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公開番号2025140786
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-29
出願番号2024040366
出願日2024-03-14
発明の名称架橋樹脂発泡体
出願人古河電気工業株式会社
代理人弁理士法人クオリオ,個人,個人,個人,個人
主分類C08J 9/04 20060101AFI20250919BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】
アンモニア等の有害ガスの発生を抑制することができ、また発泡性、形状安定性に優れる架橋樹脂発泡体を提供することを課題とする。
【解決手段】
(A)熱可塑性オレフィン樹脂、及び(B)発泡剤を含有する樹脂組成物を架橋発泡してなる架橋樹脂発泡体であって、
前記架橋樹脂発泡体のゲル分率が35~85%であり、
前記架橋樹脂発泡体のイオンクロマトグラフ法により検出されるアンモニウムイオン濃度が1000μg未満/1g-架橋樹脂発泡体である、
架橋樹脂発泡体。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(A)熱可塑性オレフィン樹脂、及び(B)発泡剤を含有する樹脂組成物を架橋発泡してなる架橋樹脂発泡体であって、
前記架橋樹脂発泡体のゲル分率が35~85%であり
前記架橋樹脂発泡体のイオンクロマトグラフ法により検出されるアンモニウムイオン濃度が1000μg未満/1g-架橋樹脂発泡体である、
架橋樹脂発泡体。
続きを表示(約 300 文字)【請求項2】
発泡倍率が7倍以上である、請求項1に記載の架橋樹脂発泡体。
【請求項3】
前記架橋樹脂発泡体の架橋構造が、前記樹脂組成物中の有機過酸化物の作用、及び/又は、電子線照射の作用により形成されたものである、請求項1又は2に記載の架橋樹脂発泡体。
【請求項4】
前記架橋樹脂発泡体のガスクロマトグラフィー質量分析法により検出されるアウトガスにおいて、抽出量が多い5種の中にシロキサン化合物を含まない、請求項1又は2に記載の架橋樹脂発泡体。
【請求項5】
前記(B)発泡剤が無機炭酸塩を含む、請求項1又は2に記載の架橋樹脂発泡体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、架橋樹脂発泡体に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
樹脂組成物に架橋構造(3次元網目構造)を形成して発泡させることにより得られる架橋樹脂発泡体は、その気泡構造により、軽量性、断熱性、圧縮応力等に優れ、また、樹脂種や発泡剤の選択により所望の耐水性や耐薬品性等を備えさせることができる。そのため、架橋樹脂発泡体は建材、電子製品、自動車、エネルギー機器、医療などの分野で幅広く用いられている。
【0003】
架橋樹脂発泡体の製造に用いられる発泡剤として、アゾジカルボンアミド(ADCA)が広く知られている(特許文献1等)。ADCAは200℃付近で分解が起こり、多量の窒素ガスを発生させることで樹脂組成物に気泡構造を形成させる熱分解型発泡剤である。ADCAは発泡性に優れる一方で、ADCAの熱分解時には窒素ガスの他に一酸化炭素やアンモニア等のガスが発生し、また昇華性の分解残渣であるシアヌル酸等が生成されるため、環境汚染や金属腐食、発泡炉汚染、金型汚染等の問題が生じやすい。そこで、他の発泡剤を併用してADCAの使用量を削減しつつ、さらに高級脂肪酸塩を配合して腐食性を抑えた発泡剤組成物も提案されている。例えば特許文献2には、ADCA、p,p’-オキシビス(ベンゼンスルホノヒドラジド)(OBSH)、炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウム、クエン酸又はその塩、並びに高級脂肪酸塩の各成分を、それぞれ特定量比で含有する発泡剤組成物、この発泡剤組成物を0.01~0.2重量%の割合で配合してなる発泡性熱可塑性重合体組成物が開示されている。特許文献2には、この発泡性熱可塑性重合体組成物を混練押出機から押し出すことにより、発泡倍率が1.01~3倍の低発泡シートが得られること、この発泡性熱可塑性重合体組成物が架橋剤や架橋助剤を含んでもよいことなどが記載されている。
また、発泡剤としてADCAを用いず、他の発泡剤を用いた架橋樹脂発泡体も提案されている。例えば特許文献3には、ポリオレフィン系樹脂、架橋剤、加熱時に分解して炭酸ガスと水蒸気とを発生する炭酸水素ナトリウム及び吸水性樹脂を含有し、該吸水性樹脂の吸水倍率と含有量との積に基づいて定められる吸水能力がポリオレフィン系樹脂100質量部当たり20~1300質量部となるように吸水性樹脂の含有量が設定された原料を混合後加熱し、炭酸水素ナトリウムの分解によって発生する炭酸ガスによりポリオレフィン系樹脂を発泡させることを特徴とするポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法の発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2013-245251号公報
特開平11-021364号公報
特開2007-217639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2に記載の発泡性熱可塑性重合体組成物のようにADCAの配合量を減少させると、上記の通り当該組成物の発泡性は低く、得られる発泡体は発泡倍率に劣るものとなる。また、特許文献2に記載の技術は少量とはいえADCAの使用を前提としており、長期的な観点では環境汚染等の問題を引き起こす恐れがある。
また特許文献3に記載の樹脂発泡体は、上記の通り発泡剤として炭酸水素ナトリウムを使用している。炭酸水素ナトリウムは熱分解により炭酸ガスと水蒸気を発生するため、発泡後に水蒸気が冷却されて水となることで体積が減少し、発泡体の気泡内の圧力が低下して収縮を起こし、発泡体が変形する問題がある。特許文献3に記載の樹脂発泡体はこの問題に対処するために吸水性樹脂を配合し、炭酸水素ナトリウムの加熱分解により生じる水蒸気を吸水性樹脂で吸収することにより発泡体の収縮を抑えている。一方で、吸水性樹脂は雨水や湿気等を吸収してしまうため、発泡体表面の露滴の発生や断熱性の低下の原因とも成り得る。
【0006】
本発明は、アンモニアガス等の有害ガスの発生を抑制しながら、発泡性、形状安定性に優れる架橋樹脂発泡体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、発泡剤にADCAを用いずとも、架橋樹脂発泡体のゲル分率を特定範囲に高めることにより、架橋樹脂発泡体の製造後の収縮や変形等を効果的に抑制できることを見出した。本発明は、これらの知見に基づきさらに検討を重ね、完成されるに至った。
【0008】
すなわち、上記の課題は、以下の手段により解決された。
〔1〕
(A)熱可塑性オレフィン樹脂、及び(B)発泡剤を含有する樹脂組成物を架橋発泡してなる架橋樹脂発泡体であって、
前記架橋樹脂発泡体のゲル分率が35~85%であり、
前記架橋樹脂発泡体のイオンクロマトグラフ法により検出されるアンモニウムイオン濃度が1000μg未満/1g-架橋樹脂発泡体である、
架橋樹脂発泡体。
〔2〕
発泡倍率が7倍以上である、前記〔1〕に記載の架橋樹脂発泡体。
〔3〕
前記架橋樹脂発泡体の架橋構造が、前記樹脂組成物中の有機過酸化物の作用、及び/又は、電子線照射の作用により形成されたものである、前記〔1〕又は〔2〕に記載の架橋樹脂発泡体。
〔4〕
前記架橋樹脂発泡体のガスクロマトグラフィー質量分析法により検出されるアウトガスにおいて、抽出量が多い5種の中にシロキサン化合物を含まない、前記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の架橋樹脂発泡体。
〔5〕
前記(B)発泡剤が無機炭酸塩を含む、前記〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の架橋樹脂発泡体。
【発明の効果】
【0009】
本発明の架橋樹脂発泡体は、アンモニアガス等の有害ガスの発生が抑制され、また発泡性、形状安定性に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の架橋樹脂発泡体は、(A)熱可塑性オレフィン系樹脂、及び(B)発泡剤を含有する樹脂組成物を架橋発泡してなる架橋樹脂発泡体である。この架橋樹脂発泡体のゲル分率は35~85%であり、イオンクロマトグラフ法により検出されるアンモニウムイオン濃度は1000μg未満/1g-架橋樹脂発泡体である。
本発明の架橋樹脂発泡体の好ましい実施形態について説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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