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公開番号2025180813
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-11
出願番号2024088416
出願日2024-05-30
発明の名称顕微鏡
出願人キヤノン株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類G02B 21/06 20060101AFI20251204BHJP(光学)
要約【課題】 位置関係が担保された非線形光学像と定量位相像を取得可能な顕微鏡を提供すること。
【解決手段】 顕微鏡が、対象物が載置される載置部と、コヒーレント光を対象物に照射する照射光学系と、対象物からの第1の射出光から分離した信号光を検出する第1の検出光学系と、対象物に平面波光を照射する照明光学系と、平面波光により対象物から射出された第2の射出光を検出する第2の検出光学系と、コヒーレント光と第2の射出光とを走査する走査部と、を備える。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
対象物が載置される載置部と、
第1の波長を含むコヒーレント光を射出する第1の光源と光学的に結合され、前記コヒーレント光を走査する走査部と、前記走査部により走査された前記コヒーレント光を集光する第1の対物レンズと、を含み、前記走査部、前記対物レンズをこの順に介して、前記コヒーレント光を前記対象物に照射する照射光学系と、
前記載置部を挟んで前記照射光学系と反対側において前記コヒーレント光により前記対象物から射出された第1の射出光を採光する第2の対物レンズと、前記第1の射出光から信号光を分離する第1の分離部と、前記信号光を検出する第1の検出部と、を含む第1の検出光学系と、
第2の光源より放出され前記第1の波長とは異なる第2の波長を含む照明光と前記第1の射出光のうちいずれか一方を透過しいずれか他方を反射する第2の分離部を備え、前記対象物に前記照明光を照射する照明光学系と、
前記照明光により前記対象物から射出された第2の射出光と前記コヒーレント光のうちいずれか一方を透過しいずれか他方を反射する第3の分離部と、を含み、前記第1の対物レンズ、前記走査部、前記第2の分離部、をこの順に介して前記第2の射出光を検出する第2の検出部と、を備える第2の検出光学系と、を備える顕微鏡。
続きを表示(約 940 文字)【請求項2】
前記第2の対物レンズと光学的に結合する前記第2の光源をさらに備える請求項1に記載の顕微鏡。
【請求項3】
前記第1の対物レンズと光学的に結合する前記第1の光源をさらに備える請求項1または2に記載の顕微鏡。
【請求項4】
前記第1の光源は、励起光パルス列を射出する励起光源と、プローブ光パルス列を射出するプローブ光源と、前記励起光と前記プローブ光のうち一方の他方に対する時間差を調整する調整部と、前記時間差が調整された前記一方と前記他方とを合波する合波部と、を備える請求項1または2に記載の顕微鏡。
【請求項5】
前記第1の光源は、励起光パルス列を射出する励起光源を備える請求項1または2に記載の顕微鏡。
【請求項6】
前記走査部は、前記コヒーレント光の光軸と交差する方向に、前記コヒーレント光の光軸中心と前記第2の射出光の光軸中心を走査する請求項1または2に記載の顕微鏡。
【請求項7】
前記第1の検出部からの第1の検出情報、前記コヒーレント光の前記光軸中心の位置に関する情報、に基づいて、前記対象物の非線形光学像を取得する第1の画像形成部を備える請求項1または2に記載の顕微鏡。
【請求項8】
前記第2の検出部からの第2の検出情報、前記照明光の前記光軸中心の位置に関する情報、に基づいて、前記対象物の定量位相像を取得する第2の画像形成部を備える請求項7に記載の顕微鏡。
【請求項9】
前記非線形光学像と前記定量位相像との少なくともいずれかの表示態様を変更する態様変更処理、前記非線形光学像と前記定量位相像とを融合する画像融合処理、前記非線形光学像と前記定量位相像とを空間的、時間的に対比可能に表示する画像生成処理、の少なくともいずれかの処理を行う画像処理部を備える請求項8に記載の顕微鏡。
【請求項10】
前記非線形光学像は、前記対象物の分子情報の分布、ラマン散乱分光情報の分布、蛍光情報の分布、の少なくともいずれかを含み、前記定量位相像は前記対象物の形態情報を含む請求項8に記載の顕微鏡。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、顕微鏡に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
非線形光学効果を利用し、照射光の強度に対する試料の非線形応答を含む散乱光を検出するイメージング方法を顕微鏡に適用することで、試料に含まれる分子振動などの分子情報に基づいた試料の機能情報を取得することができる。顕微撮像に適用される非線形光学効果は、多光子励起蛍光、第二次高調波発生、コヒーレントアンチストークスラマン散乱、誘導ラマン散乱、などが知られている。非線形光学効果を利用する場合、照射光強度の経時的な変化が高いことが好ましい、一方で、照射光により試料の損傷を防ぐ必要がある。このため、一般に照射光は試料に対して空間的に移動し走査される。
【0003】
また、明視野観察法では視認性が低い試料として細胞がある。細胞の形態情報を得る方法として、定量位相イメージングが知られている。非特許文献1は、二次高調波光を平面波と中赤外光を非走査で照射し透過光を撮像し定量位相像による形態像とラベルフリーな中赤外光熱像による機能像とを取得する顕微鏡を開示している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
ACS Nano. 2022 Aug 23; 16(8): 11516-11544.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
細胞の分子情報および形態のイメージングを行う際、それらの画像の位置合わせができることが、イメージング情報の利用価値の観点で好ましい。非特許文献1に開示の定量位相像と中赤外光熱像を取得するマルチモーダルな顕微鏡において、定量位相像用光学系と中赤外光熱用光学系との差に起因する位置ずれに対して、2つの撮影像の位置関係がずれることが懸念された。非特許文献1に記載の顕微鏡システムによりユーザが生細胞に関して取得した形態像と機能像を取得した場合に、画像間に存在する位置ずれにより、形態上の特徴と生態機能とを把握し難いという課題につながった。本願発明は、定量位相像QPIと非線形光学像NOIとの間の位置関係が担保される顕微鏡を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態に係る顕微鏡は、対象物が載置される載置部と、第1の光源より放出され第1の波長を含むコヒーレント光を走査する走査部と、前記走査部により走査された前記コヒーレント光を集光する第1の対物レンズと、を含み、前記走査部、前記対物レンズをこの順に介して、前記コヒーレント光を前記対象物に照射する照射光学系と、
前記載置部を挟んで前記第1の光学系と反対側において前記コヒーレント光により前記対象物から射出された第1の射出光を採光する第2の対物レンズと、前記第1の射出光から信号光を分離する第1の分離部と、前記信号光を検出する第1の検出部と、を含む第1の検出光学系と、
第2の光源より放出され前記第1の波長とは異なる第2の波長を含む照明光と前記第1の射出光のうちいずれか一方を透過しいずれか他方を反射する第2の分離部を備え、前記対象物に前記照明光を照射する照明光学系と、前記照明光により前記対象物から射出された第2の射出光と前記コヒーレント光のうちいずれか一方を透過しいずれか他方を反射する第3の分離部と、を含み、前記第1の対物レンズ、前記走査部、前記第2の分離部、をこの順に介して前記第2の射出光を検出する第2の検出部と、を備える第2の検出光学系と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、定量位相像QPIと非線形光学像NOIとの間の位置関係が担保される顕微鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
第1の実施形態に係る顕微鏡100の構成を示す図である。
第1の実施形態に係る第1の光源および走査部の構成を示す図である。
第2の実施形態に係る顕微鏡300の構成を示す図である。
第2の実施形態に係る第1の光源および走査部の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1の実施形態>
本実施形態に係る顕微鏡100は、取得した誘導ラマン散乱光像と定量位相像QPIのそれぞれのボリュームデータのボクセル空間が一致した融合画像を出力することが可能なマルチモーダルな顕微鏡である。誘導ラマン散乱光像と定量位相像QPIのそれぞれのボリュームデータの位置関係が整合していることであり、互いの像空間が整合している。
【0010】
後述する誘導ラマン散乱光像を取得する照射光学系、第1の検出光学系は、他の非線形光学イメージングの光学要素に置換することが可能である。他の非線形光学イメージングの光学要素は、多光子励起蛍光、第二次高調波発生、コヒーレントアンチストークスラマン散乱、を利用する光学要素の少なくともいずれかが採用可能である。
(【0011】以降は省略されています)

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