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公開番号
2025144769
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-03
出願番号
2024044609
出願日
2024-03-21
発明の名称
電気化学単セル、セルスタック、ホットモジュール、及び、ガス製造装置
出願人
日本特殊陶業株式会社
代理人
弁理士法人プロスペック特許事務所
主分類
C25B
11/04 20210101AFI20250926BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約
【課題】 長期に亘って安定した性能を維持できる電気化学単セルを提供する。
【解決手段】 電気化学単セル10は、固体酸化物形の固体電解質層12と、固体電解質層12の表面側に積層配置された空気極14と、固体電解質層12の裏面側に積層配置された燃料極16と、固体電解質層12と燃料極16との間に積層配置された中間層20を備える。燃料極16は、サーメットから成り、中間層20は、多孔状であり、且つ、サーメットを含んでいない。
【選択図】 図4
特許請求の範囲
【請求項1】
固体電解質層と、
前記固体電解質層の表面側に積層配置された空気極と、
前記固体電解質層の裏面側に積層配置された燃料極と、
前記固体電解質層と前記燃料極との間に積層配置された中間層と、
を備え、
前記燃料極は、サーメットから成り、
前記中間層は、多孔状であり、且つ、サーメットを含んでいない、
固体酸化物形の電気化学単セル。
続きを表示(約 990 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の電気化学単セルであって、
前記中間層は、セリア、又は、希土類元素を含有するセリアを含む、
電気化学単セル。
【請求項3】
請求項2に記載の電気化学単セルであって、
前記希土類元素を含有するセリアは、ガドリニア添加セリア、イットリア添加セリア、サマリア添加セリア、又は、ランタニア添加セリアの何れかである、
電気化学単セル。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の電気化学単セルであって、
前記固体電解質層は、第1金属元素の酸化物から成るセラミックス粒子を含んでおり、
前記燃料極及び前記中間層は、それぞれ、第2金属元素の酸化物から成るセラミックス粒子を含んでいる、
電気化学単セル。
【請求項5】
請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の電気化学単セルであって、
前記中間層の気孔率は、前記燃料極の気孔率よりも大きい、
電気化学単セル。
【請求項6】
固体電解質層と、
前記固体電解質層の表面側に積層配置された空気極と、
前記固体電解質層の裏面側に積層配置された燃料極と、
前記固体電解質層と前記燃料極との間に積層配置された中間層と、
を備え、
前記燃料極は、金属粒子とセラミックス粒子とを含み、
前記中間層は、多孔状であり、且つ、セラミックス粒子を含む一方で金属粒子を含んでいない、
固体酸化物形の電気化学単セル。
【請求項7】
請求項1又は請求項6に記載の複数の電気化学単セルが積層されて成るセルスタック。
【請求項8】
請求項7に記載のセルスタックと、
前記セルスタックに供給されるガスと熱交換を行う熱交換器と、
前記セルスタックを加熱するためのヒータと、
前記セルスタック、前記熱交換器及び前記ヒータがその内部に配置される断熱材と、
を備える、
ホットモジュール。
【請求項9】
前記複数の電気化学単セルのそれぞれが電解単セルとして使用される運転モードで用いられる請求項8に記載のホットモジュールを備える、
ガス製造装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体酸化物形の電気化学単セル、セルスタック、ホットモジュール、及び、ガス製造装置に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
従来から、電解質として固体酸化物が用いられた固体酸化物形の電気化学セルが知られている。固体酸化物形の電気化学セルは、高温環境下において高効率で電気化学反応を行うことを特徴としており、固体酸化物形電解セル(SOEC:Solid Oxide Electrolysis Cell)と、固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)と、に大別される。固体酸化物形電解セルは、電気エネルギーにより燃料ガスを分解する装置である。固体酸化物形燃料電池は、複数の異なるガス同士が化合することにより電気エネルギーを発生する(即ち、発電する)装置である。以下では、前者を単に「SOEC」と称し、後者を単に「SOFC」と称する場合がある。また、「複数の異なるガス」を「化合対象ガス」と称する。
【0003】
電気化学セルは、複数の電気化学単セル(以下、「単セル」とも称する。)がスタッキングされた構造を有する。通常、単セルは、固体電解質層と、固体電解質層の表面側に積層配置された空気極と、固体電解質層の裏面側に積層配置された燃料極と、を備える。従来から、単セルの性能低下を抑制するために様々な研究開発が行われている。例えば、特許文献1には、固体電解質層と燃料極との間に中間層が設けられた単セルが記載されている。特許文献1には、この中間層の材料及び材料の結合状態を工夫することにより単セルの性能低下を抑制できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-8914号公報
【発明の概要】
【0005】
しかしながら、特許文献1の単セルでは、長期に亘って安定した性能を維持できない可能性がある。以下、具体的に説明する。
【0006】
単セルは、製造時、及び、運転開始/終了時に大幅な温度変化に晒されるため、単セルを構成する各層の熱膨張率の差に起因して各層の界面に応力が発生し、単セルに反りが生じる可能性がある。特許文献1では、固体電解質層と燃料極の還元雰囲気における膨張率の差に起因して両者の間に剥離が生じることは記載されているものの、温度変化が大きい環境における熱膨張率の差に起因する問題については何らの検討もなされていない。このため、特許文献1の技術では、製造時、及び、運転開始/終了時に単セルが大幅な温度変化に晒されることにより単セルに反りが生じ、単セルの耐久性が低下する可能性がある。
【0007】
ところで、電気化学セルの電気化学反応は、各単セルの燃料極のうち固体電解質層側の表面及びその近傍の領域で特に活発に行われる(以下、当該領域を「反応場」と称する)。電気化学セルをSOECとして運転する場合、燃料ガス(例えば、水蒸気)の電気分解により生じた第1生成ガス(例えば、水素)が反応場にて増加するため、反応場は還元雰囲気になる傾向がある。ここで、電気化学セルの使用態様によっては、第1生成ガスを短時間で大量に製造したいという要請がある。この場合、第1生成ガスの製造効率を高めるべく電気化学セルを高出力で運転すると、第1生成ガスの排出ペースが生成ペースに追いつかなくなり、反応場における第1生成ガスの濃度がその基準濃度を上回り、反応場が高還元雰囲気になる可能性がある。
【0008】
一方、電気化学セルをSOFCとして運転する場合、化合対象ガス(例えば、水素及び酸素)の化合により生じた第2生成ガス(例えば、水蒸気)が反応場にて増加するため、反応場は酸化雰囲気になる傾向がある。ここで、電気化学セルの使用態様によっては、短時間で大量に発電したいという要請がある。この場合、発電効率を高めるべく電気化学セルを高出力で運転すると、第2生成ガスの排出ペースが生成ペースに追いつかなくなり、反応場における第2生成ガスの濃度がその基準濃度を上回り、反応場が高酸化雰囲気になる可能性がある。
【0009】
このように、電気化学セルを高出力で運転することにより反応場が高還元雰囲気又は高酸化雰囲気になると、単セルの電極が劣化したり、ガスの流通が滞ったりすることにより単セルの反応効率が低下して出力が悪化(出力の低下又は不安定化)する可能性がある。出力の悪化は単セルの耐久性低下の要因となる。
【0010】
また、電気化学セルは、SOECとSOFCとを切り替えて(即ち、リバーシブルに)運転することが可能である。この場合、燃料ガスには水蒸気が用いられ、化合対象ガスには水素及び酸素が用いられる。電気化学セルを高出力で運転しながらSOECとSOFCとの切り替えを高頻度で行うと、電極が劣化する可能性がある。加えて、SOECからSOFCに切り替えた直後においては、外部から供給される水素が反応場に到達する前に、反応場に残存している水素が化合反応に消費され尽くしてしまい、これにより水素が枯渇する可能性がある。一方、SOFCからSOECに切り替えた直後においては、外部から供給される水蒸気が反応場に到達する前に、反応場に残存している水蒸気が電気分解反応に消費され尽くしてしまい、これにより水蒸気が枯渇する可能性がある。このように、反応に用いられるガスが枯渇すると電気化学セルの抵抗が高くなり、出力が不安定になる。このため、電気化学セルを高出力でリバーシブルに運転する場合は、単セルの耐久性低下の問題がより顕著になる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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