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公開番号2025134910
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-17
出願番号2025105417,2023535275
出願日2025-06-23,2021-12-09
発明の名称低生体内持続性の高温耐性無機繊維
出願人ユニフラックス アイ エルエルシー
代理人個人
主分類D01F 9/08 20060101AFI20250909BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約【課題】カルシアマグネシアシリケート化学の熱安定性を改善しながら、改善された溶融特性および繊維化特性、ならびに製品品質を提供する高温耐性無機繊維を提供する。
【解決手段】高温耐性無機繊維は、72~77.3重量%のシリカ、10.2~15重量%のマグネシア、12.4~17重量%のカルシア、0~1.5重量%のアルミナ、および0~0.6重量%の総アルカリ酸化物を含み、前記繊維は少なくとも1260℃の使用温度を有し、前記繊維は1400℃の温度に24時間曝露した後に5%より大きい収縮率を示す。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
高温耐性無機繊維であって、
72~77.3重量%のシリカと、
10.5~15重量%のマグネシアと、
12.4~17重量%のカルシアと、
0~1.5重量%のアルミナと、および、
0~0.6重量%の総アルカリ酸化物と、
を含み、
前記繊維は、少なくとも1260℃の使用温度を有し、および、
前記繊維は、1400℃の温度に24時間曝露した後、5%より大きい収縮率を示す、高温耐性無機繊維。
続きを表示(約 710 文字)【請求項2】
請求項1記載の繊維において、前記繊維が、11~15重量%のマグネシアおよび13~17重量%のカルシアを含む、繊維。
【請求項3】
請求項1記載の繊維において、前記繊維が、模擬肺液中で6時間後に100ng/cm

-時より大きい溶解速度を示す、繊維。
【請求項4】
請求項1記載の繊維において、前記繊維が、0.1重量%未満のストロンチアを含む、繊維。
【請求項5】
請求項1記載の繊維において、前記繊維が、ストロンチアを含まない、繊維。
【請求項6】
請求項1記載の繊維において、前記繊維が、0~0.5重量%より多い酸化リチウムを含む、繊維。
【請求項7】
請求項1記載の繊維において、前記繊維が、0~0.5重量%より多い酸化カリウムを含む、繊維。
【請求項8】
請求項1記載の繊維において、前記繊維が、0.5~1.1重量%のアルミナを含む、繊維。
【請求項9】
請求項1記載の繊維において、前記繊維が、
73~75.8重量%のシリカと、
11~15重量%のマグネシアと、
13~17重量%のカルシアと、
0.2~1.5重量%のアルミナと、および、
0~0.6重量%の総アルカリ酸化物と、
を含む、繊維。
【請求項10】
請求項1記載の繊維において、前記繊維が、酸化カリウムおよび酸化リチウムを含み、ならびに、酸化リチウムに対する酸化カリウムの重量比が7未満である、繊維。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年12月11日付で出願された「LOW BIO-PERSISTENT HIGH TEMPERATURE RESISTANT INORGANIC FIBERS」と題する米国仮特許出願第63/124,518号の便益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれるものとする。
続きを表示(約 2,600 文字)【0002】
本開示は、無機繊維に関連する。より詳細には、本開示は、低生体内持続性、高温耐性アルカリ土類シリケート(AES)繊維化学に関連する。
【背景技術】
【0003】
AES繊維は、主にアルカリ土類酸化物(例えば、MgO、CaOなど)およびシリカから構成され、しばしば繊維化性能を向上させるために、少量のアルミナ、アルカリ酸化物、または他の添加剤と組み合わされる。綿密な繊維構成設計により、AES繊維は、熱絶縁用途に重要な高温熱安定性を提供し、繊維および繊維製品の製造者および最終使用者の安全性および健康にとって重要な、低生体内持続性であることができる。
【0004】
繊維化可能(すなわち、繊維状にできる)であるために、AES繊維組成物は、通常、60~85重量%の範囲のシリカ含有量を含む。一般的に、AES繊維組成物のシリカ含有量が多いほど、融点が上昇する。したがって、シリカ含有量が多い(すなわち、77重量%より多い)AES繊維は、1200℃以上の温度で優れた熱安定性を提供することができる。ISOFRAX(登録商標)およびISOFRAX(登録商標)1400(Unifrax I LLCから入手可能)は、主に77重量%より多いシリカ含有量を有するマグネシアシリケート化学を含み、1260℃以上で性能を発揮することができる。
【0005】
しかし、高シリカAES繊維の製造は、非常に高い融点および「短い」粘度曲線のため、困難である。「短い」粘度曲線は、繊維化に適した粘度の温度領域が狭いということを意味し、繊維の品質だけでなく、製造上も大きな課題となる。シリカの含有量が多い場合、AES化学は融点が高くなる。例えば、79重量%のシリカを含むマグネシアシリカ化学の液相線温度は1800℃より高くなり、液相線温度での粘度はたった50ポイズ程度と低くなる。液相線温度が高いため、このような溶融物を溶融して繊維化するためには高温が必要である。例えば、前述のマグネシアシリカ化学の原料を溶融してマグネシアシリカ繊維に繊維化するためには、2100℃の温度まで加熱する必要がある。このような高い融点は、炉の条件および設備に厳しい課題を突きつけ、炉の内張り、電極、および繊維化装置などの設備の寿命を著しく劣化させる。高温断熱ウールは、通常、繊維化のために底部から出る溶融ストリームを持つ浸漬電極炉で原料を溶融することによって製造される。高い融点または運転温度は、電極、炉壁、およびスピニングホイール(スピニング法による繊維化工程)の腐食を加速し、それらの寿命を短くする。また、高温で溶融する場合、溶融物と冷却媒体との間の大きな温度勾配により、入力エネルギーの大部分が炉の周囲の冷却媒体に伝達される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1は、高シリカマグネシアシリカ繊維(比較例C4)、高シリカカルシアマグネシアシリカ繊維(比較例C6)、および低シリカカルシアマグネシアシリカ繊維(実施例2)の温度依存性粘度曲線を示したグラフである。
図2は、カルシアマグネシアシリカ繊維の液相線温度を、繊維中のシリカ含有量の関数として示したグラフである。
【発明の詳細な説明】
【0007】
本開示は、カルシアマグネシアシリケート化学の熱安定性を改善しながら、改善された溶融特性および繊維化特性、ならびに製品品質を提供する。本開示のいくつかの態様によれば、カルシアマグネシアシリケート繊維は、1260℃以上の温度で極めて低い収縮率、改善されたブランケット引張強度および繊維指数、改善された溶融および繊維化特性、および/または製造中のエネルギー消費量の低減といった性能を発揮することができる。
【0008】
本開示の無機繊維は、低生体内持続性であり、これは、生理的流体中で低生体内持続性を示すこと、すなわち、無機繊維は、インビトロ試験中に、このような流体、例えば模擬肺液に対して少なくとも部分的に溶解することを意味する。生体内持続性は、ヒトの肺において見られる温度および化学的条件をシミュレートした条件下で、繊維から質量が失われる速度(ng/cm

-時)を測定することによって試験することができる。この試験は、約0.1gのデショット(de-shotted)繊維を、50mlの模擬肺液(「SLF」)に6時間曝露することで行われる。試験システム全体は、人体の温度を模擬するために37℃に保たれている。
【0009】
SLFに繊維を曝露した後に、繊維を回収し、誘導結合プラズマ分光法(Inductively Coupled Plasma Spectroscopy)を用いてガラス成分を分析する。また、「ブランク」のSLFサンプルも測定し、SLFに含まれる元素を補正するために使用する。一旦このデータが得られると、この研究の時間間隔に渡り、繊維が質量を失っていく割合を算出することができる。模擬肺液中の繊維の溶解速度を測定するために、約0.1gの繊維を37℃に温めた模擬肺液を入れた50ml遠心分離管に入れる。これを振盪インキュベーターに6時間入れ、毎分100サイクルで撹拌する。試験終了後、管を遠心分離し、溶液を60mlのシリンジに注ぐ。この溶液を0.45μmのフィルターに通して微粒子を除去し、誘導結合プラズマ分光法でガラス成分を試験する。この試験は、中性に近いpHの溶液または酸性の溶液を用いて実施することができる。特定の溶解速度基準は存在しないが、100ng/cm

-時を超える溶解値を有する繊維は、非生体内持続性繊維であることを示すと考えられる。本開示の無機繊維は、本明細書に記載の生体内持続性試験(6時間後)に従って、少なくとも100ng/cm

-時、少なくとも125ng/cm

-時、少なくとも150ng/cm

-時、少なくとも175ng/cm

-時、または少なくとも200ng/cm

-時の溶解値を示す。
【0010】
模擬肺液の組成を以下に示す:
TIFF
2025134910000002.tif
61
141
(【0011】以降は省略されています)

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