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公開番号2025118171
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-13
出願番号2024013318
出願日2024-01-31
発明の名称光学積層体およびその製造方法、ならびに、該光学積層体を用いた光学部材の製造方法
出願人日東電工株式会社
代理人弁理士法人籾井特許事務所
主分類B32B 7/023 20190101AFI20250805BHJP(積層体)
要約【課題】低屈折率層を含む光学積層体であって、導光板と低屈折率層との剥がれが抑制されるに十分な強度を有し、かつ、優れた導光性能を有する光学部材を実現可能であり、さらに、ロール状に巻回しても低屈折率層のキズ、汚染、変形および破損が抑制され得る光学積層体を提供すること。
【解決手段】本発明の実施形態による光学積層体は、引張弾性率が20MPa以上の第1の基材と;第1の基材の一方の主面に設けられた低屈折率層と;低屈折率層の第1の基材と反対側に設けられた、貯蔵弾性率が0.01MPa~10MPaの応力緩和層と;応力緩和層の低屈折率層と反対側に設けられた、引張弾性率が20MPa以上の第2の基材と;を有し、低屈折率層と第1の基材との剥離力が0.5N/25mm以下である。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
引張弾性率が20MPa以上の第1の基材と;
該第1の基材の一方の主面に設けられた低屈折率層と;
該低屈折率層の第1の基材と反対側に設けられた、貯蔵弾性率が0.01MPa~10MPaの応力緩和層と;
該応力緩和層の低屈折率層と反対側に設けられた、引張弾性率が20MPa以上の第2の基材と;
を有し、
該低屈折率層と該第1の基材との剥離力が0.5N/25mm以下である、
光学積層体。
続きを表示(約 660 文字)【請求項2】
前記低屈折率層の前記第1の基材側の表面粗さRzが50nm以下である、請求項1に記載の光学積層体。
【請求項3】
前記第1の基材が、前記低屈折率層側から順に第1の樹脂層と第2の樹脂層とを有する、請求項1に記載の光学積層体。
【請求項4】
前記第1の樹脂層がシクロオレフィン系樹脂を含み、前記第2の樹脂層がポリエステル系樹脂を含む、請求項3に記載の光学積層体。
【請求項5】
前記低屈折率層の屈折率が1.25以下である、請求項1に記載の光学積層体。
【請求項6】
前記低屈折率層の厚みが5μm以下である、請求項5に記載の光学積層体。
【請求項7】
前記低屈折率層のヘイズが5%未満である、請求項6に記載の光学積層体。
【請求項8】
前記応力緩和層の貯蔵弾性率が0.08MPa~0.20MPaであり、厚みが5μm~20μmである、請求項1に記載の光学積層体。
【請求項9】
長尺状であり、ロール状に巻回可能である、請求項1から8のいずれかに記載の光学積層体。
【請求項10】
請求項1から8のいずれかに記載の光学積層体の製造方法であって;
第1の基材に低屈折率層を形成し、第1の積層体を作製する工程と;
該第1の積層体の低屈折率層に、粘着剤層および第2の基材をこの順に設ける工程と;
を含む、製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光学積層体およびその製造方法、ならびに、該光学積層体を用いた光学部材の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
導光板に低屈折率層を形成し、導光板中に導光させる光を光学的にアイソレーション化して、外部因子(例えば、導光板のキズ、汚れ)の影響を極力少なくして導光する技術が知られている。例えば、導光板に粘着剤層を介して低屈折率層が積層された光学シートが知られている。このような技術によれば、粘着剤層に起因する色シフトおよび/または散乱が生じ、導光ロスが生じる場合がある。このような問題を解決するために、導光板に低屈折率層を直接積層する技術が検討されている。しかし、導光板に低屈折率層を直接積層すると、低屈折率層の強度が低いため、積層体の強度としても低くなるという問題がある。
【0003】
さらに、低屈折率層を含む光学部材の製造においては、低屈折率層を含む中間体をロール状に巻き取る際の低屈折率層のキズまたは汚染、巻き締まりによる低屈折率層の変形および/または破損が問題となる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6606518号
特開2023-048451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、低屈折率層を含む光学積層体であって、積層体として十分な強度を有し、かつ、優れた導光性能を有する光学部材を実現可能であり、さらに、ロール状に巻回しても低屈折率層のキズ、汚染、変形および破損が抑制され得る光学積層体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]本発明の実施形態による光学積層体は、引張弾性率が20MPa以上の第1の基材と;該第1の基材の一方の主面に設けられた低屈折率層と;該低屈折率層の第1の基材と反対側に設けられた、貯蔵弾性率が0.01MPa~10MPaの応力緩和層と;該応力緩和層の低屈折率層と反対側に設けられた、引張弾性率が20MPa以上の第2の基材と;を有し、該低屈折率層と該第1の基材との剥離力が0.5N/25mm以下である。
[2]上記[1]において、上記低屈折率層の上記第1の基材側の表面粗さRzは50nm以下である。
[3]上記[1]または[2]において、上記第1の基材は、上記低屈折率層側から順に第1の樹脂層と第2の樹脂層とを有する。
[4]上記[3]において、上記第1の樹脂層はシクロオレフィン系樹脂を含み、上記第2の樹脂層はポリエステル系樹脂を含む。
[5]上記[1]から[4]のいずれかにおいて、上記低屈折率層の屈折率は1.25以下である。
[6]上記[1]から[5]のいずれかにおいて、上記低屈折率層の厚みは5μm以下である。
[7]上記[1]から[6]のいずれかにおいて、上記低屈折率層のヘイズは5%未満である。
[8]上記[1]から[7]のいずれかにおいて、上記応力緩和層の貯蔵弾性率は0.08MPa~0.20MPaであり、厚みは5μm~20μmである。
[9]上記[1]から[8]のいずれかにおいて、上記光学積層体は長尺状であり、ロール状に巻回可能である。
[10]本発明の別の局面によれば、上記[1]から[9]のいずれかの光学積層体の製造方法が提供される。該製造方法は、第1の基材に低屈折率層を形成し、第1の積層体を作製する工程と;該第1の積層体の低屈折率層に、粘着剤層および第2の基材をこの順に設ける工程と;を含む。
[11]上記[10]において、上記製造方法は、得られた光学積層体をロール状に巻回することをさらに含む。
[12]本発明のさらに別の局面によれば、光学部材の製造方法が提供される。該製造方法は、上記[11]の製造方法で得られたロール状の光学積層体を繰り出す工程と;該光学積層体から上記第1の基材を剥離する工程と;上記低屈折率層と導光板とが隣接するようにして、該第1の基材を剥離した該光学積層体と導光板とを積層する工程と;を含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態によれば、低屈折率層を含む光学積層体であって、積層体として十分な強度を有し、かつ、優れた導光性能を有する光学部材を実現可能であり、さらに、ロール状に巻回しても低屈折率層のキズ、汚染、変形および破損が抑制され得る光学積層体を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の1つの実施形態による光学積層体の概略断面図である。
本発明の実施形態による光学積層体の製造方法における一工程を説明する概略断面図である。
本発明の実施形態による光学積層体の製造方法における別の一工程を説明する概略断面図である。
本発明の実施形態による光学積層体の製造方法におけるさらに別の一工程を説明する概略断面図である。
本発明の実施形態による光学積層体を用いた光学部材の製造方法における一工程を説明する概略断面図である。
本発明の実施形態による光学積層体を用いた光学部材の製造方法における別の一工程を説明する概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。なお、見やすくするために、図面は模式的に表されており、図面における光学部材の各構成要素の厚み、サイズならびに構成要素間の厚み等の相互の比率は、実際とは異なっている。
【0010】
A.光学積層体の全体構成
図1は、本発明の1つの実施形態による光学積層体の概略断面図である。図示例の光学部材100は、第1の基材60と、第1の基材60の一方の主面(図示例では上側の主面)に設けられた低屈折率層20と、低屈折率層20の第1の基材60と反対側に設けられた応力緩和層30と、応力緩和層30の低屈折率層20と反対側に設けられた第2の基材40と、を有する。本発明の実施形態においては、応力緩和層の貯蔵弾性率は0.01MPa~10MPaであり、第1の基材および第2の基材の引張弾性率はそれぞれ20MPa以上であり、低屈折率層と第1の基材との剥離力は0.5N/25mm以下である。このような構成であれば、接着剤も粘着剤も介さずに導光板に低屈折率層が積層された光学部材であって、導光板と低屈折率層との剥がれが抑制されるに十分な強度を有し、かつ、優れた導光性能を有する光学部材を実現し得る。すなわち、本発明の実施形態による光学積層体は、このような光学部材の中間体であり得る。より詳細には以下のとおりである。光学積層体の第1の基材が剥離され、さらに、第1の基材が剥離された光学積層体の低屈折率層側を接着剤も粘着剤も介さずに導光板に積層することにより、光学部材が得られ得る。光学積層体が低屈折率層に隣接して(得られる光学部材における導光板と反対側に)上記のような貯蔵弾性率を有する応力緩和層を含むことにより、得られる光学部材の積層体としての強度が確保され得る。このような構成はさらに、光学積層体をロール状に巻回しても低屈折率層のキズ、汚染、変形および破損を抑制し得るとともに、得られる光学部材において優れた導光性能を実現し得る。さらに、光学積層体が低屈折率層の一方の側に応力緩和層を含み、他方の側に第1の基材を含むことにより、低屈折率層の露出が防止されるので、搬送時の低屈折率層のキズ、汚染、変形および破損が抑制され得る。加えて、低屈折率層と第1の基材との剥離力が上記のような範囲であることにより、第1の基材の剥離の際の剥離不良が抑制され得る。上記の相乗的な効果により、第1の基材が剥離された光学積層体(の低屈折率層側)は、接着剤も粘着剤も介さずに導光板に積層され得る。接着剤も粘着剤も介さずに導光板に低屈折率層が積層された光学部材は、粘着剤等に起因する色シフトおよび/または散乱を抑制し、結果として導光ロスを抑制し、優れた導光性能を実現し得る。したがって、本発明の実施形態による光学積層体を用いて得られた光学部材は、積層体として十分な強度を有し、かつ、優れた導光性能を有し得る。
(【0011】以降は省略されています)

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