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公開番号
2025121371
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-19
出願番号
2024181275
出願日
2024-10-16
発明の名称
改変したトリ骨髄芽細胞腫ウイルス逆転写酵素
出願人
東ソー株式会社
代理人
弁理士法人秀和特許事務所
主分類
C12N
9/10 20060101AFI20250812BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】熱安定性および/または夾雑物による反応阻害に対する耐性が向上したトリ骨髄芽細胞腫ウイルス(AMV)逆転写酵素を提供する。
【解決手段】以下の(i)から(iii)のいずれかから選択される、AMV逆転写酵素を提供する。
(i)特定のアミノ酸配列の、15の特定のアミノ酸残基から選択される1以上のアミノ酸残基を他の特定のアミノ酸残基に置換するアミノ酸配列を有するAMV逆転写酵素;
(ii)特定の配列を有するアミノ酸であって、前記(i)に示すアミノ酸置換以外にさらに1または数個の位置でのアミノ酸残基の置換、欠失、挿入および付加のうち、いずれか1つ以上を含み、かつ、酵素活性を有するAMV逆転写酵素;
(iii)特定のアミノ酸配列であって、前記(i)のアミノ酸置換を含むアミノ酸配列全体に対し、70%以上の同一性を有し、前記アミノ酸置換が維持された配列を有し、かつ、酵素活性を有する、AMV逆転写酵素。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
以下の(i)から(iii)のいずれかから選択される、トリ骨髄芽細胞腫ウイルス(AMV)逆転写酵素:
(i)配列番号6に記載のアミノ酸配列であって、以下の(1)~(15)から選択される1以上のアミノ酸置換を含むアミノ酸配列を有する、AMV逆転写酵素;
(1)配列番号6の476番目のロイシン残基に相当するアミノ酸残基がグルタミン残基に置換
(2)配列番号6の377番目のバリン残基に相当するアミノ酸残基がイソロイシン残基に置換
(3)配列番号6の550番目のセリン残基に相当するアミノ酸残基がスレオニン残基に置換
(4)配列番号6の691番目のリジン残基に相当するアミノ酸残基がグルタミン酸残基に置換
(5)配列番号6の776番目のアスパラギン残基に相当するアミノ酸残基がリジン残基に置換
(6)配列番号6の332番目のイソロイシン残基に相当するアミノ酸残基がバリン残基に置換
(7)配列番号6の474番目のアラニン残基に相当するアミノ酸残基がスレオニン残基に置換
(8)配列番号6の716番目のスレオニン残基に相当するアミノ酸残基がセリン残基に置換
(9)配列番号6の797番目のリジン残基に相当するアミノ酸残基がアルギニン残基に置換
(10)配列番号6の850番目のリジン残基に相当するアミノ酸残基がアルギニン残基またはグルタミン酸残基に置換
(11)配列番号6の61番目のイソロイシン残基に相当するアミノ酸残基がバリン残基に置換
(12)配列番号6の105番目のバリン残基に相当するアミノ酸残基がアラニン残基に置換
(13)配列番号6の623番目のアスパラギン残基に相当するアミノ酸残基がアスパラギン酸残基に置換
(14)配列番号6の692番目のスレオニン残基に相当するアミノ酸残基がアラニン残基に置換
(15)配列番号6の717番目のグリシン残基に相当するアミノ酸残基がアスパラギン酸に置換;
(ii)配列番号6に記載のアミノ酸であって、前記(1)~(15)から選択される1以上のアミノ酸置換を含むアミノ酸配列であり前記(1)~(15)に示すアミノ酸置換以外にさらに1または数個の位置での1または数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入および付加のうち、いずれか1つ以上を含むアミノ酸配列を有し、かつ、酵素活性を有する、AMV逆転写酵素;
(iii)配列番号6に記載のアミノ酸配列であって、前記(1)~(15)から選択される1以上のアミノ酸置換を含むアミノ酸配列全体に対し、70%以上の同一性を有するアミノ酸配列であり、ただし、前記アミノ酸置換が維持されたアミノ酸配列を有し、かつ、酵素活性を有する、AMV逆転写酵素。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記(1)~(15)から選択される1以上のアミノ酸置換が、少なくとも、(1)のアミノ酸置換を含む、請求項1に記載のAMV逆転写酵素。
【請求項3】
前記(1)~(15)から選択される1以上のアミノ酸置換が、少なくとも、(2)~
(4)のアミノ酸置換を含む、請求項1に記載のAMV逆転写酵素。
【請求項4】
前記(1)~(15)から選択される1以上のアミノ酸置換が、少なくとも、(1)~(5)のアミノ酸置換と、(11)~(15)から選択される1以上のアミノ酸置換とを含む、請求項1に記載のAMV逆転写酵素。
【請求項5】
以下の(iv)から(vi)のいずれかから選択される、請求項1に記載のAMV逆転写酵素:
(iv)配列番号8、10、12、14、16、18、20、26、28、30、32、34、36、38および44のいずれかに記載のアミノ酸配列を有する、AMV逆転写酵素;
(v)配列番号8、10、12、14、16、18、20、26、28、30、32、34、36、38および44のいずれかに記載のアミノ酸配列であって、1または数個の位置での1または数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入および付加のうち、いずれか1つ以上を含むアミノ酸配列を有し、かつ、酵素活性を有するAMV逆転写酵素;
(vi)配列番号8、10、12、14、16、18、20、26、28、30、32、34、36、38および44のいずれかに記載のアミノ酸配列に対して70%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつ、酵素活性を有する、AMV逆転写酵素。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載のAMV逆転写酵素をコードするポリヌクレオチド。
【請求項7】
請求項6に記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
【請求項8】
請求項7に記載の発現ベクターで宿主を形質転換して得られる形質転換体。
【請求項9】
宿主が大腸菌である、請求項8に記載の形質転換体。
【請求項10】
請求項8に記載の形質転換体を培養することでAMV逆転写酵素を発現させる工程と、得られた培養物から発現された前記逆転写酵素を回収する工程とを含む、AMV逆転写酵素の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、改変したトリ骨髄芽細胞腫ウイルス(AMV)逆転写酵素に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)
【背景技術】
【0002】
逆転写酵素の一つであるAMV逆転写酵素は、cDNA合成等に必要な遺伝子工学試薬や遺伝子診断試薬などに利用されている。AMV逆転写酵素には、分子量約63kDaのα鎖および分子量約95kDaのβ鎖の2種類のサブユニットが知られており、このうちα鎖は、タンパク質分解性プロセシングによりβ鎖から形成される。
【0003】
特許文献1には、α鎖とβ鎖のヘテロ二量体(αβ体)が、α鎖のみの場合(α体)またはβ鎖のみの場合(β体)と比較してRNA増幅反応における活性が高く、遺伝子工学試薬や遺伝子診断試薬などの試薬の成分として有用であることが報告されている。
【0004】
特許文献2には、熱安定性を向上させたAMV逆転写酵素としてα体の変異体が開示されている。
【0005】
特許文献3には、熱安定性が向上したAMV逆転写酵素β鎖として、例えばS65G、A583T、G626D、およびA689Vを有する変異体が開示されている。
【0006】
特許文献4には、AMV逆転写酵素β鎖をコードする遺伝子のみを導入した遺伝子組換え大腸菌を用いて、前記遺伝子組換え大腸菌体内で発現させたβ鎖からα鎖を分解生成し、AMV逆転写酵素αβ体を生産する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2003-334095号公報
特開2013-165669号公報
特開2014-209898号公報
特開2013-126402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本開示は、改変したトリ骨髄芽細胞腫ウイルス(AMV)逆転写酵素を提供することを課題とする。具体的には、一態様において、熱安定性が向上したAMV逆転写酵素を提供することを課題とする。また別の一態様において、夾雑物による反応阻害に対する耐性が向上したAMV逆転写酵素を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、AMV逆転写酵素の熱安定性および/または夾雑物による反応阻害に対する耐性を向上させるアミノ酸変異を見出した。すなわち、本開示は以下の態様を提供する。
【0010】
[1]
以下の(i)から(iii)のいずれかから選択される、トリ骨髄芽細胞腫ウイルス(AMV)逆転写酵素:
(i)配列番号6に記載のアミノ酸配列であって、以下の(1)~(15)から選択される1以上のアミノ酸置換を含むアミノ酸配列を有する、AMV逆転写酵素;
(1)配列番号6の476番目のロイシン残基に相当するアミノ酸残基がグルタミン残基に置換
(2)配列番号6の377番目のバリン残基に相当するアミノ酸残基がイソロイシン残基に置換
(3)配列番号6の550番目のセリン残基に相当するアミノ酸残基がスレオニン残基に置換
(4)配列番号6の691番目のリジン残基に相当するアミノ酸残基がグルタミン酸残基に置換
(5)配列番号6の776番目のアスパラギン残基に相当するアミノ酸残基がリジン残基に置換
(6)配列番号6の332番目のイソロイシン残基に相当するアミノ酸残基がバリン残基に置換
(7)配列番号6の474番目のアラニン残基に相当するアミノ酸残基がスレオニン残基に置換
(8)配列番号6の716番目のスレオニン残基に相当するアミノ酸残基がセリン残基に置換
(9)配列番号6の797番目のリジン残基に相当するアミノ酸残基がアルギニン残基に置換
(10)配列番号6の850番目のリジン残基に相当するアミノ酸残基がアルギニン残基またはグルタミン酸残基に置換
(11)配列番号6の61番目のイソロイシン残基に相当するアミノ酸残基がバリン残基に置換
(12)配列番号6の105番目のバリン残基に相当するアミノ酸残基がアラニン残基に置換
(13)配列番号6の623番目のアスパラギン残基に相当するアミノ酸残基がアスパラギン酸残基に置換
(14)配列番号6の692番目のスレオニン残基に相当するアミノ酸残基がアラニン残基に置換
(15)配列番号6の717番目のグリシン残基に相当するアミノ酸残基がアスパラギン酸に置換;
(ii)配列番号6に記載のアミノ酸であって、前記(1)~(15)から選択される1以上のアミノ酸置換を含むアミノ酸配列であり前記(1)~(15)に示すアミノ酸置換以外にさらに1または数個の位置での1または数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入および付加のうち、いずれか1つ以上を含むアミノ酸配列を有し、かつ、酵素活性を有する、AMV逆転写酵素;
(iii)配列番号6に記載のアミノ酸配列であって、前記(1)~(15)から選択される1以上のアミノ酸置換を含むアミノ酸配列全体に対し、70%以上の同一性を有するアミノ酸配列であり、ただし、前記アミノ酸置換が維持されたアミノ酸配列を有し、かつ、酵素活性を有する、AMV逆転写酵素。
[2]
前記(1)~(15)から選択される1以上のアミノ酸置換が、少なくとも、(1)のアミノ酸置換を含む、[1]のAMV逆転写酵素。
[3]
前記(1)~(15)から選択される1以上のアミノ酸置換が、少なくとも、(2)~(4)のアミノ酸置換を含む、[1]のAMV逆転写酵素。
[4]
前記(1)~(15)から選択される1以上のアミノ酸置換が、少なくとも、(1)~(5)のアミノ酸置換と、(11)~(15)から選択される1以上のアミノ酸置換とを含む、[1]のAMV逆転写酵素。
[5]
以下の(iv)から(vi)のいずれかから選択される、[1]のAMV逆転写酵素:(iv)配列番号8、10、12、14、16、18、20、26、28、30、32、34、36、38および44のいずれかに記載のアミノ酸配列を有する、AMV逆転写酵素;
(v)配列番号8、10、12、14、16、18、20、26、28、30、32、34、36、38および44のいずれかに記載のアミノ酸配列であって、1または数個の位置での1または数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入および付加のうち、いずれか1つ以上を含むアミノ酸配列を有し、かつ、酵素活性を有するAMV逆転写酵素;
(vi)配列番号8、10、12、14、16、18、20、26、28、30、32、34、36、38および44のいずれかに記載のアミノ酸配列に対して70%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつ、酵素活性を有する、AMV逆転写酵素。
[6]
[1]から[5]のいずれかのAMV逆転写酵素をコードするポリヌクレオチド。
[7]
[6]のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
[8]
[7]の発現ベクターで宿主を形質転換して得られる形質転換体。
[9]
宿主が大腸菌である、[8]の形質転換体。
[10]
[8]または[9]の形質転換体を培養することでAMV逆転写酵素を発現させる工程と、得られた培養物から発現された前記逆転写酵素を回収する工程とを含む、AMV逆転写酵素の製造方法。
[11]
[1]から[5]のいずれかのAMV逆転写酵素を含む、標的核酸の増幅試薬。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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