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公開番号
2025119512
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-14
出願番号
2024014446
出願日
2024-02-01
発明の名称
セルロース系繊維、及びセルロース系繊維の製造方法
出願人
オーミケンシ株式会社
,
国立研究開発法人産業技術総合研究所
,
国立大学法人信州大学
代理人
個人
,
個人
主分類
D01F
2/00 20060101AFI20250806BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約
【課題】機械特性に優れつつ、効率的に製造され得るセルロース系繊維を提供することを目的とする。
【解決手段】セルロースに、カーボンナノチューブが集合してなるカーボンナノチューブ粒子を含有させたセルロース系繊維であって、前記カーボンナノチューブ粒子は、前記カーボンナノチューブの塊であるカーボンナノチューブ粉をイオン液体に分散させた分散液から得られるものであり、前記分散液の遠心沈降粒度分布測定により計測される前記カーボンナノチューブ粒子の平均粒径が800nm以下に設定され、繊維径方向の断面視において、前記カーボンナノチューブ粒子の単位面積当たりの粒子数が170~350個/100μm
2
に設定されているセルロース系繊維。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
セルロースに、カーボンナノチューブが集合してなるカーボンナノチューブ粒子を含有させたセルロース系繊維であって、
前記カーボンナノチューブ粒子は、前記カーボンナノチューブの塊であるカーボンナノチューブ粉をイオン液体に分散させた分散液から得られるものであり、
前記分散液の遠心沈降粒度分布測定により計測される前記カーボンナノチューブ粒子の平均粒径が800nm以下に設定され、
繊維径方向の断面視において、前記カーボンナノチューブ粒子の単位面積当たりの粒子数が170~350個/100μm
2
に設定されているセルロース系繊維。
続きを表示(約 720 文字)
【請求項2】
前記カーボンナノチューブ粒子の平均粒径が450~800nmに設定されている請求項1に記載のセルロース系繊維。
【請求項3】
以下の条件:
(1)温度:20±2℃
(2)相対湿度:65±4%
(3)繊維径:10~20μm
(4)繊度:1.2~4.7dtex
(5)つかみ幅:2.0cm
(6)引張速度:20mm/分
で行う糸条の引張試験によって測定される破断伸び-引張強度曲線から算出される引張タフネスが40MPa以上である請求項1又は2に記載のセルロース系繊維。
【請求項4】
イオン液体にカーボンナノチューブの塊であるカーボンナノチューブ粉を添加して分散液を得る準備工程と、
セルロースと、イオン液体と、前記分散液とを混合して原液を調製する調液工程と、
前記原液を紡糸してセルロース系繊維を生成する紡糸工程と、
を包含するセルロース系繊維の製造方法であって、
前記準備工程において、前記カーボンナノチューブ粉の解繊により前記カーボンナノチューブの集合体であるカーボンナノチューブ粒子が前記分散液中に生成するように調製されるセルロース系繊維の製造方法。
【請求項5】
前記分散液の遠心沈降粒度分布測定により計測される前記カーボンナノチューブ粒子の平均粒径が800nm以下に設定され、
繊維径方向の断面視において、前記カーボンナノチューブ粒子の単位面積当たりの粒子数が170~350個/100μm
2
に設定されている請求項4に記載のセルロース系繊維の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルロースに、カーボンナノチューブが集合してなるカーボンナノチューブ粒子を含有させたセルロース系繊維、及びセルロース系繊維の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、複数の繊維材料を組み合わせて機械特性等を向上させた複合繊維が用いられており、かかる複合繊維として、セルロースに、カーボンナノチューブを含有させてなるセルロース系繊維が用いられている。
【0003】
この種のセルロース系繊維として、化学修飾カーボンナノチューブと、セルロース繊維とを含むカーボンナノチューブ含有セルロース繊維が提案されている(特許文献1)。当該セルロース系繊維は、化学修飾カーボンナノチューブと、水と、水溶性キシランとを含む混合液を超音波処理によって分散処理してなるカーボンナノチューブ分散液を調製するカーボンナノチューブ分散液調製工程と、当該調製されたカーボンナノチューブ分散液と、セルロース繊維原料と、当該セルロース繊維原料を溶解可能な非プロトン性極性溶媒及びイオン液体の少なくとも一方と、を混合して紡糸原液を調製する紡糸原液調製工程と、当該調製された紡糸原液を湿式凝固法により凝固させた後に紡糸する紡糸工程と、を実行することによって得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-21151号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のセルロース系繊維は、引張強度、破断伸び、引張弾性率、引張タフネスといった機械特性が十分に優れているとはいい難い。また、特許文献1のセルロース系繊維の製造方法では、紡糸速度を高めることが困難であり、製造効率に優れているとはいい難い。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、機械特性に優れつつ、効率的に製造され得るセルロース系繊維、及び機械特性に優れたセルロース系繊維を効率的に製造し得るセルロース系繊維の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、本発明者らは以下のとおり鋭意研究を行った。すなわち、通常、カーボンナノチューブは、複数が束状に集合してなる塊であるカーボンナノチューブ粉の状態で取引されており、かかるカーボンナノチューブ粉を使用して、セルロースにカーボンナノチューブを含有させたセルロース系繊維を製造する際には、カーボンナノチューブ粉をイオン液体中において、できるだけ1本ずつに解繊した状態となるように、すなわち、完全に解繊した状態となるように分散させたうえでセルロースに混入させることが、機械特性を向上させるうえで好ましいと考えられていた。しかし、本発明者らは、セルロース粉を解繊し過ぎると、かえって機械特性が低下する傾向にあることを知見した。具体的には、カーボンナノチューブ粉を解繊させなさ過ぎても、完全に解繊するまで解繊させ過ぎても機械特性を向上させることはできず、ある程度不完全に解繊させた状態(カーボンナノチューブが集合してなるカーボンナノチューブ粒子)とすることが必要であることを知見した。また、機械特性を向上させ得る解繊の程度は、分散液の遠心沈降粒度分布測定により計測されるカーボンナノチューブ粒子の平均粒径、繊維径方向の断面視におけるカーボンナノチューブ粒子の単位面積当たりの粒子数を指標とすることができ、これらを適切に設定することにより、機械特性を向上させることができ、また製造効率を高めることができることを知見して、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、上記課題を解決するための本発明のセルロース系繊維の特徴構成は、
セルロースに、カーボンナノチューブが集合してなるカーボンナノチューブ粒子を含有させたセルロース系繊維であって、
前記カーボンナノチューブ粒子は、前記カーボンナノチューブの塊であるカーボンナノチューブ粉をイオン液体に分散させた分散液から得られるものであり、
前記分散液の遠心沈降粒度分布測定により計測される前記カーボンナノチューブ粒子の平均粒径が800nm以下に設定され、
繊維径方向の断面視において、前記カーボンナノチューブ粒子の単位面積当たりの粒子数が170~350個/100μm
2
に設定されていることにある。
【0009】
本構成のセルロース系繊維によれば、上記分散液の遠心沈降粒度分布測定により計測されるカーボンナノチューブ粒子の平均粒径を800nm以下に設定し、繊維径方向の断面視において、カーボンナノチューブ粒子の単位面積当たりの粒子数を170~350個/100μm
2
に設定することにより、機械特性に優れたものとなる。また、上記分散液と、セルロースと、イオン液体とを混合して調製した原液から紡糸を行う際の原液の曳糸性が向上するため、紡糸速度を高めることができ、製造効率に優れたものとなる。
【0010】
本発明に係るセルロース系繊維において、
前記カーボンナノチューブ粒子の平均粒径が450~800nmに設定されていることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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