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公開番号
2025119533
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-14
出願番号
2024014488
出願日
2024-02-01
発明の名称
炭素繊維、及び炭素繊維の製造方法
出願人
株式会社豊田中央研究所
,
トヨタ自動車株式会社
代理人
弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類
D01F
9/22 20060101AFI20250806BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約
【課題】繊維間の融着が抑制され、炭素繊維の解舒時の毛羽の発生が抑制され、且つ、高い引張強度と引張弾性率とを有する炭素繊維、及び炭素繊維の製造方法の提供。
【解決手段】炭素繊維の元素分析から求められるリンの含有量が0.6質量%~10質量%であり、窒素の含有量が5質量%以下であり、酸素の含有量が0.3質量%以下であり、前記炭素繊維の単繊維の引張弾性率が150GPa以上である炭素繊維。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
炭素繊維の元素分析から求められるリンの含有量が0.6質量%~10質量%であり、窒素の含有量が5質量%以下であり、酸素の含有量が0.3質量%以下であり、
単繊維の引張弾性率が150GPa以上である炭素繊維。
続きを表示(約 570 文字)
【請求項2】
800本からなる炭素繊維束において、前記炭素繊維束に含まれる炭素繊維の融着率が15%以下である請求項1に記載の炭素繊維。
【請求項3】
前記炭素繊維が、アクリルアミド系ポリマー繊維由来の炭素繊維である請求項1又は請求項2に記載の炭素繊維。
【請求項4】
単繊維の引張強度が1.4GPa以上である請求項1又は請求項2に記載の炭素繊維。
【請求項5】
アクリルアミド系ポリマー繊維の開繊を行った開繊繊維束に耐炎化処理を行う工程を有する炭素繊維の製造方法であって、
前記アクリルアミド系ポリマー繊維の元素分析によるリンの含有量が0.1質量%~10質量%である炭素繊維の製造方法。
【請求項6】
前記耐炎化処理したアクリルアミド系ポリマー繊維に対し、炭化処理を施す工程を、さらに有する請求項5に記載の炭素繊維の製造方法。
【請求項7】
前記耐炎化処理したアクリルアミド系ポリマー繊維の元素分析によるリンの含有量が0.1質量%~10質量%であり、
前記炭化処理を行う工程における最高温度が1350℃~1650℃の範囲であり、
前記炭化処理を施した繊維束における炭素繊維の融着率が20%以下である請求項6に記載の炭素繊維の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、炭素繊維、及び炭素繊維の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
炭素繊維は、軽量で力学特性に優れるため、炭素繊維複合材料は航空宇宙用途、自動車用途、建材用途など様々な用途への展開が進められている。
炭素繊維の製造方法としては、ポリアクリロニトリルやピッチを紡糸して得られる繊維束を前駆体として耐炎化処理を施した後、炭化処理を施す方法が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
ポリアクリロニトリルの紡糸により得られた繊維から作製されたポリアクリロニトリル系炭素繊維は高い力学特性を有するため、最も広範に使用されているが、ジメチルスルホキシドやジメチルホルムアミドなどの有機溶剤を用いた湿式紡糸や乾湿式紡糸により紡糸を行っているため、有機溶剤のリサイクルにエネルギーが必要となり製造コストが高くなるおそれがあった。
一方、ピッチを原料とすると有機溶媒を用いない溶融紡糸による紡糸ができ、かつ耐炎化処理、炭化処理時にシアン化水素は発生しないが、ピッチ系繊維の溶融紡糸は一般的に250℃以上の高い温度が必要であり、繊維自体も比較的脆く、耐炎化処理時に繊維同士の融着や一部繊維の糸切れが生じやすくなることがあった。
【0003】
一方、炭素繊維等の前駆体としてアクリルアミド系モノマーを含有するアクリルアミド系ポリマーは、水溶性のポリマーであり、重合、紡糸等を行う際に、安価であり、且つ環境負荷の小さい水を溶媒として使用することができる。そのため、炭素材料の製造コストの削減が期待される(例えば、特許文献4及び特許文献5)。
しかしながら、特許文献4及び特許文献5に開示のようなアクリルアミド系ポリマーを含む炭素材料前駆体は、熱処理時、特に耐炎化処理時の軟化によって繊維間の融着が生じることがある。このため、得られる炭素繊維においても繊維間の融着が生じることが懸念され、繊維間の融着が生じると、炭素繊維の融着部において強度低下が生じたり、融着部での切断により毛羽等が発生したりするおそれがあった。
また、炭化時に繊維の熱分解等により毛羽が形成すると、炭化後に炭素繊維を巻き芯等に巻き取った後、炭素繊維複合材料用途などに使用するために、炭素繊維を巻き芯等から解舒する際において、更なる毛羽の発生に繋がり、ハンドリング性が低下するおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2006-183159号公報
特開2008-202208号公報
特開平06-10215号公報
特開2022-85514号公報
特開2022-143757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特許文献5では、耐炎化処理された繊維に対し、不活性ガスの雰囲気下、張力を付与しながら加熱処理することで、特定の物性を有する高強度の炭素繊維が得られることが記載されているが、延伸処理における張力の条件によっては、予備炭化時の糸切れ、毛羽の発生等を生じることがある。
【0006】
本開示の実施形態が解決しようとする課題は、繊維間の融着が抑制され、炭素繊維の解舒時の毛羽の発生が抑制され、且つ、高い引張強度と引張弾性率とを有する炭素繊維、及び炭素繊維の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、以下の態様を含む。
<1> 炭素繊維の元素分析から求められるリンの含有量が0.6質量%~10質量%であり、窒素の含有量が5質量%以下であり、酸素の含有量が0.3質量%以下であり、単繊維の引張弾性率が150GPa以上である炭素繊維。
<2> 800本からなる炭素繊維束において、上記炭素繊維束に含まれる炭素繊維の融着率が15%以下である<1>に記載の炭素繊維。
<3> 上記炭素繊維が、アクリルアミド系ポリマー繊維由来の炭素繊維である<1>又は<2>に記載の炭素繊維。
<4> 単繊維の引張強度が1.4GPa以上である<1>又は<2>に記載の炭素繊維。
<5> アクリルアミド系ポリマー繊維の開繊を行った開繊繊維束に耐炎化処理を行う工程を有する炭素繊維の製造方法であって、前記アクリルアミド系ポリマー繊維の元素分析によるリンの含有量が0.1質量%~10質量%である炭素繊維の製造方法。
<6> 上記耐炎化処理したアクリルアミド系ポリマー繊維に対し、炭化処理を施す工程をさらに有する<5>に記載の炭素繊維の製造方法。
【0008】
<7> 上記耐炎化処理したアクリルアミド系ポリマー繊維の元素分析によるリンの含有量が0.1質量%~10質量%であり、上記炭化処理を行う工程における最高温度が1350℃~1650℃の範囲であり、上記炭化処理を施した繊維束における炭素繊維の融着率が20%以下である<6>に記載の炭素繊維の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば繊維間の融着が抑制され、炭素繊維の解舒時の毛羽の発生が抑制され、且つ、高い引張強度と引張弾性率とを有する炭素繊維及び炭素繊維の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示の炭素繊維の製造方法に用い得る開繊装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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