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公開番号2023165572
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-11-16
出願番号2022081094
出願日2022-05-17
発明の名称高品質・低コストGaN自立基板の製造方法
出願人株式会社福田結晶技術研究所
代理人個人
主分類C30B 29/38 20060101AFI20231109BHJP(結晶成長)
要約【課題】HVPE法によるGaN自立基板作製で、従来よりも、結晶品質が良く、生産性が良く、低コストであり、大口径化が可能であるGaN自立基板の製造方法を提供すること。
【解決手段】MBE装置を用いてScAlMgO4(SAM)基板上、にバッファ層無しでGaN薄膜を直接成長させたGaNテンプレートを作製し、その上にHVPE装置によりGaNを1000℃以上の温度で成長させ、冷却時に自然はく離でGaN自立基板を製造する高品質・低コストGaN自立基板の製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
MBE装置を用いてScAlMgO

(SAM)基板上、にバッファ層無しでGaN薄膜を直接成長させたGaNテンプレートを作製し、その上にHVPE装置によりGaNを1000℃以上の温度で成長させ、冷却時に自然はく離でGaN自立基板を製造する高品質・低コストGaN自立基板の製造方法。
続きを表示(約 950 文字)【請求項2】
前記MBE装置は、1枚の成長においてSAM基板に対して、基板を加熱する円形状のヒーターが1.2倍から1.5倍である請求項1記載のGaN自立基板の製造方法。
【請求項3】
前記MBE装置のヒーター径がSAM基板の1.5倍より大きいときは、基板とヒーターとの間に基板の直径に対して1.2倍から1.5倍の穴の開いている熱遮蔽板が設置されている請求項1記載のGaN自立基板の製造方法。
【請求項4】
1枚のモリブデンサセプタにSAM基板を複数枚設置して薄膜成長する場合、設置するSAM基板と同数の穴の開いた熱遮蔽版を設置する請求項1記載のGaN自立基板の製造方法。
【請求項5】
前記SAM基板は、CZ法で作製した結晶から加工して作製したもので、融液とする出発原料の組成比は、
27%≦Sc



≦28%
45%≦MgO≦46%
26%≦Al



≦28%
であり、
結晶の組成比は、
26%≦Sc



≦28%
49%≦MgO≦50%
23%≦Al



≦24%
である請求項1記載のGaN自立基板の製造方法。
【請求項6】
前記SAM基板の表面はc面±0.01°の面である請求項1記載のGaN自立基板の製造方法。
【請求項7】
前記SAM基板はc面から0.5°オフである請求項1記載のGaN自立基板の製造方法。
【請求項8】
前記SAM基板の転位密度は10

/cm

以下である請求項1記載のGaN自立基板の製造方法。
【請求項9】
前記SAM基板の表面粗さはRa<0.2以下である請求項1記載のGaN自立基板の製造方法。
【請求項10】
前記SAM基板サイズは、直径2インチ以上、厚さ300μm以上である請求項1記載のGaN自立基板の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は高品質・低コストGaN自立基板の製造方法に係る。
続きを表示(約 4,300 文字)【背景技術】
【0002】
厚膜GaNの既に報告されている代表的な成長手法である(a)アモノサーマル法、(b)Naフラックス法、および、(c)ボイド形成剥離法(AS)の特徴を図1の模式図を使って説明する。
アモノサーマル法では、1,000気圧余りの圧力を用いるため、圧力容器に関する法律(圧力x容積)による制限から大型装置を作製できない。一方、本提案のHVPEを用いる方法では、圧力容器を必要としないので、装置の大型化(大口径化、多数枚成長を可能にする)が容易である。さらに.他の成長方法に比べて成長速度が高いのも優位な点である。Naフラックス法においては、結晶の積方向成長速度が小さいため、GaNテンプレート上に形成した多数の成長核を基点に成長して大型結晶化を図っている。この場合、結晶核から成長したアイランド(島状結晶)の会合位置で多くの資通転位が入り、基板全面の高品質化が難しいと考えられる。ボイド形成剥離法では、GaNとサファイア基板との熱膨張係数差が大きいので、大口径化が困難である。本提案のScAlMgO

(以後、ここではSAMと略記する)基板を下地基板とする方法では、SAM基板の剥離性を利用してGaNと下地基板との剥離を行うので.大口径化が容易である。
現在、デバイス応用が可能なGaN基板を成長できる方法はHVPEだけである。HDPE成長には下地基板が必要であるが、GaN基板の生産に使われている下地基板はサファイア基板、GaAs基板であり、最近ではNaフラックス法によるGaN基板が下地基板として検討されている。表1に上記下地基板による優位性の比較を示す。本発明はHVPE成長したGaNと下地基板との分離性、結晶品質、大口径化、下地基板の再利用による低コスト化への期待などを比較すると、本発明のSAM基板を下地基板として活用する技術の優位性は大きいと考えられる。
【0003】
TIFF
2023165572000002.tif
50
170
【0004】
図2に、SAM基板上に山口大学で独自に開発したHVPE成長技術によりGaNを成長し、自然剥離により1mm厚で50mm径のGaN結晶を得た例を示す。サファイア基板上にGaNをHVPE成長すると、自然分離してGaN結晶が得られる時もあるが、その確率は低い。本開発期間中に解決するべき、SAM基板上にGaNをHVPE成長する技術課題は明確であり、本提案技術並びに、後述する事業化シナリオの実現性は高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2013-058741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来よりも、結晶品質が良く、生産性が良く、低コストであり、大口径化が可能であるGaN自立基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、MBE装置を用いてScAlMgO

(SAM)基板上、にバッファ層無しでGaN薄膜を直接成長させたGaNテンプレートを作製し、その上にHVPE装置によりGaNを1000℃以上の温度で成長させ、冷却時に自然はく離でGaN自立基板を製造する高品質・低コストGaN自立基板の製造方法である。
請求項2に係る発明は、 前記MBE装置は、1枚の成長においてSAM基板に対して、基板を加熱する円形状のヒーターが1.2倍から1.5倍である請求項1記載のGaN自立基板の製造方法である。
請求項3に係る発明は、前記MBE装置のヒーター径がSAM基板の1.5倍より大きいときは、基板とヒーターとの間に基板の直径に対して1.2倍から1.5倍の穴の開いている熱遮蔽板が設置されている請求項1記載のGaN自立基板の製造方法である。
請求項4に係る発明は、1枚のモリブデンサセプタにSAM基板を複数枚設置して薄膜成長する場合、設置するSAM基板と同数の穴の開いた熱遮蔽版を設置する請求項1記載のGaN自立基板の製造方法である。
請求項5に係る発明は、前記SAM基板は、CZ法で作製した結晶から加工して作製したもので、融液とする出発原料の組成比は、
27%≦Sc2O

≦28%
45%≦MgO≦46%
26%≦Al



≦28%
であり、
結晶の組成比は、
26%≦Sc2O

≦28%
49%≦MgO≦50%
23%≦Al



≦24%
である請求項1記載のGaN自立基板の製造方法である。
請求項6に係る発明は、前記SAM基板の表面はc面±0.01°の面である請求項1記載のGaN自立基板の製造方法である。
請求項7に係る発明は、前記SAM基板はc面から0.5°オフである請求項1記載のGaN自立基板の製造方法である。
請求項8に係る発明は、前記SAM基板の転位密度は103/cm3以下である請求項1記載のGaN自立基板の製造方法である。
請求項9に係る発明は、前記SAM基板の表面粗さはRa<0.2以下である請求項1記載のGaN自立基板の製造方法である。
請求項10に係る発明は、前記SAM基板サイズは、直径2インチ以上、厚さ300μm以上である請求項1記載のGaN自立基板の製造方法である。
請求項11に係る発明は、前記SAM基板は無色透明であり、赤外領域(4~5未満μm)にかけて吸収がある請求項1記載のGaN自立基板の製造方法である。
請求項12に係る発明は、前記SAM基板上にInGaN膜を形成する請求項1記載のGaN自立基板の製造方法である。
請求項13に係る発明は、前記GaNテンプレート作成時におけるGaフラックス量は3×107~8×107Torrとして、鏡面でc軸配向した六方晶のGaNを成長させる請求項1記載のGaN自立基板の製造方法である。
請求項14に係る発明は、前記GaNテンプレートにおいて、GaN膜厚は300~2μであること、又は、In0.17Ga0.83Nの膜厚が50~200μm、GaN膜厚が300~2μmである請求項1記載のGaN自立基板の製造方法である。
請求項15に係る発明は、前記GaNテンプレートの表面は、面内均一、鏡面かつ原子レベルで平坦である請求項1記載のGaN自立基板の製造方法である。
請求項16に係る発明は、前記HVPE装置は、成膜室とその外部に配置されたヒーターと、前記成膜室内に配置された内管とを有し、
前記内管は、下流側に出口を有し、内部がGa原料の収納部であるとともにHClの通路となっており、前記成膜室の内壁との間にアンモニアの通路を形成するように配置されており、
前記成膜室内には、前記出口側にGaNテンプレートを保持するための保持部材を有する請求項1記載のGaN自立基板の製造方法である。
請求項17に係る発明は、前記保持部材は、サセプタと、前記サセプタ上に置かれたGaNテンプレートの周縁を押さえるカーボンリングと、前記カーボンリングを押さえるサセプタカバーを有することを特徴とする請求項16記載のGaN自立基板の製造方法である。
請求項18に係る発明は、前記サセプタはカーボンサセプタである請求項17記載のGaN自立基板の製造方法である。
請求項19に係る発明は、前記保持部材は、複数のGaNテンプレートを保持可能であり、複数枚を同時に成膜可能である請求項18記載のGaN自立基板の製造方法である。
請求項20に係る発明は、剥離した後のSAM結晶の表面を10~20μm研磨して再利用する請求項1記載のGaN自立基板の製造方法である。
【0008】
異種基板上へのGaNエピタキシャル成長にはMOVPE法により約600℃の低温でアモルファス状又は多結晶状のバッファ層を作製し、その上に約1000℃以上の高温で約3μmのGaNを成長させGaNテンプレートを作製する。
超高真空化・低温環境下で成長可能なMBE法でバッファ層無しでGaN又は格子整合するIn0.17Ga0.83N成長させたテンプレートを作製する。
本発明のGaN結晶自立基板の製造方法は、ScAlMgO

(SAM)下地基板上にMOVPE法或し、はMBE法による高結晶性のGaN薄膜の結晶成長を行い、次いでSiO

等の誘電体のストライプ状、へキサゴナル状等のパターン形状のマスクを形成した後に、HVPE法による高速のGaN結晶成長を行うことで、クラックや破断の発生を抑制し、欠陥密度(CLで観測される暗点密度)が小さいGaNを得る。さらに、SAM基板の劈開性により厚膜GaN結品がSAM基板から容易に自然剥離し、自立GaN基板として容易に得られ、自然剥離したSAM基板は再研磨により、基板として再利用が可能である。
【0009】
尚、上記CLで観測される暗点密度は、結晶表面に表出している転位欠陥(貫通転位)を示すための指標となる物性値であり、走査型電子顕微鏡/力ソードルミネッセンス(SEMCL)装置を用いて測定される。測定時の加速電圧は5kVとし、観察範囲は20μm×20μmとする。このとき、観察範囲内に観察された暗点の数より暗点密度を算出する。
【0010】
[SAM基板]
従来はGaNの結晶成長の下地基板としてサファイア基板が使用されているが、本発明で使用する下地基板は上記SAM基板であり、(0001)面を使用する。(0001)面の劈開性に特徴がある。SAM基板のオフ角(ミス力ツト角)はGaNの結晶性を最大化するように最適化される。
該SAM基板は、通常、厚み力0.4-1mm、直径が50-300mmの円盤状のものが使用される。目的とするGaN基板の直径より約10mm径の大きいものが望ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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