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公開番号2025115096
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-06
出願番号2024009441
出願日2024-01-25
発明の名称流体デバイス
出願人セイコーエプソン株式会社
代理人弁理士法人樹之下知的財産事務所
主分類B01D 49/00 20060101AFI20250730BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】超音波による微粒子の捕捉効率が高い流体デバイスを提供する。
【解決手段】流体デバイスは、超音波を用いて流体中の微粒子を分離する流体デバイスであって、流体が流れる流入流路と、前記流入流路から前記流体が流入し、前記超音波によって第一方向に沿って定在波が形成される分離部と、前記分離部から前記流体が流出する第一流出流路と、前記分離部から前記流体が流出する第二流出流路と、を備え、前記流入流路は、前記分離部の一端側に接続され、前記第一流出流路は、前記分離部の前記一端側とは反対の他端側に前記流入流路に対向して接続され、前記第二流出流路は、前記分離部の前記他端側で、前記第一方向において前記第一流出流路とは異なる位置に接続され、前記流入流路は、前記分離部に近づくにつれて流路径が大きくなる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
超音波を用いて流体中の微粒子を分離する流体デバイスであって、
流体が流れる流入流路と、
前記流入流路から前記流体が流入し、前記超音波によって第一方向に沿って定在波が形成される分離部と、
前記分離部から前記流体が流出する第一流出流路と、
前記分離部から前記流体が流出する第二流出流路と、を備え、
前記流入流路は、前記分離部の一端側に接続され、
前記第一流出流路は、前記分離部の前記一端側とは反対の他端側に前記流入流路に対向して接続され、
前記第二流出流路は、前記分離部の前記他端側で、前記第一方向において前記第一流出流路とは異なる位置に接続され、
前記流入流路は、前記分離部に近づくにつれて流路径が大きくなる、
流体デバイス。
続きを表示(約 470 文字)【請求項2】
前記分離部は、前記一端側で前記第二流出流路に対向する位置に前記第二流出流路から離れる方向に凹状となる凹部を備える、
請求項1に記載の流体デバイス。
【請求項3】
前記凹部は、前記流入流路から前記第一流出流路に向かう第二方向と、前記第一方向とを含む面で断面した断面形状が半円形または半楕円形である、
請求項2に記載の流体デバイス。
【請求項4】
前記流入流路及び前記第一流出流路は、前記第一方向に交差する第二方向に沿って延伸する、
請求項1に記載の流体デバイス。
【請求項5】
前記第一流出流路は、前記分離部から離れるにつれて流路径が小さくなる、
請求項1に記載の流体デバイス。
【請求項6】
前記第二流出流路は、前記分離部から離れるにつれて流路径が小さくなる、
請求項1に記載の流体デバイス。
【請求項7】
前記分離部は、前記第一方向に直交する平坦面を有する、
請求項1に記載の流体デバイス。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、流体デバイスに関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、流体中の微粒子を音響集束させる流体デバイスが知られている。例えば、非特許文献1に開示される流体デバイスは、超音波素子から流路内に超音波を送信して定在波を形成させる。この流体デバイスでは、流入流路から、流入流路よりも流路幅が大きい分離部に流体が導入され、当該分離部に流路幅方向に沿って超音波素子により定在波を発生させる。これにより、分離部を流れる流体中の微粒子が、定在波の圧力勾配によって、定在波の節の位置で捕捉される。また、分離部の流入流路とは反対側(下流側)には、流入流路に対向する第一流出流路と、第一流出流路から幅方向にずれた位置に設けられた第二流出流路とが接続される。これにより、第一流出流路から微粒子の濃度が大きい濃縮流体が流出し、第二流出流路から微粒子の濃度が小さい希釈流体が流出する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
E. Benes、他9名、“THE ULTRASONIC h-SHAPE SEPARATOR: HARVESTINGOF THE ALGA SPIRULINA PLATENSIS UNDER ZERO-GRAVITY CONDITIONS”、WCU 2003, Paris, september 7-10, 2003、p1631-1638
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の流体デバイスでは、一定の流路幅の流入流路から、急激に流路幅が大きい分離部に流体が流入する。このため、分離部おいて、乱流が発生しやすく、定在波による微粒子の捕捉効率が低下する、との課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第一態様に係る流体デバイスは、超音波を用いて流体中の微粒子を分離する流体デバイスであって、流体が流れる流入流路と、前記流入流路から前記流体が流入し、前記超音波によって第一方向に沿って定在波が形成される分離部と、前記分離部から前記流体が流出する第一流出流路と、前記分離部から前記流体が流出する第二流出流路と、を備え、前記流入流路は、前記分離部の一端側に接続され、前記第一流出流路は、前記分離部の前記一端側とは反対の他端側に前記流入流路に対向して接続され、前記第二流出流路は、前記分離部の前記他端側で、前記第一方向において前記第一流出流路とは異なる位置に接続され、前記流入流路は、前記分離部に近づくにつれて流路径が大きくなる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本開示の一実施形態に係る流体デバイスを模式的に示した断面図。
本実施形態の分離部の拡大断面図。
従来例の流体デバイスの分離部を流れる流体の流れを示す模式図。
本実施形態の流体デバイスの分離部を流れる流体の流れを示す模式図。
本実施形態の流入流路のテーパ形状を示す模式図。
本実施形態の流入流路のテーパ形状の他の例を示す模式図。
変形例1の流体デバイスの分離部を流れる流体の流れを示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本開示の一実施形態の流体デバイスについて説明する。
(流体デバイスの構成)
図1は、本実施形態の流体デバイス10を模式的に示した断面図である。図2は、本実施形態の分離部30の拡大断面図である。
流体デバイス10は、図1に示すように、流入流路20と、分離部30と、第一流出流路40と、第二流出流路50と、超音波素子60とを備える。
本実施形態の流体デバイス10において、流入流路20から分離部30に、微粒子を含む流体が流入される。ここで、流入流路20から分離部30に流体が流入される流入方向をX方向とする。X方向は本開示の第二方向である。
分離部30の一端側は、X方向における-X側であり、分離部30の他端側は、X方向における+X側である。
また、図1において、紙面の上下方向は、X方向に交差(直交)するZ方向であり、本開示の第一方向である。本実施形態では、図1に示すように、分離部30の-Z側の平坦面31と、+Z側の平坦面32との間で、超音波が反射されることでZ方向に定在波SW形成される。なお、図1において、定在波SWとして複数の横線(X方向に平行な線)で表しているが、これらの横線は定在波SWの節の位置の例を示している。
【0008】
流入流路20は、分離部30の一端側である-X側に接続され、+X側に向かって流体を流入する。
この流入流路20は、分離部30に向かうにしたがって、流路径(流路幅)が大きくなるテーパ状に形成され、分離部30での乱流の発生を抑制する。すなわち、流入流路20の-X側端部は、流体デバイス10に流体を導入する導入管(図示略)が接続される。したがって、流入流路20の-X側端部の流路径は導入管の流路径D

と略同一に形成され、例えば、3mmから4mmの孔径となる。一方、分離部30内では、定在波SWの節の位置で微粒子を捕捉させる。このため、定在波SWを形成できるように平坦面31,32が所定距離に設定され、当該平坦面31,32の間の距離は流入流路20よりも大きい距離となる。このような流体デバイス10では、分離部30で超音波の圧力勾配に抗する流体の流れ、つまり、分離部30内での乱流を抑制する必要がある。このため、本実施形態の流入流路20は、分離部30に向かうにしたがって流路径が大きくなるように、テーパ状に形成され、流入流路20の+X側開口端の流路径D

は、-X側開口端の流路径D

より大きくなる。これにより、流路径を拡大することで層流を維持しつつ、分離部30に流入する流体の流速を低減させる。
なお、流入流路20のテーパ形状の詳細な説明に関しては後述する。
【0009】
分離部30は、流入流路20から流入した流体から微粒子を分離し、分離した流体が多く含まれる濃縮流体を第一流出流路40に流し、微粒子が分離された希釈流体を第二流出流路50に流す。
具体的には、分離部30の-X側で、かつ+Z側には、上述のように流入流路20が接続される。また、分離部30の+X側で、かつ+Z側、つまり、流入流路20に対向する位置には、第一流出流路40が接続される。そして、分離部30の+X側で、かつ-Z側には、第二流出流路50が接続される。
【0010】
そして、分離部30には、流体中に定在波SWを発生させる超音波素子60が設けられている。この超音波素子60は、分離部30のZ方向に定在波SWを発生させるものであればいかなる構成であってもよい。
例えば超音波素子60として、圧電体に対して電圧を印加することで、圧電体自体を振動させて超音波を送信するバルク型超音波素子を用いてもよい。この場合、分離部30に超音波が伝搬できればよく、超音波素子60の配置位置は特に限定されず、流体デバイス10の任意の位置に超音波素子60を配置できる。例えば、分離部30の+Z側または-Z側に超音波素子60を設けてもよい。X方向及びZ方向に直交する方向をY方向として、分離部30の+Y側または-Y側に超音波素子60を設けてもよい。或いは、分離部30から離れた位置に超音波素子60が設けられていてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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