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公開番号
2025144396
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-02
出願番号
2024044147
出願日
2024-03-19
発明の名称
フェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法、焼鈍温度決定装置並びに情報処理プログラム
出願人
日本製鉄株式会社
代理人
弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
主分類
C22C
38/00 20060101AFI20250925BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】耐リジング特性および耐食性の両方に優れるフェライト系ステンレス鋼板を提供する。
【解決手段】フェライト系ステンレス鋼板は、質量%で、C:0.01~0.10%、Si:0.1~1.0%、Mn:0.1~1.0%、P:0.005~0.050%、S:0.01%以下、Cr:12.0~18.0%、N:0.01~0.10%およびAl:0.05~0.25%を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、γp値が15~30、Cr当量が17.0~19.5、表面のRaが0.1μm以下、平均結晶粒径が7μm以上、結晶粒径が8μm以下の結晶粒の占める割合が50%未満、結晶粒径が15μm以上の結晶粒の占める割合が7%以上である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
質量%で、C:0.01%以上0.10%以下、Si:0.1%以上1.0%以下、Mn:0.1%以上1.0%以下、P:0.005%以上0.050%以下、S:0.01%以下、Cr:12.0%以上18.0%以下、N:0.01%以上0.10%以下およびAl:0.05%以上0.25%以下を含有し、残部がFeおよび不純物からなるフェライト系ステンレス鋼板であって、
下記式(1)で表されるγp値が15以上30以下、下記式(2)で表されるCr当量が17.0以上19.5以下である化学組成を有し、
表面における算術平均粗さRaの値が0.1μm以下であり、
圧延方向に平行かつ前記表面でもある圧延面に垂直な断面において、
平均結晶粒径が7μm以上であり、かつ、
結晶粒径が8μm以下の第1の結晶粒の占める割合が50%未満、結晶粒径が15μm以上の第2の結晶粒の占める割合が7%以上である、フェライト系ステンレス鋼板。
γp=420C+470N+23Ni+9Cu+7Mn-11.5Cr-11.5Si-12Mo-23V-47Nb-49Ti-52Al+189・・・(1)
Cr当量=Cr+1.72Mo+2.09Si+4.86Nb+8.29V+1.77Ti+21.4Al+40B-7.14C-8.0N-3.28Ni-1.89Mn-0.51Cu・・・(2)
ここで、前記式(1)および(2)の元素記号の箇所には各元素の含有量(質量%)の値が代入され、無添加の元素については0が代入される。
続きを表示(約 2,400 文字)
【請求項2】
質量%で、C:0.030%以上0.060%以下、Si:0.15%以上0.40%以下、Mn:0.25%以上0.45%以下、P:0.035%以下、S:0.0070%以下、Cr:15.0%以上17.0%以下、N:0.01%以上0.05%以下およびAl:0.05%以上0.15%以下を含有する、請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼板。
【請求項3】
質量%で、Cu:0.01%以上0.50%以下、Ni:0.01%以上0.20%以下、Mo:0.001%以上0.100%以下、Nb:0.001%以上0.100%以下、V:0.01%以上0.15%以下、Ti:0.001%以上0.100%以下、B:0.0001%以上0.0025%以下、Sn:0.005%以上0.500%以下、Co:0.05%以上0.50%以下、W:0.05%以上1.00%以下、Sb:0.005%以上0.500%以下、Zr:0.05%以上0.50%以下、Y:0.001%以上0.100%以下、Mg:0.0001%以上0.0050%以下、Ca:0.0001%以上0.0050%以下、および、REM(希土類金属):合計で0.001%以上0.100%以下、からなる群から選択される1種または2種以上をさらに含有する、請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼板。
【請求項4】
耐力が390MPa以下であり、
JIS Z 2371に規定の中性塩水噴霧試験において前記表面に腐食が発生せず、かつ、
圧延方向に16%の引張歪みを付与したときの前記表面のリジング高さが15μm以下である、請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼板。
【請求項5】
前記断面において、マルテンサイト相の面積率が1.0%以下である、請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼板。
【請求項6】
請求項1から5の何れか1項に記載のフェライト系ステンレス鋼板の製造方法であって、
鋼スラブを熱間圧延した熱延板を、下記式(3)においてMの値が2.0以上10.0未満の範囲の熱延板焼鈍温度にて焼鈍する熱延板焼鈍工程と、
前記熱延板焼鈍工程により得られた熱延焼鈍板を冷間圧延した冷延板を、光輝焼鈍温度が800℃以上、下記式(4)により表されるAc1の値-50℃以下であり、前記光輝焼鈍温度での均熱時間が0秒以上60秒以下であり、光輝焼鈍雰囲気が、露点が-40℃以下の、水素ガスと0%以上30%以下の窒素ガスとを含む雰囲気である条件にて焼鈍する光輝焼鈍工程と、を含む、フェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
熱延板焼鈍温度=前記Ac1+28.17×M-9.3×γp+34.1×Ht+7.21・・・(3)
Ac1=35×前記Cr当量+310・・・(4)
ここで、前記式(3)において、
前記Mは、前記熱延焼鈍板における圧延方向に平行かつ圧延面に垂直な断面のマルテンサイト相の面積率を表す指標であり、
前記Htは、前記熱延板の板厚(単位:mm)である。
【請求項7】
質量%で、C:0.01%以上0.10%以下、Si:0.1%以上1.0%以下、Mn:0.1%以上1.0%以下、P:0.005%以上0.050%以下、S:0.01%以下、Cr:12.0%以上18.0%以下、N:0.01%以上0.10%以下およびAl:0.05%以上0.25%以下を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、下記式(1)で表されるγp値が15以上30以下、下記式(2)で表されるCr当量が17.0以上19.5以下である化学組成を有する鋼スラブを熱間圧延した熱延板に対して行われる熱延板焼鈍および前記熱延板焼鈍後の熱延焼鈍板を冷間圧延した冷延板に対して行われる光輝焼鈍の焼鈍温度範囲を決定する焼鈍温度決定装置であって、
前記鋼スラブの化学組成における各元素の含有量(質量%)および前記熱延板の板厚の値を取得する情報取得部と、
前記熱延板焼鈍における第1焼鈍温度範囲を決定する第1温度決定部と、
前記光輝焼鈍における第2焼鈍温度範囲を決定する第2温度決定部とを備え、
前記第1温度決定部は、前記各元素の含有量(質量%)および前記板厚の値を用いて、下記式(5)におけるMの値が2.0以上10.0未満となるように前記第1焼鈍温度範囲を決定し、
前記第2温度決定部は、800℃以上であって、下記式(4)により表されるAc1の値-50℃以下となるように前記第2焼鈍温度範囲を決定する、焼鈍温度決定装置。
γp=420C+470N+23Ni+9Cu+7Mn-11.5Cr-11.5Si-12Mo-23V-47Nb-49Ti-52Al+189・・・(1)
Cr当量=Cr+1.72Mo+2.09Si+4.86Nb+8.29V+1.77Ti+21.4Al+40B-7.14C-8.0N-3.28Ni-1.89Mn-0.51Cu・・・(2)
Ac1=35×前記Cr当量+310・・・(4)
M={0.0033×γp+0.000355(AT-前記Ac1)-0.0121×Ht-0.00256}×100・・・(5)
ここで、前記式(1)および式(2)の元素記号の箇所には各元素の含有量(質量%)の値が代入され、無添加の元素については0が代入され、
前記式(5)において、
前記ATは前記熱延板焼鈍における焼鈍温度(℃)であり、
前記Htは、前記熱延板の板厚(単位:mm)である。
【請求項8】
請求項7に記載の焼鈍温度決定装置としてコンピュータを機能させるための情報処理プログラム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェライト系ステンレス鋼板等に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
フェライト系ステンレス鋼は、耐食性および耐熱性に優れており、家電製品、調理器具および建築用途等の様々な分野で使用されている。一般に、フェライト系ステンレス鋼板には、成形加工時にリジングが生じ易く、表面の美観が求められる用途の場合、成形加工後のリジングを除去するための研磨工程が行われる場合がある。また、研磨工程ではなくフェライト系ステンレス鋼板に光輝焼鈍仕上げを施すことでも、表面に光沢が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開昭61-253323号公報
特願平4-160117号公報
特開2008-1945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フェライト系ステンレス鋼板に光輝焼鈍仕上げを施すと、耐食性が低下する場合がある。光輝焼鈍仕上げフェライト系ステンレス鋼の耐食性を向上させるために、各種の対策が検討されている(特許文献1~3を参照)。
【0005】
しかし、例えば、特許文献1~3に記載の技術においては、製造条件によっては良好な耐食性が得られない可能性があり、原料コストまたは耐リジング特性の点においても改良の余地がある。
【0006】
本発明の一態様は、優れた耐リジング特性および耐食性を兼ね備えたフェライト系ステンレス鋼板等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るフェライト系ステンレス鋼板は、質量%で、C:0.01%以上0.10%以下、Si:0.1%以上1.0%以下、Mn:0.1%以上1.0%以下、P:0.005%以上0.050%以下、S:0.01%以下、Cr:12.0%以上18.0%以下、N:0.01%以上0.10%以下およびAl:0.05%以上0.25%以下を含有し、残部がFeおよび不純物からなるフェライト系ステンレス鋼板であって、下記式(1)で表されるγp値が15以上30以下、下記式(2)で表されるCr当量が17.0以上19.5以下である化学組成を有し、表面における算術平均粗さRaの値が0.1μm以下であり、圧延方向に平行かつ前記表面でもある圧延面に垂直な断面において、平均結晶粒径が7μm以上であり、かつ、結晶粒径が8μm以下の第1の結晶粒の占める割合が50%未満、結晶粒径が15μm以上の第2の結晶粒の占める割合が7%以上である。
【0008】
γp=420C+470N+23Ni+9Cu+7Mn-11.5Cr-11.5Si-12Mo-23V-47Nb-49Ti-52Al+189・・・(1)
Cr当量=Cr+1.72Mo+2.09Si+4.86Nb+8.29V+1.77Ti+21.4Al+40B-7.14C-8.0N-3.28Ni-1.89Mn-0.51Cu・・・(2)
ここで、前記式(1)および(2)の元素記号の箇所には各元素の含有量(質量%)の値が代入され、無添加の元素については0が代入される。
【0009】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る焼鈍温度決定装置は、質量%で、C:0.01%以上0.10%以下、Si:0.1%以上1.0%以下、Mn:0.1%以上1.0%以下、P:0.005%以上0.050%以下、S:0.01%以下、Cr:12.0%以上18.0%以下、N:0.01%以上0.10%以下およびAl:0.05%以上0.25%以下を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、下記式(1)で表されるγp値が15以上30以下、下記式(2)で表されるCr当量が17.0以上19.5以下である化学組成を有する鋼スラブを熱間圧延した熱延板に対して行われる熱延板焼鈍および前記熱延板焼鈍後の熱延焼鈍板を冷間圧延した冷延板に対して行われる光輝焼鈍の焼鈍温度範囲を決定する焼鈍温度決定装置であって、前記鋼スラブの化学組成における各元素の含有量(質量%)および前記熱延板の板厚の値を取得する情報取得部と、前記熱延板焼鈍における第1焼鈍温度範囲を決定する第1温度決定部と、前記光輝焼鈍における第2焼鈍温度範囲を決定する第2温度決定部とを備え、前記第1温度決定部は、前記各元素の含有量(質量%)および前記板厚の値を用いて、下記式(5)におけるMの値が2.0以上10.0未満となるように前記第1焼鈍温度範囲を決定し、前記第2温度決定部は、800℃以上であって、下記式(4)により表されるAc1の値-50℃以下となるように前記第2焼鈍温度範囲を決定する。
【0010】
γp=420C+470N+23Ni+9Cu+7Mn-11.5Cr-11.5Si-12Mo-23V-47Nb-49Ti-52Al+189・・・(1)
Cr当量=Cr+1.72Mo+2.09Si+4.86Nb+8.29V+1.77Ti+21.4Al+40B-7.14C-8.0N-3.28Ni-1.89Mn-0.51Cu・・・(2)
Ac1=35×前記Cr当量+310・・・(4)
M={0.0033×γp+0.000355(AT-前記Ac1)-0.0121×Ht-0.00256}×100・・・(5)
ここで、前記式(1)および式(2)の元素記号の箇所には各元素の含有量(質量%)の値が代入され、無添加の元素については0が代入され、前記式(5)において、前記ATは前記熱延板焼鈍における焼鈍温度(℃)であり、前記Htは、前記熱延板の板厚(単位:mm)である。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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