸炭処理が知られている。鋼材の製造の効率化のためには浸炭処理を高温で処理してその処理時間を短縮することが望ましい。しかしながら、浸炭処理を高温で実施すると一部の結晶粒が局所的に異常粒成長し、鋼材の疲労強度を低下させてしまう場合があった。従来から、浸炭処理を高温で実施したときの結晶粒の異常粒成長による粗大化を抑制するための様々な技術が提案されている。
【0003】
結晶粒の異常粒成長による粗大化を抑制する技術としては、例えば、鋼中に炭窒化物等の微細粒子を分散するように析出させ、その点在する析出物に囲まれた領域に存在する結晶粒の粗大化を抑制するピンニングが知られている。一般的に、ピンニングでは、窒化アルミニウム(AlN)の微細粒子を鋼中に析出させる。その他に、例えば、下記の特許文献1には、アルミニウム(Al)とニオブ(Nb)の複合組成からなる炭化物または炭窒化物の析出物によるピンニングが開示されている。また、特許文献2には、チタン(Ti)系炭窒化物の析出物によるピンニングが開示されている。
【0004】
しかしながら、上記のようなピンニング技術では、析出物の分散状態によっては、結晶粒の異常粒成長を十分に抑制できない場合もある。これに対して、例えば、下記の特許文献3では、析出物のピンニング作用によらず、浸炭処理中の粒子の異常粒成長を防止する技術が提案されている。
【0005】
特許文献3の技術では、ピンニング作用を生じさせる析出物の量を低減させ、浸炭処理中の各粒子同士の粒成長による圧力を均等に発生させることにより、一部の粒子のみが異常粒成長することを抑制している。特許文献3には、前記のような作用を得る方法として、AlとTiと窒素(N)の含有量の比率を制御することが記載されている。しかしながら、そうした比率を制御して理想通りの各粒子の成長を実現させながら、所望の鋼を製造することは、高い精度での製造条件の制御が求められるため決して容易ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平9-78184号公報
特開2007-31787号公報
特開2015-28205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記のようなピンニングなどの従来の技術とは異なる方法により、浸炭処理中の結晶粒の異常粒成長による粗大化を簡易な方法で抑制できる技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の発明者は、結晶粒の異常粒成長を防止できる肌焼鋼材の成分について鋭意研究を重ねてきた。その結果、Alの含有率とAlとNの含有率の比とを調整して鋼材中に、粗大なAlNを生成させることにより、炭窒化物粒子によるピンニング作用によらず、局所的な粒子の異常粒成長の発生を防止できるとの知見を得た。本発明の発明者は、その知見に基づいて、以下の形態に示すような、製造が容易な簡素な化学組成を有し、結晶粒の異常粒成長が防止された肌焼鋼の製造に成功した。
【0009】
本発明は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
【0010】
[第1形態]第1形態は、質量%で、0.10%以上0.35%以下の銅(C)、0%より大きく2.0%以下のケイ素(Si)、0.4%以上2.0%以下のマンガン(Mn)、0.03%未満のリン(P)、0.05%未満の硫黄(S)、0%より大きく2.0%以下のクロム(Cr)、0.1%以上2.0%以下のアルミニウム(Al)、0.02%以上1.00%以下の銅(Cu)、0.001%以上0.100%以下の窒素(N)を含み、残部が鉄(Fe)及び不可避的不純物である化学組成を有し、Nの質量含有率に対するAlの質量含有率の比であるAl/Nの値が30より大きい、結晶粒の粗大化が防止された肌焼鋼として提供される。
(【0011】以降は省略されています)

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